新型コロナワクチンの偽情報広がる、アジアで接種進まない原因に

2021年07月11日 23時23分32秒 | 社会・文化・政治・経済

Andreo Calonzo、Kwan Wei, Kevin Tan

2021年7月1日 15:14 JST
ワクチンのデマが供給限られる国々で接種をさらに遅らせている
米国の政治家や元ファイザー科学者の主張が拡大解釈されて広がる
フィリピンの建設作業員ジェリー・カシダさん(43)は、ぜんそくのため無料の新型コロナウイルスワクチン接種の優先者リストに載っているが、すぐに接種を受けるつもりはない。ワクチンがジェノサイド(大量虐殺)に利用されていると主張する女性の動画をSNSで見つけたためだ。

  カシダさんは「他の国でワクチンが原因で死亡した人の数や、それがどう隠蔽(いんぺい)されているかについて、フェイスブックで投稿をたくさん読んだ」と話す。「私の母も民間治療師に相談したが、ワクチンは私の心臓に影響を及ぼす恐れがあると言われた」という。

  東南アジアの感染中心地にはカシダさんのように、国内から、あるいは米国のワクチン反対運動から発せられるSNS上の偽情報に影響されて接種を急がない、もしくは完全に拒否している人が何百万人もいる。こうしたデマが東南アジアの一部でワクチン接種に消極的な姿勢に拍車をかけ、アジアでも感染リスクが高いこの地域で接種を促し新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を終わらせる取り組みを妨げている。

  新規感染者が世界で最多の中に入るにもかかわらず、東南アジアでワクチンへの抵抗が広がっていることを最近の調査が示した。世論調査会社ソーシャル・ウェザーステーションによると、フィリピンでは接種を受けるか分からないか、接種に消極的だとの回答が68%に上った。タイの調査では3分の1の人が接種に懐疑的か拒否すると答え、インドネシアの調査では5分の1近くの人が接種をためらっていることが示された。

フィリピンのドライブスルーのワクチン接種会場で指示を出す医療従事者(6月22日)写真家:Veejay Villafranca / Bloomberg
  ワクチン接種反対のデマが、こうした消極的な姿勢の大きな原因であり、これは限られたワクチン供給という問題を既に抱えている国々で接種をさらに遅らせている。タイとフィリピンでは接種を1回のみ受けた人ですら全人口の10%に満たない。

  再生回数が多い英語の動画では、ワクチンを接種すると磁力を帯びるとの主張が展開されている。マレーシアでは、生命や臓器への誇張されたリスクや、遺伝子が組み替えられるなどの誤った情報がフェイスブック傘下のメッセージサービス、ワッツアップを通じて広がっている。それらの多くは、米国の政治家や元ファイザーの科学者でコロナワクチンに懐疑的なマイケル・イードン氏の主張をねじ曲げて拡大解釈したものだ。


ワクチン接種後に死亡355人…因果関係は本当にないのか?

2021年07月11日 23時23分32秒 | 社会・文化・政治・経済

公開日:2021/07/06 13:40 更新日:2021/07/06 15:22

 国民はリスクも知りたい(C)共同通信社

  今年2月から始まった新型コロナウイルスのワクチン接種。これまでに350人以上が接種後に亡くなっているが、とうとう接種直後に急死する事態が起きてしまった。

■高知では直後に悲劇

 高知県南国市の集団接種会場で4日、60代の男性が接種直後に倒れ、搬送先の病院で死亡した。県内で接種後に死亡したのは5人目だが、接種当日の死亡は初めてだ。

 南国市の集団接種はファイザー製を使用。少しでも副反応を減らすため、他の会場同様、細心の注意を払っている。市民への説明書には接種不可や要注意の人について、詳細に例示している。接種者は当日、予診票を提出し、医師の予診を受け、接種する。接種終了後は15~30分の経過観察で問題なければ、帰宅できる。男性は経過観察中に倒れてしまった。

 日刊ゲンダイの取材に対して、南国市は「公式には公表していません」(総務課)と答えた。

6月23日の厚労省の専門部会の資料によると、今年2月17日から6月18日にワクチン接種後の死亡は355人に上る。接種が先行している65歳以上が9割を占め、心不全、出血性脳卒中、心肺停止が主な死因だ。

 驚くのがワクチン接種との因果関係だ。厚労省の専門家は6月13日までの277例を評価。ワクチンと症状名の因果関係について〈認められない〉が5件、〈情報不足などにより評価できない〉が275件、〈否定できない〉は、なんと0件だ(3症例は評価が分かれ、総数が一致しない)。

 厚労省は因果関係はないと判断しているようだが、本当なのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「ワクチン接種の翌日から数日後に死亡するケースが集中しています。もし、持病がある人がたまたま接種後のタイミングで亡くなっているのであれば、ここまで偏らないはずです。接種と死亡に何らかの因果関係がある可能性は否定できません。厚労省がすべきことは、実態を調べて、最新のリスク情報を公開し、ワクチン接種による死亡を極力少なくすることです。因果関係を一切認めずに、次の対策に生かそうとしない姿勢を貫けば、信頼が失われるだけです」

 国立精神・神経医療研究センターなどの調査によると、約11%がワクチン接種を受けたくないと考えている。原因があやふやなまま接種後の死亡が続けば、ワクチン離れが加速する可能性がある。ワクチンとうまく付き合うためにも、355人の死から学ぶことはたくさんあるはずだ。


厚労省がワクチン“死亡事例”の詳細を公表しなくなったナゼ
公開日:2021/06/12 06:00 更新日:2021/06/12 06:00
 
新型コロナウイルス
ワクチン

 ワクチン接種のペースは順調(C)共同通信社
ワクチン接種のペースは順調(C)共同通信社
拡大する
  
 政府は10日、国内での新型コロナウイルスワクチン接種回数が、累計で2000万回を超えたと発表した。9日までの総接種回数は2038万3612回で、内訳は医療従事者向けが約882万回、高齢者向けが約1156万回。ワクチン別で見ると、これまでに米ファイザー社製が約2006万回、米モデルナ社製が約32万回使用された。

 菅首相が掲げる「1日100万回」には届いていないものの、東京五輪を控え、接種のペースは確実に加速している。

 一方、比例して増加しているのが接種後死亡の報告事例だ。

 厚労省の「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」が9日に公表した死亡事例は今年2月17日から6月4日までで計196件。5月30日までの事例を対象にした専門家の評価結果はいずれも「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない」とされた。

「因果関係が評価できない」という言葉は、過去の「子宮頸がんワクチン」で重篤な症状が発生した時でも見られた表現だ。「情報不足等」により評価が難しいのであれば、死亡事例について、より多くの情報を収集、検討、評価するべきだが、なぜか、厚労省は前回(5月26日)まで公表していた死亡事例の詳細に関する資料を添付しなくなった。

 それまでは接種日や発生日、死因などの一覧表に加え、その時の体温や死亡に至る経過や状況などが細かく記された資料が示されていた。資料を見れば、審議会の専門家でなくとも、副反応の可能性などについて考察できただろう。ところが9日公表の資料には、そうした詳細がなくなったのだ。一体なぜなのか。

「審議会の専門家から、『情報量が多すぎて整理してほしい』と以前から指摘されていたので(資料を省いた)。(部会は)何か異常なシグナルがないかということを見るため、全体の傾向を見る方が大事だということです」(厚労省健康課)

「情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない」としながら、「情報量が多すぎて整理してほしい」――とは矛盾するようにも思えるが、いずれにしても後年にきちんと第三者が審議について検証できるようにするのは言うまでもない。


接種後「高齢者23人死亡」も…コロナワクチンは大丈夫なのか

2021年07月11日 23時19分19秒 | 医科・歯科・介護

上 昌広2021.1.21新型コロナワクチン感染症

昨年12月より世界各地で始まった、新型コロナウイルスのワクチン接種。日本では2月下旬より、医療従事者等から接種開始の予定だ。通常、ワクチンの開発から実用化までには10年以上かかることも珍しくない。そんななか驚異のスピードで登場したコロナワクチンだが、果たして安全性や有効性はどうなのか? 現役医師の上昌広氏が、最新の研究にもとづき報道からは見えない実態を緊急レポートする。


