感染爆発、夏の行楽に冷や水 関連業界、失望広がる 緊急事態宣言

2021年07月31日 20時38分33秒 | 社会・文化・政治・経済

7/31(土) 7:23配信

時事通信

コロナ禍で観光客が減った法観寺周辺=2月26日、京都市東山区

 新型コロナウイルス感染者の爆発的な増加を受け、緊急事態宣言の対象が神奈川など首都圏3県と大阪府に拡大された。

【図解】全国の新型コロナ新規感染者数

 京都をはじめ観光名所が多い5道府県にも宣言に準ずる「まん延防止等重点措置」を適用。薄日が差しつつあった夏の行楽需要は冷や水を浴びせられた格好で、回復を待ち望む関連業界では失望が広がる。

 「8月は例年満室になるが、今年は半分以下。このまま夏が終わってしまうのではないか」。京都市内の大手ホテル営業担当者は諦め顔だ。同市の土産物店「錦まるん」では売り上げが例年の半分程度に落ち込んだ。山内萌店長は「感染者がどんどん増えていくので夏休みには期待していない」と言葉少なだ。

 旅行大手JTBは先週、アンケートや経済指標を基に夏休みに国内を旅行する人の数が昨年比で5%増になりそうだとの推計結果を公表した。しかし、調査時点では現状を予見できておらず、業界関係者は「予想通りに旅行客が増えるとは楽観できなくなった」と肩を落とす。

 度重なる緊急事態宣言に、日本旅館協会の佐藤英之専務理事は「何とも言えないほど厳しい」と心情を明かした。廃業を検討する事業者もあるという。ワクチン接種進展後の需要回復に望みを託し、少しでも多くのホテルや旅館が営業を続けられるよう資金繰り支援に取り組む考えだ。

 30日に発表が相次いだ2021年4~6月期の決算では、JR東日本やANAホールディングスなどが軒並み純損失を計上。運輸業界の苦境が改めて浮き彫りになっている。 

288
学びがある
962
わかりやすい
489
新しい視点

関連記事】


薄れる効果、繰り返す宣言 専門家「ロックダウン」を〔深層探訪〕

2021年07月31日 20時38分33秒 | 社会・文化・政治・経済

7/31(土) 8:32配信

時事通信

埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に緊急事態宣言の発令を決め、記者会見で質問を聞く菅義偉首相=30日午後、首相官邸

 政府が新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象拡大を決定した。東京五輪に続き、8月24日に始まるパラリンピックも宣言下で開催されることになるが、東京での「感染爆発」を指摘する声が上がるなど宣言の効果は薄れている。専門家からは実効性のある措置として、ロックダウン(都市封鎖)の法整備の検討を求める意見も出ている。

【図解】米ファイザー製ワクチン2回接種後、感染を防ぐ中和抗体ができた割合(5月)

 ◇変わる局面
 「強制力の緩やかなこの(コロナ対策)特別措置法では、なかなか協力に応じてもらえない」。西村康稔経済再生担当相は30日、首都圏3県などへの宣言拡大などを事前報告した参院議院運営委員会で、こう苦しい心情を吐露した。

 緊急事態宣言は、政府が講じる最も強い感染対策で、感染拡大抑止の「最後のカード」だった。昨年4月に初めて出された宣言は発令と解除を繰り返してきた。

 政府が宣言を発令するたびに、飲食店を中心とする事業者や国民は自粛を迫られた。期間が長引くにつれ「自粛疲れ」が指摘され、宣言の効果が薄れてきている。

 今月12日に4回目の宣言が始まった東京は、感染力の強いインド由来のデルタ株を背景に、感染者が減少するとされる2週間が経過しても、むしろ急増している。30日の都内の新規感染者は3300人と3日連続で3000人を超え、政府は「恐ろしい局面に入っている」(田村憲久厚生労働相)と危機感を強める。

 さらに、都内では酒類提供停止や営業時間短縮要請に応じない飲食店が数千店に上る。田村氏は「以前のような効果が出ていない」と認める。

 にもかかわらず、宣言の拡大・延長に踏み切ったのは、新たな期限の8月31日までにワクチン接種や治療薬の抗体カクテル療法「ロナプリーブ」の活用を進めるためだ。政府関係者は「宣言で時間を稼ぎながらワクチンなどの効果が出るのを待つのが基本戦略」と語る。

 ◇漂う手詰まり感
 こうした中、30日に開かれた政府の基本的対処方針分科会では、出席者から感染対策を強化するため、「ロックダウンを考えるべきだ」「全国に宣言を発出するべきだ」との意見が相次いだ。

