toride727 さんが 2015年08月12日 に書かれた記事をお届けします

2016年08月14日 07時52分26秒 | 医科・歯科・介護
遺恨は沈殿し、年々膨らむ

旧日本軍に強いられた過酷な体験の記憶は、国と国で法的に決着されても、終わらない。心の痛みは被害者の戦後をむしばみ続け、憎しみはむしろ人生を振り返る頃に沸騰する。飢えと労役と虐待は、聞きしに勝る陰惨であった。50年たっても夜うなされる。家族も苦しい。遺恨は沈殿し、年々膨らむ。元英兵捕虜たち。戦後50年村山富市首......
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加害者も被害者となるのが戦争

「徳をもって恨みに報いる」中国の人民の寛大さに、多くの日本人は救われた。ソ連が参戦し、関東軍は日本国民を放り出して逃げ出す。残された日本国民は悲惨な状況下に置かれた。結果的に関東軍兵士たちも、シベリアに抑留されたのだ。加害者も被害者となるのが戦争。原爆や無差別都市爆撃の惨禍を語り伝えることも大事であるが、中国......
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人生ボックス

「自分も勝つレースをしてくれればいい」自力型選手に付ける番手の選手は期待を込めて記者の取材にコメントする。利根輪太郎はそれを信じて車券を買う。だが、自力型の選手は打鐘前から、後続選手たちを大きく引き離して逃げる戦法に出た。場内は騒然としてきた。余りにも無謀な戦法である。ラインを組む二人の選手は師弟関係にある。......
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台所内装で外食



台所が内装のため、台所の水も出ない。買ってきた弁当を朝と昼に食べる。夕食は近所のレストランへ食べに行く。エビフライのたるたるソースを食べる。家人は牛肉のビーフシチュウとライス。家人は多すぎるとライスとビーフシチュウを分けてくれた。当方はコップの日本酒を飲む。500円。二人で3000円。レストランの料理は美味し......
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numata727 さんが 2014年08月11日 に書かれた記事をお届けします。 勇気があるかないかで180度人生は変わってしまう★上杉鷹山の改革は、単に巨額の財政の赤字の解消だけではなかった。「自分さえ良ければいい」という「心の赤字」の克服をめざした。他人に対してももっと関心を持ち、弱い人、苦しんでいる人......
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toride727 さんが 2015年08月13日 に書かれた記事をお届けします。

パソコンが故障

昨日から全く起動しない。故障だ。参った。




パソコンを起動させたら、奇跡的に復帰

パソコンは最悪の事態となった。電源が入っているに全く起動しないのだ。過去3台のパソコンを破棄した。1台は次男が友人から譲って貰ったパソコンである。次の1台は知人の歯科技工士の山浦さん(仮名)から譲られたものだ。さらに、業務用のパソコンだった。それもダメになって、業務提携していた歯科関係企業から拝借したパソコン......
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歯科医師の本来あるべき姿を追求

歯科医師の本来あるべき姿を追求健康長寿をサポートする口腔ケアに取り組む篠原長寿歯科(大阪市東成区)DIAMOND online 2015年7月 「DIAMOND男の健康」近頃、“コンビニよりも多い”とやゆされる歯科医院。しかし、「本当に正しい治療を行える歯科医院は非常に少ない」として日本の歯科治療に警鐘を鳴ら......
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人件費が医業利益率を圧迫との分析 福祉医療機構レポート 厚生政策情報センター 2015年8月12日(水) 配信■医療法人の経営状況について(平成20年度―平成25年度)(8/7)《福祉医療機構》 独立行政法人 福祉医療機構(WAM)は8月7日、2008年度から2013年度における「医療法人の経営状況」に関する......
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 花を楽しもう!みん花通信

※このメールは、みんなの花図鑑の会員登録をしているみなさまにお送りしています。* … * … * … * …* … ***********************************  花を楽しもう!みん花通信*********************************** … * … * … * ......
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numata727 さんが 2014年08月12日 に書かれた記事をお届けします。

モンゴルに開設歯科診療所20年 同国最大規模の拠点に成長神戸新聞NEXT 8月5日(火)11時1分配信 日本とモンゴルの歯科医療関係者の協力で誕生し、20周年を迎えた歯科診療所「エネレル」=モンゴル・ウランバートル  兵庫県内の歯科医療関係者らの協力でモンゴル・ウランバートルに開設された歯科診療所「エネレル......
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映画監督・窪川健造さん死去

映画監督・窪川健造さん死去 「チャコとケンちゃん」:朝日新聞デジタルwww.asahi.com/articles/ASH8C46B0H8CUCLV004.html - キャッシュ18時間前 - 窪川健造さん(くぼかわ・けんぞう=映画監督)が6日、骨髄異形成症候群で死去、85歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長男......

