「禅」
吉岡棟一・広田尚敬著 保育社カラーブックス 680円+税
はじめて管理職に任命されたころ、気持ちが揺れ動いて困惑した時期がありました。
部下の動きが自分の想いとかけ離れていてイライラする、
なぜ出来ないのだと問い詰める、
報告連絡相談が遅い、
スピード感のなさに腹を立てる・・・。
何をやってもうまくいかない・・・悪魔のサイクルに陥っていたのです。
そんな中、茶道の先生から助言をいただきました。
「自分が得をしようとか、儲けようとか、楽をしようとかという気持ちを捨てなさい。
全てを捨てれば、自分が浮かび上がるから。」
若さのみで突っ走っていた自分にとっては、当初「?」でしたが、助言どおりにやってみると、何かが変わりはじめました。
自分から部下の方に行って話を聞く、命令口調ではなく対話口調に、部下のために上と戦う・・・。
仕事も少し円滑に回り始め、なぜか海の底から浮かび上がってきた感じがしたのでした。
茶道、茶の湯、禅・・・。
マネジメントは、舶来、洋行帰りのバタくさいものではなく、人と人のつながり、自分の心の持ち方が大きいと痛感したきっかけでした。
このころ購入したのが、この本。
全頁カラーで、「禅」のあらましが理解できるようにまとめられています。
もくじ
1.初めて禅を志す人へ
2.禅を育んだ人たち 栄西、一休、良寛・・・
3.禅と日本文化
4.雲水の生活
5.各地の禅寺院
同書では、禅の厳しい修行が分かりやすくまとめられています。
坐禅のみならず、行鉢、作務、行乞、点検など・・・ホントーの禅修行の厳しさがカラー写真から伝わってきます。
日経ビジネス誌2013.12.16号の特集「禅と経営」。
自分としては、唐突感もなく、楽しく読むことができました。
スティーブ・ジョブズ、稲盛さん、安倍首相が表紙を飾る同誌。
一度野に下った安倍さんが禅を通じてカムバックしたこと、学生時代にサンフランシスコで禅に接したジョブズ・・・。
ZENの持つパワーが、メンタルの強さにつながったことがよく分かります。
社内に茶室を作った日本オラクル社、リモコンヘリコプターでトップシェアのヒロボー社などの事例も解説されており、禅と経営について知ることができます。
ぜひ一読いただきたい日経ビジネス誌でした。