tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2%インフレ目標は達成ですね。それで?

2022年04月14日 14時49分10秒 | 経済

このたびの物価上昇は「悪いインフレ」だと言われるようですが、ともかく、政府・日銀の懸案のインフレ目標「2%」達成されることになるようです。

試しに計算してみますと昨年4月の消費者物価指数は99.1、今年の3月の東京都区部の速報値は101.1です。

割り算をしますと102.0です。来月4月の東京都区部の数字が出、再来月に全国の数字が出て確定ということにあるのでしょうが、4月の数字が上記の101.1を上回ることはほぼ確実ですから、多分4月段階でインフレ目標2%は達成ということになるのでしょう。

思い出すのは昨年の2月、日経平均が3万円を記録したとき、当時の菅総理が「3万円は目標のまた目標だった」大変素直に喜んでいたことです。

今はまた26.000円台に落ちて来ていますが、日本経済をどうするかを考える立場の総理大臣が、3万円になったと喜ぶだけでは困ったものでしかありません。「朝は雨だったけど、お天気なってよかったね」とは違うのです。

ところで、2%インフレが達成されて「良かったね」ではなくて、ではこれからの日本経済をどうするかという段階に入るので、さて、次の目標は何で、そのために何をするか、が決まっていて初めて経済政策、金融政策の役割が意味を持ってくるという事でしょう。

ところがこの段階になっても、日銀は異次元金融緩和をと当分のところ維持ということで、特に新しい目標への言及はありません。

日銀としては、異次元金融緩和を続けて、やっと2%インフレ目標が達成出来たのですから今度は政府の番ですよというのでしょうか。

また政府にしてみても、早晩2%インフレ目標が達成出来るという事は当然見えていると思いますが、ここまで来たら次はこの手につなげていくなどといった計画や構想のお話などは、特に聞こえてきません。

アベノミクスの時から、国民は耳にタコが出来るほど聞かされている経済運営の目標が達成できるのに、国民生活は、よくなるどころかかえって悪くなっているような状況の中で、政府は国民に何と説明してくれるのでしょうか。

いや、今度のインフレは「悪いインフレ」で政府が目指したものとは違うのだから、目標達成ではないのです、などと言われそうな感じもするのですが、それならそうと最初から「こういうインフレが目標です」と国民に解り易く説明しておくべきだったのでしょう。

やっぱり資源価格が上がって、円安になったからインフレになったというのでは駄目でしょうか、外国もインフレだから駄目だというのでしょか。日本だけがインフレでないと駄目なのでしょうか。

色々考えてみても、政府・日銀の考えている2%インフレ目標が、そんなに結構な物なのかという事はさっぱり解りません。

この際、政府・日銀は、国民に対して、何で2%インフレが良くて、しかし、現在のインフレは悪いのか、これを良いインフレにすることは出来ないのか、出来そうないのなら、それなら次はどういう目標を掲げるのか、国民に対して、よく解るように、確りと説明責任を果たしてもらいたいと思うのですが、国民の皆様は、どう感じておられるのでしょうか。

輸入物価指数、企業物価指数の3月分発表

2022年04月13日 13時38分10秒 | 経済
       主要3物価須数の動き (2021年1月基準、表示は上昇分%)

                 資料;;総務省、日本銀行

いよいよインフレが始まるのではないかという見方が多くなっています。このブログでは、物価問題についての多少正確な理解をしてみたいと考えました。

そこで、今一番インフレ要因として心配されている海外物価の上昇と円安とを直接受ける輸入物価指数、それが消費者に届く途中の製造加工段階の物価である企業物価指数、消費者に届いた時の値段を調べている消費者物価指数という3つの物価指数がどういう動きをするのかをグラフにすることにしました。

4月5日のブログで、それをやってみる事に決め、海外の資源価格などが上がり始めた2021年の1月からのグラグをつくりました。そしてそれを毎月新しく発表される数字で伸ばしていけば、海外で物価が上がった場合、消費者物価にどんな影響が出るかが見えてくるのではないかと思ったからです。

昨日日銀から、3月までの輸入物価指数と、企業物価指数が発表になりましたので、早速2月分と3月分を付け加えてみました。(前回は1月まで)

結果は上のグラフの通りです。1月、輸入物価は上げ止まったかに見えましたが、2月、3月と急上昇に変わりました。円安の影響が大きかったのでしょうか。それにつれて、企業物価指数も上昇することになっています。

消費者物価の発表はまだ2月までで3月分の発表は5月初めになるのでしょうが、1月、2月とじりじり上昇し始めた消費者物価指数がどう動くか、発表が待たれるところです。(因みに、3月分が発表になっている「東京都区部」(速報値)を入れてみますと2021年1月に比し2月は0.9、3月は1.3%の上昇となっています)

(消費者物価指数は総務省の調査、輸入物価指数と企業物価指数は日本銀行調査です。輸入物価指数と企業物価指数は「速報値」ですから、後から確報値になる時、修正されることもあります。ただし通常、それほど大きい物ではありません。グラフの感じが多少変わることもあるかと思いますが、その点ご理解ください)


あと1年、黒田日銀の政策は?

