能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

パーパス経営とドラッカー博士・・・ESG(エコロジー・ソーシャル・ガバナンス)時代に企業に求められるもの

2024年09月02日 | マネジメント

「パーバス経営」という言葉が流行っています。

昨年は、「両利きの経営」がちょっとしたブームになり、既存事業と新規事業、知の深化や知の探索という切り口が取り上げられていました。

「パーバス経営」というのも流行歌のようにパッと出て消えていくのでしょうか?

パーパスとは、企業の存在意義という意味合い。

「なぜその会社は存在しているのか?」という問いかけに答えられることが組織のエンジンになるとします。

そのとおりだと思います。

最近では、パーパス経営を土台にティール組織なるものも出始めました。

このコンセプトは普遍的で昔から語られていていました。

ファッションやモードのように出ては消えて、また出てくるもののような気がします。

 

パーパス経営は、SDGsの文脈の中から出てきているように思います。

また、ESG(エコロジー・ソーシャル・ガバナンス)が当然のことになった現在、もう一度原点回帰しようという意思が込められているのではないでしょうか?

「マネジメント」を発明したP.F.ドラッカー博士も半世紀前に、「組織の存在理由」について語っています。

次のようなキーワードを出しています。

・われわれが直面している問題は?機会は?チャンスは?

・Tシャツに似合うシンプルな言葉

・いかに世の中を変えたいか?

・計画の5つの要素→廃棄・集中・成功しているものの強化・イノベーション・リスク

とてもドラッカー的な指摘です。

パーパス経営という観点からすると、むしろ「ドラッカー5つの質問」の方がしっくりします。

 

ドラッカー博士 5つの質問

1.われわれのミッションは何か?

2.われわれの顧客は誰か?

3.顧客にとっての価値は何か?

4.われわれにとっての成果は何か?

5.われわれの計画は何か?

 

この5つの質問に答えられることが、より大切な時代になっています。

SDGs、ESGの時代、パーパスを再定義することが大切になってきていると思います。

ドラッカー博士はわれわれの使命でもある「働くことの意味」も指摘しています。

博士のキャリア論です。

 

われわれのミッション(使命)・・・働くことの意味

・心を燃え立たせるもの

・行動を伴わなければ意味はない

・明日成果をあげるために今日何をするか

・重要なことで容易にコンセンサスが得られたときには、そのまま決定を行ってはならない。組織が行わなければならない決定は、重要であるだけでなく危険を伴う問題である。

・知識と意図を「行動」に変える

また、組織についてもドラッカー博士が解説しています。

 

組織が成果をあげるための8つの条件

1.いち早く変化をとらえる

2.ミッションを定期的に見直す

3.階層を排除する

4.前提を鵜呑みにしない

5.言葉を一貫させる

6.全員がリーダーシップを共有する

7.リーダーが確固たる存在である いかに行うかではなく何を行うか

8.成果をキチンと自己評価する

 

小職の師匠から言われた言葉。

「困ったときは、まずドラッカーの著作を読みなさい。そこに答えが書いてあります」

経営の原理原則の答えは、ドラッカー博士の言葉、著作にあります。


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佐久間艇長の遺書・・・絶望的な状況におかれた集団を、最後の最後まで規律と使命を守らせた佐久間艇長のリーダーシップと武士道

2024年09月01日 | マネジメント

壁にぶち当たった時や悩んだ時に開く一冊の本があります。

わずか92ページの薄い書籍ですが、いつも心を打たれ、勇気を与えていただけます。

佐久間艇長の遺書

TBSブリタニカ編集部編  TBSブリタニカ刊

 

明治時代、日本帝国海軍に佐久間勉という海軍大尉がいたことをご存じでしょうか? 