「接種後の副反応」はワクチンに付きものだが…

1月15日、新型コロナウイルス(以下、コロナ)ワクチンの安全性に関する衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。ノルウェーでコロナワクチンを接種した高齢者23人が死亡したというのだ。接種したのは米ファイザー・独ビオンテックのワクチンで、ノルウェー医学庁によると、死者13人は剖検されており、ワクチン接種との関連が示唆されるという。
 
米国でも、50代の男性医師が、接種後に重度の皮下出血を起こし、16日後に死亡している。さらに米国でファイザー・ビオンテック製のワクチン接種を受けた約190万人のうち、21例が重度のアレルギー反応を発症していることがわかった。ワクチン接種に付きものの副反応だが、その頻度は従来のワクチンでは100万回の接種に1回程度とされている。コロナワクチンでは多いのかもしれない。
 
(※写真はイメージです/PIXTA) 
(※写真はイメージです/PIXTA)
現状、コロナワクチンの有効性は「想定以上」

12月に入り、世界各国でコロナワクチンの接種が始まった【図表】。トップを走るのはイスラエルで、1月15日現在、人口の25.3%が1回目の接種を終え、1月10日からは2回目の接種が始まった。イスラエルでは、初回接種から2週間を超えた人でのコロナ感染の減少が確認されているという。
 

【図表】
 
昨年11月に中間解析結果が報告されたファイザー・ビオンテックのワクチンは90%、米モデルナは94%、英アストラゼネカは70%の有効性が報告されているが、イスラエルの経験は、このような臨床試験の結果と合致する。確かに、コロナワクチンは有効そうだ。臨床開発が始まった当初、米食品医薬品局(FDA)や世界保健機関(WHO)はワクチンの有効性の基準として50%を想定していたのだから、彼らの予想を大きく上回ったことになる。
 
もちろん、このような臨床試験は、まだ観察期間が短く、効果がいつまで持続するかわからない。また、長期的な合併症についても明らかではない。ただ、現時点のデータだけからも、短期的な有効性は極めて高い一方、副作用はそれなりに強いと考えてよさそうだ。我々は、このワクチンとどう付き合えばいいのだろう。
 
世界はコロナワクチンとの付き合い方を巡り試行錯誤を繰り返している。世界の多くの国が医療従事者から接種を始めているが、次に接種するのは、日本のように高齢者や持病を有する人とは限らない。インドネシアでは高齢者より現役世代を優先する。これはインドネシア政府が感染抑制のために、活動が活発な現役世代の感染抑制を優先することに加え、高齢者での安全性が確立していないことを重視したからだ。
「従来のワクチン」にはない、コロナワクチンの特徴

とにかく、コロナワクチンについては、わからないことだらけだ。それは、コロナワクチンが遺伝子工学技術を活用した新しいワクチンだからだ。従来のワクチンの多くは、ウイルスを鶏卵や細胞などで培養し、不活化や弱毒化したものを接種していた。つまり、ウイルスの病原体成分を満遍なく投与していた。
 
コロナワクチンは違う。ファイザー・ビオンテックとモデルナのワクチンはmRNAワクチンだ。コロナの遺伝子の一部、具体的にはスパイクたんぱく質をコードする部分を注射して、体内で発現させる。免疫を誘導しそうなたんぱく質に絞って、体内で大量に発現させる。
 
mRNAワクチンの問題は、体内で不安定なことだ。ファイザー・ビオンテックとモデルナは、mRNAを脂質ナノ粒子にくるむことで、この問題を解決した。
 
一方、アストラゼネカはウイルスベクター(運び手)として、ヒトに対しては弱毒性のチンパンジーの風邪ウイルス(アデノウイルス)を利用している。このウイルスが接種された人の細胞に感染すると、細胞内で導入された遺伝子がスパイクたんぱく質を産生する。あとはmRNAワクチンと同じだ。
 
mRNAワクチンは、コロナワクチンが初めての臨床応用だし、ウイルスベクターワクチンはエボラウイルスワクチンでの活用など、ごくわずかの臨床経験しかない。これらのワクチンは、mRNAやウイルスベクター以外に、脂質ナノ粒子などの添加物を用いている。このような物質が、体内でどのような反応を起こすかわからない。
 
実は、当初から、強い炎症反応が起こることが危惧されていた。米科学誌『サイエンス』は11月18日号で、ファイザー・ビオンテックおよびモデルナのワクチンの接種には、強い痛みと発熱を伴うことを紹介する記事を掲載している。
 
モデルナのワクチンの臨床試験に参加した43才の人物は、接種部位が「ガチョウの卵」のサイズまで腫脹し、38.9度の発熱があり、筋肉と骨が激しく痛んだと言う。この人物は、「一晩中電話の前に座り、救急車を呼ぶべきか迷った」そうだ。この症状は12時間続いたという。このような炎症反応が高齢者に起これば、冒頭にご紹介したような死亡例が出るのもご理解頂けるだろう。
 
ただ、遺伝子工学技術を応用したワクチンは、強い副反応を伴うものの、コロナ制圧に大きな貢献をしそうだ。それは、このようなワクチンは、コロナのゲノム配列さえ分かれば設計は容易で、手間のかかるウイルス培養を必要としないため、安価に大量生産できるからだ。2021年中にファイザー・ビオンテックは13億回分、モデルナは5~10億回分、アストラゼネカは20億回分を供給できると発表した。コロナワクチンは通常2回接種を要するため、この4社で最大30億人分のワクチンが提供可能だ。こんなことは従来の製造法では考えられない。
コロナワクチンは「いつ」「誰から」接種するべきか

日本政府はファイザーから1億2,000万回分、モデルナから5,000万回分、アストラゼネカから1億2,000万回分の供給を受けることで合意している。全国民のワクチンが確保できたことになる。国民の7割程度に接種できれば、集団免疫を獲得し、コロナの流行は止むはずだ。
 
ワクチン研究は日進月歩だ。遠くない将来、副反応は軽減され、安全性が高いコロナワクチンが開発されるだろう。ただ、現状では、我々は、このワクチンとどう付き合うか考えなければならない。
 
まずは私の場合だ。もちろん接種する。それは私が臨床医だからだ。日常的に持病を有する高齢者と接する。彼らはコロナに感染した場合、重症化するリスクが高い。どんな形であれ、患者にうつすのは避けたい。一定レベルの安全性と有効性が担保されていると判断すれば、職業倫理的にも打たなければならない。このような状況は、介護職、営業職、接客業、教育関係者にも共通する。
 
では、患者はどうだろうか。70才で高血圧・糖尿病の男性から相談を受けたとしよう。このような患者はコロナに感染した場合、重症化しやすい。ただ、私は現状では、この男性にワクチン接種をすすめない。それは、持病を有する高齢者は、健康な若年者ほどワクチンの効果が期待できない一方、前述したように副反応が出たときには重症化しやすいからだ。
 
一般論として、高齢で持病を有する患者の行動範囲は広くない。接触する人も限られており、感染リスクは低い。急いでワクチンを接種する必要はない。先行してワクチン接種を始めた海外のデータがまとまるまで待てばいい。夏になれば、相当数の経験が海外で蓄積されているはずだ。
 
もちろん、筆者も高齢者において、ワクチンの危険性が極めて高いと考えているわけではない。おそらく相当程度に安全だろう。ただ、繰り返すが、コロナワクチンに関しては、あまりにもわからないことが多い。
 
各国政府がワクチンを推奨するのは、国民の健康だけを考えてのことではない。コロナが大流行し、経済ダメージが甚大な世界各国は、公衆衛生学的、経済的見地から、ワクチンを推奨しているのだ。特に後者は大きい。ワクチンによりコロナ感染が予防されるだけでなく、国民が安心し、景気が上向くからだ。
 
