日経ビジネス誌2015.3.30号の特集「戦慄の人工知能・AIが企業を動かす日」。
面白い特集でしたので、紹介させていただきます。
1. 止まらぬ人間超え マイクロソフト、IBM、グーグルの最前線
2. 特異点(シンギュラリティー)への先手 楽観派が見据える商機
3. 実は人類の危機か 悲観派が描く破滅的未来
4. 日本には追い風 今こそ逆転の発想
この特集では、コンピュータの計算能力が高まるとともに、コンピュータのディープラーニング(深い学習)とビッグデータにより、その能力は人間の能力を超えると指摘します。
IBMでは、医師、投資担当者、弁護士、シェフ、科学者などの専門家を研究・・・最高の助言を得ることができる「ワトソン」を開発中とのこと。
グーグルでは、翻訳、音声認識、製品やサービスの抜本的向上、高度な問題解決、検索、セキュリティーのためにAIを開発中・・・。
知的労働者の世界が激変すると予測します。
「AIで未来の経済は、こうなる」
1. AIの発達によって、今後、多くの仕事が機械で代替される
2. 結果として、労働者の格差が広がる
3. AIによる企業活動の最適化でモノやサービスの価格が下がる
4. 満足な職がなくてもそこそこの暮らしが出来るが、幸福感は人それぞれ
なんとなく、そうなるんだろうなあ・・・という予測ですが、職業別となるとかなりリアル・・・。
自動化の可能性が高い職業とその確率(オックスフォード大学カール・フレイ氏2013年論文)・・・減少していく職種
保険の査定担当者 99%
クレジットアナリスト 98%
不動産ブローカー 97%
レストランの料理人 96%
造型などの作業員 95%
弁護士助手
会計士
小売店の店員
工場作業員
臨床検査技師
タクシー運転手
農業従事者
原子力技術者
調査系や作業系の仕事が機械に置き換えられていくというのは何となく分かるのですが、料理人、店員などの人が介在するサービス業的な職種も減少していくのではないかという指摘はちょっと意外でした。
自動化の可能性が低い主な職業とその確率(カール・フレイ氏2013論文)・・・機械やコンピュータに代替できない仕事
レクリエーションセラピスト 0.28%
整備、修理工の第一線監督者 0.3%
医療ソーシャルワーカー 0.35%
振付師
セールスエンジニア
小学校教師
パタンナー
人事マネジャー
スポーツトレーナー
経営者
写真家
弁護士
数学者
「ソーシャル」「経営」「創造性」は安泰
人間が介在する仕事、クリエイティブな仕事は、今後もコンピュータには代替できないようです。
同特集の最後は、日本にとってはチャンスと締めくくっています。
AIによって、
英語の壁が消える・・・通訳ソフト誕生
人手不足が解消する
新興国が驚異でなくなる・・・低賃金より知能化の競争に
文系人材を活用できる・・・必要なのは技術より構想力や対人スキルを持つ人材
不安と期待が入り混じる人工知能・・・。
「2001年宇宙の旅」でスタンリー・キューブリックが描いたコンピュータHAL。
機械が人間に反乱を起こすというストーリーでした。
でも、使い方次第によっては、ユートピア社会の到来ということも出来ると思います。
AI、3Dプリンタ・・・人類はどう変わっていくのでしょうか?