「図解 一目でわかる!世界経済地図 これから三年後、伸びる国、沈む国」
ワールドエコノミー研究会編
PHP研究所刊 1000円+税
複雑に絡み合う国際経済情勢・・・それを新書版サイズで全般、全容を解説する、なかなか贅沢な一冊です。
特段の新しさはないのですが、アタマの整理には最適な一冊です。
目次
序章 世界経済の今を知る
第1章 北中米経済
第2章 アジア経済 ミャンマーやカンボジアも取り上げられています
第3章 ヨーロッパ経済 デンマークやスイスの経済解説も
第4章 中東・アフリカ経済 ボツワナ、アンゴラ、ケニア、ルアンダ、ザンビアなど
第5章 南米・オセアニア経済
各国ごとに、面積、人口、通貨、経済成長率、GDP、失業率、ビッグマック指数がデータとして掲載されており、各国の比較が可能でとても便利。
また、国ごとの見出しがキャッチコピー的に表現されており興味深く読むことが出来ます。
たとえば、
「中国 問題山積み!奇跡の経済成長も終焉間近?」
「韓国 グローバル戦略で成功したが、経済構造はあまりに危険!」
「フィリピン BOPビジネスに成功し、アジアの病人から脱出」
「スペイン 若年層の失業率50%以上 バブルに踊りすぎた情熱の国」
「カタール 税金なし、教育も医療のタダ 至れりつくせりの世界で最も裕福な国」
といった感じです。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の急速な経済成長にも多少曇りが見えてきている昨今ですが、
それに続く新興国には、VISTA、MENA、VIPというグループがあるとのことです。
欧州の経済問題国ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペインをPIGS(ピッグス)と呼んでいるようですが、
VISTA、MENA、VIP、ネキスト11はこれからの世界経済をけん引するであろう希望の国々です。
VISTA(ビスタ)・・・ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン
MENA(ミーナ)・・・中東、北アフリカ→UAE、イスラエル、エジプト、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、トルコ、バーレーン、モロッコ、ヨルダン
VIP・・・ベトナム、インドネシア、フィリピン
国境を越えてマネーが行きかうグローバル経済・・・。
政治、ミリタリー、外交なども含めて多様な動きがさらに加速していきそうな感じがします。