この理屈は一人一人の国民には通用しない。それぞれの事情に応じた個別具体的な対応が必要だ。私はかかり付けの主治医に相談することをおすすめしたい。個別の事情を把握し、それぞれに合った助言をしてくれるからだ。幸いオンライン診療も解禁された。遠慮せず、連絡すればどうだろう。
 
 
上 昌広
内科医/医療ガバナンス研究所理事長


ワクチン接種4日後に医療従事者25歳男性が「飛び降り」厚労省が報告

2021年07月11日 23時04分22秒 | 事件・事故

厚労省は新型コロナワクチンの接種に関わる症状の報告を義務づけている(時事通信フォト)

2021.06.07 11:00  週刊ポスト

父親が運転する車のドアをいきなり開け、車外に身を投げた息子は、高速道路で後ろから走ってきた中型トラックにはねられ、わずか25年の生涯を終えた──。そんなショッキングな出来事が、厚労省の報告書に克明に記録された理由は、彼が自死の4日前に、新型コロナワクチンを接種した医療従事者だったからだ。

 厚労省は医療機関や医師に新型コロナワクチンの接種が原因によるものと疑われる症状の報告(副反応疑い報告)を義務づけ、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会に提出、公表している。

 前述したケースは「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」の「事例46」にある。患者は〈25歳の男性〉で、医療機関から〈ワクチン接種が誘因となった疑いを否定できず報告するもの〉として概要が報告されている。

〈病院内で、医薬品(KCL=編集部注・カリウム製剤)を無断で持ちだしている行為を発見され暴れ、取り押さえられる事件があった。

 精神科診察により、妄想状態、精神障害と診断され、精神科病院へ家族が乗用車で搬送中に、家族の制止を振り切り飛び降り死亡するに至った。

 これまで精神疾患の既往はなく、通常に勤務。この行為の4日前(金曜日)に新型コロナワクチン(ファイザー)接種を受けている〉

「やべえ、最悪、最高です」

 男性は同病院に勤務する職員Aさん。大学時代の同級生はこう語る。

「真面目で優秀な人でした。私も彼も臨床工学技師。人工呼吸器、人工心肺などを管理する仕事で、今はコロナの重症患者の方に対して向き合っています」

 病院でも堅実な仕事ぶりで知られていたという。Aさんに何が起きたのか。報告された内容をもとに辿っていく。

 4月23日に勤務する病院内でワクチンの1回目を接種。25日の日曜日に友人といたところ、立ち眩み、手の震えがあり、アパートから実家に送ってもらった。翌26日は勤務日だったが、Aさんは朝37.1度の熱があると病院に連絡し、休息を指示された。

 問題の症状が見られたのは4月27日のことだ。体温は36.2度の平熱。出勤したAさんに、上司が「大丈夫か?」と声をかけると、Aさんからはちゃんと返答があった。

〈いつもの淡々としている印象で、具合が悪そうではなかった〉

 医療機関が厚労省に報告した「当日の経過詳細」には、出勤した時の様子がそう記述されている。

上司はAさんの前日までの体調を考慮して、普段の担当とは異なる業務にシフトを変更した。

 だが、勤務中にAさんの奇妙な行動が目撃され、病院内は騒然となった。Aさんがカートに手をかけて覗く現場を、職員が目撃する。

〈職員:何しているんですか?
被接種者(編集部注・Aさんのこと):薬
職員:なんのですか
被接種者:カリウム
職員:おかしい、質問の答えになっていない、変だと思った。
「薬はここじゃないです」と言うと、(中略)歩いて行った。危険を感じる。(中略)しばらくして上司に報告しようと部屋を出たら「キャー」という声が聞こえた〉

〈手にKCLを持っており、赤の人工心肺回路廃棄袋があった。「何をしているんですか?」と声をかけたところ、臀部に膝で蹴られたが、痛みはなく、強く当たった感じではなかった。相手が2m位離れたところ、様子をみていた看護師が「不審者だ!」と大声を上げた。逃げようと転倒したところをスタッフが抑え込んだ。怖くて泣いた〉

 Aさんは職員や医師らに押さえ込まれた。

〈顔を確認するが、表情なく、ボーッとして、ブツブツ言っており聞き取れない。表情が違うため、1回見ても本人とはわからないくらい表情が違っていた〉

〈問いかけに対しても空返事。小声で「ハイ、ハイ」理解しているかは判断できない。時々落ち着きなく動き出す素振りあり。
「一人になるのが怖い」「なんでこんなことになっているんですか?」
 本人より、被接種者の上司の付き添いで良いとのことで付き添う〉

 しかしAさんは落ち着きを取り戻さなかった。

〈話しかけるが全て「ハイ」と返答。視線を合わせようとはしない。ぼんやりして対話はとれない。
 言いたくない、ダメだ、ダメだ。何、やべえ、最悪、最高です。楽しい、違う、、。わからない。返答は答えにならず、ブツブツという〉

 Aさんは精神科医の診察を受け、「妄想状態」「意識障害」と診断された。この時点で発熱があったためPCR検査も行なわれたが、結果は「陰性」。

 同病院には当時、入院できる精神科の病床がなかったため、迎えに来た両親が車で他の病院の精神科に搬送中、Aさんは高速道路で家族の制止を振り切って車から飛び降り、後続車に轢かれ、その夜、死亡した。

 本誌・週刊ポスト記者が自宅を訪ねると、Aさんの祖母は「運が悪かった、そう思っています。勉強はよくしていたし、(病院勤務については)自分が選んだ道でしたからね」と言葉少なに語ってくれた。

 報告によると、死因は〈精神異常、自殺〉。専門家の評価は、〈ワクチン接種との因果関係も不明である〉とされている。Aさんの勤務先の病院に事実関係などについて聞いたが、「お答えできません」(事務長)と答えた。

※週刊ポスト2021年6月18・25日号


ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?患者さんにより異なる初期症状や治療方法について

2021年07月11日 22時51分53秒 | 医科・歯科・介護

medicalnote

東北大学大学院医学系研究科 神経内科学分野 教授
青木 正志 先生

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は体を動かす際に用いられる「運動ニューロン」という神経が阻害され、それにともなって体中の筋肉が徐々に衰えていってしまう疾患です。この疾患は症状や進行が患者さんによって大きく異なるため、気になることがあれば早期に神経内科への受診することが大切です。

今回はALSの基本的な情報や今日の研究、受診される際の注意点などについて東北大学医学部 神経内科教授、青木正志先生にお話を伺いました。

難病 ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?

バットを振る人

体を動かす運動ニューロンが阻害される難病

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、体を動かす運動ニューロンという神経が障害を受け、運動や呼吸に必要な筋肉が徐々に衰えていってしまう疾患です。

運動ニューロンとは?

体を動かす際に使われる神経のこと

ニューロンとは、神経のことを指します。神経は私たちの体全域に張り巡らされ、さまざまなはたらきをしています。

ニューロンには運動ニューロン、感覚ニューロン、介在ニューロンなどさまざまな種類があり、なかでも運動ニューロンは私たちが体を動かそうとするときに使われる神経です。たとえば、バットを振ろうとするとき、腕の筋肉が運動をします。運動ニューロンはこのときに腕の筋肉に信号を届ける役割を持っています。

ALSの患者数、発症年齢、男女比について

中年男性

日本におよそ1万人、男性にやや多い。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は2017年現在、日本に約1万人の患者さんがいらっしゃいます。罹患する患者さんの年齢層は中年以降が多く、最も患者さんが多いといわれているのは60〜70歳台です。また、男女比はやや男性のほうが罹患しやすいといわれています。

ALS、筋ジストロフィーとの違いは

ALS(筋萎縮性側索硬化症)と筋ジストロフィーは全く異なる疾患です。ALSは筋肉を動かす神経が障害を受けることによって、筋肉が痩せてしまいます。一方で筋ジストロフィーは筋肉そのものの疾患で、筋肉が変性を起こすことで筋力が低下してしまいます。また罹患する年齢も大きく異なり、ALSは中年以降の患者さんが罹患することが多い一方で、筋ジストロフィーは子どもの頃から罹患し、筋肉が痩せてしまうことがあります。

