「電機大手だけで一万人超削減」
「雇用者の一割超が余剰人員」
「事実上の退職勧告は増加傾向」・・・
厳しい見出しの並ぶ今週号(2012.6.18)の日経ビジネス。
早期退職について、さまざまな取材をもとに特集しています。
サラリーパースン必読の一冊です。
辞めるも地獄、去るも地獄・・・。
勤め人として、長年の仕事の中で野生のキバや爪もなくなり、早く走れた足も退化・・・。
もはや自分の力でエサをとることもできなくなりつつある・・・。
そうした中での組織の衰退によるリストラ策は本当に残酷だと思います。
日経ビジネス山川編集長も「会社を去る人も、残ろうとする人も甘くはなく、これまで以上に計画性と覚悟が問われている」と述べています。
まさにそのとおりだと思います。
「戦略の失敗は、戦術や戦闘でカバーできない」
これは、経営戦略論の基本ですが、今やトップの戦略策定の失敗が社員やその家族を直撃する時代。
日頃は、人こそが資産、財産だと主張する経営陣も足元が危うくなると、株主や債権者などのステークホルダに対して誇らしくリストラ策をプレゼンします。
米国であれば、ごく普通の光景。
しかしながら、義理と人情のニッポンの会社では異様な感じがします。
社員を切る前に、社内で活かせる職場はないのか?新規事業を立ち上げそこに投入できないのか?能力開発してパワーアップできないのか?・・・そういった視点が見えてこないのです。
日頃は、社員こそが財産、人こそ資産と言っていたボードメンバーが手のひらを返したように、財務ベースのリストラを行うのです。
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辞めるも地獄、残るも地獄・・・。
日経ビジネス誌より「現実」論としての早期退職にまつわる見出しを抜粋してみました。
「こんな会社、やめてやる」と考えている方は、お目通しください。
「ホームレスになった早期退職者がいる」
「三分の一は1年たっても就職が難しい」
「再就職先の年収は前職の7割なら御の字」
「55歳を過ぎるとホワイトカラーの求人は減る」
「開業者の5割は1年以内に廃業」
「二人に一人は無計画の見栄開業」
「退職初年度に税金で100万円消える人も」
「中高年の最終処分場が実在する」
「会社の残ってほしい中高年は全体の2割」
「ミドルの5人に2人はメンタルヘルスに不安」
「管理職の死亡率は5年で6割増加」
この特集の最後は、こう閉められています。
新しい自分になるぐらいの覚悟と意識改革なしに、幸せは訪れない・・・。
そんな時代に日本の大企業ミドルは生きている。