新年早々、衝撃的な一冊に出会いました(かなりショッキングな一冊です)。
やっぱり日本経済、プレゼンスは、このまま沈んでいくことになるじゃないかと思わせる本です。
世界にはベンチャーから進化したユニコーン企業が380社あると言われていますが、日本はわずか3社。
失われた30年・・・GAFAMを生み出すことが出来なかった日本・・・この先は、かなり暗い状況です。
2030年すべてが「加速」する世界に備えよ イーロン・マスクの盟友が未来を完全ガイド
ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー著 土方奈美訳
ニュースピックパブリッシィング刊 2400円+税
著者のピーター・ディアマンディスさんは、Xプライズ財団CEOでシンギュラリティ大学の創設者。
MITで分子生物学と航空工学の学位、ハーバードメディカルスクールで医学の学位を取得。
2014年のフォーチュン誌で「世界の偉大なリーダー50人」に選出された一人。
彼の持つビジョンは、イーロン・マスクさんやビル・クリントン元大統領、エリック・シュミットGoogle元CEOからも絶賛されているとのことです。
この10年間で、100年分技術開発が進む・・・著者は述べます。
さらに「コンバージェンス(融合)」により、スピードが加速化・・・エクスポネンシャル・・・つまり指数関数的にイノベーションが起こっていくと指摘します。
思わず、ため息です。
ハイパーループ、アバター、ロボット、量子コンピュータ、VR、AR、3Dプリンター、プロックチェーン・・・そして究極のイノベーションであるブレイン・コンピュータ・インターフェイス・・・あまりのスピードで目がくらみそうです(笑)。
・「空飛ぶ車」が現実になる
・SNSマーケティングが終わる
・老化が克服される
・立地で家を買う時代が終わる
・環境問題対策にイノベーションがやっと追いつく
・AIと移民によって大量の雇用が生まれる
・新たなデジタル知性が生まれる・・・
同書の良いところは、楽観的、オプティミステックな視点、視座があること。
人類の英知を信じ、世界は時々刻々と良い方向に向かっているとエビデンスを示しながら書かれているところてす。
目次
第1章 「コンバージェンス」の時代がやってくる
第2章 エクスポネンシャル・テクノロジーpart1
第3章 エクスポネンシャル・テクノロジーpart2
第4章 加速が加速する・・・「時間の節約」「潤沢な資金」「非収益化」「天才の発掘しやすさ」「潤沢なコミュニケーション」「新たなビジネスモデル」「寿命を延ばす」という7つの推進力
第5章 買い物の未来・・・ショッピングモールはもういらない
第6章 広告の未来・・・SNSマーケは終わる さらば広告、ようこそJARVIS
第7章 エンターテイメントの未来・・・ブレインコンピュータインターフェイス
第8章 教育の未来・・・画一的教育は終わる 年10億人のアンドロイド教師が生まれる
第9章 医療の未来
第10章 寿命延長の未来・・・老化は克服できる カギは血液
第11章 保険・金融・不動産の未来・・・自動車保険は終わる クラウド保険の登場
第12章 食料の未来・・・食料のムダをなくすバイオテックとアグリテック
第13章 脅威と解決策・・・5つのリスク「水危機」「生物多様性の喪失」「異常気象」「気候変動」「環境汚染」
第14章 5つの大移動が始まる
この第14章は、100年先を見据えた予測・・・人類の大移動を鍵として、移民、都市流入、宇宙といった大きなスケールで展開されます。
ここは、必読の部分・・・今までの先入観、ステレオタイプが破壊されます。
解説は、山本康正さん。
昨年、「2025年を制覇する破壊的企業(SB新書)」を出版されたベンチャーキャピタリスト。
この本もお薦めの一冊です。
未来はどうなるか分かりません・・・だけど心の準備、適応の準備だけはしておかなければなりません。
2021年・・・必読の一冊です。