 厳しい私権制限措置を伴うロックダウンは欧州などで実施されているが、日本の法整備は進んでいない。分科会終了後、全国知事会長の飯泉嘉門・徳島県知事は「法整備を検討する段階に来たのではないか」と指摘した。これに関し、菅義偉首相は30日の記者会見で否定的な考えを示したが、同席した同分科会の尾身茂会長は「飲食店だけでなく、人々の行動を制限する議論は必要だ」と訴えた。

 感染拡大抑止に向けた実効性のある新たな具体策は見当たらず、政府内には手詰まり感も漂う。専門家の間では「(都内では)3000人を超える感染者数がしばらく出てくる」との見方は少なくない。

 尾身氏は30日午後、首相官邸で首相と面会。国民の協力を得るため、強いメッセージを発信するよう要請したのに対し、首相は前向きに応じる考えを示したという。ただ、首相会見を受けて、共産党の志位和夫委員長は30日、ツイッターで「首相自身が危機感を持っていないのが最大の危機だ」とこき下ろした。

 菅政権は、五輪期間中に宣言の拡大・延長に追い込まれたが、「五輪が原因で感染拡大はしていない」(自民党幹部)との立場。ただ、感染状況が改善した場合に首相が意欲を示していた観客入りでのパラリンピック開催については、宣言下で行われることが確実となったため、絶望的になりつつある。首相に近い自民党幹部も「観客入りは難しい」と語った。

42
学びがある
135
わかりやすい
111
新しい視点

【関連記事】


吉村知事「デルタ株の感染拡大力はメガトン級」 阪神梅田本店のクラスターなど受け警告

2021年07月31日 17時16分02秒 | 社会・文化・政治・経済

7/31(土) 18:40配信

スポニチアネックス

大阪府の吉村知事

 大阪府の吉村洋文知事が31日、ツイッターで米・CNNのウェブニュースを引用し、新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の驚異について警告した。

 同ニュースでは、米疾病対策センター(CDC)の内部資料に書かれたデルタ株についての内容を明らかにした。資料によると、デルタ株はより重篤な症状を引き起こし、水痘と同じくらい容易にまん延するとしている。

 これを受け、吉村氏は「デルタ株の感染拡大力は、格別です。その強さはメガトン級」と表現し、「これまでと発想を変える必要があります。2日からの緊急事態宣言にご理解とご協力をお願いします。感染対策の徹底を」と呼びかけた。

 この日の大阪府の新規感染者数は5月8日以来の4ケタとなる1040人にのぼった。また、大阪に激震が走った、人気百貨店「阪神梅田本店」での感染者続出による7月31日~8月2日の臨時休業。同店での感染者は67人にまで増えており、「デルタ株の感染拡大力は格別です。その強さはメガトン級です」と同様の表現で、その脅威を強調していた。

52
学びがある
187
わかりやすい
162
新しい視点

【関連記事】


コロナワクチン、日本人の副反応の要因を医師が分析 「量」か「体質」か

2021年07月31日 17時16分02秒 | 医科・歯科・介護

7/31(土) 16:05配信

NEWSポストセブン

副反応の原因とは

「2回目の接種後は4人に3人が発熱する。発熱は40℃に達することもある」。新型コロナウイルスのワクチンの副反応を調べている国の研究班がそう注意喚起した。

【写真】額に指先を当てる河野太郎氏。ワイシャツにはカフス、光沢ある黄色のネクタイ姿

 モデルナ製を2回接種した自衛隊員およそ1000人のうち、実に75%以上が翌日に37.5℃以上の発熱をし、6割は38℃を超える高熱を出したという。7月21日の厚労省審議会「予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」で明らかになった。

 その審議会では、まず、ワクチン接種後の死亡例が報告された。2月17日から7月16日まで、ワクチン接種後に死亡が報告された事例は751人。前回の報告を考えると、1週間で約100人のペースで増えていることになる。

 さらに、会議では副反応の深刻さを示す冒頭の自衛隊員のデータについてやり取りが交わされた。発熱の多さについて、委員の1人が、厚労省の研究班代表である順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授に、こう尋ねた。

「モデルナ製は海外のデータでもこんなに年齢関係なく(副反応の発生率が)高かった印象ですか?」

 伊藤教授は困惑しながらこう語った。

「ちょっとびっくりするくらい高いので、海外の治験のデータも含めて、(製造元の)武田薬品の方に再度確認をしようと思っております」

 つまり、日本人は海外に比べて、副反応が多いとデータが示していたことを認めたのだ。

 また2回目の接種を受けた自衛隊員のうち40%を超える419人が、接種3日後まで病休、または仕事にならない状況だったという。伊藤教授は、病休の多さについて胸の内をこう明かした。

「自衛隊員ですので、“頑強なかたで病休が4割”というのはショック」
「(翌々日の病欠者が35人なので)5%くらいの頻度でなると考えると、本当に企業も体調を考えて(職域接種を慎重に)やらないと危ないのではないかと危惧しております」