2022年04月12日 22時06分30秒 | 経済
2発のバズーカ砲、異次元金融緩和で30年にわたる円高時代からの脱出で出発した黒田日銀の目の覚めるような活躍から9年、期待された日本経済の活性化は思うように実現しないという不本意な状況の中で、黒田日銀もあと1年になりました。

金融専門家の間でも、この所の異常な円安、下げ止まらない日経平均といった状況の中で、政策転換をの声もあるようですが、黒田総裁はまだ、円安のメリットの方が大きいとのご意見のようです。

確かに当面の安全を考えれば、円安に振れても大きな間違いはないでしょうし、政策転換と言っても、では具体的のどうすると言われて即答される方もないようです。

ただ、10年ゼロ金利というのは30年の円高不況に比べれば未だましかもしれませんが、正常な経済状態ではないことも確かでしょう。

ゼロ金利というのは、カネの(希少)価値がないという事でしょう、金は何処にでもあるから、貯めてみても利息は付かないし、借りて使っても金利はそれほどの負担にはならない、ということでしょう。

では本当に金に価値が無いのかというとそうではなくて所得格差が問題になり、カネに困る貧困家庭は増えているのです。

価値のあるカネを、金利についてだけ、人為的に価値がないと仮定して経済を動かそうというのが今の金融政策です。

事の起こりは今の変動相場制にあるのでしょう。為替レートは国際投機資本という金融マーケットのメジャーリーグ・プレーヤーの思惑、胸三寸で決まるようで、日本円のレートを30年も異常な円高に放置したのも、黒田日銀が異次元金融緩和・ゼロ金利に変えれば、たちどころに$1=¥80から¥120にするのも、マーケットです。

こうして、金利というのは伝統的なカネ(資本)の需給によって決まるという自然現象によるものではなく、人為的に金をジャブジャブにすれば金利が下がり、金利が下がれば通貨価値が下がる(円安になる)といった事も可能になったのです。

これは丁度、時間が経てば時計の針が回るのを、時計の針を回して時間を経たせることも可能(アインシュタインでも無理でしょう)になったようなものです。

こうして、人為的に異次元金融緩和にし、円高を大幅に円安に転換させた結果、カネの需給に関係なく貸しても借りても利息はほんの少しという異常な経済環境がこのところずっと続いているのです。

そして今度は、アメリカがインフレ対策で金利を上げることになって、それが原因で一層の円安になっています。

さらに、今度の円安は「悪い円安」など言われたり、円安になれば当然輸入物価が上がるので、これは「悪いインフレ」などと勝手に名づけられ、そのせいか証券市場では円安で上がるはずの日経平均が暴落状態になったりしているのです。(国際情勢もあるのでしょうが)

こうした事が起こるのも、多分、多様な経済環境の変化の中で起きる望ましくない経済現象の対策が、金融政策に依存し過ぎている事によるのでしょう。

金融政策は万能ではありません。経済の混乱で異常な金融政策を取るというのは恐らく点滴か、鎮痛剤のように、急性の症状に適用すべきもので、後は生体の回復力で治していくというのが正しい使い方ではないでしょうか。

今の日本経済は、そんな目で見ていくべきで、金融政策に寄りかかりすぎでは本当の健康体にはなれないという事ではないでしょうか。

ウクライナ問題、世界のこれからを決める戦い

2022年04月11日 22時30分41秒 | 国際関係
当初はあまり長いものにはならないだろうと言われていたロシアのウクライナ侵攻問題が、長期戦になりそうといった見方が強くなっています。

ロシアは当初、ウクライナを早期に全面降伏させ、NATOの東漸を阻止できると考えていたのでしょう。
プーチンもウクライナがロシアの援助を求めていると国民に言い聞かせながら自分も多少そう思っていたのではないでしょうか。

然し現実は、かつてのソ連邦から独立して国々はロシアの圧政に強い反感を持っていたという事に次第に気付いているのではないでしょう。
しかし誤った情報と誤った信念で、築き上げたロシアの世論、自分の権威を否定するわけにはいきません。権威を失う事はプーチンの最も恐れる所でしょう。

