横倉日医会長年頭あいさつ
「かかりつけ医」推進のため地域包括診療料の見直し要望
m3.com 2016年1月7日 (木) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
日本医師会の横倉義武会長は1月6日の定例記者会見での年頭あいさつで、「『高齢者の生きがいづくり』が本年のキーワード」と述べ、「かかりつけ医」を中心とした健康寿命の延伸に力を入れる考えを示した。4月に控える診療報酬改定でも、「かかりつけ医」の評価を求めたほか、2017年度から始まる新専門医制度については、地域医療と専門医制度を整合させるため、地域医療の崩壊を来さないプログラムの作成や関係者による「協議の場」の設置を求めた。
2016年は地域医療構想を策定する年で、横倉会長は、各地域において地域医療包括ケアシステムを構築する必要性を指摘。日医として「地域に根ざしたかかりつけ医の存在が、高齢者の尊厳を保ち、住み慣れた地域でいつまでも健康に過ごせる社会を実現するカギであると確信している」として、4月から日医が始める「かかりつけ医機能研修制度」をアピールした(『「2016年、かかりつけ医を推進」- 横倉日医会長に聞く◆Vol.1』を参照)。
かかりつけ医を中心に健康寿命を延伸していく方針を示した上で、安倍内閣が提唱する「一億総活躍社会」を実現するためには「高齢者の生きがいづくり」が今年のキーワードになると指摘。2015年7月に発足した「日本健康会議」とともに、先進的な予防・健康づくりを全国に広げるための活動をオールジャパンで取り組んでいくと述べた。
診療報酬改定については、(1)技術料に包括されている医療用消耗品などが人件費を圧迫していることから、基本診療料など人件費、技術料が包括されている項目への重点配分、(2)地域包括ケアを推進するため、各機能を担う医療機関のコストを 適切に反映した診療報酬体系の実現、(3)「かかりつけ医」をきちんと評価するために地域包括診療料と地域包括診療加算の要件見直し――の3点を挙げた。
消費税については、2016年度税制改正大綱で「特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、2017年度税制改正に際し総合的に検討し結論を得る」の文言が加わったことで、抜本的解決へ前進した書きぶりとなっていると説明した(『医学生修学金、「返還免除益」は非課税』を参照)。
新専門医制度に関しては、地域医療の崩壊を招くことのないよう、日医が昨年末に発表した、一定の要件下で指導医がいない中小医療機関での研修を認めるべきとする「新しい専門医の仕組み―地域医療を守るための提案―」を改めて紹介。「地域医療と専門医制度を整合させるため、それぞれの地域において都道府県、大学、医師会等の関係者が協議・連携するための協議の場を設置することが不可欠である」と訴えた(『新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」』を参照)。
6月に見直しが予定されている医療事故調査制度についても、1月から支援団体のスタッフを対象にした研修会を開催すること報告。医療事故の初期対応から調査報告書の作成、遺族への説明までの一連の過程において、他機関とともに、医学的専門性と公正性を持って調査を的確に行える総合的な調整力を有する人材の育成を目指す。
「かかりつけ医」推進のため地域包括診療料の見直し要望
m3.com 2016年1月7日 (木) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
日本医師会の横倉義武会長は1月6日の定例記者会見での年頭あいさつで、「『高齢者の生きがいづくり』が本年のキーワード」と述べ、「かかりつけ医」を中心とした健康寿命の延伸に力を入れる考えを示した。4月に控える診療報酬改定でも、「かかりつけ医」の評価を求めたほか、2017年度から始まる新専門医制度については、地域医療と専門医制度を整合させるため、地域医療の崩壊を来さないプログラムの作成や関係者による「協議の場」の設置を求めた。
2016年は地域医療構想を策定する年で、横倉会長は、各地域において地域医療包括ケアシステムを構築する必要性を指摘。日医として「地域に根ざしたかかりつけ医の存在が、高齢者の尊厳を保ち、住み慣れた地域でいつまでも健康に過ごせる社会を実現するカギであると確信している」として、4月から日医が始める「かかりつけ医機能研修制度」をアピールした(『「2016年、かかりつけ医を推進」- 横倉日医会長に聞く◆Vol.1』を参照)。
かかりつけ医を中心に健康寿命を延伸していく方針を示した上で、安倍内閣が提唱する「一億総活躍社会」を実現するためには「高齢者の生きがいづくり」が今年のキーワードになると指摘。2015年7月に発足した「日本健康会議」とともに、先進的な予防・健康づくりを全国に広げるための活動をオールジャパンで取り組んでいくと述べた。
診療報酬改定については、(1)技術料に包括されている医療用消耗品などが人件費を圧迫していることから、基本診療料など人件費、技術料が包括されている項目への重点配分、(2)地域包括ケアを推進するため、各機能を担う医療機関のコストを 適切に反映した診療報酬体系の実現、(3)「かかりつけ医」をきちんと評価するために地域包括診療料と地域包括診療加算の要件見直し――の3点を挙げた。
消費税については、2016年度税制改正大綱で「特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、2017年度税制改正に際し総合的に検討し結論を得る」の文言が加わったことで、抜本的解決へ前進した書きぶりとなっていると説明した(『医学生修学金、「返還免除益」は非課税』を参照)。
新専門医制度に関しては、地域医療の崩壊を招くことのないよう、日医が昨年末に発表した、一定の要件下で指導医がいない中小医療機関での研修を認めるべきとする「新しい専門医の仕組み―地域医療を守るための提案―」を改めて紹介。「地域医療と専門医制度を整合させるため、それぞれの地域において都道府県、大学、医師会等の関係者が協議・連携するための協議の場を設置することが不可欠である」と訴えた(『新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」』を参照)。
6月に見直しが予定されている医療事故調査制度についても、1月から支援団体のスタッフを対象にした研修会を開催すること報告。医療事故の初期対応から調査報告書の作成、遺族への説明までの一連の過程において、他機関とともに、医学的専門性と公正性を持って調査を的確に行える総合的な調整力を有する人材の育成を目指す。