佐久間 勉(さくま つとむ) 潜水艇艇長・海軍大尉

帝国海軍の若きエリートです。

 

佐久間大尉は、福井県出身。
明治34年、当時、全国の秀才が目指す最難関校である海軍兵学校を卒業。

巡洋艦吾妻乗組員、巡洋艦笠置で日露戦争、日本海海戦に出陣。
水雷母艦韓崎を経て第一潜水艇隊艇長、第四潜水艇長、第一艦隊参謀、駆逐艦春風初代艦長、巡洋艦対馬分隊長。

そして、当時の最新テクノロジーである第六潜水艇の艇長に着任した、いわば帝国海軍のスーパーエリートです。

が、その佐久間艇長は、悲運に遭遇します。

明治43年4月15日、佐久間大尉率いる第六潜水艇は、ガソリン潜航実験、シュノーケル試験を行うため、山口県岩国港を出港、訓練開始後45分立ったころ、浸水により海底に着底。

長時間がたっても浮上しないため、呉海軍鎮守府に連絡が入り、引き上げ作業が行われました。

当時の技術では、潜水艦の事故の救助は難しく、絶望的な状況。

 

海外の同様な潜水艦事故では、脱出しようとする乗組員が我先にハッチに殺到し、殺し合いが始まることがほとんどだったようです。

たとえハッチを空けたところで、海水が流れ込み、全員死に至ります。

帝国海軍も引き上げに際し、艇内で乗組員が醜態をさらしていることを心配していたようです。

 

沈没した第六潜水艇を引き上げてみたところ、乗組員14名は全員死亡。

佐久間艇長・・・享年30。

 

しかしながら、乗組員は全員自分の「持ち場」を離れておらず、航海士や機関士など最後の最後まで復旧のための作業を続けていた様子が飛び込んできたのです。

艇内は、最後の最後まで平穏が保たれていたようです。

佐久間艇長は、死の直前まで手帳に遺書を書留めます。

1ページに3行、計39枚渡って綴られています。

謹んで陛下(明治天皇)に申す
我 部下の遺族をして窮するもの無からしめ給はんことを
我 念頭に懸るもの之れあるのみ

 

死の直前、明治天皇に対して最新の潜水艦の損失と天皇からあずかった部下の死を謝罪し、この事故が日本の潜水艦の技術の発展の妨げにならないことを願い、それを記述したのです。

そして、部下の家族が生活に困窮しないよう最後の希望を書きます。
確実な死を直前にした、39ページにわたるメモ・・・。

この遺書に対して夏目漱石は「文芸とヒロイック」という随筆を執筆、新聞報道で国民が知ることになります。

アメリカ合衆国の国会議事堂の大広間には10個のガラス書庫があり、その1番目がワシントンの独立宣言からはじまり、第4戸棚には佐久間艇長の遺言が原文のままコピーされ英訳とともに丁重に陳列されているそうです。

また、七つの海を支配した大英帝国海軍でも海軍軍人のお手本として教育されているそうです。

 

生還の望みが失われた中で、彼らは何を考え、何を話していたのでしょうか。

わたくし自身、いつも、想像を巡らせています・・・。

おそらく、佐久間艇長は、部下に語りかけたのだと思います。

「家族のことは、オレにまかせろ。心配するな。」

「最後の最後まで、復旧の努力をしよう。」

「帝国海軍の軍人として、誇りをもって任務を遂行しよう。」

「武士道を完遂しよう。」・・・。

 

それとも、佐久間艇長は、何も口にせず、背中で部下に語りかけたのではないか・・・。

「率先垂範」という言葉がありますが、もともとは「指揮官先頭、率先垂範」というそうです。

享年30歳・・・。
すごい軍人です。

自分であれば、死を直前に取り乱すか、訳の分からないことを口走ると思います。

 

小学生の頃、海上自衛隊のOBの方から、ディンギー・ヨットの操船を教えていただいたことがありました。
明るく、やさしく、でも厳しい・・・教官。
ただ、危険につながることをすると、ゲンコツが飛んできます。


彼が、いつも言っていたのは、次のフレーズ・・・。
シーマンシップ(海の男の精神)を説明したものです。

スマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂、これぞ、船乗り

 

海上自衛隊、帝国海軍は、7つの海を制した大英帝国海軍がお手本です。
ヨットの師匠は、「シーマンシップを身につけろ!それが武士道につながる!」が口癖。

その頃は、よく分からなかったのですが、今でも覚えているということは、よほどインパクトがあるコトバだったのだと思います。
それから長い年月が経っていますが、
今でも、
スマート(クレバー)であること、
目先を利かせること、
几帳面であること、
負けじ魂を持つこと・・・
いつも心の片隅にあることは、本当に、誇らしくもあります。

 

絶望的な状況におかれた集団を、最後の最後まで規律と使命を守らせた佐久間艇長のリーダーシップと武士道。
それは、リーダーの条件、指導者の真髄を昇華したものではないでしょうか?