情報操作の結果と考えられる80%を超える支持率に応えなければ、プーチン自身の権威が失われます。それはプーチンにとっては破局でしょう。
今や、何はともあれ、ウクライナ東部の一部でも「開放した」という実績が必要という所に来て、破局回避に全力を挙げるほかなしという状態になったのではないでしょうか。

現実に、いまロシアは、ウクライナ東部に戦力を集中、独立宣言を承認した地域の制圧を目指して大規模な作戦を仕掛けるというのが、いまマスコミを通じて我々が得ている情報です。

ウクライナは、これに対して、準備はは出来ている。我々は負けないと最大限の頑張りを見せているようです。

NATOは勿論、EU、アメリかも、ウクライナに最新鋭の武器供与を中心に、自由と民主主義を守るための協力を明確にしていることは連日報ぜられています。

テレビでも、「ウクライナはヨーロッパのために戦ってくれている」というヨーロッパの人たちの言葉をよく聞きます。
これを我々が翻訳すれば、「ウクライナが自由と民主主義のために独裁者(専制主義)と闘ってくれている」ということになり、バイデンさんの意識と同じことになるのでしょう。

現象としてはウクライナにおける戦争という事ですが、世界史の視点で見れば、明らかに自由・民主主義の世界と独裁・専制主義の残滓との闘いという事ではないでしょうか。

プーチンという19世紀型(正確には100年前?)の国家を理想とする一国のリーダーが20年余をかけ無理を重ねて作り上げた19世紀型の専制国家ロシアが、今日、人類の大多数が自由な思想と民主主義という政治体制の中で作り上げてきた平和で豊かで快適な生活のできる国々の中の偶々隣国であるという理由で、ウクライナという国を侵略するというアナクロニズムに対して、自由世界が否応なしに戦わなければならないという事になってしまったのです。

人類世界が、今回の独裁国家ロシアの暴挙に対して、人類社会に独裁国家は不要だという事を明確にするかどうかが、今後の人類社会の平和と安定に、大きく関係するということであってみれば、これは、地球上に未だに残る独裁国家の今後の在り方を大きく左右する、いわば第三次世界大戦とも言うべき世界の在り方の戦いであるのかもしれません。 

ウクライナにおける戦火の拡大を如何に抑えるかと同時に、この問題の解決が世界史の中で、世界をより良いものにするための契機にするという難題を、国連を中心に自由と平和を良しとする国々と人々の努力によって、地球人類が成功することを強く願う所です。

花壇のチューリップ満開に

2022年04月10日 14時56分19秒 | 環境



今日は日曜日です。もう長らく「毎日が日曜日」の生活ですが。やっぱり土曜日、日曜日というと何となくのんびりした気分になってくるのも長いサラリーマン生活の結果の習性でしょうか。

コロナで、人の来訪もないので、全くのんびりというのもあるのかもしれませんが、テレビをつければ二ュースはウクライナの惨状を写してくれます。

心のどこかに痛みを感じながらも、やっぱりせっかくの日曜日、天気もいいので、少し世界情勢は忘れてと、申し訳ありませんが、自己都合が先に出ます。

先日は玄関横の原種のチューリップにホッとする自然を感じましたが、我が家の狭い庭の最もいい場所を占める花壇では、100球2000円のチューリップが満開になりました。

昨年暮れ、例年通り球根を買おうとネットで探しましたが、コロナのせいか入荷が遅れるし入荷量が少ない様子で、一昨年は100球1000円の「売れ残り 取り纏め」の球根も品薄で、2000円になっていました。

それでも 春になれば、きちんと芽が出て、このところ連日開花が増え、花茎も伸びて立派になって来ました。
今日は殆ど咲き揃ったという感じです。

球根が大小かなり不揃いだったこともあって、花丈も花の大きさもは揃っていませんが(拡大写真)、かえって自然の趣が出ているような気がして「それもいいか」といったところです。

チューリップの根元に、チューリップのものではない葉がありますが、これはリュウキンカの葉です。
去年の暮、花壇の土を耕して均した時にリュウキンカの種が拡がったのでしょうか、春先から小さなリュウキンカが一面に育ってきて、その間からチューリップの芽が出て伸び、今日に至って満開といったことになっています。

自然は、人間が考えもしない事をやってくれますが、それは自然にお任せして、今年は未だ花をつけないリュウキンカの無数の株は、チューリップの後、例年通り畑にして、キュウリ、ナス、ミニトマトを植える時にどうするか考えようという事にしています。 

民主主義の「トリセツ」が必要な時代

2022年04月09日 16時48分36秒 | 政治
最近は何事によらず「トリセツ」という言葉か聞かれます。
もともとは家電製品などを買うとついてくる「取扱説明書」というのが一般的だったのですが、今は略して「トリセツ」というようです。

