よこなぐりの雨が 降り続いています
いつもと違う方向から 小鳥たちのさえずり
お隣の軒下にかたまっておしゃべりしてます
見知らぬ連中と相席でも 濡れながらの散歩よりはマシ
(すずめだけじゃなく ムクドリのようなのもいそう 窓が雨の波でぼやけてはっきりとは見えない)
こういう日には ある情景が 必ずといっていいほど思い出されます
一時期 郵便配達をしていました(貯金課から自己都合で郵便課に移動させてもらいました 勉強時間を多くとれそうだったのです)
寒さ 暑さ 暗さ(速達は日没後も配達があり 今と違い街灯などもあまり無い地域が多かった バイクの灯りにあて先をかざし確認しながらも 範囲が広くよく迷う)もたいへんですが
なんといっても よこなぐりの雨の日
同じよこなぐりでも 厳寒のよこなぐりの吹雪のほうがマシ
どうしてかというと
配達物が濡れることは どうにか避けられる可能性が高かったからです
手紙 はがきを濡らすわけにはいきません
それでも 自転車で真夏の坂道をこぎながらの
真冬の吹雪道を転びながらの配達も
ヘイチャラさ と思っていました
真冬の早朝 2時55分起きの新聞配達を思えば なんてことはなかったのです
一時期 東京で新聞配達をしてました
信念にあふれた しっかりした人は
暑さ寒さ つらさ なんぞには少しも動じないのでしょうが
平凡庶民たるわたしは そのような比較理論(アレに比べればコレのほうがマシというごまかし) で
心を持ちこたえていました
あまり男らしくない手段ですが それしかなかったのです
そのころの自分には
今日はよこなぐりの冷たい雨の日
わたしは いま 一仕事を終え お気に入りの椅子で大好きな鴎外を読んでいます
幸せすぎて ほんとうに 涙が出そう
冷たい雨の中 仕事にむかったり 大変な雑用に時間を使わざるを得ない方々 すみません
雨の日の軒先は とてもにぎやか
いま 大きな声で威張ったのは ムクドリか ツグミですよ
きっと