スティーヴン・ホーキング博士。
宇宙物理学を世界に広めた学者です。
英国では、ニュートンやアインシュタインに並ぶ偉大な学者として評価されています。
晩年は、ブラックホールや量子物理学、ビッグバンについての研究を推進しました。
1942年英国オックスフォード生まれ。
21歳の時、難病を患いますが研究活動を続けます。
そして、2018年76歳で逝去。
この2018年に最後の著作「ビッグ・クエッション(人類の難問に答えよう)」を発刊します。
「神は存在するのか?」「宇宙はどのように始まったのか?」「未来を予言することができるのか?」といった10の「大きな問い(ビッグ・クエッション)」にホーキング博士が答えた書籍です。
ビッグ・クエッション 人類の難問に答えよう
スティーヴン・ホーキング著 NHK出版
同書は、世界で100万部売れたそうです。
9つ目の問いでする「人工知能は人間より賢くなるのか?」について、博士はYESと答えています。
ただし、AI(人工知能)の持つリスクについても指摘。
軍事利用や暴走などのリスク、危険性について、しっかりAIをコントロールしていく必要性を指摘しています。
理論理屈だけではなく、テスラのイーロン・マスクCEOともAI研究を続けたり、オバマ大統領からも米国最高勲章を授与されました。
博士は、こんな逸話を同書に載せています。
人間がコンピュータに尋ねた。
「神は存在するか?」
コンピュータはこう答えた。
「今や、神はここにいる」
コンピュータは、電気、プラグが切られないように作動した・・・。
まるで映画「2001年宇宙の旅」で反乱を起こしたコンピュータHALのようですね。
AIが人間の能力を上回るシンギュラリティ・・・2045年頃に起こると言われています。
すべてがセンサーやIoTでコンピュータに繋がりつつある現在・・・AIにより人間が支配されないようにしていかなければなりません。
思想家ジャン・ジャック・ルソーが遺した言葉を思い出しました。
「自然に帰れ!」
同書は、ホーキング博士最後の書。
大きな質問(ビッグ・クエッション)について、博士の答えを提示します。
少し紹介させていただきます。
Q 神は存在するのか?
A 科学法則を「神」と読んでもよい。その神は会っても質問できるような人格神ではない。
Q ビッグバンの前には何があったのか?
A その質問には意味がない。「前」を示すために必要な時間の概念がないためだ。
Q この惑星の未来にとって最大の脅威は何でしょうか?
A 防ぎようのない脅威は、小惑星の衝突。6600万年前の小惑星衝突では恐竜が絶滅した。より差し迫った危機は制御不能になった気候変動。このままいくと金星のような超高温の星になる。
ホーキング博士は、死ぬまで人類の未来について想いをはせていたようです。
博士の死について米国オバマ大統領は、SNSにメッセージを発信したそうです。
Have fun out there among the stars.
星たちのあいだで楽しんでください