昔から「取扱説明書」というのは解りにくいというのが一般的で、恐らくは、それを解り易くしようという事で、まず名前を「トリセツ」にして、中身も読めばすぐわかるようにしようというのが「トリセツ」の意図だったのではないかと思っています。

そういうものが出来るのだったら、是非作って頂きたいと思うのが「民主主義のトリセツ」です。

民主主義というのはいい物だと思っている人が人類のほとんどでしょうけれども、それでは民主主義という事で世界中がうまくいっているかと言うとなかなか上手く行かないのが現実でしょう。

それなら、みんなに簡単によく解るような民主主義の「トリセツ」を作って、それが指摘している点を組織のメンバーや国民がきちんと守っていけば、組織や国が立派な民主的な組織、民主的な国家になるという訳にはいかないでしょうかという事です。

今日現在も、ウクライナに侵攻して残虐な破壊と殺戮を重ねているロシアも形は民主主義国です。アメリカも根っこからの民主主義国ですが、トランプさんが大統領だった時は、どう見ても立派な民主主義国とは言えませんでした。

卑近な例では、安倍総理の下の8年余の日本も、民主主義国家とは言えそうもないことが罷り通っていたと思っている人も少なくないでしょう。

こんな現実を経験しますと、やっぱり「民主主義のトリセツ」という便利なものがあって、それが指摘しているような事に国民が確り気を付けて行けば、民主主義国家として上手下手はあるにしても、おおきな逸脱をすることありません、というものがあると良いなとつくづく思います。

そんなものが出来るはずがない。家庭教育、学校教育、社会教育でしっかり勉強して、広い知識と判断力を国民が身に着けて、初めて民主主義という良い制度を上手く利用することが出来るようになるので、そんな簡便法の様なことで出来ることではない、と仰せられる方も多いと思います。

それは勿論その通りでしょう。それが良き民主主義の組織や国家を創る基本であることに異論はないと思います。

しかし、そうした基礎固めに不断の努力をしながら、同時に、「これをしてはいけません」、「これを守らないと大失敗の可能性があります」などと言う、経験から真理を言い当てるような「トリセツ」もやっぱり必要なような気がします(人間には感情や油断がありますから)。

そんなことで、私なりに2つほど「トリセツ」の項目になりそうなものを挙げてみました。
こんなのを10ほど集めたら、民主主義は大分安全な良いものになるような気がするのですがいかがでしょうか。

1、 過去の経験から、リーダーの最長任期を決めたら、それを伸ばそうとする人をリーダーに選んではいけない。
2、 自分も嘘(Fake)言いながら、他人の言う事を嘘(Fake)だと言う人をリーダーに選んではいけない。
3、 (以下宜しくお気づきのことを上げて頂ければ幸甚です)

多くの人の知恵で、民主主義がより良い物になりますように。

原種のチューリップ咲く

2022年04月08日 11時19分56秒 | 環境



わが家の玄関脇、窓の下の狭いスペースに毎年原種のチューリップの生えるレンガの囲いがあります。

その先は隣家との塀で、その塀際には毎年早春にリュウキンカが咲き、今年もこのブログに載せました。

窓の下のレンガの囲いの中は、リュウキンカの咲き始める頃に薄緑のとがった芽が出て来て、次第にびっしりと延びて来ます。
そして3月の中旬ぐらいに気が付くと 細いけれども確りとした花茎が伸びてきて、先には細筆のような蕾がついています。

今年は3本伸びて来ました昨年は5本でしたがばらばらという感じでした。
今年はたまたま右端の方に3本が並んで伸び、左側の方は一面の葉っぱだけということになりました。

昨日までは30㎝ほど伸びた細い花茎の先に、これまた細い直径5=6㎜の蕾が3~4cmの長さになっていました。

未だ咲きそうにないなと思っていたのですが、今朝新聞をとりに行ったときびっくり、
3輪ならんんで綺麗に「はいこれがチューリプの原型です」と言わんばかりに揃い咲きです。

これは画になりそうだとおもって、日の当たる時間を待って撮ったのが上の写真です。 
拡大すると咲いたばかりの白い花弁(裏側には赤い筋)の艶やかな感じが出たのですが、どうでしょうか。

世界中騒然とした中での、小さな清涼剤にでもなればと思って載せました。
 

2022年2月「平均消費性向」微増

2022年04月07日 15時34分56秒 | 経済
4月5日、「家計調査報告」の2月分が発表になりました。

1月の家計調査が年末までの鬱憤を晴らすような動きを見せたので、続いて2月も消費の活発化が続くかと注目していましたが、些か当て外れで、落ち込みとまではいかないまでも低調に終わったようです。

