能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

中小企業は行列のできるラーメン屋を目指せ!古田土満著・・・高く想い、低く暮らす

2012年06月23日 | 本と雑誌

「中小企業は行列のできるラーメン屋を目指せ!」

古田土満著 

秀作社出版 1500円+税


著者は、コダトミツル氏。

「コドタ」の「タ」は、土に「、」がついています。

amazonのビジネス書部門で売れているという情報を得て購入。


著者は、江戸川区で開業されている公認会計士・税理士。

職員100名、クライアント1600社という大手会計事務所です。

同書は、著者が経営幹部と中小企業経営者のために書き続けているビジネスエッセイ風の文書から72項目を抽出したもの。

すべて手書きで、そのタイトルが「きたない字」。

所長自らが書いていることを伝えるため、肉筆に想いを込めるためといいます。


会計事務所という、今ではコモデティになりがちな業種業態を、代表者の想いでイキイキと躍動させるための基本的な考え方まとめられています。

著者の真面目、真摯、コツコツ、お客様志向がヒシヒシと伝わってきます。

サービス業に携わる方にぜひとも一読いただきたい一冊です。


タイトルは、ウケねらいで外した感(センスが?)がありますが、内容は充実。

意図的に中小企業の経営者に受け入れていただくための作戦かもしれません。

280円で大手牛丼チェーンが提供する牛丼業界では中小の存続はムリ、だから個性、特徴あるラーメン屋をめざしなさいという主張です。

確かに、ラーメン屋さんは、遠隔地にあっても、行列ができていても、価格が高くても、その味を楽しみたくて行ってしまいます。

さまざまな制約条件を持つ中小企業は、それを目指すべきだという項目から、この本はスタートします。


「日本中の中小企業を元気にする」という所長の想いは、挨拶、掃除、朝礼、親孝行の強制などに体現し、日時決算や独自の経営計画、未来会計といったサービスとなっていきます。

事務所は賃借、クルマも所有しない、本当に「足るを知る」所長だと思います。

住むはマンション長屋、13年落ちの車に乗る私としてみれば、同じ価値観を持たれているようで嬉しい限りでした。


「高く想い、低く暮らす plain living,high thinking」


経営者に求められる必須要件だと思います。

大豪邸に住み、高級外車を乗り回す経営者の下では、あまり働きたくないですよね。


72のテーマから、いくつかピックアップさせていただきます。


「クレームゼロは目指すな」


「働く人を幸せにするのが企業の目的」


「日本一相手を元気にする挨拶をする会社に」


「給料日は社長が社員に感謝する日」


「賞与日は社員が社長に感謝する日」


「利益とは事業存続費なり」


「経営はスピードが命」


 なるほど・・・その通りだと思います。


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