奥羽大・大島教授、治療薬開発へ前進
福島民友ニュース 2016年1月22日 配信
奥羽大(郡山市)の大島光宏薬学部教授を中心とした研究グループは、これまで解明されていなかった歯周炎(歯槽膿(のう)漏(ろう))の原因となっている遺伝子を突き止めた。国際的に権威のある米歯周病専門誌に掲載される予定で、21日までに同誌のホームページに掲載された。歯周炎治療についてはこれまで、歯周病菌を防ぐ「抗菌」や「抗炎症」など対症療法に限られていたが、原因となる遺伝子が判明したことで世界初の治療薬開発に向けて一歩前進した。
歯周炎は、歯と歯を支える骨の間のコラーゲンが破壊されることで起こり、歯が抜ける大きな原因の一つ。大島氏は研究で、歯周炎は歯肉にある「線維芽(せんいが)細胞」に原因があることを解明。最近の実験では、この細胞が歯と骨の間のコラーゲンを破壊する過程でどのような遺伝子が働いているのかを網羅的に調べ、22個の遺伝子を選び出した。
その中で、コラーゲンが壊れる際には「FLT1(フリットワン)」と呼ばれる遺伝子が最も多く現れた。この遺伝子に着目して解析を進めたところ、原因遺伝子の働きを抑えることで、コラーゲンの分解も抑制できることが判明。原因遺伝子を抑える薬が歯周炎の治療薬になることを立証した。
開発を視野に入れる治療薬としては、歯茎など局所に張り付けるタイプでの導入が想定され、飲み薬への展開も期待できる。今後、国レベルのプロジェクトの補助が受けられる可能性もある。また、原因細胞自体を発生させないための研究も進めている。大島氏は「より安全な薬を探し、最適な投与方法を見つけたい」と研究への意欲を語る。
研究は大島氏が中心となり、奥羽大や日大、東大などの大学と米、スウェーデン、ドイツの大学や研究機関が共同で進めている。国から助成金のほか、県の医療福祉機器開発事業補助金を活用して行った。治療薬開発にはさらに研究を重ね、国から認可を受ける必要がある。
福島民友ニュース 2016年1月22日 配信
奥羽大(郡山市)の大島光宏薬学部教授を中心とした研究グループは、これまで解明されていなかった歯周炎(歯槽膿(のう)漏(ろう))の原因となっている遺伝子を突き止めた。国際的に権威のある米歯周病専門誌に掲載される予定で、21日までに同誌のホームページに掲載された。歯周炎治療についてはこれまで、歯周病菌を防ぐ「抗菌」や「抗炎症」など対症療法に限られていたが、原因となる遺伝子が判明したことで世界初の治療薬開発に向けて一歩前進した。
歯周炎は、歯と歯を支える骨の間のコラーゲンが破壊されることで起こり、歯が抜ける大きな原因の一つ。大島氏は研究で、歯周炎は歯肉にある「線維芽(せんいが)細胞」に原因があることを解明。最近の実験では、この細胞が歯と骨の間のコラーゲンを破壊する過程でどのような遺伝子が働いているのかを網羅的に調べ、22個の遺伝子を選び出した。
その中で、コラーゲンが壊れる際には「FLT1(フリットワン)」と呼ばれる遺伝子が最も多く現れた。この遺伝子に着目して解析を進めたところ、原因遺伝子の働きを抑えることで、コラーゲンの分解も抑制できることが判明。原因遺伝子を抑える薬が歯周炎の治療薬になることを立証した。
開発を視野に入れる治療薬としては、歯茎など局所に張り付けるタイプでの導入が想定され、飲み薬への展開も期待できる。今後、国レベルのプロジェクトの補助が受けられる可能性もある。また、原因細胞自体を発生させないための研究も進めている。大島氏は「より安全な薬を探し、最適な投与方法を見つけたい」と研究への意欲を語る。
研究は大島氏が中心となり、奥羽大や日大、東大などの大学と米、スウェーデン、ドイツの大学や研究機関が共同で進めている。国から助成金のほか、県の医療福祉機器開発事業補助金を活用して行った。治療薬開発にはさらに研究を重ね、国から認可を受ける必要がある。