1月から一部に予想されていたオミクロン株の感染増加で、いわゆる第6波の襲来が影響したのでしょうか。

2人以上所帯の消費支出は対前年同月比で名目値2.2%の増加、一方物価にはインフレ傾向が表れ始めたようで実質値は1.1%の増加にとどまっています。

伸びているのは原油価格上昇の影響が出て来ている水道光熱費、自動車関係費のガソリン代が入る交通通信費、教養娯楽関係費(宿泊代等)ぐらいでガソリン代、灯油代の上昇に名目値が押し上げられたもの中心です。

それ以外のほとんどの費目では1月は増加、2月は減少になっています。オミクロン株は感染力は強いが重症度は低いなどといわれても、やっぱり、消費行動はかなり影響を受けるのでしょうか。

収入と支出の解る勤労者所帯(2人以上)を見ますと、可処分所得は名目1.2%の増加、消費支出は1.6%の増加で、平均消費性向は、63.3%でかろうじて前年同期の63.0%を0.3ポイント上回りました。

これでは、消費意欲が維持されたというべきか、それとも、原油価格上昇の影響で、否応なしに光熱費やガソリン代が上がったから支出が増えたのか解らない(たぶん後者)といったところでしょうか。

この様子では、第6波の高止まり、さらに同じオミクロン株でもBA1からBA2で第7波が危惧される状態と、それに加えてウクライナ問題も長引きそうな様相もあり、日本経済についても、もう少し辛抱の日々が続きそうな気配です。

ウクライナの人たちの苦難を思い、それぞれに出来る援助を心がけながら、心置きなく日常の生活、経済活動ができる日を待つ心の準備が改めて必要になるような気がします。

日本では出来た、世界でも出来るのでは

2022年04月06日 15時38分05秒 | 国際関係
ロシアのウクライナ侵攻はまだ続いています。
テレビの映し出すウクライナの惨状はますます恐ろしいものになっています。
キーウの近郊、ロシア軍の撤退した後の惨状は、テレビ画面では映し得ない残虐ものでしょう。

これ以上酷くならないことを願うばかりですが、東部、南東部では、一層激しくなるのではないかと言われています。

ロシアの侵攻が始まって都市の無差別の破壊が起きてから、多くのウクライナの人達から同じ言葉を聞いています。
「21世紀の今になって、何でこんな事が起こるのでしょう」
「21世紀になってもこんなことが起きるなんて考えもしなかった」

もし日本でもこんなことが起きたら、我々も異口同音にそういうのではないでしょうか。

宮澤賢治は「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論』序論)と言っています。その境地までの到達な難しいとしても、少しでもそうした気持ちを持たざるを得ないような悲惨な事態が、この21世紀、文化・文明の先端を行くヨーロッパで起きているのです。

少なくとも、武力によって、公然と都市を破壊し大勢の一般市民の殺戮を行うような戦争が、本当に21世紀の今起きるなどという事は、人びとの予想の外でしょう。
ならば、こうした「もう戦争などということが、物理的に現実に起きるなどということはない時代になっている」という人々共通の認識を何としてでも現実にするために、戦争の悲惨を経験することは今回で終わりにしようとの世界人類が決心が必要でしょう。

そして、そのためにも、今回の戦争のもたらした究極の悲惨ともいうべき現実を徹底的に検証し、「人間の何が」そうしたものを人類社会に持ち込むのかを全ての人々に知ってもらう事が必要でしょう。

このブログではたびたび触れますが、日本は、明治維新を契機に内戦をやめ、太平洋戦争の敗戦を契機に憲法第9条を掲げ、戦争をしない国になりました。

考えてみれば、日本で出来たことが、世界で出来ないと決める理由はないのではないでしょうか。
同じ人間であり、世界のほとんどの人達は、今のウクライナの人達と同じように、「こんなことが(戦争が)21世紀の今、現実になる事など考えれない」と考えているでしょう。その気持ちは、21世紀に住む人間として全く共通のはずです。

戦争を無くする、この人類にとっての歴史的な事業は、世界の平和を望む国々の人々が、そしてより具体的にはその国々のリーダーたちが、国連の下に結集し、国連の名において、理非曲直を明確にすることから始めなければならないのでしょう。