ALSの原因

10%が遺伝、90%が孤発性

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は原因がまだ明らかになっていません。しかし、患者さんのうち10%は遺伝による家族性ALSを罹患しています。残りの90%は孤発性ALSといって、遺伝の関与がなく発症します。

また、家族性ALSも孤発性ALSも症状や進行に違いはほとんどありません。

ALSの症状

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状は患者さんによっても千差万別です。初期症状として現れる症状も人によって異なります。たとえば、筋肉が痩せていってしまうので四肢の動きが悪くなったり、話すことや、食べ物を食べ、飲み込むといった発話・嚥下がしにくくなったりすることもあります。

疾患が進行し全身の筋肉が痩せきってしまうと、歩行、会話が難しくなり、呼吸も十分に行えなくなってきてしまいます。

上記のような症状がある一方で、進行しても目や耳はほとんど影響なく機能していることが1つの特徴です。

ALSの治療法

2つの薬で進行を遅らせる

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は未だ治療方法が確立されていません。しかし、2つの薬を使用して症状の進行を遅らせる治療が行われています。現在使用されている薬は下記の2種類です。

<ALSの進行を遅らせる薬>

リルゾール
ラジカット
グルタミン酸を抑える「リルゾール」

飲み薬

リルゾールは1999年よりALSの治療に用いられている薬です。この薬はグルタミン酸の量を抑えることで、ALSの進行を遅らせることができます。

グルタミン酸とは運動ニューロンが体に信号を伝える際に用いられる物質です。このように神経が情報を伝える際、使われる物質を「神経伝達物質」といいます。ALSに罹患すると、グルタミン酸が過剰になってしまうことが明らかになっています。

フリーラジカルを抑える「ラジカット」

点滴

ラジカットは2015年にALSの治療薬として認可された、ALS治療の観点からみると比較的新しい薬です。もともとは脳梗塞で急性期の状態の患者さんを治療する際に用いられてきた薬です。

ラジカットは、フリーラジカルを抑える薬です。フリーラジカルはさまざまな疾患や老化の原因になっているともいわれています。ALSは罹患するとフリーラジカルが多く発生し、それが症状を進行させているのではないかと考えられています。

ラジカットの投与は、2週間おきに点滴で行う必要があります。そのため患者さんは2週間おきの通院が必要となります。

患者さんご自身の希望に応じて治療方法を定める

現在は上記2つの治療薬でALSの進行を遅らせています。必ず2つの薬を使用するというのではなく、薬の効果、副作用なども視野に入れ検討し、その患者さんの容態、生活、希望に応じて治療方法を選択します。

症状に応じた対症療法

上記でも申し上げましたように、ALSの症状やその進行は患者さんによって全く異なります。患者さんそれぞれの症状に対し、その症状を和らげる対症療法を行います。

たとえば、ALSでは筋肉や関節を動かせなくなってしまうことにより、それらが拘縮(こうしゅく)し、固くなってしまうことで痛みやしびれが生じることがあります。このような状態を防ぐため、リハビリを行います。

ALSの研究

研究

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は現在2つの治療薬で治療されていますが、それらを用いても進行を遅らせることができるだけで、病気の進行が完全に止まるわけではありません。そのため、より効果的な治療を開発するために世界中の医師が熱心に研究を続けています。

日本ではALSの研究がとりわけ盛んに行われており、東北大学では大阪大学とともに肝細胞増殖因子(HGF)を用いた治療の治験を行っています。この治験では、治療対象に当てはまる患者さんを全国から募集し、対象に合致した場合には実際に治療を受けてもらっています。

治験はその時期やタイミングに応じて、さまざまな医療機関で行われていることがあります。主治医の先生と相談し、最新の情報をきちんと確かめたうえで検討されるのもよいと思います。

初期症状は見落とされることも。気になることがあれば神経内科へ

医師

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は初期症状に気が付きづらく、発見が遅れることがしばしばあります。しかし、より早く治療を始めたほうが治療効果も発揮されやすいことが明らかになっていますので、他の疾患同様、できるかぎり早期診断できることが望ましいといえます。

ALSは神経内科を受診しない限り、診断がつかない疾患です。しかし、筋肉が衰えていってしまう疾患なので、最初に神経内科の受診を連想しない患者さんも多く、発見が遅れてしまうケースもあります。うまく手が動かなくなってきたので整形外科を受診したり、うまく話せなくなったといって耳鼻科へ受診したりと、そのとき現れた症状に応じて受診する診療科がバラけてしまうことがあります。

もちろんその診療科の先生が、ALSを疑い、専門である神経内科医に紹介してくださる場合もあります。一方で、症状の明確な原因がわからず「様子をみる」というかたちで診療が終了してしまうケースもあります。そのようなとき、気になること、不安なことがあれば、ぜひ神経内科を受診していただきたいと思います。

また、ALSはほとんどの患者さんが中年期に罹患するため、筋肉の衰えなどの症状が見受けられても「歳のせいかな?」と考え、病院を受診しない患者さんもいらっしゃいます。このような患者さんにも、「おかしいな」と感じた段階で、ぜひ一度神経内科を受診していただきたいと考えています。

受診について相談する
「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
受診予約の代行は含まれません。
希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。
受診相談サービスとは
  
東北大学 大学院医学系研究科 神経内科学分野 教授
日本神経学会 指導医・神経内科専門医日本人類遺伝学会 臨床遺伝指導医・臨床遺伝専門医

1990年東北大学医学部医学科卒業。1996年米国ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院神経内科研究員を経て、2011年に東北大学大学院医学系研究科教授に就任。難治性神経内科を専門とし、とりわけALSなどの神経変性疾患および筋疾患の治療、研究に尽力している。


ALS闘病中に起業した33歳3児の父が残す声

2021年07月11日 22時51分53秒 | 社会・文化・政治・経済

7/11(日) 7:00配信

産経新聞

自室の一角にある作業スペースでパソコンを操作する合田朝輝さん=6月25日、香川県観音寺市

29歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した香川県の合田朝輝(ごうだともき)さん(33)が7月10日、自身の声で話す最後の機会になるかもしれない講演会を高松市内で開く。症状に絶望していたが、「考えることはできるだろ」という友の言葉に救われ、病と闘いながら起業した経験を語る。「下を向いていた顔を上げたら、妻と3人の子供、生きる理由がありました」という合田さん。「父親として、夫として、人間として何か残したい」と声をふり絞る。

■ALSという病気

看護師をしていた合田さんが体に不調を感じたのは平成30年1月、手の親指に数分間力が入らないことが1日に数回あった。最初の診断は「腱鞘(けんしょう)炎」だった。

翌年3月、太ももにも同じ症状が出て、看護師としての経験からALSの可能性を考え脳神経内科を受診。数カ月後にALSの診断が確定した。子供が3人となり香川県観音寺市の実家の近くに家を建てたばかりだった。

ALSは、身体を動かす命令が筋肉に届かなくなり、体を動かす筋肉や呼吸に必要な筋肉の力が衰えていく難病だ。根治療法はいまだなく、服薬や点滴で進行を遅らせることしかできない。

発症の原因は解明されておらず、新規発症者は年間で人口10万人当たり約1~2・5人。30年時点で厚生労働省発表の特定疾患医療受給者証交付件数で29歳以下のALS患者はわずか17人だった。

■「人間と猿の違い」

合田さんは31年3月に退職。昨年6月には歩行不可能となり、8月には電動車いすの生活になった。今年6月下旬に取材した時点では腕の一部が辛うじて動く状態。声は聞き取りにくいが、ゆっくりと会話ができるレベルにあった。

「現実を見ないように」と合田さんは動画サイトをみたり、ゲームをしたり、漫画本を読みあさって過ごした。だが病状が進んでゲームのコントローラーも持てなくなり、「できることがない」という心境に追い込まれた。