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「失敗の本質」を共有した仲間がいた

新浪剛史・サントリーHD社長×野中郁次郎 ローソンプロジェクト成功の影にDIAMOND online 2015年8月12日  「野中郁次郎のリーダーシップ論 ― 史上最大の決断」第15回日本軍を組織論から分析した『失敗の本質』の愛......
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toride727 さんが 2015年08月11日 に書かれた記事をお届けします。

哲学対話の基本は「聞く、待つ、話す」

読むことは、伝えることを促す。見たことも、聞いたことも、考えたことも、伝えることを促す。「哲学対話」で認め合う。子どもでも「哲学対話」はできる。発言を促す質問は何でもいい。「ペット飼いたい?」と声を子どもに問いかける。「旅行行った?」哲学者のようにふとした疑問をじっくり考え、社会で活用する。正解のない問いや不......
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★「おわび」することが、反省の基本ではないか?「何を反省するかが重要」安倍晋三首相★米国の対日盗聴問題。「なもありなん」と受け止める。日本は米国との戦争では、物量と情報に負けたのだから、それを教訓にすべきだ。デジタル監視網から逃れるには、手書きの文書である。インターネットは発信力と盗聴が表裏でもある。人類を監......
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米国の宿命

★悔しさをバネに飛躍する。負けには、負けの因がある。淡白な性格は勝負に向いていないだろう。★「おわび」することが、反省の基本ではないか?「何を反省するかが重要」安倍晋三首相★米国の対日盗聴問題。「なもありなん」と受け止める。日本は米国との戦争では、物量と情報に負けたのだから、それを教訓にすべきだ。デジタル監視......
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年金生活の現実

大沢耕太郎は妻に死なれてから、家計に敏感となった。新聞代は月に約1万円。「新聞代を減らさなければ」と思っていたが、勧誘されると断り切れない。電気料金は7月が5100円余であったが、8月が6500円余の請求であった。冷房やテレビ、電灯を点けたまま寝込んだので使用料が増えていた。上下水道代は4800円余であった。......
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台所のリフォーム

昨日について、台所のリフォームで業者が一人来ている。昨日は、次男を含め3人が来ていたが、終わりごろに現場監督も来た。まず、天井、壁、床を張り替えるのだ。それが終わったらガスのキッチンセットが収まる。息子は風呂場やトイレも改造するという。母親も息子に押し切られた。風呂は10時ころに東日本ガスの業者来てガスを止め......
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toride727 さんが 2015年08月08日 に書かれた記事をお届けします

2016年08月14日 07時48分52秒 | 医科・歯科・介護
現実をありのままに見抜くことだ

★意気消沈した、その時に「それでもたちあがるのだ」と思えるかどうかで、勝負は決まる。ワンガリー・マイタイ倒れてもまた立ち上がればよい。立ち上がるたびに、より強くなれる。★「地面にふかく、根ざしているので それで私の 花はきれいだ」ゲーテ「忍耐の根」があり、「きれいな花」が咲く。★大切なのは、現実をありのままに......
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numata727 さんが 2014年08月07日 に書かれた記事をお届けします。

より良い社会を実現するには? ★生命尊厳の理念が、社会を動かせ基本の原理として確立されることだ★「人間へ尊敬」「生命の尊厳」の理念を、社会を支える哲学として確立する。★理念、哲学の目的が自身の幸福の実現にとどまるのではなく、社会に積極的に関わり、社会を変革していく。★自身の生命のレベルを変革し、幸福になること......
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負けて分かったことがあった

