お盆、菩提寺にお布施・・・ご先祖さまの供養をしてきました。
仏教徒として先祖代々続けられてきた義務・・・でも、そもそも仏教のことをほとんど理解していない自分がそこにいました。
夏休みということで、積読だった仏教本を読んでみました。
仏教徒なのに仏教を知らない・・・反省!
齢を取ったということでしょうかねえ?(笑)
仏教「超」入門
白取春彦著 ディスカバー携書刊 1000円+税
ベルリン自由大学で哲学、宗教、文学を学んだ哲学者です。
「趙訳ニーチェの言葉」で一大ニーチェブームを起こしました。
ニーチェ本も面白かったですが、この仏教本もなかなか面白く読むことが出来ました。
目次
第1章 仏教の出発点は「人生とは苦しみ」
第2章 仏教のキーワードは「縁起」と「空」
第3章 煩悩から自由になる
第4章 仏教の説く愛と慈悲
第5章 本来の仏教から変質した日本の仏教
第6章 仏教に輪廻はない
仏教は、インドで生まれ、中国、朝鮮を経て、日本に伝来。
バスの中で楽しむ伝言ゲームのように6世紀に日本に来ることには、原型とはかなり異なったものになったようです。
著者は、日本の僧侶が日本語化の努力を怠ったため、仏教が難解になったと指摘します。
同書では、仏教用語の解説をシンプルに喝破しています。
縁起 → 関係性
空(くう) → 現象
無常 → 変化
業(ごう) → 行為
なるほど、よく理解できます。
また、本来の仏教は、「人生とは苦しみ」ととらえ、すべてのものが繋がっている、「縁起」と「空」に悟りを開き、「悟り」に到達するという努力を求めているとのこと。
神さまも仏さまも同じ範疇・・・日本の世界観のようです。
同書から学んだこと
「縁起(世の中の関係性)」に目覚めて自由になる
人間は「空」であり自我は存在しない
悟れば煩悩にわずらわされなくなる
死後のことより、現世で悟ることが重要
行為が人間を形づくる
座禅をすれば悟れるというものではない
本来の仏教に輪廻はない
仏教を西洋哲学の観点からわずか236ページで解説した同書・・・なかなか勉強になりました。
夏休み、以前読んで感動した出口治明さん(立命館アジア太平洋大学学長)の大著「哲学と宗教全史」を仏教、東洋思想を中心に読み直そうと思います。
仏教の世界は哲学の世界・・・なかなか面白い世界です。