公認会計士でベストセラー作家の山田真哉さんが「20年に一冊の名著」と推した一冊。
ビジネス書ランキングでも1位となった一冊。
読んでみました。
売上最小化、利益最大化の法則 利益率29%経営の秘密
木下勝寿著 ダイヤモンド社 1800円+税
著者は、リクルート社を卒業して大阪でネット通販会社をスタートアップした起業家。
ゼロイチを実現し、その後、北海道へ。
北海道産のカニや海産物の通販から初めて、現在では自然食品や化粧品などニッチな世界で強力な販売力を伸ばし続けている企業です。
北の達人コーポレーション・・・ちょっと怪しい会社名ですが、一人当たり利益が303万円の超高収益企業。
2014年に東証二部上場、2015年には東証一部上場しています。
1人当たりの利益では東証プライム平均の7.7.倍あるそうです。
目次
第1章 売上ゼロでも生き残れる「無収入寿命」という考え方
第2章 売上OSが利益OSに変わる!売上最小化、利益最大化の法則
第3章 会社の弱点が一発で分かる「5段階利益管理」
第4章 小さい市場で圧勝する商品戦略
第5章 利益率29%を実現する販売戦略
第6章 ファンの心をつかんで離さない「演歌の戦略」
第7章 未経験者でも利益を上げ続ける人材戦略
第8章 売上1000億円・利益300億円を実現する戦略
同書では、15の公式、47の計算例、44の図表が掲載されています。
経営のノウハウや秘訣は、秘中の秘としてクローズにされるのが一般的ですが、同書ではすべてがオープンになっています。
一般的に、まずは売上を上げ、その結果として利益を上げることが一義とされています。
が、著者は利益ベースでKPIを設定して、何をやるか何をやらないかを日々判断していきます。
コロナ禍や不況下では、売上を10倍にすることはリスクも10倍。
売上を上げるためには設備投資や変動費増加などキャッシュの問題、資金繰りの問題が出てきます。
黒字倒産という言葉があるように、一つ躓くと会社は危機的な状況となります。
スタートアップ時に苦労した著者は、財務会計やwebマーケティング、人材育成や会社の風土づくりまで原理原則を応用し、自分自身のコトバに翻訳し実践。
いわば、検証済みの仮説を日々更新しているところに、強さがあると思います。
そして、守りの経営と攻めの経営のバランス感覚、センスが秀でています。
利益を上げたい経営者、webマーケティングにチャレンジしたい経営者の方々に、ぜひ読んでいだたきたい一冊。
小職も診断士仲間やコンサルタント仲間、中小企業経営者にイチ押し本として紹介しています。
今後グローバル展開や新事業開発などを計画している同社・・・さらなる課題や試練に直面することになると思います。
そこで木下社長がどういう意思決定をするのか?
売上の不振や人材不足、ステークホルダーからの圧力もあるでしょう。
そこでどうするのか?
新たに出てくる打ち手・・・実に楽しみです。
著者が最終章で主張する「ピッパの法則」。
優秀な経営者の多くは、この法則を日々やっているとのこと。
ピッパの法則・・・「ピッと思ったら、パッとやる」。
経営は、行動であり、実行であり、執行力です。
中小企業の社長さん、参謀に読んでいただきたい一冊です。
【ベストセラー会計士が教える】売上が減ったのに利益が増えるときめきの魔法 | 売上最小化、利益最大化の法則 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)