久々に面白い本を手にしました。
多額のカネを動かすファンドマネジャー。
著者の藤原さんはやり手の元ファンドマネジャー。
多額の報酬を得て、それを自分の趣味に注ぎ込む・・・。
素敵な人生です。
著者は、「キゲンよく生きるために」お金を使う・・・そのために稼ぐ・・・というポリシーの持ち主。
わたしとほぼ同い年。
著者の藤原さんは、金融の世界で膨大な報酬を得て、それを二度の離婚でチャラにする・・・そんなスゴイ世界を体験・・・それを一冊の新書にまとめています。
「カネ遣いという教養」 藤原敬之著
新潮新書 700円+税
大阪出身の藤原さん。
経営者であるお父さんの元で育てられます。
中学浪人を経験するも一橋大学に進学。
農林中金等を経てファンドマネジャーへ。
膨大な顧客のカネを得ながら、自身多額な報酬(1億円以上)を得ます。
それを、絵画、陶磁器、クルマ、食、本、音楽、椅子、照明器具などに湯水のごとくカネをつぎ込んだ・・・そんな体験談が綴られています。
何だか疑似体験しているようで、ワクワクドキドキしながらページをめくることが出来ます。明
治時代の相場師鈴久も登場、半年間で2000億円稼ぎ、半年間で2000億円を使い切った激動の人生の挿話もあります。
同書から、藤原語録として、琴線に触れたフレーズをいくつか紹介させていただきます。
「王様狂って文化が残る」
「ビル・ゲイツのカネ遣いは面白みがない」 ホントそうですよね。
「カネは遣わなければ入ってこない」
「自腹の重要性」 ここも大賛成!
「ゴルフが財界人の教養を損なった」 戦前は茶道、茶室が財界人の社交の場だったとか・・・。
「本当の自己教育にカネを使う」 これも自腹理論につながります。
「照明器具で世界は変わる!」 わたしも照明と椅子、机にはお金をかけます。ケタが一つ違いますが、10万円のライティングデスク、10万円のチェアでパソコンに向かっています。
藤原さんは、「金」ではなく「カネ」という表記を一貫して使われています。
「カネ」という表現で、大切な資産としての「金」が、何かを実現するための「道具」に思えてきます。
藤原さんにとって「カネ」は、手段であり、道具であると割り切っておられるのだと思います。
目次
第1章 吾はなぜかくもカネを遣うようになりしか
第2章 体験にカネを惜しまない
第3章 モノにもカネを惜しまない
第4章 カネ持ちもカネを惜しむ
カネは遣わないと入ってこない・・・それは、わたし自身体感したことがあります。
小さくため込んでもほとんど増えなかったのですが、
ひょんなことから30万円を社会福祉事業団に寄付したのち、その何十倍ものカネを手にしたことがあります。
お金は一つの場所にとどまるのを嫌がる性格をもっているのではという教訓を得た次第です。
今では、物欲もなく、人のためにお金を遣う・・・自分のために使うのは本代、カルチャー代、残りは家族のためや友人、同僚のために遣う・・・そんな感じになっています。
1時間程度で読める同書。
なかなか濃密な著書。
趣味とお金について考えている人にとって、大きな課題を投げかけてくれる一冊です。お奨めの一冊です。