能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

禅とマネジメント 日本的経営の根幹に立ち戻るとき 全てを捨てれば、自分が浮かび上がる・・・

2013年12月15日 | 本と雑誌

「禅」

吉岡棟一・広田尚敬著 保育社カラーブックス 680円+税


はじめて管理職に任命されたころ、気持ちが揺れ動いて困惑した時期がありました。

部下の動きが自分の想いとかけ離れていてイライラする、

なぜ出来ないのだと問い詰める、

報告連絡相談が遅い、

スピード感のなさに腹を立てる・・・。

何をやってもうまくいかない・・・悪魔のサイクルに陥っていたのです。


そんな中、茶道の先生から助言をいただきました。

「自分が得をしようとか、儲けようとか、楽をしようとかという気持ちを捨てなさい。

全てを捨てれば、自分が浮かび上がるから。」


若さのみで突っ走っていた自分にとっては、当初「?」でしたが、助言どおりにやってみると、何かが変わりはじめました。

自分から部下の方に行って話を聞く、命令口調ではなく対話口調に、部下のために上と戦う・・・。

仕事も少し円滑に回り始め、なぜか海の底から浮かび上がってきた感じがしたのでした。


茶道、茶の湯、禅・・・。


マネジメントは、舶来、洋行帰りのバタくさいものではなく、人と人のつながり、自分の心の持ち方が大きいと痛感したきっかけでした。


このころ購入したのが、この本。

全頁カラーで、「禅」のあらましが理解できるようにまとめられています。


もくじ

1.初めて禅を志す人へ

2.禅を育んだ人たち 栄西、一休、良寛・・・

3.禅と日本文化

4.雲水の生活

5.各地の禅寺院


同書では、禅の厳しい修行が分かりやすくまとめられています。

坐禅のみならず、行鉢、作務、行乞、点検など・・・ホントーの禅修行の厳しさがカラー写真から伝わってきます。


日経ビジネス誌2013.12.16号の特集「禅と経営」。

自分としては、唐突感もなく、楽しく読むことができました。

スティーブ・ジョブズ、稲盛さん、安倍首相が表紙を飾る同誌。

一度野に下った安倍さんが禅を通じてカムバックしたこと、学生時代にサンフランシスコで禅に接したジョブズ・・・。

ZENの持つパワーが、メンタルの強さにつながったことがよく分かります。


社内に茶室を作った日本オラクル社、リモコンヘリコプターでトップシェアのヒロボー社などの事例も解説されており、禅と経営について知ることができます。


ぜひ一読いただきたい日経ビジネス誌でした。


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