苦節10年余、「カラオケ」で得点を競うテレビ番組で一躍話題となった。
「お客さんを意識した歌と違い、機械に好かれなければなりません。<情>より<正確>優先で葛藤もありましたが、審査員から<とても丁寧な歌だ>と評価され、一つの自信にもなりました」
17歳でデビュー、4年間で3600回の営業。
「母と二人三脚で、ほぼ毎日、歌える場所なら、どこへも飛んで行きました。看板に「カラオケ」と書いてあれば飛び込み、スナックや居酒屋などで、多い時は1日10軒以上回りました」
それでもなかなか名が売れず<このままやっていけるか>不安になる。
だが、営業を重ねる中で、一人、また一人と応援する人が増え、<大きな力になった>と言う。
「演歌や歌謡曲の醸し出す雰囲気が心地良かったのです。落ち込んでいる時、染み込んでいくような・・・。そして、一曲を聴き終えた時の<一本の映画>を見たような、<一人の人生>を見たような感覚。そんな世界を表現できる歌手が<カッコ良い>と憧れました。
「人生経験を重ね、私だけにしか歌えない歌を追求していくたい」
「ただ、歌は経験だけじゃない部分もあると思うので、<私の世代だからこそ伝えられる歌がある>と信じて、心こそ大切に、今を全力で歌って生きたいと思っています」
「下積みで培ったファンの方との<距離の近さ>を大事にして、心にそっと寄り添う歌を目指しています」
作詞に興味があり、歌手の思いや目指す方向性に関心向いている。
沼田利根