今年1月9日、合田さんは「人間と猿の違い」というタイトルでブログに記した。「歩けません。立てません。起き上がったり寝返りもできません。一人でご飯食べられません」と始まり、できないことを列挙。「問・私は人間でしょうか?」と締めくくった。

■考える時間がある

ブログを見た、友人のファイナンシャルプランナー、飯間将博さん(36)は慌てて返事を書いた。それは「人間とは感情があること。考えることができること」という書き出しで始まる。

合田さんとは7年前に知り合い、意気投合した友人で、兄弟同然の仲だ。「(君は)情報収集はできる。考えることはできる。いくつものビジネスモデルを考えてほしい」と呼びかけ、起業することを持ちかけた。合田さんは、最初は戸惑ったが、やがて意を決し、提案を受け入れることにした。

まず、今年2月初めに障害・難病者の情報支援サービス「Filo(フィーロ)」を個人事業主登録した。Filoはイタリア語で「糸、つながり」の意味。自らの経験をもとに、対応窓口が多岐に分かれる障害福祉サービスを受ける際のサポートをする仕事だ。

また、経営コンサルタント「business soldier GODAman」を始めた。

合田さんはインターネットなどを通じて独学で知識を蓄積しながら事業を展開。飯間さんにとっても「彼がいないと仕事に支障がある」というビジネスパートナーになった。仕事の依頼も次第に増え、売り上げも上がっているという。

■人とつながることで

2人は、闘病には人のつながりと周囲の見守りが大切だと指摘する。合田さんは「仲間の存在が心強い。一人で抱え込まずに周囲に頼れるようになり、精神的に楽になった」と話す。

「生きてるんだ、諦めないんだと言い続けていると、私を普通の人間、対等な仕事仲間として接してくれる人たちがいた。人と人とのつながりは手放してはいけない」

合田さんは「ALSになって不便です。ただ絶対に不幸ではない」と強調する。現実も見すえつつ「将来に対しては楽観的に考え、先進医療に期待して絶対に治す」と思うようにしている。

起業を通じ、生きる実感を取り戻した合田さん。今年1月、動けないことを嘆いて「私は人間でしょうか?」と記したブログには今年4月、問いの答えとして「動かない体の私は、人とのつながる心で生きている。人とつながることで人間でいられる」とつづられていた。

■最新技術で声を残す

病気の進行に備え、飯間さんらはクラウドファンディングで最新の音声合成技術で「合田さんの声を残す」ことにした。

ALSは目が最後まで動かせるとされ、「視点認証」というシステムを使って目線でパソコン操作をして文章作成などができる。視点認証で作った文章を機械が読み上げるのが音声合成による本人の声。声を失った後でも目線で文字入力し、自分の声で話せる状況が実現し、仕事を続けられる環境を確保した。

7月10日に合田さんの講演会が予定されているが、病状の進展は予想できず、講演会は肉声になるか音声合成になるのかは直前まで分からないという。

講演は「生きることを諦めなかった男の『最後の声』を聞いてください」と題し、飯間さんとの対話形式で進行する予定。ALS発症の前と後を振り返り、生きることを諦めなかった理由について、合田さんの思いを語る。(和田基宏)

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小茂木健一郎氏、五輪の無観客開催は“最悪の政策決定”とバッサリ「こんな愚かな判断はない」

2021年07月11日 22時47分52秒 | 社会・文化・政治・経済

7/11(日) 18:18配信

スポニチアネックス

茂木健一郎氏

 脳科学者の茂木健一郎氏(58)が11日、自身のYouTubeチャンネルを更新。「#東京オリンピックの#無観客開催は最悪の政策決定である」というタイトルで動画を投稿し、持論を展開する場面があった。

 茂木氏は「東京オリンピックは無観客ということに決定されたわけですけども、僕は間違っていると思っていて。今からでも遅くないから撤回して、客を入れた方がいいと思います」と提言。

 「はっきり申し上げますが、専門家の数理的な予測は“当たるも八卦当たらぬも八卦”。占いと同じレベルだと思ってます。それは当たり前な話で、未知のパラメーターが多すぎるんですね。実際に諸外国を見ても、ワクチンで抑え込んだと思ったら、また感染が拡大する。このウィルスについての振る舞いはよく分からないんです。専門家の言うことは『人流が増えてお酒飲んだら増えるんじゃないですか』っていう、印象論以上のものではないんですよ」と、感染対策としての施策に懐疑的な姿勢を見せた。

 プロ野球・サッカーでは観客が入れられることについても触れ「オリンピックだけ、無観客にする定量的な根拠は何でしょうか。ないですよね?」と、問いかけた茂木氏。「恐らくオリンピックが始まったら『なんで観客を入れてなかったんだろう?』ということになると思います。他のところでは人が動いてるのに、なんでオリンピックだけ特別なものだと思って、人を入れなかったのだろうと。こんな愚かな判断はない」と、斬り捨てた。

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神様のカルテ

2021年07月11日 22時41分49秒 | 社会・文化・政治・経済

夏川 草介 (著)

この病院では、奇蹟が起きる。

栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
第十回小学館文庫小説賞受賞作。2010年本屋大賞第2位。

【編集担当からのおすすめ情報】
50万部を突破した感動のベストセラー待望の文庫化!
さらに映画化!櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、
初の夫婦役で競演します。他豪華キャストで、
2011年8月27日、全国東宝系にて公開!
続編『神様のカルテ2』も大ヒット、シリーズ100万部突破!

出版社からのコメント

50万部を突破した感動のベストセラー待望の文庫化! さらに映画化!櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、 初の夫婦役で競演します。他豪華キャストで、 2011年8月27日、全国東宝系にて公開! 続編『神様のカルテ2』も大ヒット、シリーズ100万部突破!

内容(「BOOK」データベースより)

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

夏川/草介
1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒。長野県の病院にて地域医療に従事。2009年、本作で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー、10年本屋大賞第二位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
 
夏川草介先生が自分より17歳下の医師であり作家であることに驚愕を覚えた美しい小説。
私は二人の息子の母ですが息子にサンタさんからのプレゼントは本で小学生時代は通しました。
勿論、高学年は私の自己満足と無言で読んでは貰えませんでしたm(__)m
低学年は絵本で読み聞かせだった…しかし今成人した息子達に読ませたい!読んでこの当たり前の
尊い幸せな世界に浸り、迷った時の一に止まる思い出の本にして欲しい。何より、確かに
真冬に春の温かさを感じさせてくれる名作に間違い無い、全シリーズ丁寧に読み、宝物に致します。
映画も良いですが、原作は遥かに素晴らしい!!!感謝☆
 
 
普段は周りから変人扱いされていますが、本当は患者の事を第1優先に考え、病院に泊まり込みで治療し続けるような優しい心の持ち主である主人公の姿にも心を打たれましたが、その主人公を影で支え続ける奥さんにも感動しました。おしとやかで、気が利いて、主人公が落ち込んだ時には、元気づけようと言葉をかける姿は正に理想の女性像であり、こんな女性と結婚できたら幸せ間違いないでしょう。
 
 
医療物が好きで以前から気になっていました。
手術や治療等がメインでなく、主人公とその周りの人達との人間関係にスポットを当てながら、地域病院の過酷さを
重くなく描かれていたと思います。
主人公と周りの人達との洒脱な会話や、相手を思い遣る優しさが、そう思わせてくれました。
続編の読破を楽しみにしています。
 
 
本当に最高の一冊です
以前読んだことはありましたが、自分の本棚に欲しくて購入にました
こんな素晴らしいドクターたちに巡り会えたら最高なのに…とつくづく思いました

宝物になりました
 
 
 

臨床の砦

2021年07月11日 22時28分47秒 | 社会・文化・政治・経済

臨床の砦

 夏川 草介 (著)

緊急出版!「神様のカルテ」著者、最新作

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出版社からのコメント

50万部を突破した感動のベストセラー待望の文庫化! さらに映画化!櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、 初の夫婦役で競演します。他豪華キャストで、 2011年8月27日、全国東宝系にて公開! 続編『神様のカルテ2』も大ヒット、シリーズ100万部突破!