国連とその旗の下に集う、平和こそをモットーとする国々の国民、そして、そのリーダーたちの、世界平和のための歴史的な努力に期待したいと思うところです。

主要3物価指数の動きを見ていきましょう

2022年04月05日 15時22分52秒 | 経済
前回、輸入物価が上がった場合の「どうなるか」と「どうするか」についてざっと見てみました。

政府は物価動向が大変気になっているようで、ガソリン価格を中心にトリガー条項で対応するか補助金で対応するかそれとも・・・、いろいろお考えのようです

確かに高齢者、年金生活者の中では、年金はこのところ2年続いて(小幅ながら)減って来るし、後期高齢者の場合は、医療費の自己負担額が倍増するし(高額療養費での歯止めはありますが)いろいろ大変だという声もあり、種々ご検討のようです。

前回も、また、もう少し以前ガソリン170円の問題が出たときも書きましたが、一時しのぎのパッチワークというのは、結局は税金か国債かを使うわけで、いずれ国民負担になるっものです。

また、ガソリンを使う人が大変だからとってもほかにも輸入品はいろいろありますし、輸入品の値上がりで困る人を救って、国民全体で負担するという事の合理性などを論じますと、補助金などのパッチワークの問題点も、またきりがありません。

価格転嫁を完全にして、プライス・メカニズムに従って負担するというのが最も公平ではないかという議論も含めて、本格的が議論が必要なのでしょう。

ところで、こういう時は現実に起きている事の実態を確り見て、そこから導かれる合理的な「解」を見出すのが最善ではないかという意味で、これから今年の年末までぐらいの主要物価の動きを見てみようというのが今回の趣旨です。

事の起こりは輸入品の価格が一斉に上がって、それが最終的には消費者物価上昇になるのだから、これから消費者物価は上がるから大変という事です。
既にアメリカやヨーロッパでは年率7~9%も上がっているではないかという訳です。

そこで我が国の状況を見ますと下の図です。

主要3物価須数の動き (2021年1月基準、表示は上昇分%)

               資料:総務省、日本銀行

輸入物価が上がり始めたのは昨年からで、それに少し遅れて企業物価が上がっています。輸入物価は昨年9月一層上げ、企業物価は1か月遅れて、10月から騰勢を強めています。そして消費者物価は今年の1月からでしょうか。

マスコミは「値上げの春」などと言い、確かに沢山の産業、企業が製品やサービスの値上げを発表しています。
3月の数字、そして4月の数字が出るころはどんな状態でしょうか。そしてその後は。

現状は未だブランクのこのグラフをこれから毎月埋めていこうと思ってっています。
当分おつきあい頂ければ幸甚です。

物価上昇:諦めと監視と生産性向上

2022年04月04日 17時28分28秒 | 経済
消費者物価が上がっています。最も速報性のある東京都区部の3月の消費者物価の対前年同月上昇率は
消費者物価総合:1.3%
生鮮食品を除く総合:0.8%
生鮮食品とエネルギーを除く総合:-0.4%
という事ですから、上がっているのはエネルギーと生鮮食品で、それ以外は少し下がっているという事でしょう。

生鮮食品も冬場ですから、灯油暖房で栽培の野菜も多いので、エネルギー代が嵩んでいるのかもしれません。
しかし今後は「生鮮食品とエネルギーを除く総合」も上昇してきそうな気配ですから消費者物価総合ももう少し上って来る可能性があります。
それに対して必要になるのが「諦め」と「監視」と「生産性向上」です。

「諦め」
原油やその他の資源や穀物の価格が上がってガソリンやティッシュやお豆腐やパンが値上がりするのは、諦めるしかありません。政府に補助金を出してもらっても補助金のもとは税金と国債ですから結局は国民負担です。
世界中で上がっているのですから、日本だけ上がらないということは出来なにので、諦めましょう。少し経てばまた下がる事もあるでしょう。

「監視」
こういう時にはよく便乗値上げも起きます。少し多めに値上げして儲けようという動きです。
日本では、人間が真面目ですし、競争も激しく、情報が行き渡っていますから買占めや便乗値上げはあまりないようです。
しかし、外国から物を買う場合も含めてしっかり監視する必要はあるでしょう。

「生産性向上」
物価値上げに対抗する決定打は生産性向上です。鶏卵やもやしが何十年も値上げせずにやっていられるのは、生産性向上が出来ているからです。もやしやキノコの栽培工場は凄いですね。
省エネは、エネルギーの生産性向上、省資源は資源の生産性向上、省力化は労働生産性の向上です。

日本はかつては世界トップクラスの生産性を誇っていましたが、最近はOECD加盟国の中で20番目より下のようです。昔のように頑張れば、それだく物価は上がりません。

ところで、資源価格や為替レートの円安で物価が上がる分は、コロナやロシアのウクライナ侵攻が解決に近づけば、また、アメリカの金利引き上げ問題がおさまればまた正常化するでしょう。

