赤い色は、気持ちを明るくし、気分を高揚させます・・・。
赤を身につけると、なぜもてるのか?
タルマ・ローベル著 池村千秋訳 文藝春秋刊 1500円+税
積読(つんどく)になっていた一冊。夏休み積読シリーズ7冊目です。
著者は、テルアビブ大学の心理学科教授の女性。
「身体化された認知」・・・心理学に大革命を起こす発見だそうです。
原題は、「Sensation」。
副題は、「身体的知性の新科学」になっています。
目次
はじめに 五感が操る私たちの世界
第1章 温度 アイスかホットか
第2章 手触り 商談に勝つ椅子、負ける椅子
第3章 重さ バックパッカーが旅に魅せられる理由
第4章 赤その1 赤ペンの使用を禁じた学校
第5章 赤その2 赤を身につけるとなぜもてるのか?
第6章 光 冬になるとなぜ気持ちが沈むのか?
第7章 空間その1 感情的な交渉と論理的な交渉
第8章 空間その2 選挙に勝つと背が高くなる?
第9章 浄め 心の汚れは除菌シートで落ちる
第10章 匂い あの店ではなぜ財布のひもが緩むのか?
最終章 閃き グーグルのオフィスは何が違うのか?
同書では、学術的なソースノートもちゃんと付いています。
心理学を極めたい人には、ソースを当たることも出来ます。
この本は、実践的なハウツー本としても機能します。
各章についている「まとめ」では、研究成果、結論、実践編が見開きで説明されています。
実践編だけでも、同書の価値はアリだと思います。
いくつかピックアップさせていただきます。
デートや商談、交渉のときは、相手に温かい飲み物を飲ませてみよう
柔軟な姿勢で交渉に臨むには、やわらかい椅子に座り、硬いものを持たないように気をつけよう
子どもも大人も、文字通り人と触れあおう
履歴書やレポートには重い紙を使おう
スポーツでは、赤いウェアやユニフォームを着用しよう!
五輪競技の勝敗の分析でも、赤は青よりも勝率が高いそうです。
ということは、カープも、その恩恵を受けているのかもしれません・・・笑。
女性はセクシーさを印象づけたいときには、赤を身につけよう
男性も社交や商談で支配性を印象付けたいときは、赤を身につけよう
相手から好印象を持たれるためには、白い服を着よう
多様でユニークな意見が欲しいときは、狭い場所でつめて座りながら会議をしよう
大きな力をもっていると思われたいときは、Lサイズの飲み物や食べ物を頼もう
店づくりや、事務作業、勉強には匂いの力を活用しよう
赤色の威力・・・。
赤色の持つパワーを知ることが出来た面白い一冊でした。
女性も男性も、赤の威力をもっと活用した方が良いようです。