一時期、文系が社会を引っ張る的な言質が浮上したこともありました。
大局的、総合的なコンセプトワークが出来る文系の人材こそが社会をリードしていく・・・という内容だったと思います。
しかしながら、今の社会の動きを見ていると、どうもそうではないような感じがします。
メガバンクの事件、有名ホテルでの食品偽装、鉄道会社での保線管理の不備など文系人材が主体となって、
さまざまなトラブル、アクシデントを起こしているように思えます。
振り返ってみると、最近の文系人材は、驚くほど本を読んでいないし、
また、知的インプットをしていない状況にあります(当然に自分自身を含まれます!)。
電車ではスマホでゲーム、家ではテレビドラマ・・・知的退廃に向かって一直線といった感じです。
そういえば、大学時代でさえ、必要最低限の単位だけとると、あとは遊びとアルバイトに明け暮れていた友人が多かったように思います。
逆に理科系人材は、大学時代は実験や研究、リポート作成等であわただしく学んでいましたし、また、会社に入ってからも生産現場や研究室での改善や改革のための仕事で残業している場面が多々見られました。
地頭の良い人が多い傾向にある理科系人材は、数学、物理、化学などにも精通し、論理的、実証的に仕事を進める人材が多いように思います。
理科系から文系に専攻を変える、いわゆる「文転」は比較的楽ですが、
文系から理科系への専攻転換はほぼ不可能なのです。
今こそ、文系人材は危機感を持ち、再学習していかなければ将来はないように思います。
その方向性は、次の三つだと思います。
コース1「ゼネラリストへの道」・・・ローテーションを積み重ねながら広く浅く仕事分野に精通しつつ、ホーリスティックに経営、マネジメントを見つめる道を極める。
コース2「スペシャリストへの道」・・・ある分野に特化し、その道を究める。人事でも営業でも経理でも、その人をいなければ当該業務が進められないほどの高度な専門性を身につける。
コース3「クリエイティブ・ビジネスパースンへの道」・・・今までなかったこと、困っていたことを創造性を発揮し、イノベーションを起こす右脳人材。
当たり前のことですが、やはり中途半端はダメ!
自分自身の特性、適性、強みを見極めながら、
理科系人材以上に日々の努力を積んでいくことが求められていると思います。