欧米諸国が恐れたり慌てたりしているのは、こうした特殊事情によるインフレを利用して、便乗値上げや大幅賃上げが起きて、インフレが収まらなくなる(賃金物価スパイラルなどで)事なのです。

現に欧米では、労働組合結成や労働組合の賃金要求が急に激しくなっています、さいわい日本はこうした動きは、問題になるようなものではなく、安定した動きが続いています。

こういう国では、インフレはせいぜい2~3%台程度までで、7%とか9%とかいう事には絶対なりません。

コロナもいずれ終息するでしょうし、国際情勢も正常な状態に戻れば、日本の物価は自然に正常化するでしょう。 
そしてその時は、多分、円安ではなく円高を心配しなければならないことになりそうな気がしています。


領土問題流行の兆し? 解決は合理性で!

2022年04月03日 13時56分11秒 | 国際関係
アルゼンチンのフェルナンデス大統領がフォークランド紛争の40周年を受けてか、ウクライナ問題からの影響があってか、はたまた来年の大統領選挙の思惑からか、如何なるお気持ちの発露かは我々には知る由もありませんンが、イギリスに、フォークランドはアルゼンチンの領土である旨の主張をされ、イギリスに返還を求めたとのことです。

勿論「対話を通じて」という事で平和裏の話し合いという事ですから、いろいろな可能性もあり、そうした話し合いも話し合いの仕方によっては前向きの発展に繋がる可能性もあることで「それも良いでしょう」という感じもします。

そういえば、日本政府も、ウクライナ問題の刺激を受けたのでしょうか「北方四島は日本の固有の領土」に表現を変えて、原則的立場を訴える姿勢に戻ったようで、この様子だと、領土問題、国境線問題があちこちで起きるのかもしれないな、などと考えてしまいます。

土地の領有権問題ということになりますと、小は個人の家の地境問題から大は国境問題まで、昔から、紛争の種になることが特別に多い物で、人間というのは海馬の奥に、動物の時代からの生きるために自分の生活のための領分を確保するという本能が染みついているのかもしれません。

しかし現代では、考えてみれば、領有よりもいかに活用するかがより効果的に豊かさを実現するということが明らかになっていますが、人間でも知恵が本能に追い付いていない人が、まだまだ存在するという事なのでしょうか。

勿論多くの人間は、疾うにその知恵で動物時代の本能をコントロールし、領土や地境で無駄な殺戮や破壊の紛争を起こすことなく、適切なその活用と資本の移動や交易でより効率的に豊かさを実現しているのです。

今回のロシアのウクライナ侵攻問題は、偶々そうした人間らしい知恵の進歩の遅れた人が、一国のリーダーになってしまったという、大変不幸な事が原因で起きてしまったことで、出来れば人類社会でこういうことはこれが最後ということになって欲しいと誰もが望んでいる事は間違いない所でしょう。

これからの領土問題は、領有権ではなく合理的な利用のための協力の話し合いという人間らしい知恵の発揮で、紛争や戦争などとは無縁のものになるという世界になり、「力による現状変更云々」などという言葉が死語になるような世の中になっていくことを世界中の人達が願っていると思っているところです。

日銀「短観」で見る企業の想定円レート

2022年04月02日 17時17分08秒 | 経済
前回、昨日発表された2022年3月時点の日銀「短観」主要部分についてご報告致したところです。

昨年12月時点までは、コロナもそろそろ征圧の可能性も見えて来て、先行き明るいという見方が大勢でしたが、2月下旬からはロシアのウクライナ侵攻による国際経済の混乱と、オミクロン株の意外に強い感染力で、世界的に経済情勢が変わり、企業は当面容易でない状態が続くのではないかといった見方に変わっていました。

前回は、円レートの部分については触ませんでしたいので、今回補足したいと思います。

項目の表題は「事業計画の前提になっている想定為替レート」という事で。2022年3月期の発表資料(ネット)で出ているのは全産業全規模の想定の平均だけです。

後から詳細のデータが発表になりますが、その時は産業中分類の業種別の回答も発表されますから、2021年12月時点(前回)の調査については業種別の想定値の違いなども見られます。

という事で今回の3月時点の全産業全規模の想定の為替レート(ドル・円)を見ますと

2021年度110.00円  (上期109.06円 下期110.96円)
2022年度111.93円  (上期111.92円 下期111.95円)

ということになっています。
現状とは、かなり違った数字になっていますが、企業としては、マーケットの乱高下も考慮の上、最終的に(平均的に)この程度に落ち着くのではないかという想定でしょう。

