鴎外という方は 文章の添削のとき
簡潔に しかも 的確に
削って 削って これでもかという感じになるまで
努力しなさい
と 指導したとか
なるほど その意味は 独特な文体から
わかるような気がします
唐突ですが
映画でも 同じような手法の方がおられますね
名監督は 無駄がありません
要らぬ説明を最大限省く
ゴッドファーザーⅡでの好きな場面
コルレオーネ少年のアップ
凶弾に あっけなく命を奪われた母を偲び
故郷をうつろに思うかのような瞳
やさしき力のお蔭で どうにか追っ手を逃れ
一人ぼっちで 粗末な移民船で アメリカにやっと着く
やせ細った 少年と呼ぶには すこしためらいが要る幼顔
そこに 大都会が遠望され 自由の女神像のおおらしさ
希望と野望の国 大アメリカ合衆国
そのおおらしさは やや 明るすぎ
対照的な 少年の繊細すぎるあどけなさ そして
不安げな痛ましい表情
容赦ない上陸検疫シーン
移民を迎える国家と
移民せざるを得ない国の庶民 圧倒的な立場の差
少年の 行く末・・・・
時間が流れ 中年とおぼしき年齢を迎えようとしている
同人が 妻と 幼な子との つつましい悲しいほどつつましい
芋ひとつテーブルに載せた
夕餉のひとときのシーン
そんな状況をも謙虚に感謝する 質素すぎる身づくろいの
若き夫と妻
かろうじて居宅かとおぼしき一間に
降り注がれていた橙色のわずかな灯り
説明の言葉など皆無
しかし その各々 数秒かと思われるシーンの
雄弁さ
音楽でも 美術でも 演劇でも およそ芸術といわれるもの
すべてに共通なのではないでしょうか
シンプルで重厚
簡潔なのに圧倒的に訴える
イイナーというシーンは
いつまでも 色褪せませんね
ほかにも いっぱい
忘れ得ないシーンが
わたしの玉手箱には
あります
法的見解の相違による討論は
つまるところ それこそ見解の相違で終わる
ということが相場
各々の信念と法感覚で意見を戦わせ
最終的には 第三者機関たる公的場で
それなりの決着点にたどり着かせる
大胆に言い切ってしまえば 世のイザコザは
何らかの基準で甲乙をつけるしかない
当事者が盾にしてる基準では甲乙を決め得ないときは
第三者基準を置くしかないのです
(もちろん できるかぎりの公正さを追いながら)
しかし 公法関係には 意見を戦わせながら施策を行う
場面ではない性格のものがあり
そのひとつが 防衛組織維持システム
わかりやすく言い切ってしまえば
行動総体としての防衛組織ですから
そもそもが統一かつ一連指示組織であるのです
そのための 防衛大臣 そして 内閣総理大臣いう
存在なのです(彼らの 仕事・役目 幕僚長の仕事・役目
とうことです)
そういう地位にいるから偉いとか なんとかという問題では
けっしてありません
仕事 そして 役目 なので 行っているのです
してはいけないことと せねばならぬことがあるのです
(いまの世になっても なん世代も昔のように
議員様 社長様 校長先生様 ・・・本部長様などなど
その人物の人格に惚れるならいざ知らず
いたずらに 上げ奉っている様子を見ると
情けないを通り越して 哀しくなります
役人さん 勝ち組さん?にも 粋でイナセナかたも
もちろんいますが)
とある国の
軍事機構の生身の?軍事力に一番近いところにいる役人が
自己の政治的主義主張を 公然と(簡単な談話でさえ重大
まして論文)
しかも 自己の上部の見解に明らかに反する形で
しかも現職の立場の時点で
なおかつ不明瞭な部外圧力もあったのでは
と誤解され得るような方法で
政治関連意見を公表する
私には 理解できません
けっして誤解の無いよう
彼の持論が正当とか不当とか
今の為政者の歴史認識がもっともだとか そうでないとか
本来 軍人は 無口であるべきだとか
人間として政治的意見を持ってどこが
悪いのかとか
そのようなことを記しているわけではなく
彼の立場にいる者が係わってはいけない 仕業・役目
やってはいけない 仕事・役目だった
と言っているのです(極 マトメテ言えば)
彼は そういう発言には
極めて繊細であるべき位置にいる
仕事人 なのです
主義に合わない指示判断を下されそうな組織には
居るべきでないし
居るのなら 指示判断に合う仕事をするしかない
そういう仕事を自身の覚悟で選択してるのです
潔くありません あのようなヤリカタは
と 私は考えています
失礼を覚悟で言いますが
あの程度の憲法感覚の人間が 一国の軍事を直接動かし
得る場所に電話を据え机を構えていたことに
恐怖感を覚えませんか
私は 事態を知り 体がこわばりましたが
文民である為政者の指示判断に拠ることを大前提に
わが国の防衛という公組織は 存在しているのです
この構図を絶対的に確保することによって
最終的には
国民の負託にこたえることを期するもの
と しているのです
【憲法 前文・66条2項 自衛隊法7条・52条など】
硬い話で ゴメンナサイね
私ら
一般の庶民は 言いたいことも言えず
まして 言えたにしても
その手段は とるにたらなようなものしか選択できず
アピール方法の格差は 天と地
自分の言いたいことを
自分の都合のよいときに
マスコミの利器を使い放題で流しまくれる
の図を見せられる度
この国の報道文化のあり様
嘆かざるを得ません
あっちも こっちも
自己本位がすぎる ように思えるのですが