友人から面白い本をいただきました。
連休の時間を利用して読んでみました。
哲学
島田紳助&松本人志著 幻冬舎刊 1300円+税
いろいろな出来事があり、今ではテレビに出ていない島田紳助さんと松本人志さん。
奥付は、2002年。
お二人の絶頂期に書かれた一冊です(口述筆記なのかもしれません)。
二人の笑いの哲学、人生哲学について、往復書簡のような形でまとめられています。
解説(邂逅)を書いた石川拓治さんの文章も秀逸で楽しく読むことが出来ました。
家族思いの紳助さん、孤独を愛する人志さん・・・。
お笑いの頂点を極めたお二人の思想は、確固たる信念の上から出てきたものだと思った次第です。
島田紳助さんのパート
そろそろ自分の死に際のことを考え始めている
ダウンタウンのテンポは絵でいったらピカソ
誰かにちょっと負けてるなあと思ったときは、だいぶ負けている
ツッコミは努力で上達するものだが、ボケの才能はそうはいかない
松本さんには、さんまのような華がない
笑いの部分で、大衆にウケるよう、自分から歩み寄るつもりはない
ビートたけしさんはいつも、僕の先を歩いている
僕は3人の子どもたちに、自分がへこんでいることも包み隠さず話す
心の豊かさのためには、お金は必要なものだ
この国ではコケたらあかん。この国でコケた奴が悪い
常に最悪のことを考えて行動している
さあ、大人になった。何になろう!(年賀状のフレーズ)
松本人志さんのパート
ダウンタウンは紳助竜介のコピーだった
僕は人の話を聞いていないことが多い
芸人は頂上にいる者同士としてしか喋りあわない
そもそもお笑いというのは、作ったものをつぶすという作業である
浜田はものすごく図太くて、僕はものすごく繊細
自分が理想の女に出会うことは一生無理
もし仮に結婚して、子どもが出来たとしても、たぶん僕は孤独だろう
「もうあいつには勝てんな」と他の芸人に言わせたい
お二人とも、お笑いのテッペンを目指して見えない所で物凄い努力をされてきたことが、よく分かりました。
でも、漫才界もテレビ界も芸能界も、代替、かわりの人材はいくらでもいるということ。
祇園精舎の鐘の声・・・平家物語を思い出します。
会社や社会でも同じことですね。
それを考えると、ちょっとむなしさを覚えました(涙)。
生き馬の目を抜く芸能界・・・お二人の言葉にはチカラがありました。