人間は往々にして、<自分が一番苦しいのだ>との錯覚に陥りがちです。
しかし自分以外の存在に触れることで、同じように苦しむ人がいることを知り、自分の人生が、救いを必要とする周囲のために役立つことに気付くのです。
そして他者を救う行動の中で、自分自身の人間性を再発見することもできます。
そこに宗教団体の存在意義があります。
一人で信仰しようとすることは、聖書で描かれる<羊飼いなき羊>のようなものです。
ローマ教皇フランシスコは信仰者は教会の外へ出て、路上の人々を助けなければならないと語ります。
宗教的であることは、真に人間らしく生きることであり、それは宗教が<再び結び付ける>との意味をもつように、他者とつながることなのです。
私たちは、高校生がローマのスラム街で始めた貧困者支援の運動に源を発しています。
世界を変える確かな道は、人々の心の変革を通じてでしかありえません。
その点において、宗教は心の変革を促し、人々に新しい価値観を与えるものです。
私は、第2バチカン公会議で発表された数々の革新的アイデアの中で、最も重要だったのは対話の方向性を明確にしたことにあると考えています。
聖エジディオ共同体は在家信徒の団体です。
在家を意味する「lay」はギリシャ語で「人々」を意味する言語に語源があります。
つまり在家には<人々と共に、民衆と共に>との意味が込められており、あらゆる人に開かれた対話の実践に励んでいるのが、私たちの活動だと理解しています。
平和教育を通じて、より良い世界を築けつという信念なのです。
友情が、宗教の差異を超えて人々を結び、平和の行動へ突き動かしているのです。
昨今のヨーロッパを見るにつけても、民主主義は機能しているとはいえず、人々を分断させる働きは、依然として大きい。
そのことに私は強い危惧を抱いています。
だからこそ、信仰心を持ったリーダーが育たなくてはんりません。
人々を結ぶ宗教の責任は、いよいよ大きくなっています。
聖エジディオ共同体 アルベルト・クァットルッチ事務総長
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聖エジディオ共同体
カトリックの在家運動体として30年余、祈りの精神を基盤に国内外の社会的弱者への奉仕活動を展開。
国際紛争の調停にも積極的にかかわり、1987年以降は、諸宗教の対話を促進するため、「人びとと諸宗教の出会いと平和の祈りの集会」を開催している。「 聖エジディオ共同体のメンバーは誰もが、貧しい人びとやホームレスの人びとと日夜接しており、その中に友情と呼び得る個人的な絆を少しずつ築いています。実際、私たちは、 誰かを支援したり、助けようとしたりするよりは、福音書がか弱き人と呼ぶ人びとの兄弟姉妹 ...
この共同体は、1968年にローマの一人の高校生アンドレア・リカルディとその仲間たちによって始められました。
貧しい人への援助に始まって、紛争地域での和平の調停にも成功し、ノーベル賞にもノミネートされ、下町の国連とも言われています。
日本にも、諸宗教対話や死刑廃止運動などの目的で会員が ...
しかし自分以外の存在に触れることで、同じように苦しむ人がいることを知り、自分の人生が、救いを必要とする周囲のために役立つことに気付くのです。
そして他者を救う行動の中で、自分自身の人間性を再発見することもできます。
そこに宗教団体の存在意義があります。
一人で信仰しようとすることは、聖書で描かれる<羊飼いなき羊>のようなものです。
ローマ教皇フランシスコは信仰者は教会の外へ出て、路上の人々を助けなければならないと語ります。
宗教的であることは、真に人間らしく生きることであり、それは宗教が<再び結び付ける>との意味をもつように、他者とつながることなのです。
私たちは、高校生がローマのスラム街で始めた貧困者支援の運動に源を発しています。
世界を変える確かな道は、人々の心の変革を通じてでしかありえません。
その点において、宗教は心の変革を促し、人々に新しい価値観を与えるものです。
私は、第2バチカン公会議で発表された数々の革新的アイデアの中で、最も重要だったのは対話の方向性を明確にしたことにあると考えています。
聖エジディオ共同体は在家信徒の団体です。
在家を意味する「lay」はギリシャ語で「人々」を意味する言語に語源があります。
つまり在家には<人々と共に、民衆と共に>との意味が込められており、あらゆる人に開かれた対話の実践に励んでいるのが、私たちの活動だと理解しています。
平和教育を通じて、より良い世界を築けつという信念なのです。
友情が、宗教の差異を超えて人々を結び、平和の行動へ突き動かしているのです。
昨今のヨーロッパを見るにつけても、民主主義は機能しているとはいえず、人々を分断させる働きは、依然として大きい。
そのことに私は強い危惧を抱いています。
だからこそ、信仰心を持ったリーダーが育たなくてはんりません。
人々を結ぶ宗教の責任は、いよいよ大きくなっています。
聖エジディオ共同体 アルベルト・クァットルッチ事務総長
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聖エジディオ共同体
カトリックの在家運動体として30年余、祈りの精神を基盤に国内外の社会的弱者への奉仕活動を展開。
国際紛争の調停にも積極的にかかわり、1987年以降は、諸宗教の対話を促進するため、「人びとと諸宗教の出会いと平和の祈りの集会」を開催している。「 聖エジディオ共同体のメンバーは誰もが、貧しい人びとやホームレスの人びとと日夜接しており、その中に友情と呼び得る個人的な絆を少しずつ築いています。実際、私たちは、 誰かを支援したり、助けようとしたりするよりは、福音書がか弱き人と呼ぶ人びとの兄弟姉妹 ...
この共同体は、1968年にローマの一人の高校生アンドレア・リカルディとその仲間たちによって始められました。
貧しい人への援助に始まって、紛争地域での和平の調停にも成功し、ノーベル賞にもノミネートされ、下町の国連とも言われています。
日本にも、諸宗教対話や死刑廃止運動などの目的で会員が ...