大学生の時に影響を受けたサルトル。
今や哲学の世界では古臭くなっている実存主義ですが、今でもサルトルやキルケゴール、ハイデカーの主張した実存主義のコンセプトは大好きです。
ジャンポール・サルトル(1905~1980)の最も大切にしたのは、自由。
「存在と無」「実存主義とは何か?」という著作はとても難解。
哲学の教授や入門書なしでは、なかなか理解できない代物です。
しかしながら、彼の主張である行動主義、社会参加(アンガーシュマン)は、当時閉塞感のあった欧州の若者たち、世界の若者たちに大きな影響を与えました。
アンガージュマンとは、英語で言うとengagement・・・社会に関わっていこうというスローガンです。
彼の著作の中でエピソードとして取り上げられているフランスの若者の話。
フランス解放のために自由フランス軍に参画してアフリカに行くか?それとも母親の介護をするか?
自由であるがゆえの難問です。
「人間は自由の刑に処せられている」と彼は言いました。
実存主義を一言でとらえた彼の言葉・・・「実存は本質に先立つ」。
今を生きるということでしょうか?
サルトルはノーベル文学賞の授与を拒否したり、妻ボーヴォワールとの契約結婚、別居生活、自由恋愛など、いかにもフランス人らしい生き方を通しました。
自由であるがゆえの不自由・・・人生はなかなか不条理なものです。
そんな中、サルトルの打ち出したコンセプトは、今でも勇気を与えてくれます。