冤罪事件がライフワーク

2016年08月12日 03時46分58秒 | 社会・文化・政治・経済
無実の人はこうして「虚偽自白」に追い込まれた

~歴史的冤罪事件に隠された犯人の悲しき素顔 |

「帝銀事件」は1948年に ...

冤罪事件をライフワークとされている弁護士さんがいるようですので、そのような方にお願いするのが一番よい方法だと思います。 また、日弁連の中には全国冤罪事件弁護団連絡協議会という組織もあるようで、一般人も参加できる交流会も開催しているようです。
袴田事件への取り組みの最終目的は、日本の司法や刑事裁判や検察が抱える課題の検証と見直し、そして冤罪を防ぐための法整備をすることです。私自身、13年前の鈴木宗男バッシングを経験したことで、誰でも被害者になることを実感しました。『明日は我が身』ということなのです」




鈴木貴子衆院議員
 こう話すのは、“宗男事件”で実刑判決を受けた「新党大地」鈴木宗男代表の長女、鈴木貴子衆院議員だ。「事件が起きる前は、今のような問題意識を持っていたわけではありません」と振り返りながら、「新党大地の結党以来、訴えてきた公約の一つが『公平公正な社会を目指す』です。袴田事件への取り組みは、その理念を具体化することに当たるのです」と強調した。

 宗男氏は国会議員時代に「袴田巖死刑囚救援議員連盟」を立ち上げ、事務局を担った。しかし自身が実刑判決で東京拘置所に収監されることになったため、娘の貴子氏に「『真実がなぜ通らないのか』との声を上げ続けなければならない。引き継いでほしい」と、その思いを託した。そして永田町で最年少の国会議員となった今、親子2代にわたる“ライフワーク”に力を注ぐことになったのだ。

 今年3月18日、しばらく休眠状態に近かった「袴田巌死刑囚救援議員連盟」の総会が開かれた。貴子氏は事務局次長に就任。「袴田死刑囚においては、たくさんの科学的な新証拠、冤罪を証明してくれる証拠がある」「不当な権力との闘いである」と挨拶した。

 所属する「法務委員会」でも袴田事件のことを何回も取り上げ、検察を厳しく問い質した場面もあった。周りの国会議員は「あそこまで厳しくは言えない。私にはできないな」と驚いた。権力に異を唱えることによる報復を恐れているわけだが、それでも貴子氏はひるまない。


2010年9月、懲役刑確定で収監が決定し、本誌のインタビューに答える宗男氏。「間違った権力とは徹底的に闘う」と宣言した
「袴田事件の現実を知ったいま『知らない』と黙っている勇気は私にはありません。私は法律のプロではありませんが、重要証拠であったズボンを袴田さんがはけないなど、死刑判決はどう考えてもおかしい。再審で裁判長は『捜査機関が証拠をねつ造した疑い』『耐えがたいほど正義に反する』と批判しましたが、こんなことが罷り通っていいはずがありません。国会議員は、国民の代表であるがゆえに発言権が与えられています。袴田事件に対して声を上げないことは、国会議員の義務を果たしていないと思うのです」

 袴田事件では、検察にとって都合が悪い証拠が出てこなかったことがあった。そこで貴子氏は、検察に都合のいい証拠だけが採用されることを防ぐために「証拠全面的開示の制度導入」に関する質問主意書を提出。しかし政府からは、制度導入に慎重な回答しか返ってこなかった。

「袴田事件には、今の司法が抱えている問題が凝縮されています。証拠の改ざんや自白強要、調書の虚偽記載や誤認逮捕などですが、克服すべき課題が明らかになりました。警察・検察は罪なき無実の人から48年間もの自由を奪ったのに、それでも『法と正義に基づいて捜査活動を行っているものと承知している』と非を認めていません。検察も弁護士も人間ですから時には過ちを犯します。一旦立ち止まって見直すべきです」