内容(「BOOK」データベースより)

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

夏川/草介
1978年大阪府生まれ。信州大学医学部卒。長野県の病院にて地域医療に従事。2009年、本作で第十回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー、10年本屋大賞第二位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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「この戦、負けますね」
敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。医療従事者たちは、この一年、誰もまともに休みを取れていない。世間では「医療崩壊」寸前と言われているが、現場の印象は「医療壊滅」だ。ベッド数の満床が続き、一般患者の診療にも支障を来すなか、病院は、異様な雰囲気に包まれていた。
「対応が困難だから、患者を断りますか? 病棟が満床だから拒絶すべきですか? 残念ながら、現時点では当院以外に、コロナ患者を受け入れる準備が整っている病院はありません。筑摩野中央を除けば、この一帯にあるすべての病院が、コロナ患者と聞いただけで当院に送り込んでいるのが現実です。ここは、いくらでも代わりの病院がある大都市とは違うのです。当院が拒否すれば、患者に行き場はありません。それでも我々は拒否すべきだと思うのですか?」――本文より


【編集担当からのおすすめ情報】
現役医師としてコロナ禍の最前線に立つ著者が
自らの経験をもとにして克明に綴ったドキュメント小説。
2009年に第十回小学館文庫小説賞を「神様のカルテ」で受賞し、シリーズ(既刊5冊で累計337万部)を書き継いでいる夏川草介氏は、現役の内科医でもあります。コロナ禍の最前線で多くの患者さんと向き合う日々が、一年以上続いています。本書は、著者が2020年末から21年2月にかけて経験したことを克明に綴った、現代版『ペスト』ともいえる記録小説です。

 

内容は2021年1月から2月の、コロナによる第三波と緊急事態宣言の時の話です。長野県の信濃山病院という感染指定病院でのコロナ対応による日常が書かれています。
この話は、決してフィクションじゃない。今もなお起きている現実を表しています。医療者が何を思って日々働いているのか、コロナ対応による恐怖とその難しさが描かれています。
医療者も人間です。自分たちも大切な人がいる中で、それでも責務を全うしている。それは他ならぬ患者を救うために。
怒りと悲しみと諦めと苦悩がこの短い本に凝縮されています。
私達に出来る事は、この時期を耐え忍ぶことです。そのためにも、医療者の現状を少しでも知っておかなければならない。
全国民に読んでほしい一冊です。

 

発売されてすぐに購入し、一気に読み終えました。
新型コロナウィルスと戦っている医療従事者の奮闘が伝わってきます。
いろいろな情報が出回ってますが、この本の内容はまさに現実そのものです。
単なるドキュメンタリー風ではなく、登場人物にそれぞれの意見を持たせて臨場感があふれています。
その中で憤りを鎮めて、非日常的な現場で必死に働いている方々の意見を代弁していると思われます。
まだまだウィルスとの戦いが続く中、こんなに医療現場は大変なのか、多くの方に読んで頂きたい本です。
実際に臨床に携わりながら、素晴らしい作品を執筆された夏川先生のご尽力に敬意を表します。

 

コロナ慣れした一般の人々はこの本を読んで、いかにコロナが怖いウィルスか。そのウィルスと戦っている医療現場がどんな状態か知るべきだと思いました。この本を読めば、会食、カラオケなどする気がなくなりStay home したくなります。

 

コロナ治療の現場の生なましさと、絶望と、虚無、それでも、医療を続ける医療関係者の内面を描かれてて、実際の医療関係者には感謝の気持ちしかない。

 

コロナというの言葉を聞くのも嫌になって、読むのをためらいましたが、やはり気になり読みました。
私は長野県在住で、開業医のクリニック勤務です。
発熱患者も診察し、検査もしています。
コロナかわからないので不安や恐怖もあります。
この本を読んで、あの病院のことかなと思ったり、共感できるところもありました。
まだ感染は収まらず日本のいたるところでこの本のようなことが起きてると思います。
目を背けず、いろいろな人に読んで欲しいし、医療の現場で起きている現実を知って欲しいと思いました。、

 

フィクションといいながら、実際の日本の感染状況、例えば死者数5000人越えの時期であるとか、病院名はあえて書きませんが、実際の公立病院が舞台で、その病院のコロナ患者が30名になる時期等もほぼ一致しています。ほぼ、ノンフィクションなのかなという感覚で読みました。
医師同士の会話は、それなりというか、あり得る意見をうまく配列し、効果的に過酷な状況におかれた医師たちの心情を描きながら、落ち着くべきところに、上手く収束されて、医療の現実と理想の狭間が上手く伝わってきました。
ただ、フィクションぽいのは、過酷で休みのないギリギリの状況で医師たちが、これだけの意見や感情を吐露するところでしょうか。
でも、心に強く響き、こちらも頑張らなければいけない気持ちにさせてくれます。

 

今、このタイミングで著者がこの小説を世に送り出したことの使命感のようなものが伝わる小説です。医療現場と国、自治体の温度差。コロナに感染した事がない市民もまた同様。過酷な現場で孤軍奮闘する医療従事者に対する畏敬の念を禁じ得ません。

 

これ面白いよ!現役のお医者さん、しかも実際にコロナの現場で医療にあたってきた人が書いてるから凄いリアルだし、今、医療現場で何が起きてるかが本当によくわかるよ。今、全国民が読まなければならない本だよ!

 

 


あす東京に4度目の「宣言」 街では対策に疑問の声も

2021年07月11日 20時36分23秒 | 社会・文化・政治・経済

配信

12日から、東京都が4度目の緊急事態宣言の対象となる。

コロナ禍の長期化で、街には厳しい現実が重くのしかかっている。

東京・港区の麻布十番商店街にある焼き肉店「栄来亭」で、11日、店のマネジャーが入り口に貼っていたのは...。

「栄来亭」・君島美花マネジャー「この時期なので、すごくつらい。残念、本当に残念。飲食店だけが悪いわけじゃないと思うんですけど」

わずか3週間前に解禁になったばかりの酒類の提供が、12日から再びできなくなることを伝える張り紙だった。

「栄来亭」・君島マネジャー「夏といえば焼き肉、焼き肉といえばビールというところで、少しお店も活気が出て潤ってはいたんですけど、こうとなると、お客さんの足も減るでしょうし」

生ビールのたるは、開封して残ったものは品質が劣化するため、処分するしかないという。

11日、店にはビールやハイボールなど、宣言前最後のお酒を楽しむ人たちが訪れていた。

客「飲み納めです。(あすからは)我慢しかない」

東京都では、12日からの緊急事態宣言の期間中、飲食店に対し、酒類の提供自粛を要請。
できない場合は、休業するよう要請している。

11日、東京都では、新たに614人の感染が確認された。

先週日曜日より96人増え、22日連続で、前の週の同じ曜日を上回っている。

東京の観光地・浅草の雷門前では、休日で天気が良いこともあり、通りの向こう側まで多くの人が行き交っていた。

4度目の緊急事態宣言について、観光に来ていた人たちに話を聞くと、効果を疑問視する声が多く聞かれた。

会社員「宣言自体に免疫がみんなできていると思う。当たり前化している」

飲食関係「率直に言うと、いいかげんにしてほしい。意味はないと思います、コロナ前と変わらない」

仲見世通りの土産物店では...。

壱番屋・飯田店主「またどうせ(宣言を)出すんでしょう。同じ内容で5度目、6度目、7度目。みなさん我慢の限界が近いんじゃない」

そうした中、11日、全国知事会がオンラインで開かれた。

大阪府・吉村知事「大都市部で(感染が)拡大すれば、地方部にも広がっていくのが、これまでの経験」

これから夏休みシーズンを迎えることをふまえ、帰省や旅行など、人の移動を通じた感染拡大を抑え込むことが急務などとする緊急提言をまとめた。

11日の会合では、開幕まであと12日に迫った東京オリンピックをめぐって、こんなやりとりも。

秋田県・佐竹知事「直行・直帰は無理なんです。行けば必ずご飯を食べます。もうスパッとね、全競技無観客がいいんじゃないかと」

秋田県の佐竹知事が、すべての競技を無観客にした方がいいと主張したのに対し、観客を入れてサッカーを行う予定の宮城県・村井知事は「もう準備を始めておりますので、かえって混乱するので、そういった提言を入れないように」と、強く反論する場面があった。