佐久間艇長と乗組員13名に改めて哀悼の意を捧げます。


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失敗を生かす経営 トヨタ・小林製薬・三菱電機の教訓・・・日経ビジネス誌の特集記事 ミスを防ぐ6つの習慣

2024年08月27日 | マネジメント

日本を代表する企業における不祥事や事故、過失・・・。

世界最高水準にあったニッポンの品質管理にも疑問符がついています。

消費者や株主をはじめとするステークホルダーにも多大な影響を及ぼしています。

日本の真面目な社員・・・ミスや不正は現場の怠慢や倫理観の欠如ではないと思います。

それよりも、組織作りや会社の風土、目標設定など「経営の失敗」に起因している方が多いのではないでしょうか。

今週の日経ビジネス誌2024.8.26号の特集記事は「失敗を生かす経営 トヨタ・小林製薬・三菱電機の教訓」。

失敗を続ける日本の会社の処方箋を提言しています。

 

Contents

Part1 繰り返す不正・過失 経営の不作為あらわ

Part2 痛恨の不祥事を企業改革の糧に

Part3 失敗する組織 3つの共通点と対策

 

日本企業の不正に共通する原因構造として5つの点を指摘しています。

1 タイトなスケジュール

2 無理な目標設定、開発中の目標引上げ

3 人員、予算、機材の不足 過度のコスト削減

4 目標達成に対する極度のプレッシャー

5 社内における立場の弱さ

体育会的な会社組織に多く見られる内容になっています。

そんな組織で働く労働者は、日々「無理ゲー」をさせられることになります。

働き方改革やワークライフバランスどころではない、社畜の世界です。

この特集記事では、不正でタメージを受けた三菱電機、事故を起こした三井化学などの再発防止のための社内改革についてのケースが取り上げられています。

また、内部通報制度を機能させるための工夫や忙しすぎる中間管理職の仕事量を減らすことなどの提言も出ており、たいへん参考になります。

最後のセッションでは、「思い込み」と「緊張」に勝つ6つの習慣を取り上げています。

白井伸之介大阪大学名誉教授の研究成果で、実務に役立ちそうです。

 

ミスを防ぐ習慣(心理学的アプローチ)

1 人間はいつも「自分に都合の良い思い込み」に支配されていることを理解する

2 数字や客観的な事実に基づいて判断や行動を決める

3 仕事の進め方や成果物について身近な人から「辛口」の意見をもらう

 

ミスを防ぐ習慣(脳科学的アプローチ)

4 緊張がほぐれる自分なりのルーティンを確立する

5 達成するゴールを具体的に設定し、段取りを決めてから行動する

6 作業は細切れにせず「まとまった時間」を確保し、一つずつ終わらせる

 

何事も失敗はつきもの・・・。

再発しないために具体的に何をするか?を自問自答し、行動することが最重要になります。


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月刊社労士 全国社会保険労務士会連合会の月刊誌・・・中小企業の経営者、労働者を人事労務面からサポートしていくことが社労士の使命

2024年08月25日 | マネジメント

毎月送られてくる「月社労士」。

全国社会保険労務士会連合会が発行する月刊誌です。

社労士の動向、法改正、行政の動きなど最新情報を入手することが出来る専門雑誌は、社労士必携、必須アイテム。

労働法や年金法、健保法などは毎年改正されるため、キャッチアップしていかなければ仕事をすることが出来ません。

どんな仕事もそうですが、知識の更新は重要です。

社会保険労務士は厚生労働省が所管する国家資格。

現在、4万5000人の社労士がいます。

約6割が開業社労士、約4割が会社の人事部等に勤める勤務社労士です。

社労士は、人事労務管理、健康保険や年金などの社会保険、労災保険や雇用保険などの労働保険のスペシャリスト。

現在のテーマは、働き方改革、人手不足立て作、ハラスメント防止、ビジネス人権などです。

社労士会のスローガンも「人を大切にする企業づくりから人を大切にする社会の実現へ」。

日本の勤める労働者の7割は中小企業に勤務しています。

中小企業の経営者、労働者を人事労務面からサポートしていくことが社労士の使命です。


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80対20の法則・・・大切な20%を見つけ出し、そこに注力すれば仕事や家事がはかどるパレートの法則

