日本の企業のうち約10%がゾンビ企業だと言われています。
世界一と言われる中小企業政策が、つぶれるはずの会社を延命させているのです。
経営コンサルタント小宮一慶さん著の新刊が発刊されました。
中小企業向けの経営の原理原則がまとめられた一冊です。
ドラッカー、一倉定、稲盛和夫、松下幸之助など経営の神様と言われた先人の言葉を引用しつつ、著者の自説を展開していきます。
だから、会社が倒産する
小宮一慶著 PHPビジネス文庫 850円+税
著者の指摘する経営の根幹は、QPS。
Q「品質」クオリティ、P「価格」プライス、S「サービス」です。
お客さま第一で、最高の品質の商品、サービスを、適正な価格で提供する、同時にお客さまの感動を呼ぶサービスを提供することで会社は強くなると指摘します。
さらに、女性活躍や会社内の掃除、お客さまアンケートの是非、朝礼など泥臭いテーマも取り上げて同書は進みます。
目次
第1章 「品質・価格・サービス」をアップデートできない会社は潰れる
第2章 必ずまた訪れる危機への備えはあるか
第3章 社長が「生き方」の勉強をしているか
第4章 事業承継の準備をしているか
著者は経営コンサルタント事務所の若いコンサルに次のように指導しているそうです。
「会社に行って何を観ればいいか分からなければ、お客さま第一の会社かどうか、外部志向かどうか見てきなさい。」
企業の存在意義は、すべて社外にある・・・ここが起点です。
当然に財務も重要。
キャッシュは月商の1.7か月分が必要、自己資本比率は10%以上なければならないと指摘します。
最終章は、少子高齢化の中、後継者をどうするか?について触れています。
成功のポイントは、財務の健全化とマネジメントチームの設置。
早いうちから後継者を巻き込んで進めよ、と助言しています。
経営や事業承継に悩んでいる社長さんに読んでいただきたい一冊です。