「あの時の自分があるから、今日の自分がある」NHK総合テレビで桑田正博さんが、取手二高との試合を振り返る。桑田選手は指の血豆が切れて、ストレートしか投げられなくなっていた。激痛との闘い。取手二高はのびのび野球を評されベンチで笑っている。「不気味でしたね」と振り返る。取手二高が優勝。桑田さんは一人で、取手二高を......
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受け止める思考の転換が必要。現代文明の行き詰まりを感じる人々が「心の大切さ」に気付く。米国社会には、現代人が直面する問題、人の苦悩が凝縮しているような側面がある。アメリカンドリームの国であるが、期待が大きいいだけ「失望」のする人も少なくないのだ。日本とは比べものにならない経済格差がある。世界一豊な国であるはず......
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toride727 さんが 2015年08月09日 に書かれた記事をお届けします。

日本酒には香りの強弱、味の濃淡がある



日本酒の個性は大きく四つに分かれるそうだ。1)香りが控えめで味もスッキリタイプ2)香りが華やかなタイプ3)やさしい香りで旨味たっぷりなもの4)香りも味も濃厚なタイプ日本酒には香りの強弱、味の濃淡がある。




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海軍の飛行部隊・芙蓉部隊の隊長だった美濃部正さんは、特攻作戦に公然と反対した指揮官だった。「十死零生」の作戦は採るべきではないとい信念を持っていた。「フィリピン戦で証明済みの効果がない、非情の特攻作戦。これで勝算があるというのか?」問題点は?指揮下部隊の能力、訓練も無視している。練習機までつぎ込んだ、戦略、戦......
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パソコンは最悪の状態になってきた

更新まで2時間待機8月8日、ブログ開設から21日目。訪問者72人。しかし、パソコンは最悪の状態になってきた。見出しを入力できない。文字も拡大できなし、文字に色も付けられない。写真もなかなか読み込めない。goo.ne.jpは、長時間実行中スクリプトが原因で応答しませ。




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「保健医療2035推進本部」を設置、厚労省 アウトカム考慮の診療報酬体系など5項目が課題 m3.com  2015年8月7日(金) 配信 成相通子(m3.com編集部)  20年後を見据えた保健医療政策のビジョンについて、塩崎恭久厚生労働大臣の私的懇談会「保健医療2035策定懇談会」(座長:渋谷健司東京大学大......
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満足の行く花火の写真は写せなかった



午後4時過ぎに「とりで大花火」の下見に行ってみた。まず、駅前広場では坂東太鼓の練習をしていた。各コンビニ、居酒屋、酒店では出店を出して客を呼び込んでいた。酒店はワイン。太師どおりではスナック、バーの人たちがカクテルを準備していた。そして露天商が店を連ね準備をしていた。また、交通規制はされていない。田中酒造前の......
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toride727 さんが 2015年08月10日 に書かれた記事をお届けします。

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“命よりお金が大切”というような、本来、人としてどう生きるべきかを見失ってしまう人が少なくない。そこに新聞沙汰になるような事件、事故が起きてしまう根本的な要因がある。過労死、ブラック企業などの問題も、人命、人権軽視に起因する。「一人」を大切する理念があれば、人の幸福、社会の繁栄、平和も実現する。“心の変革”が......
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次男が台所に自社の製品を入れると言いだした。システムキッチンだ。幅もとるので、まず、食器棚を捨て新しい食器棚を購入した。システムキッチンは東京ガス製。わが家のガスは東日本ガスなので、まず、本日は東日本ガスがやってきて、ガス菅を取り外す。買ったばかりのガス瞬間湯沸器も外す。誰かにあげたいくらいだ。冷蔵庫もシステ......
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numata727 さんが 2014年08月09日 に書かれた記事をお届けします。 「招き入れる力」と「受け入れる力」の美しい共鳴川岸に引き寄せられるようにサッカーボールは回転しながら流れていた。5歳の哲が身を乗り出すと左の手の平にサッカーボールは収まった。だが、哲は右手を伸ばした瞬間、体のバランスを崩し前の......
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白山の祭へ行く



祭好きなので、白山の祭へ行く。カラオケは午後6時から。実はカラオケを申込みに行くが、当然、2日前だから既に締め切られていた。子どもたちは、休憩となるとスイカを食べアイス、ジュースなどで喉を潤していた。「ばあちゃん、スイカ食べな」と気遣う幼児もいた。子どもたちに用意されたものだが、子どもたちが親たちに飲みものを......
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戦後70年:証言