2024年08月03日 | マネジメント

ツボを押さえると、全体に響く・・・仕事や家事を能率的に進めていくために大切なポイントがあります。

80対20の法則

別名、パレートの法則といいます。

市場経済の出来事の80%の結果は、わずか20%の要因が影響しているというものです。

ABC分析をすると、売上の80%は全顧客の上位20%が占めている、企業の利益の80%は20%の商品が産む出している、世の中のお金は上位20%のお金持ちが80%の金融資産を持っている・・・という図式です。

この法則は、100年前、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見しました。

この法則、仕事や家事でも、重要な2割をこなすと能率的、効率的に遂行できるという経験則と言えます。

全体の中で大切な20%を見つけ出し、そこに注力すれば仕事や家事がはかどります。

 

会社組織には、2-6-2という経験則もあります。

仕事がすごく出来る上位の20%、普通に仕事ができる真ん中の20%、仕事がダメダメの下位20%のことを指します。

あまり好きな言葉ではありませんが、よく「人財」「人材」「人在(人罪)」と言われます。

経営者は上位20%を厚遇しますが、米国の経営学者の研究によると真ん中の60%をうまくマネジメントすれば業績が上がるそうです。

今世紀に入り、80対20の法則から派生して、「80」に着目する実務家も出てきました。

米国のIT専門家のクリス・アンダーソンが見つけたロングテール(長いシッポ)理論。

ITの進化によって、利益を生み出すのは80%の方だと言います。

通販、EC取引などを分析すると80%の部分が利益を稼ぎ出していると言うのです。

amazon書籍通販の分析では、書籍タイトルの93%、売上の57%、利益の50%以上が「80%」の尻尾の部分にあるというのです。

 

日常生活の中でも、20%、80%を意識して活動すると、能率的、効率的な活動が可能になると思います。


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リーダーシップとは何か?政治家や経営者がちょっと頼りないこの国・・・夢やビジョンを持った志士、サムライの登場が待ち遠しい昨今です

2024年08月02日 | マネジメント

トランプ大統領候補の狙撃事件・・・世界に衝撃が走りました。

幸運なことにかすり傷ですんで本当にラッキーでした。

撃たれた直後、右手の拳を上に突き上げ、その背景には星条旗と青い空・・・。

アメリカ人の好きなヒーロー像、そのものでした。

この事件で刑事被告人だったドナルド・トランプさんは、一躍、自由主義のリーダー、民主主義の守護者として躍り出ました。

 

その対抗馬が、民主党のハリス副大統領。

自由と民主主義を愛する強い女性・・・Z世代を中心とした若い人たちにも人気があるそうです。

米国のリーダーは、世界のリーダー。

誰が米国大統領になるのか、世界が注目します。

新聞やネットのニュースを見るたびに何となく閉塞感を感じる今日この頃・・・。

広島出身の岸田総理も、裏金問題や旧統一教会問題、日本経済停滞などで何となく頼り甲斐がありません。

必死の覚悟でロシアとの戦いに臨むゼレンスキー大統領の身体を張った姿勢を見るたびに感動をもらう昨今です。

ニッポンの未来・・・どうなっていくんでしょうか?

 

リーダーシップとは何か?

過去、多くの学者が研究を重ねてきました。

先天的な素質だとする説、状況に対応できる素養だとする説、変革をもたらすパワーを持っているとする説、メンバーのために環境を創造できるとする説など、百花繚乱のリーダーシップ学説があります。

リーダーシップは、物事を進めていく上でのパワーの源泉、エネルギー。

端的に言うと、リーダーシップとは、「影響力(インフルーエンス)」のこと。

メンバーへの影響力だけではなく、他部門への影響力、上司への影響力(ボスマネジメント)など、コミュニケーションという手段を用いて、上下左右に発揮されるものといわれています。

 