 

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昼飲み族で浅草賑わう「こうやって飲めるの最後」12日から緊急事態宣言

2021年07月11日 20時31分45秒 | 社会・文化・政治・経済

7/11(日) 20:22配信

日刊スポーツ
東京都は12日から8月22日まで、4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言期間に入る。感染再拡大を踏まえ、お盆や夏休みの人流を抑制したい考えだが、「宣言慣れ」も懸念され、効果は不透明だ。11日、観光客でにぎわう東京の下町・浅草は昼から酔客でにぎわった。通称「ホッピー通り」こと公園本通りには生ホッピーや生ビールをゴクゴクと豪快にあおる昼飲み族が大挙して押しかけた。

「こうやって飲めるのは11日が最後だからね」「東京五輪は自宅でテレビかぁ」「12日から緊急事態も4度目、飲まないとやってらんない」とヤケ気味で乾杯を繰り返す。中には「内緒でお酒の飲める店だってあるでしょ。そういうところを探すよ」と、酒を求める声も挙がったが、ホッピー通りの居酒屋「浅草なつの」夏野丈太郎店主(49)は「12日から8月22日の期限まで休みます。とにかくコロナを封じないといけない。他の店主さんも悩みに悩んで店を閉めると…ここが踏ん張りどころです」と唇をかみしめる。

仲見世通りの土産物店では「もうこの1年、どうしていいのか分からない中、店を開いてきた。12日からも開け続けますよ」とため息まじり。それでも「日本国内に住む外国人が『国の親戚や友人に送るんだ』とまとめ買いしてくれることもあって、ありがたいね」と、わずかのインバウンドの効果にも感謝する、夕方からはゴロゴロと雷鳴がとどろき、激しい雨に見舞われた。浅草を訪れた人々は、足早に帰路を急いでいた。【寺沢卓】

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宮城に動揺広がる 東京五輪、福島も一転無観客

2021年07月11日 20時09分37秒 | 社会・文化・政治・経済

7/11(日) 6:20配信

河北新報

無観客での競技実施が決まった福島県営あづま球場周辺=福島市

 有観客での東京五輪競技開催から10日に無観客へとかじを切った福島県。新型コロナウイルス禍を踏まえて「安全安心」を理由に掲げるものの、特需を見込んだ観光、飲食業界には残念がる声も。内堀雅雄知事は「苦渋の決断だった」と理解を求めた。

 無観客での開催により、福島では観客を案内する都市ボランティアの活動も必要がなくなった。内堀知事は10日の会見で「応援したり準備してくれたりしていた人に申し訳ない」と謝罪。その上で、県内で最近のコロナ感染者の病床使用率上昇などを説明し「予断を許さない状況にある」と強調した。

 福島市のあづま球場でのソフトボール、野球の開催を盛り上げようと、同市は市民対象に入場チケットを販売中だった。10日現在で2800件を超える応募があった。東京五輪・パラリンピック競技大会市推進室の三浦裕治室長は「せっかく開催都市になり、市民も楽しみにしていただけに残念」と話す。

 一方、有観客での実施が示された翌日の9日には、市民から「東京から観客が来るのは困る」などと感染拡大を危惧する電話が10件以上あったという。「(コロナ禍の)この状況を考えると仕方ない」と三浦室長はみる。

 無観客開催による経済面への影響も予想される。福島市の土湯温泉では、東京五輪のスポンサー関係者からの団体予約、個人客から計数件の予約が入っているという。土湯温泉観光協会の池田和也事務局長は「スポンサー枠の取り扱いが見通せないが、キャンセルは覚悟しなければならない」と嘆く。

 福島市商工会議所の会員の一人は「直行直帰といえども宿泊や食事など一定程度の経済効果が見込まれたと思う。コロナ禍で疲弊している飲食店、宿泊業はさらに打撃を受けるだろう」と懸念する。

■宮城知事「直行直帰呼び掛ける」

 北海道に続き福島県も無観客での競技実施となり、宮城県内にも動揺が広がった。

 県内では利府町の宮城スタジアムが男女サッカー競技の会場となる。町内の町内会長長井智さん(74)は「高齢な上に持病もあって感染すると重症化の危険性が高い。よそから町に人が来ることに心配が尽きない」と不安そうな表情を浮かべた。

 福島県の決定を受け、村井嘉浩宮城県知事は「有観客を前提に感染防止対策の徹底を大会組織委員会に求めるとともに、県も連携して試合終了後の直行直帰などを呼び掛ける」とのコメントを出した。

 

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五輪好きの日本人に五輪が嫌われていく理由 聖火セレモニー東京初日で感じたこと

2021年07月11日 20時05分11秒 | 社会・文化・政治・経済

7/10(土) 13:14配信

スポーツ報知

東京・町田市で行われた聖火セレモニー会場では警官、警備員の姿が目立った

 東京五輪の聖火リレーが9日、開催地の東京都内で始まった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、都内での公道リレーは島しょ部を除く全域で中止となったため、初日は町田市内でトーチキスなどのセレモニーだけが行われた。

 町田市内の公園で行われた聖火セレモニーを取材して、東京五輪が開幕直前になっても盛り上がらない理由、むしろ、五輪が嫌われていく理由を実感した。

 一般市民は公園内に立ち入ることはできない。私はセレモニー中は公園内に入らず、公園に面した公道を歩きながらセレモニーの様子をうかがった。公園内の外側に立てられたテントとテントの間から辛うじてセレモニーの様子が見える。当然、そのスペースに人々が集まる。すると、すかさず警官と警備員が「立ち止まらないでください!」と声をかける。

 言葉は丁寧だが、威圧的だった。はっきり言って、感じ悪かった。集まった人々から不満の声が漏れた。

 聖火リレーを春から取材している同僚記者に聞くと、当初は、それほど警備は厳戒ではなかったが、五輪開催反対派の声が高まるにつれて、警備は厳しくなっていったという。

 もちろん、警備は重要だ。ただ、警備を厳しくすることで、多くの市民からひんしゅくを買う。つまり、手詰まり。

 東京都内の聖火リレー(セレモニー)は開幕まで続く。聖火セレモニー開催に尽力しているスタッフがいることは理解している上で、あえて言えば、こんなセレモニーはやらない方がいいと思う。セレモニー会場周辺が密になるというマイナス面もある。公道から全く見えない場所ならまだしも、公道からちょっとだけ見える町田会場の設定は特に意味不明だった。

 本来、日本人は五輪が大好きなはずだった。しかし、今、多くの人に五輪が嫌われていく。スポーツ記者の立場としても、ひとりのスポーツ好きとしても、残念でならない。(記者コラム・竹内 達朗)

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【東京五輪】有観客維持の宮城と静岡に非難殺到

2021年07月11日 20時01分59秒 | 社会・文化・政治・経済

7/11(日) 14:54配信

東スポWeb

無観客開催が〝基本〟となる中、宮城と静岡に非難殺到

 開幕目前の東京五輪で新型コロナウイルス感染拡大の懸念から各都市で次々と無観客開催が決まる中、宮城と静岡による有観客維持の方針に非難が殺到している。

【写真】〝五輪中止〟Tシャツが再びバカ売れ!