ここから見えてくることは、2021年度については既にほぼ結果が出ている部分もあるわけで、問題は今後ですが、2円近い円安を見込んでいます。
マネーマーケットの投機的な動きはあるにしても、この程度が経済の先行きから見てと同時に、自社の収益状況などを予測するにしても、適切に説明できる可能性のある範囲を見据えて「想定値」としていると思われます。

因みに、政府経済見通しの円レートの2022年度の予想値は114.1円ですから、政府の方が大分円安の見込みのようです。

政府、日銀は、円安になった方が、経済運営は上手く行くという考え方が基本的にあるようですから少しバイアスがかかっていると見るのは僻目でしょうか。
民間企業は、固めに見るというのが一般的なようで、上記の前回調査についての数字をみましても、輸出関連産業は、僅かに円高寄りを想定、輸入関連産業は、僅かに円安寄り想定といった傾向があるように見受けるところです。

ただ、産業別の想定値を見ましても、せいぜい1円内外の差というのが実態で、出来るだけ客観的であり、出来るだけ正確を期したいという意識が見えるように感じます。

日銀「短観」では、「ユーロ・円」の想定値も調べていますので、それも載せておきます。

2021年度128.01円  (上期128.11円 下期127.92円)
2022年度128.18円  (上期128.17円 下期128.20円)

2022年3月度「日銀短観」、世界情勢反映

2022年04月01日 15時54分56秒 | 経営

今朝、日本銀行から、3月調査の「日銀企業短期経済観測」が発表されました。
年初までは、回復基調の世界経済を受けて比較的強気だった企業の景気判断ですが、コロナのオミクロン株の予想外の感染力に加えて2月末に突発したロシアのウクライナ侵攻問題で混乱する世界経済を受け、日本企業も些か弱気に転じているようです。

代表的な景気指標である大企業全産業の景気判断を見ますと、DI(調査企業を100として景気が良いという企業の割合から悪いという企業割合を引いた数字)は、昨年12月期は14、今3月期は11、3か月後は8という事で今年に入っての景気は強気が凋んでいく状況です。

マスコミでは大企業製造業の数字の見出しが多いですが、大企業製造業では上の数字は前12月期が17、「今3月期が14」、3か月後が9で、この14が見出しになっています。

勿論、数字そのものプラスですから、景気が良いという企業の方が多いという事です。
ウクライナ情勢とコロナ問題の先行きによっては、コロナ問題の初期2020年の頃のように、DIがマイナス(景気が悪いという企業の方が多い)よりはまだいいのですが、それも世界経済情勢次第でしょう。

業種と規模について見ますと、製造業では機械関係は落ち込みは目立ちませんが造船重機、自動車のDIは2ケタのマイナスで、不振が目立ちます。自動車は3か月後には状況の改善を見込んでいるようですが、早期に情勢の好転が望まれる所です。

非製造業では、通信、情報サービスは比較的順調ですが、対個人サービス、宿泊飲食サービス(DIは‐56)の状況改善は容易ではないようです。

企業規模別の様子を見ますと、中堅企業では、昨年12月、今3月、3か月後の全産業のDIは、4と2と-1、中小企業では、-3、-6、-8で、次第にマイナス化が大きくなる状況で、コロナや国際情勢の変化は、中小企業への影響が特に厳しいことが解ります。

この所の世界経済も日本経済も、経済外の要因に振り回されてばかりのような気がしますが、これでは、経済対策もどうしても後追いが中心で、経済回復のためには、エピデミック対策や国際関係の正常化がまず必要ということになってしまっています。

企業としても、まさに先行きの見えない中での経営政策の展開となるわけで、攻防両様に構えながら、誤りない選択をしていくのはまさに至難の技でしょう。

日銀「短観」では、少し長期的の展望の必要なものもについていは年度ベースで、2022年度の見通しまで聞いていますが、そのあたりから、来年かけての企業の考えを覗いてみましょう。

以下は、全産業全規模の2021年度と2022年度の「対前年伸び率」の数字ですが、
売上高は、4.3%増から2.1%増へ、経常利益は32.0%増から-0.3%の減へ急落
設備投資(除土地)は、5.2%増から3.2%増へのかなりの鈍化
内、ソフトウェア投資は、8.8%増から7.4%増への多少の減少となって、慎重ながらも重要な物への手は打つという感じです。

雇用人員判断(この項はDIで「過剰-不足」)について見ますと、今年度末にかけては-22から-24へと不足と感じる企業の増加が見られます。これは中小ほど不足という企業が大きい傾向が見えます。

企業としては、1年後ぐらいには、コロナも国際情勢も次第に落ち着くと見ているのでしょうか。その日の早いことを願うところです。