「反骨精神の頑張り必要」 (これからの世界) 稲盛和夫氏 /京セラ名誉会長 日経新聞 電子版 2015年8月9日 配信 ――戦後70年の日本の歩みをどう総括しますか。 「戦争直後は食糧も十分ではなく、産業も壊滅状態だった。そんな逆境を乗り越えようと、日本人全員が懸命に努力した。焼け跡の中からソニーやホンダのよ......
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第21回 夢みるこどもキャンペーン開催

21年目を迎える夢みるこども基金の夏のイベント「日本とバングラデシュの夢と絆の架け橋」が8月22・23日に開かれます。2000年に基金の寄付で設立されたバングラデシュの「夢みるこども基金学校」から、初めて中学生と副校長が参加します。日本とバングラデシュの合同のイベント開催はこどもたちの悲願でした。22日に佐賀......
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監禁致死事件犯が政治家秘書になる

監禁致死事件犯が政治家秘書になる“社会復帰”の是非DIAMOND online 2015年8月8日 新聞・週刊誌 三面記事を読み解く降旗 学 [ノンフィクションライター]過日の朝日新聞がとてもお茶目な『天声人語』を書いたので紹介したい。自民党・武藤貴也衆議院議員のツイートについてである。だが、それがあまりにも......
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創作欄 美登里の青春

2016年08月14日 07時28分36秒 | 創作欄
2012年2 月 7日 (火曜日)
「私が休みの日に、何をしているのか、あなたには分からないだろうな?」
北の丸公園の安田門への道、外堀に目を転じ美登里は呟くように言った。
怪訝な想いで徹は美登里の横顔を見詰めた。
徹を見詰め返す美登里の目に涙が浮かんでいた。
「私が何時までも、陰でいていいの?」
責めるような口調であった。
区役所の職員である36歳の徹は、妻子のいる身であった。
「別れよう。このままずるずる、とはいかない」
美登里は決意しようとしていたが、気持ちが揺らいでいた。

桜が開花する時節であったが、2人の間に重い空気が流れていた。
乳母車の母子の姿を徹は見詰めた。
母親のロングスカートを握って歩いている少年は徹の長男と同じような年ごろである。
「私は、何時までも陰でいたくないの」
徹の視線の先を辿りながら美登里は強い口調となった。
徹は無表情であった。都合が悪いことに、男は沈黙するのだ。
北の丸公園を歩きながら、美登里は昨日のことを思い浮かべていた。
九段下の喫茶店2階から、向かい側に九段会館が見えていた。
美登里は徹と初めて出会った九段会館を苦い思いで見詰めていた。
美登里は思い詰めていたので、友人の紀子に相談したら、紀子の方がより深刻な事態に陥っていた。
「私はあの人の子どもを産もうと思うの。美登里どう思う?」
美登里はまさか紀子から相談を持ち掛けれるとは思いもしなかった。
「え! 紀子、妊娠しているの?」
紀子は黙って頷きながら、コーヒーカップの中をスプーンでかきまぜる仕草をしたが、コーヒーではなく粘着性のある液体を混ぜているいうな印象であった。
「美登里には、悩みがなくて良いわね」
紀子は煙草をバックから取り出しながら、微笑んだ。
「私しより、深刻なんだ」美登里は微笑み返して、心の中で呟いた。 
結局、美登里は紀子の前で徹のことを切り出すことができなかった。
2012年2 月 8日 (水曜日)
創作欄 美登里の青春
「あの夏の日がなかったら・・・」
美登里はラジオから流れているその歌に涙を浮かべた。
歌を聞いて泣けたことは初めてであり、気持ちが高ぶるなかで手紙を書き始めていた。
「なぜ、あなたを愛してしまっただろう。冷静に考えてみようとしているの。あなたは遊びのつもりでも、私の愛は真剣なの。でも、陰でいることに耐えられない。18歳から21歳までの私の青春が、あなたが全てだったなんて、もうい嫌なの」
そこまで書いたら、涙で文字が滲んできた。
美登里は便せんを二つに割いた。
泣いて手紙を書いていることを、徹に覚らせたくはなかった。
美登里は日曜日、信仰している宗教の会合に出た。
そして会合が終わり、みんなが帰ったあと1人残った。
先輩の大崎静香の指導を受けるためだ。
「美登里さん、私に何か相談があるのね。元気がないわね。会合の間にあなたを見ていたの」
指導者的立場の大崎は、説法をしながら壇上から時々美登里に視線を向けていたこを美登里も感じていた。
美登里と6歳年上の大崎は、性格が明るく生命力が漲り、常に笑顔を絶やさない人だ。
そして何よりも人を包み込むような温かさがあった。
人間的な器が大きいのだと美登里は尊敬していた。
「この人のように、私もなれたら」美登里は目標を定めていたが、現実を考えると落差が大きかった。
大崎は美登里の話を、大きく肯きながら聞いていた。
「それで、別れることはできないのね」
大崎が美登里の心を確かめるように見詰めた。
「そうなの」
美登里は涙を流した。
「それなら美登里さん、日本一の愛人になるのね」
美登里はハンカチを握りしめながら、大崎の顔を怪訝そうに見詰めた。
「日本一の愛人?!」心外な指導であった。
大崎は当然、美登里に対して、「相手は、妻子のある男なのだから、別れなさい」と指導すると思っていた。
改めて、美登里は尊敬する大崎の包容力の大きさを感じた。
そして、美登里は決意した。
「私は、日本一の愛人にはなれない。徹さんと別れよう」