 新型コロナ禍が深刻化している1都3県に加えて札幌、福島で無観客開催が決定。しかし宮城と静岡は有観客開催で一般客を迎える方針を貫いている(茨城は児童・生徒を招待する学校連携観戦のみ)。

 宮城では多くの集客が見込める男女サッカーを実施予定で、1試合1万人までの人数制限となっても計6万人ほどの観客の来場が見込まれる。静岡は自転車競技などが行われ、この2都市を合わせると11万人以上が会場に足を運ぶ可能性がある。特に宮城では観光地のほか歓楽街の国分町もあり、3月には東日本大震災が起きた「3・11」に関連して同県内への人の流入が増加して感染者が急増した苦い経験があり、今度は五輪をきっかけにして再び人流が増大し、感染者が最拡大する恐れが指摘されている。

 専門家からも全都市での無観客開催が推奨される中、いまだに有観客開催を維持しようとする宮城と静岡に対しては国民から批判が殺到している。

 ネット上では「宮城、静岡での有観客は、全国から人を集めることになります。チケットを持たずとも会場に行けば五輪の雰囲気は味わえる。そんな考えの人が集中することは誰でもわかります。会場の観客数だけが集まるわけではないです!」「感染イベント開催か。これ以上県民にどれだけ自粛させるのかな? 人流動けば感染率上がるやん。給付金出すなら大人しく自宅に居ますわ」などと有観客開催への不安や怒りの声が続々と上がっている。

 中でも「五輪関係者よりも、感染者が多い東京圏からの観客に無症状感染者か紛れ込む心配は無視できないと思うが?」と感染状況が深刻化する東京からの県をまたいだ移動を不安視する声が多い。国民から非難が渦巻く中、宮城と静岡はこのまま有観客開催を強行するのだろうか。

 

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新型コロナワクチン「知らずに打ったら後悔する」3つのポイント

2021年07月11日 14時11分39秒 | 医科・歯科・介護

鳥集 徹 2020/12/18 文春

「不活化ワクチン」や「組み換えたんぱくワクチン」は、これまでも数多くのヒトに接種した実績があり、安全性に関しても知見が蓄積されています。たとえば、乳幼児に接種される「四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)ワクチン」や「日本脳炎ワクチン」、毎年打つ人の多い「インフルエンザワクチン」は不活化ワクチンです。

 これらは蓄積されたデータから、どんなヒトにどのような副反応が出るか予見しやすく、対応もしやすい利点があります。実は、国立感染症研究所や国内ワクチンメーカーのグループは安全性を重視して、不活化や組み換えたんぱくなど従来のタイプのワクチン開発に取り組んでいます。まだ大規模な臨床試験を実施するに至っておらず、本格的に接種できるのは来年後半か再来年以降になると思われますが、今後、こうした実績のある従来タイプが登場する可能性もあることは、知っておいたほうがいいでしょう。

有効性95%は「100人中95人防げる」という意味ではない!

 ファイザー&ビオンテックのワクチンは、中間結果で2回接種後の有効性が95%に達したと報告されました。またモデルナのワクチンも2回接種後で95%近い有効性が報告されています。国内のワクチン研究者に聞いても「予想以上の高い成績」とのことで、非常に期待が持てる結果だと言えるでしょう。


 ただ、ワクチンの有効性に関してはよく誤解されるのですが、これは「100人打てば95人はコロナを防げる」という意味ではありません。ファイザー&ビオンテックの場合、米国、ドイツ、トルコ、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチンで行われた臨床試験(第Ⅲ相試験)に、全部で43448人が参加しています。この人たちの約半数をプラセボ(ニセモノ)を打つグループ、約半数を本物のワクチンを打つグループに分けて、試験は実施されました。

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 その結果、接種時にコロナ感染歴のなかった36523人のうち、コロナに感染した人がプラセボを打った人では162人(重症者9人)だったのに対し、本物を打った人では8人(重症者1人)に減ったというのが95%の意味です。つまり、解析対象となった人の大半(36353人)は、本物のワクチンを打ったか打たなかったかにかかわらず、試験期間中にコロナにかかっていないのです(感染率は解析対象者の約0.47%に過ぎません)。

試験開始から3ヵ月ほどの中間結果

 しかも、これは試験開始から3ヵ月ほどでの中間結果です。このワクチンの長期的な安全性と有効性を検証するために、被験者はさらに2年間追跡調査されることになっています。その間に、被験者の中でコロナに感染する人がさらに出てくる可能性もあります。もしかするとワクチンによって高められた抗体の力が落ちるなどして、ワクチンを打った人の中でもコロナ感染者や重症者が増え、プラセボグループとの差が縮まることもありえるのです(もちろん、逆に差が広がる可能性もあります)。

 もちろん、ワクチンの効果が持続することを期待しますが、肝心なのは長期的に結果を見ていく必要があるということです。「95%」という高い数字はあくまで暫定的なものとして、冷静に推移を見守る必要があるでしょう。

新型コロナワクチン「知らずに打ったら後悔する」3つのポイント
鳥集 徹 2020/12/18

 12月9日に英国で、15日には米国で新型コロナウイルスワクチンの本格的な接種が始まりました。英国で2人に、米国で1人に強いアレルギー反応(アナフィラキシー様反応)が起こったと伝えられていますが、もともと重いアレルギーを持つ人たちで、他に重篤な副反応(ワクチンによって起こる好ましくない反応のこと)は今のところ報告されていないようです。このまま安全に接種が進み、英米でのワクチン接種が成功するのを願うばかりです。

 このワクチンの日本での接種は国内での臨床試験や審査を経る必要があり、早くても来年3月以降になると見られています。その頃には欧米各国で何十万、何百万という人がワクチン接種を終えているでしょう。それにともない安全性や有効性に関する情報も蓄積され、このワクチンの真価が少しずつ見えてくると思います。


 日本での接種が始まったときに、ワクチンを打つかどうか個々人が適切に判断するには、欧米の情報も含めて、このワクチンがどんなもので、どんな課題があるのかを、あらかじめ知っておく必要があると思います。


 そこで、「ワクチンを打つ前に最低限知っておきたい3つのこと」を、ウイルスやワクチン研究者に取材した成果をもとに、私なりにまとめてみました(文春ムック「スーパードクターに教わる最新治療2021」の特集記事「新型コロナ 治療の最前線を追う」で、ワクチン、治療薬、PCR検査について筆者が取材・執筆を担当)。

(1)欧米のワクチンは本格使用が初めての「最新タイプ」

 まず知っておきたいのが、同じ新型コロナウイルスワクチンといっても様々なタイプがあり、欧米で接種が始まったものはこれまでにない「最新のタイプ」であるということです。従来のワクチンは、人工的に感染性や病原性を弱めたウイルスや、微生物や昆虫細胞を利用して生産したウイルスたんぱくの一部を注射することで、それに対する抗体を免疫細胞に作らせる仕組みです。「不活化ワクチン」「組み換えたんぱくワクチン」「組み換えウイルス様粒子ワクチン」といったタイプがあります。

 これに対し、今回、英米で始まった接種には、ファイザー(米)とビオンテック(独)が共同開発した「mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチン」が使われています。これは「遺伝子ワクチン」の一種で、ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく」と呼ばれる部分の設計図(遺伝子)を注射することで、ヒトの細胞に設計図を取り込ませてスパイクたんぱくを作らせ、それに対する抗体を免疫細胞に作らせる仕組みです。

 ファイザー&ビオンテックのワクチンは、日本政府が1億2000万回分(2回接種が必要なので6000万人分)の供給を受ける合意を得ています。さらに日本はモデルナ(米)のmRNAワクチン(5000万回分)と、アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発中の「ウイルスベクターワクチン(1億2000万回分)」の供給も受ける予定です。このウイルスベクターワクチンや、大阪大発のバイオベンチャー企業アンジェスのグループが開発を急いでいる「DNAワクチン」も遺伝子ワクチンの一種です。

安全性や有効性は“未知数”な面も

 これら遺伝子ワクチンは、まだ本格的にヒトに使われた実績がほとんどありません。「最新」と聞くと自動車やパソコンのように、従来に比べ高性能で優れているイメージを持つかもしれませんが、医薬品の場合は本格的な使用が始まって調査してみたら、従来の製品のほうが最新のものより優れていたということが往々にしてあります。また、最新ということは裏を返せば、まだ安全性や有効性に関するデータが蓄積されていないということでもあります。