看護師の輪子は、同じ病院に勤務する(親しくしているカラオケ仲間)薬剤師のサッチャンを取手競輪へ誘う。
サッチャンはスポーツ好きで、競輪はやらないので、「競輪、競技として観に来ない」と誘ったら、「競技としての楽しみなら観に行こうかな」と応じた。
まず、12時20分、バイクでやってきて「今、正門前に着いたの」とスマホで連絡が。
そこで、正門まで迎えに行く。
「賑やかね」と周囲を見回す。
「取手競輪開設記念レースだから、人が多いの。今日は日曜日だしね」
「お腹空いた」
「では、食堂へ」と誘う。
食堂は3か所に。
二つの食堂がある正面スタンドの1階へ。
寿司もある。
サッチャンは、カレー南蛮うどん。
輪子はかつ丼。
席はほぼ満席。
食堂内にはテレビが何台もあって、5レースの映像が映しだされていて、ファンたちはレースを観ながら食べている。
サッチャンは周囲を見回し、二つ前の席で食事を和服の男性に注目している。
輪子は、「名前は知らないけど落語家よ」と告げた。
さらに、元競輪選手が食堂に案内してきた女性に注目。
「タレントみたいね」と、その人の姿を目で追う。
「取手では見かけない。センスの良さね」と輪子も横顔を見る。
その人が勝利者インタビューをしている女性と、後で気付いた。
この日は、1度だけ取手競輪選手応援コーナーで観戦してから、ずっと正面のスタンド席に座っていた。
「この方が見やすいわね」とサッチャンは微笑む。
輪子は甘酒、ホットコーヒー、日本茶などをサッチャンために席まで運んだ。
空は晴れて、スタンドは温かな日差しだった。
「競輪は実際に、レースをこうして観ていると、なかなかの迫力。凄いわね」とサッチャンは感激!
「そうでしょ!競輪、面白いでしょ」輪子はサッチャンが興奮するのを見て嬉しくなった。
輪子は12レースに出走する6番の松谷秀幸選手について、「元プロ野球選手なの」と告げたら、俄然、興味を示して、「応援のために、松谷秀幸選手の車券を買ってみる」と言う。
「ええ!買うの?」と輪子は驚く。
「松谷選手を買うとしたら、どうしたらいいの?」
「それじゃ、相手は5番の武田豊樹選手にしたら」
「1000円で投票してみる」
「それでは、5-6と6-5ね」と輪子は車券を買いに行く。
サッチャンの車券のオッズを確認して輪子は驚いた。
5-6が291.2倍(500円で14万5600円に)
6-5が503.7倍(500円で25万1850円に)
輪子は5-7 7-5の3連単流し。
まさかの(4人が並んだ茨城勢が)惨敗!とはね。
「面白かった」とサッチャンが満足したことで、輪子はサバサバした気持ちに。
ちなみに、先行したラインが取手競輪場で勝ったレースを<輪子は>見たことがない。
第12R S級優秀
1番 鈴木竜士 107期 茨城
2番 山崎芳仁 88期 福島
3番 小倉竜二 77期 徳島
4番 五十嵐力 87期 神奈
5番 武田豊樹 88期 茨城
6番 松谷秀幸 96期 神奈
7番 吉澤純平 101期 茨城
8番 芦澤辰弘 95期 茨城
9番 松浦悠士 98期 広島
本命ライン 1逃捲-7逃捲-5自在-8追込
9自在-3追込
2自在‐6自在-4追捲
予想(コメント)
4車ラインの利を生かし鈴木がロングスパート。
番手有利な吉澤を軸に地元勢で連独占を狙うが、巧者・松浦の一角崩しに警戒
オッズ
2車単 7-5 200円
3連単 7-5-8 500円
結果
1着 9番 松浦悠士 27歳/98期 広島 S級1班 捲くり 11.4秒
2着 2番 山崎芳仁 39歳/88期 福島 S級1班 3/4車身 11.2
3着 3番 小倉竜二 42歳/77期 徳島 S級1班 1/4車輪 11.4
4着 7番 吉澤純平 33歳/101期 茨城 S級1班 3/4車身 11.7
5着 5番 武田豊樹 44歳/88期 茨城 S級S班 1車身1/2 11.7
6着 6番 松谷秀幸 36歳/96期 神奈 S級1班 3/4車身 11.7
7着 4番 五十嵐力 39歳/87期 神奈 S級1班 1/2車輪 11.6
8着 1番 鈴木竜士 24歳/107期 茨城 S級1班 タイヤ差 12.1
9着 8番 芦澤辰弘 30歳/95期 茨城 S級1班 5車身 12.0
2車単 9-2 6690円(18人気)
3連単 1万8090円(41人気)

松谷選手左 中は武田選手 五十嵐選手右

鈴木竜選手左 中山崎選手 小倉選手右

11 レース大型新人の山崎賢人選手(111期)の勝利者インタビュー


12レースの選手紹介と抽選会






