おおよそのことですが
データーによりますと マンション組織の規模で多く見られるのは
50世帯ほどのものだといわれています
それなりの資金のある起業家が 各々の組合員と接触し 売買交渉を
進めるとすると 専有部に賃借人がいようと 抵当権がついていようと
そうしたことに一つ一つ対処していけるなら 各専有部はその起業家
に結集されていき マンション建物は撤去され 敷地に新しい区分所有
建物が出現し 以前の住民がその起業家と各々契約締結していたこと
により従前の住人のホトンドが新しい建物の各専有者として収まる など
という流れの形もあり得る
ある意味乱暴な言い方になるでしょうが 50戸ほどまでのことならば特に
条件がある程度整うなら そのような手法も採用され得ることでしょう
(もっとも
10戸のみのマンションでもナカナカそうはいかないことも モチロン ある
でしょうが・・・とにかく 情況によりますが)
そうした流れでのことも 極く広い意味での「建替え」と呼べるのかもしれ
ません が 区分所有法上では [建替え決議] として62条に登場し 関連
条項が続いています
【マンション】 という文言は マンション管理適正化法による定義ですが
建替え円滑化法にも用いられています(建替え円滑化法2①一)
以前にも何度か記しましたが
<区分所有の建物であり>
<2以上の区分所有者が存し>
<人の居住の用に供する専有部分がある>
場合 が 【 マンション 】 です
区分所有法・被災マンション法・耐震改修促進法の条文では この【 マンシ
ョン 】概念を使っていません
ということで 区分所有法での[建替え]は 専有部全部が事務所の区分所有
建物だとしても
適用があります
【 マンション 】の場合は 建替え円滑化法の利用もできますが <人の居住
の用に供する専有部分>がない区分所有建物の建替えは 建替え決議を
得たとしても その後 どのように事は進んでいくのでしょうか ?
そのことは さておくことを許していただいて
区分所有法における[建替え]に関して ポイント をポツポツと記していく
こととさせていただきますが
・ 居住用マンションを オフィスビルに建て替えたり一部を店舗に貸し出す
ようにすることも可能(使用目的が変わっても可)
・ 敷地は 建替え後のものと従前の建物のそれが一部でも重なるなら可
(隣地と交換してそこに建てようとしても一部でも重なるところがないなら
不可)
・ 建替え決議に反対しても 招集者からの催告に対して建替えに参加の
回答をすることで 建替えに参加が可(63)
・ 再建建物についての設計の概要・取壊しおよび建築に要する概算額・
費用の分担に関する事項・再建される建物の区分所有権の帰属のこと
の一部でも定めがないなら建替え決議は無効(62)
・ 建築面積を定めるためにも 決議に際して敷地は特定している必要あり
建替事業を全員参加とするために・・・
・ 決議に賛成した区分所有者以外(その承継者を含む)に対し催告をします/
期間内に回答無しの者は参加しない旨を回答したとみなす(63)
期間内ならば撤回し建替え参加が可/
一度参加回答したなら撤回不可
・ 不参加者に対しての区分所有権および敷地利用権の時価での売渡請求権
が 建替え賛成者(その承継人を含む)に認められている(63)
・ 建替え賛成者全員で 買受指定者を指定でき この者も売渡請求権を行使可
(事業に参加のデベロッパーを買受指定者と定めることも可)
・ 売渡請求の相手方は 売主なので 借家人を退去させて引き渡す義務があり
借地権ならば敷地利用権の譲渡に地主の承諾を得る義務がある(判例)
・ 形成権である売渡請求の行使によって 賛成者のみで構成される団体が建替
えを実行できることになる
・ 区分所有法上の売渡請求権は 催告期間の満了の日から2ヶ月を経過すると
行使不可
( これが行使できなくなったとしても 建替え円滑化法の売渡請求権行使の余地
は残っている ≪東京地判平成27年1月26日≫ )
ということで 区分所有法上の建替え決議があった場合には
: 決議賛成区分所有者
: 参加する旨を回答した区分所有者
: 買い受けた買受指定者
(これらの者の承継人を含む)が 建替え参加者 になる
ここで上記の
建替え決議を得たとしても その後 どのように事は進んでいくのでしょうか ?
のことですが 区分所有法 64条(建替えに関する合意) が登場することに
なります
建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替え
に参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用