今まで、リーダーシップに関する言説についてメモし続けてきました。

以下、箇条書きでメモを再現させていただきます。

 

リーダーシップは、その人の持つ想い、熱意を土台とした行動によって発揮される。

 

リーダーシップセオリー・ジャングル

リーダーシップ論の歴史は、生まれつき論、体型論、性格論など、様々な説があるが、これを身に着ければリーダーシップが強化できるという魔法の杖はない。

 

人々はマネージされたがってはいない・・・リードされたがっているのだ。

 

持論アプローチ(金井嘉宏・神戸大学大学院教授)

リーダーシップは自分自身の経験、体験、キャリアに基づいた「持論」がベースとなる。

「わたしならではのリーダーシップとは何か?」を問い続けること。→マイ・リーダーシップ

 

シチュエーショナル・リーダーシップ

人の成熟状況を見て、リーダーシップスタイルを変える

 

リーダーシップとは、メンバー(フォロワー)がついてくること P.ドラッカー博士

 

ファシリテーション力も必要

 

人を動かすのは、期待、声かけ、返報性。

 

最も新しいリーダーシップ論は、コッター博士の組織を変える「変革型リーダーシップ」。

組織もより良き方向に変えていくチカラを持つリーダー像が示されています。

オバマ前大統領や本田宗一郎さんや井深大さんあたりが該当しそうです。

 

また、サーバント・リーダーシップも最近のはやりです。

サーバント、召使のように部下、メンバーが働きやすいように環境を整え支援するリーダーが高い成果を出すと指摘しています。

 

最近、リーダーシップについて思うのは「リーダーシップとはメンバーのために良い環境を作ること」と定義しています。

働きやすい環境づくり、動きやすい環境づくり、明るい環境づくり・・・最近言われている前向き、建設的ならば何を言っても許される心理的安全性の高い職場や家庭の環境づくりといったところでしょうか。

そういえば、小中学校、高校、大学でもリーダーシップの教育というのはなかったように思います。

リーダーシップを強力に感じたのは、学生時代のスポーツ・クラブ活動でした。

スポーツ万能で身体から強いオーラが出ている・・・そういう彼彼女には全く歯が立ちませんでした(笑)。

これはもう付いて行くしかないと思った瞬間が多々ありました。

リーダーシップは言葉だけでは伝えられない特性があります。

でも、リーダーシップ教育は社会人、学生の必修科目。

リーダーになれないと思ったら、メンバーシップを発揮してリーダーを支えていかなければならないと思います。

吉田松陰先生の松下村塾のように、世のため人のために尽力するリーダーを輩出する教育が、今こそ必要なように思います。

出でよ!ニッポンの新しいリーダー!


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逆襲のPBR経営 効率よく稼ぐ会社への変身 日経ビジネス誌の特集記事・・・夏休みは、ファイナンス本を復習しようと思います

2024年07月31日 | マネジメント

昭和の時代の経営者は、売上高と経常利益に着目していれば大丈夫でした。

でも、2年前に東京証券取引所がPBR改善の要請を出しました。

PBRとは、株価純資産倍率のこと、時価総額を純資産で割ったものです。

PBRが1割れになると、時価総額が解散価値を下回るという事態になります。

日本企業で1倍割れの会社は34%、米国の22%、欧州の18%に比べて多いです。

今週の日経ビジネス誌2024.7.29号の特集記事は「逆襲のPBR経営 効率よく稼ぐ会社への変身」

PBRを高めるために努力する企業を取り上げています。

ニチガス、グンゼ、四国化成、メルコHDなどの事例が紹介されています。

 

Contents

Part1 優等生ニチガス 投資家から知恵を学ぶ

Part2 中堅・地方企業 PBRが促す目覚め

Part3 変われぬ経営 投資家とすれ違い

PBRは、時価総額を純資産で割ったもの。

ROEとPERを掛けた数字でもあります。

つまり、純資産を減少させるか、純利益または時価総額を増加させることによって数字が改善されます。

現代の経営者には、効率よく稼ぐ会社へ変身させ、PBRを改善することが求められています。

MBA(経営大学院)のコアとなる科目は、まさにこのファイナンス。

財務会計は現在、今を、ファイナンスは未来の数字を扱う学問です。

夏休みは、財務・ファイナンス本を再読したいと考えています。


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72の法則・・・お金が2倍になる利率と年数が簡単に計算できる法則 中世イタリアで発見された不思議な計算式

