DX・・・デジタルトランスフォーメーション。
バズワードとして、ネットやマスコミで大々的に取り上げられています。
昭和世代としては、周回遅れになっていて、ちょっと敷居が高いのですが、DXのコンセプトは、コロナ禍の中ということもあり、「変える」チャンスと言えます。
IGPI流DXのリアル・ノウハウ
冨山和彦・望月愛子著 PHPビジネス新書 890円+税
著者は、経営共創基盤(IGPI)グループ会長の冨山和彦さん。
CXブームを提唱する日本を代表する経営コンサルタントです。
そして、同じくIGPIのCFOの会計士、望月愛子さん。
同書は、いつもの冨山さんのロジカルさ、シャープさが薄いため、口述筆記して、望月さんが推敲したのではないかと思います。
同書を読むと、DXは高度であるけれども、顧客視点、経営視点、現場視点から時間軸を持ってアプローチすれば成功の確率が上がるということが分かります。
目次
chapter1 そもそもDXとは何か
chapter2 DXはスタートで決まる
chapter3 DX推進のリアル・ノウハウ
chapter4 なぜ、御社のDXは進まないのか
chapter5 DXで壮大な未来を描く
終章 DX経営のゴール 企業も個人も空中戦を実装せよ
DXの本質は、「デジタルで変わること」・・・
社員にとって、顧客にとって、簡単、便利なDXであること・・・
今回の冨山本は、なかなか泥臭く現場指向・・・90分くらいで気軽に読むことが出来ます。
キャリア論でよく出で来る「will」「can」「must」が、DX話でも出てきて、ちょっとびっくり。
「will」・・・DXで何を成し遂げたいのか?
「can」・・・どんなDXが可能なのか?
「must」・・・DXで何を成し遂げなければならないのか?
これらを確認しながら、短期、中長期の時間軸を持って進めていくことだと説きます。
同書の中で面白かったのが、「DX悪魔の辞典」。
冨山さんのエスプリとユーモアが炸裂します・・・笑。
DX・・・ICTやITがさすがに古びてきたので、代わって登場してきた関連事業者によるマーケティングバズワード。
IoT・・・もっともらしいが、「だからどうしたの?」な流行り言葉。
AI・・・ほとんど付加価値を生まない技術資産。大量のAI開発者を雇うと10年後にまとまった不良人材資産になる危険性大。
ビッグデータ・・・質量のないガラクタの山。
冨山節さく裂です。
このほか、ソサエティ5.0、デザイン思考、VUCAなどにも言及されています。
DXごっこ、なんちゃってDXは止めようという冨山さん。
40歳以上のビジネスパースン必読の一冊です。