2012年2 月14日 (火曜日)
創作欄 美登里の青春 2
人には、色々な出会いがあるものだ。
美登里は、徹と別れた後、思わぬところで男と出会った。
小田急線の下北沢駅のベンチに座っていると、新聞を読みながら男が脇に座った。
横顔を見て、「ハンサムだ」と思った。
ジャニーズ系の顔だ。
男は視線を感じて、美登里に目を転じた。
「こんにちわ」と男が挨拶をして、ニッコリと微笑んだ。
女の心をクスグルような爽やかな笑顔である。
「女の子にもてるんだろうな」と想いながら、美登里も挨拶をした。
「君は、競馬をやるの?」
男は新聞を裏返しながら言う。
甘い感じがする声のトーンであった。
「競馬ですか? やりません」美登里は顔を振った。
「明日はダービーがあるんだ。一緒に府中競馬場へ行かない?」
赤の他人からいきなり意外な誘いを受けた。
21歳の美登里は、妻子の居た37歳の徹が初めての男であった。
目の前に居る人物は、徹とはまったくタイプの違う20代と思われる男だ。
「あなたと初対面だし、競馬をやらないので行けません」美登里は断った。
「そうか、残念だな。もし、来る気になったら、内馬場のレストランに居るから来てね。競馬仲間とワイワイやっているから」
美登里は愛想笑いを浮かべて、うなずいた。
男が読んでいたのは、スポーツ新聞の競馬欄だった。
急行電車が来たので、それに乗る。
徹は美登里の存在を忘れたように、新聞に埋没していく。
美登里は登戸駅で降り時に、脇に立つ男に挨拶をした。
「お会いできて、光栄です」控えめな性格の美登里自身にとって、想わぬ言葉が口から出た。
「ではね」
男は爽やかに笑った。
「また、何処かで出会うことがあるだろうか?」美登里は電車を見送った。
男は新聞に目を落としたままであった。
美登里は徹との別れを苦い思いで振りかえった。
最後は痴話喧嘩となった。
徹は美登里の気持ちを逆撫でにした。
徹は妻が妊娠していることを、無神経にも美登里に告げたのだ。
「そんなこと、どういうつもりで、私に言うの」
徹はバツが悪そうに沈黙した。
「この人は、都合が悪いと黙り込むんだ」
美登里は徹が風呂に入っている間に、怒りを込めたままホテルを出た。
渋谷のネオン街全体が、美登里には忌々しく想われた。
2012年2 月15日 (水曜日)
創作欄 美登里の青春 3
あれから3年の歳月が流れた。
それは24歳の美登里にとって、長かったようで短かったようにも思われた。
徹と別れたが、気持ちを何時までも引きづっていたことは否めなかった。
美登里の当時の職場は、徹の職場の九段下に近い神保町。
美登里の伯父が経営する美術専門の古本店であった。
現在の職場は、東京・新宿駅の南口に近い国鉄病院(現JR病院)の医療事務である。
その日、小田急線登戸駅沿いのアパートへ帰り、ポストを確認すると茶封筒があった。
裏を返すと友だちの峰子の手紙であった。
お洒落な封筒を好む峰子が、何故、茶封筒なのだろう?
美登里は部屋の灯りの下で、着替えもせず封を切った。
「ご無沙汰で、このような手紙を書くのを許して。私は今、千葉県松戸の拘置所の中にいるの。会いに来てね。その時、何か本を差し入れてね。それから大好きなチョコレートが食べたいの。それもお願い、差し入れてね。私は3歳の娘と心中したのだけれど、娘だけが死んで私は生きてしまったの。死ねばよかったのに、何という皮肉なの。待っています。必ず会いに来てね」
美登里は息を止めたままその手紙を読んだ。
想像はどんどん拡がっていく。
情報が乏しい中で頭を巡らせながら、何度も立ったまま手紙を読み返した。
美登里は新聞を購読していない。
テレビもあまり見ない。
峰子のことは、当然、マスコミで報道されただろう。
美登里は段々頭が混乱してきた。
思えば徹との問題で峰子に相談したことがあった。
「焦ることが、一番、いけない。時間が解決すると言われているわね。今は美登里にとって冬なの。冬は必ず春となる。そうでしょ、自然の摂理でしょ」
あの時、峰子は言った。
そして、妻子のある徹との別れは、意外な展開でやってきた。