2024年07月29日 | マネジメント

銀行の金利が多少上がりましたが、わずか零コンマ・・・と小数点の世界です(笑)。

日本のバブル経済の時期は、安全、安心の銀行預金が王様だったのですが、今では真逆になっています。

インフレが進めば、資産価値はどんどん低下していきます。

 

資産や資金を複利で運用する上で、固定金利の場合、元本が2倍にするために何年かかるかを簡単に計算できる計算式があります。

72の法則です。

 

元本が2倍になる年数 = 72 ÷ 金利(%)

 

例えば、金利、利率が3%であれば、72÷3で2倍になるのは24年、5%であれば14.4年ということになります。

もし、利率が0.5%であったとしても2倍になるのは144年後です。

利率0.1%でいくと、元本が2倍になるまで720年かかることになります(笑)。

この72の法則は、15世紀に生きたイタリアの数学者、修道士のルカ・パチョーリが発見したと言われています。

さすが簿記という利器を発明した国、銀行というビジネスモデルを作ったイタリアらしいですね。

円安による物価上昇、インフレ基調・・・資産運用をどうするか?悩ましいところです。

世の中、必ず確実に儲かるという話は絶対にありません。

ご用心!


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シン愛社精神 わがまま社員をファンにせよ・・・日経ビジネスの特集記事 社員にカイシャの「推し」活動をしてもらうために

2024年07月20日 | マネジメント

愛社精神・・・昭和の匂いがプンプンします。

栄養ドリンクのコマーシャルソング「24時間、戦えますか?」のフレーズを知っているオジサン世代、オバサン世代の方は、身も心もカイシャに捧げました。

時代が変わりました・・・。

Z世代、ミレニアム世代と呼ばれる若者たちは、「愛社精神?何それ」と言って転職していきます。

カイシャよりも自分自身のキャリア、生き様、ワークライフバランスを大切にする世代には、愛社精神というコンセプトは通用しません。

日経ビジネス2024.7.22号の特集記事は「シン愛社精神 わがまま社員をファンにせよ」。

人手不足、いや人出枯渇の中、社員を引き留めるための各社の取り組みを取材しています。

Contents

Part1 米国でも愛社を模索 不買運動にも発展 社員の反乱を防ぐには

Part2 社長がまず行動 ファンづくりの処方箋

Part3 社員らをつなぐ家族愛 現代流で永続

 

この特集では、三菱マテリアル、物語コーポレーション、三陽工業、Sansan、伊那食品工業、京セラなどの取り組みが取り上げられています。

社内ラジオで想いを語る社長、朝から自主的に社員総出で近所の清掃をする社員、社長が毎日プログ発信する会社・・・様々な取り組みがなされています。

でも、「7・5・3」と言われるように、入社3年後、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が転職、離職していく日本の若手労働者・・・。

社外からの遠心力が強まっていく中、魅力ある求心力を打ち出していかなければ、せっかく採用した人財のリテンションは維持できません。

最近はやりのパーパス経営。

儲かればいいというだけではなく、パーパス(会社の存在意義、目的)を打ち出して、社員をはじめとするステークホルダを惹きつけて行くスタイルの経営です。

そのためには、ESG(環境・社会性・統制)やSDGsを盛り込んだものにしていく必要があります。

単なる「お客さまのために」では、ダメです。

今からの経営者は、コピーライターの才能が必須になると思います。

今回の特集で興味深かったのが、米国の職場で起こっていること。

アメリカ社会で起こっている事象のキーワードが並んでいます。

1年以内に日本の会社の職場でも同様のことが起こってくると思います。

紹介させていただきます。

 

ワークライフインテグレーション・・・在宅勤務など仕事と私生活の境界をなくす

 

燃え尽き症候群・・・リモートワークでストレスや過度の仕事が身体を壊す

 

大離職・・・コロナ禍で目立った自発的に会社を辞めるたくさんの社員

 

グレートリシャッフル・・・コロナで増えた社内の人事異動やレイオフ

 

