能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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IGPI流DXのリアル・ノウハウ 冨山和彦の新刊新書 今回は泥臭く現場視点・・・カッコつけず空軍力を強化するということ

2021年07月09日 | 本と雑誌

DX・・・デジタルトランスフォーメーション。

バズワードとして、ネットやマスコミで大々的に取り上げられています。

 

昭和世代としては、周回遅れになっていて、ちょっと敷居が高いのですが、DXのコンセプトは、コロナ禍の中ということもあり、「変える」チャンスと言えます。

IGPI流DXのリアル・ノウハウ

冨山和彦・望月愛子著  PHPビジネス新書  890円+税

 

著者は、経営共創基盤(IGPI)グループ会長の冨山和彦さん。

CXブームを提唱する日本を代表する経営コンサルタントです。

そして、同じくIGPIのCFOの会計士、望月愛子さん。

同書は、いつもの冨山さんのロジカルさ、シャープさが薄いため、口述筆記して、望月さんが推敲したのではないかと思います。

 

同書を読むと、DXは高度であるけれども、顧客視点、経営視点、現場視点から時間軸を持ってアプローチすれば成功の確率が上がるということが分かります。

 

目次

chapter1 そもそもDXとは何か

chapter2 DXはスタートで決まる

chapter3 DX推進のリアル・ノウハウ

chapter4 なぜ、御社のDXは進まないのか

chapter5 DXで壮大な未来を描く

終章 DX経営のゴール 企業も個人も空中戦を実装せよ

 

DXの本質は、「デジタルで変わること」・・・

社員にとって、顧客にとって、簡単、便利なDXであること・・・

 

今回の冨山本は、なかなか泥臭く現場指向・・・90分くらいで気軽に読むことが出来ます。

 

キャリア論でよく出で来る「will」「can」「must」が、DX話でも出てきて、ちょっとびっくり。

「will」・・・DXで何を成し遂げたいのか?

「can」・・・どんなDXが可能なのか?

「must」・・・DXで何を成し遂げなければならないのか?

これらを確認しながら、短期、中長期の時間軸を持って進めていくことだと説きます。

 

同書の中で面白かったのが、「DX悪魔の辞典」。

冨山さんのエスプリとユーモアが炸裂します・・・笑。

 

DX・・・ICTやITがさすがに古びてきたので、代わって登場してきた関連事業者によるマーケティングバズワード。

 

IoT・・・もっともらしいが、「だからどうしたの?」な流行り言葉。

 

AI・・・ほとんど付加価値を生まない技術資産。大量のAI開発者を雇うと10年後にまとまった不良人材資産になる危険性大。

 

ビッグデータ・・・質量のないガラクタの山。

冨山節さく裂です。

このほか、ソサエティ5.0、デザイン思考、VUCAなどにも言及されています。

 

DXごっこ、なんちゃってDXは止めようという冨山さん。

40歳以上のビジネスパースン必読の一冊です。


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