能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

「現場」基点の経営学 水泳の本を読んでも泳げるようにはなりません 手形の話と利益の話

2013年05月04日 | マネジメント

大学の後輩とともに飲み会。

久々の飲み屋で一杯やりました。


彼は脱サラして起業。

12名の社員を抱える立派な経営者です。

起業して5年間、日々の苦労を聴きながら、先輩面をして、アドバイス・・・。し

かしながら、彼の語る現場視点のリアル、ライブ感は面白く、いろいろと質問・・・彼も一所懸命答えてくれました。

話しながら、彼の経営者としての孤独感が癒されているのを感じ取ることができました。

彼は自分の話を聞いてくれることだけでも、日常のストレスが低減されているように思った次第です。


ただ、経営に関する知識はまだまだ。

会社に関する法務知識や、財務会計や計数分析なども、ほとんど素人。

本当に心配なのですが、難問にぶち当たると私にメールがきます。

手形の実務や就業規則の作り方など・・・。

わたしも知りうる限りの知識を駆使して回答するようにしています。

「誰に聞けば分かるということを知っていればOK」という格言は実に大切だと思った次第です。


自分自身、最近の経営のトレンドである大手企業、グローバル企業の経営手法ばかりに目が行き、中小企業に役立つマネジメントに関心が行っていないことを反省した次第です。

ROE、国際会計基準、連結決算、SHRM、マネジメントバイアウトなど知っていても地場の中小企業ではほとんど役に立たないのです。

今年は、このあたりに軸足を置いて再度勉強を続けていこうと考えた次第です。


今回の飲み屋勉強会では、手形と利益についてレクチャー。

紙ナプキンに万年筆でメモりながら講義。

一所懸命聞く彼の姿に、彼の起業した会社の将来に希望が見えた次第です。

経営知識はあるが経営実務にうとい私、経営実務はあるが経営知識のない彼・・・ちょうど藤沢武夫さんと本田宗一郎さんとの関係のようにも思え、ほほえましく思った次第です。


第1部は、手形の授業。

手形の要件、裏書き等を説明し、基本的には手形を振り出さないこと、手形を振り出さなければ倒産はないこと、そして、融手は絶対に振り出さない事を解説し、心に誓ってもらいました。


ハイボールを飲みながらの第二部の授業は、利益の話。

ドラッガー博士の言う「企業の目的は顧客の創造」という話をしながら、これを是とした上で「企業の目的は利益の創出」ということを話しました。

利益は中小企業の血液・・・中小企業の土台となる部分です。

税理士に作ってもらう財務諸表は、納税のためだけではなく経営のために活用すること、必ず月次でチェックすることをお教えしました。

そして、5つの利益の中で営業利益が最も重要性であることを指摘。

彼は、誤字脱字を交えながら紙ナプキンにメモしていました。


1.売上総利益=売上高-売上原価 粗利のこと

2.営業利益=売上総利益-販管費 ここに人件費、経費等が含まれるのでマネジメントのポイントになる

3.経常利益・・・営業外収益、営業外費用を加味 ここは今のところ利息を中心にチェックすればOK

4.税引前当期純利益

5.当期純利益


それぞれに利益率と指標があり、率を見ていくことが大切と説きました。


飲み屋で経営の勉強会。なかなか面白い経験でした。

「先輩、今日はありがとうございました。すごく勉強になりました。御馳走させてください!」

それに対してすかさず説教。

「そういう甘さが会社を潰すんだ!先輩の俺が奢る!」

ちょっとカッコを付け過ぎですが、彼から教わった経営現場のリアル感を自分自身の授業料として払った次第です。


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