静かな退職・・・最低限の仕事しかしないヤル気の無い社員の増加

 

リスキリングとアップスキリング・・・新しいスキルや高度なスキルを習得し身を守る

 

ポリワーキング・・・複数の仕事を持ち多様な収入源を作る 副業、ギグワーク、リモートワーク

 

静かな退職・・・新規採用せず社員の能力開発や配置転換で人材需要を満たす

 

コーヒーパッシング・・・職場に短時間だけ顔を出して存在をアピールしてすぐ帰る行為 働かないオジサン

 

騒がしい退職・・・会社や職場への不満をSNSで表明

 

近接性バイアス・・・通勤時間が短い社員を優遇したり高評価を与える

 

有害な生産性・・・生産性を追求するあまり社員の心身の健康や人間関係を害すること メンタルヘルス不全

 

アメリカの会社、職場も大変なようです。

中国でも景気後退で就職もままならないニートの若者たちを、寝そべり族と読んでいるそうです。

 

この特集では、シン愛社精神時代の経営者の心得5カ条を提言しています。

1 立派な理念を持ち社員に熱く語るべし

2 理念に反する行為はするべからず

3 社員を思いやる気持ちを持つべし

4 社員の貢献意欲に付け込んで過重な労働を求めるべからず

5 ブラック企業と紙一重と心得よ

 

5番目の「ブラック企業と紙一重と心得よ」とは、なかなか鋭い指摘です。

最近、「ハラハラ」と言う言葉も流行っています。

ハラスメント・ハラスメントの略です。

何を言っても、「それってパワハラですよね」「セクハラじゃないですか」と言う若手に対するコトバのようです。

社員を、その会社のファンになってもらうためには、カイシャの「推し」活動をしてもらうということ。

経営者も管理職もアタマをひねらないといけません。

大変な時代になったものです。


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休めニッポン 疲れた会社は稼げない・・・日経ビジネス誌の特集記事 しっかり休んで充電、しっかり働いて労働生産性向上

2024年07月15日 | マネジメント

今日は、海の日、祝日です。

世界で最も祝日が多いと言われているニッポン。

年次有給休暇が取りにくいための策だという説もあります。

「24時間働けますか」のCMソング・・・栄養ドリンクのコマーシャルソングが耳から離れない昭和世代(笑)。

有給休暇を取る後ろめたさ、職場の同僚に迷惑をかけたくない、病気のために有休をとっておこう・・・昭和、平成の時代は、休むのが難しかったように思います。

が、令和の時代・・・少子高齢化、人口減少、労基法の改正などにより、休むことが美徳であり義務である時代に入っています。

日経ビジネス誌2024.7.15号の特集記事は、「休めニッポン 疲れた会社は稼げない」。

休みの取れない会社に明日はないと指摘しています。

 

Contents

Part1 休めば上がる生産性 問われる経営能力

Part2 休みやすい5社 後ろめたさを排除

Part3 使える「休ませテック」隠れた不調を発見

 

冒頭ではユニクロの柳井正社長が登場。

「休みを取らないのは罪悪」と喝破します。

わずか40年で売上高3兆円企業を創り上げた柳井さんは、若き日には休みを返上して仕事をされていたようです。

今では「空白の時間」を創るために年に3回、長期の休暇を取られているとのこと。

趣味のゴルフやハワイ旅行、読書三昧で充電されています。

マイクロソフトのビル・ゲイツさんも「シンクタイム」という長期休暇を年間何度も取得しているとのこと。

経営トップから率先して休むことが、良い社風を作るのだと思います。

同特集では、DMU森精機、クボタ、オリックス、ジャパネットなどの「休み」先端企業が紹介されています。

若きミレニアム世代、Z世代も「報酬より休み」という価値観を持った人が大半とのこと。

休めない会社は、優秀な若手社員が離脱していくそうです。

時代は変わったんですね。

しっかり休んで、しっかり働く、働き方を見直し生産性を高めることが重要な時代に移行しました。

先進国の中で有給休暇の取得率が最下位の日本・・・。

休んで充電することで、国際競争力を上げることが出来るかもしれません。

昭和世代として、ちょっと抵抗があるのですが、「もっと休もう!」キャンペーンが日本人を豊かにすると思います。


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