<取材・文・撮影/横田一>

袴田事件だけではない、警察の「犯罪でっち上げ」
「無実なのに処刑」か? 第二の足利事件と言われる飯塚事件
冤罪を防ぐためには取り調べの可視化が必要
「無実なのに処刑」か? 第二の足利事件と言われる飯塚事件
Tweet 2014.04.29 ニュース 48年ぶりに再審が決定された「袴田事件」。その直後の3月31日に、死刑執行してしまった裁判の再審請求が棄却されている。いわゆる「飯塚事件」だ。この事件について、「無実の人を処刑してしまったのではないか?」との疑問が持たれている。

 事件の概要はこうだ。1992年、小学生女児2人が殺され、福岡県甘木市(現朝倉市)の山中に遺棄された。
2年後、久間三千年(くまみちとし)元死刑囚が逮捕。久間氏は一貫して容疑を否認していたが、2006年に死刑が確定。
約2年後の’08年、死刑が執行された。

◆DNA鑑定写真を“改ざん”!?

 検察側は、当時最新だったDNA解析技術を使い「容疑者のものと思われるDNAと久間氏のDNAが一致する」と主張。

裁判ではこれが決定的な証拠となった。

「しかし、当時のDNA鑑定は証拠能力を失っています」と同事件弁護団の岩田務弁護士は切って捨てる。

「ほぼ同じ時期に同じ方法で鑑定された『足利事件』では、当時の鑑定技術の信用性が覆され、再審無罪が確定しました。しかも、足利事件を鑑定した複数の技官が、飯塚事件も鑑定しているのです」

 それだけではない。なんと、このDNA鑑定は検察に“改ざん”された疑いがあるという。

<大阪女児焼死>母親ら再審無罪確定

2016年08月12日 03時31分20秒 | 社会・文化・政治・経済
首を絞められるなど恐怖心を抱く取り調べがあった

地検控訴せず

(毎日新聞 ...

大阪市東住吉区で1995年、小学6年の女児(11歳)が焼死した民家火災の再審で、大阪地裁は10日、殺人罪などで無期懲役となった母親の青木恵子さん(52)に続き、内縁の夫だった朴龍晧(ぼくたつひろ)さん(50)にも無罪判決を言い渡した。判決は「恐怖心を抱かせ、心理的強制を与えた取り調べだった」などと認定。有罪認定の根拠となった自供書などを証拠から排除し、大阪府警の捜査を厳しく非難した。2人の判決公判は別々に開かれ、西野吾一裁判長がいずれも担当。弁護側が求めた謝罪や、繰り返された誤判原因への言及はなかった。大阪地検は上訴権(控訴)を放棄し、2人の無罪が即日確定した。

 無期懲役とした確定判決は、朴さんの捜査段階の「自白」を有罪認定の柱とした。内容は「青木さんと共謀し、車庫の軽ワゴン車から抜いた約7リットルのガソリンにライターで火を付けた」というものだった。

 西野裁判長はまず、再審請求過程で検察側が初めて開示した2人に関する府警の取り調べ日誌の内容などを検討した。

 日誌には、青木さんがしゃがみ込んで吐きそうになっても調べを続けたり、朴さんに「罪を償え」と書かれた父親の手紙を見せて自白を促したりしたことがうかがえる記述があった。

 府警の取調官は確定審で「手紙を見せていない」などと証言し、同僚も同様の説明をした。西野裁判長は「取調官の証言は虚偽で、口裏合わせをした疑いが認められる」と指摘した。

 そのうえで、朴さんが自白した経緯について「首を絞められるなど恐怖心を抱く取り調べがあった」と認定。青木さんについても「最初から犯人扱いし、相当な精神的圧迫を加える取り調べだった」と認め、自白の任意性を否定した。

 一方、判決は出火原因について、弁護側が再審請求後に行った燃焼実験の結果などを踏まえ、「車のガソリン漏れによる自然発火の可能性が非現実的ではない」と結論付けた。【三上健太郎、向畑泰司】