2012年2 月17日 (金曜日)
創作欄 美登里の青春 4
「頑張れ」
励ましは、確かに重荷になる場合もあるだろう。
だが、真意が伝わるのなら、その励ましは背中を押す力になるはず。
真意が伝わりにくい世の中げもある。
善意が、悪意に捉えられることもあるだろう。
人間関係の微妙さである。
美登里は、病院の勤務を休んで峰子の面会へ千葉県の松戸市内にある拘置所へ向かった。
そこは、まったく無縁な場所であり、1人で行くことに不安も覚えた。
本3冊とチョコレートを差し入れるため、前日それを買い求めた。
駅前の交番で拘置への道順を聞いた。
中年の警官が親切に教えてくれた。
椅子に座る若い警官はしげしげと美登里に視線を注いでいた。
教えられた女学校が右手に見えた。
それから公園を抜けた時、母子の姿を見た。
母親はどこか峰子に似ていた。
そして、3歳くらいの女の子を見て、峰子がどのような形で我が子を殺したのかを想ってみた。
拘置所の手前に小学校があったことは、意外だった。
受付で吉田峰子に面会に来たことを告げた。
用紙に面会する峰子の名前を書き、友人 佐々木美登里と記入、住所欄も書いた。
差し入れの包を出したら、「本は差し入れられますが、食べ物はだめです」と係りの人が言う。
「これはチョコレートなのですが、だめですか?」美登里は心外に思った。
「規則です。食べ物を差し入れたければ、所定の店で購入してください。外へ出て50メートルくらい先の右側に店はあります」と言われた。
待合室には和服を着た女性と目つき鋭い男が2人居た。
「あんた、初めて面会に来たんだね」
和服姿の女性が声をかけた。
「そうです」
美登里は改めて女性の顔を見た。
厚化粧であり、普通の女性には見えない。
髪をアップにして粋な感じがした。
30代後半の年ごろであり、顔は綺麗な感じがしたが、どこか異質である。
大きな瞳は人を圧倒するようで、押し出しの強さが漂っていた。
「三郎、案内してやりな」と女性は顎で若い男を促した。
椅子から立ち上がった男は、180cm以上背丈があった。
角刈りで高校生のようにも見えたが、目つきが鋭い。
「おねいさん、何処から来たの」
突き刺すような目とは裏腹に、声は意外に優しかった。
「川崎市の登戸からです」
「登戸? どの辺?」
美登里は男の大きなスニーカーに目を落としていた。
自分の靴の倍くらい大きい。
「小田急線の登戸駅から来ました」
「そうなんだ。遠くからきたんだな」
若者が笑うと白い歯が見えた。
歯並びがいいなとそれを見た。
店のガラス扉を男が開けてくれた。
店は2坪くらいで狭く、果物、菓子、下着を含めて日常雑貨製品が棚に収まっていた。
60代と思われる男性が店番をしていた。
チョコレートとバナナを買った。
それを店の人がケースに収めた。
ケースごと峰子宛に店から届けられる仕組みだった。
面会室は5つあった。
美登里は3番の札を渡された。
着物姿の女性と男性2人は5番。
1番、2番は面接中。
男はたちは、ほとんど無言であった。
どのような人たちなのだろう?
美登里は気にした。
そして、峰子と面会したら、どのような言葉をかけようかと考えた。
「頑張って」と言うべきか?
峰子は泣くだろう、自分も泣くに違いない。
美登里はバックからハンカチを取り出した。

2012年2 月19日 (日曜日)
創作欄 美登利の青春 5
拘置所の面会室は、3人も入れば一杯といった感じであった。
美登利が席に着いたと同時に、扉が開いて女性の係官に先導されて、峰子が姿を現わした。
ガラスの窓越しに見た峰子は、一瞬、笑顔を見せたが、直ぐに涙を浮かべた。
化粧をしていない峰子の頬は青白く、目の周囲は赤く泣き腫らしたままであった。
小さな丸い穴があいたプラスチック製の窓越しに二人は相対した。
「来てくれて、ありがとう」
美登利は黙ってうなずいた。
「来週の火曜日に、初公判があるの。来られたら来てね」
「火曜日なのね?」
「午前中なの」
面会時間は約20分。
峰子の背後に座る係官が二人の会話をメモしていた。
「私のこと、驚いたでしょ」
「驚いたわ。私、新聞読んでいないの。それにテレビもあまり見ていないし、峰子のことは手紙をもらって初めて知ったの」
「そうなの。何も私のこと知らなかったの? 誰かに聞かなかったの?」
峰子は思い出したのだろう、肩を震わせて泣いた。
頭を深く垂れたので長い髪が顔を覆った。
抑えた嗚咽がいかにも悲しい。
美登利は峰子が哀れれに思われ、咽び泣いた。
そのまま、暫く時間が経過した。
あれを言おう、これを言おうと電車の中で思っていたが、美登利の頭は真っ白になった。
特に美登利は、自分が信奉している宗教の教えを峰子に伝えようとした。
係官はペンを止めて二人の姿を冷やかに見ていた。
やがて面会終了の時間が告げられた。
「頑張ってね」
扉の向こうに峰子が姿を消す瞬間、美登利は声をかけた。
峰子はラフな水色のジャージ姿であった。
美登利が3番の面会室の外へ出るとほとんど同時に、和服姿の女性たちも5番の面会室を出てきた。
「あんた、松戸駅まで行くんだろう?」と背後から声をかけられた。
「はい、そうです」
美登利は振り向いて和服姿の女性を見つめた。
「駅まで車で送って行っておげる。遠慮はいらないよ」
強引な言い方であった。
美登利はうなずく他なかった。
「三郎、車を玄関によこしな」
「ハイ、ねいさん。直ぐに車とってきます」
三郎と呼ばれた男が駐車場へ走り出していく。
もう1人の男は、紙袋を抱え和服姿の女性の背後に立っていた。
この男も角刈り頭で三郎ほど背丈はないが、がっしりとした体形である。
「孝治 今度の公判は何時と言っていた?」
「親分の後半は、来週の火曜日、午後1時です」
「そうだったね」
和服姿の女性が玄関の外でタバコをくわえると、男が素早く脇からライタを取り出した。
間もなく、拘置所の玄関の外に黒塗りのベンツが横付けされた。
男二人が前の席に乗り、美登利は和服姿の女性の隣に座った。
「面会の相手は、誰なの?」
和服姿の女性は横目に美登利を見た。
「友だちです」
「男だね?」
「女性です」
「女? 罪は?」
前の席の男二人が背後に目を転じた。
「親子心中です。子どは亡くなり、友だちは死ねなかったのです」
「そうかい。じゃあ、殺人罪だね」
和服姿の女性は眉をひそめた。

ナガシーズが選ぶ泣ける昭和歌謡

2016年08月14日 06時28分00秒 | 社会・文化・政治・経済
わかって下さい
霧の摩周湖
喝采


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★真似をする必要はない。
自分自身の道をみつけよう-ソロー
★フリーズの連続のパソコン。
こうなったら、もう一度、原点に帰りワープロか、とも思っている。
★人生、遅すぎることはない。
足踏みをしている人。
それは以前の自分そのものの姿と重なる。
★「自分のものさし」を信じて、一歩踏み出すことだ。