 そして、伊藤教授はこう続けた。

「実は(発熱が)38℃以上の比率も高くて、最高40℃という人もいます。やはり(発熱が)これほど高い状態で、負担がかかるので、それについての準備をして接種をしていただかないと危ないのではと思います。特に高齢者のかたはあまり自覚症状が出ませんので、自覚症状がないままに無理をされる危険は、相当程度あるのではないかと危惧をしております」

 専門家が「準備をしないと危ない」と警鐘を鳴らすのが、日本のワクチン接種の現実である。

「ファクターX」原因説も
 また、審議会では別の重要なことも言及された。委員の1人が、日本人に副反応が多い理由を「(海外の人と)体重の違いもあるのかという意見もあった」と述べたのだ。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんが指摘する。

「問題は日本人と欧米人に同じ量を投与すること。日本人成人の平均体重は男性約70kg、女性約50kgで、アメリカ人は男性約90㎏、女性約75kgですが、ワクチンは体格差を考慮せず、アメリカ人と同じ30μgを接種します。それだと日本人には過剰投与となり、副反応が増える恐れがあります」

 従来のワクチン、たとえばインフルエンザワクチンなどは、体格や体重に関係なく同じ用量を打っても問題ないことから、「同様に新型コロナワクチンも問題ない」と主張する専門家が多く、この問題はほぼ黙殺されてきた。

 だが、ついに国の委員会でも公に問題視する発言が飛び出したのだ。上さんは、今回のワクチンは「これまでとはまったく違う」と強調する。

「ファイザー製とモデルナ製は、遺伝子の設計図を体内に打ち込む『mRNAワクチン』という人類史上初のワクチンです。従来のワクチンとは安全性が異なる可能性があり、投与する量についても慎重な判断が必要なのですが、日本ではまだ充分な検証はなされていません。

 アメリカの治験ではファイザー製ワクチンは10μg、20μg、30μgと量が増えるほど副反応が多くなった。投与量の多さが副反応を引き起こす可能性が示唆されているんです」

 多くの接種者に副反応がみられる以上、厚労省はその原因の可能性がある「ワクチンの過剰投与」を徹底的に調査すべきではないか。

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さんも指摘する。

「体格差だけでなく、薬を代謝する酵素などの問題も含めて体質や遺伝子の違いが大きな理由かもしれません。もっといえば人種差がある。今回のワクチンはまだ充分に調べられていないので、もしかしたら日本人にはワクチン量が多い可能性があります」

一方で日本人に副反応が多い理由は、「量」が原因ではないと分析することもできる。

 血液内科医の中村幸嗣さんは、「日本人には『免疫的ファクターX』があるのではないか」と指摘する。

「そもそも日本人は欧米人と比べて新型コロナの感染率が低いので、感染を抑えるなんらかの原因『ファクターX』があると指摘されています。『X』にあてはまる候補として、生活様式や自然免疫の強さ、BCG接種などさまざまな説がありました。

 今回のワクチンの副反応の多さを考慮すると、やはり日本人はコロナに対する何らかの強い免疫=免疫的ファクターXがあると考えられます。つまり、コロナに未感染であっても、もともと体質的に免疫が強かった日本人にワクチンによる免疫の活性化が加わり、激しい免疫反応が生じて副反応が増強された可能性があると考えられます」

 もしそうであるならば、欧米人基準の効き目の強いワクチンは、日本人にはミスマッチである可能性もある。

 岡田さんは「さまざまな可能性を検討するためにもデータの収集が必要」と指摘する。

「今回のワクチンは明らかに過去のワクチンとは異なり、私を含めてさまざまな医師が『何か怖いことが起こっている』と実感しています。しかし厚労省が集めている副作用のデータは氷山の一角にすぎず、さらなる研究を進められません。厚労省は何よりもまず、副作用に関する正確なデータを集計すべきです」

 厚労省は注意喚起をするだけでなく、オープンなかたちで副反応の調査と議論を進めることが求められる。

※女性セブン2021年8月12日号

【関連記事】


創作 人生の計算 続7)

2021年07月31日 10時04分32秒 | 創作欄

当時、川口雄介は東京の町田に住んでいた。
電車小田急線の車内で偶然、大学の先輩桑野治に出会う。
先輩は、学生時代には新宿のキャバレーでトランペットを吹いていた。
彼は高校時代に吹奏楽団に所属していたが、美術家の父親の影響で彫刻もやっていた。
小さな街中の公園に置かれたゾウやライオン、キリンなどの動物像の多くは、先輩と彫刻仲間が原型を創作したそうだ。
彼は社会人となってからも行動美術協会に所属して活躍していた。
「行動展に来てほしい」と電車内でハガキ大の入場券を手渡された。
「これから、どこへいくの?」
「読売ランドで降りて、バスで京王線まで行き府中競馬へ」
「競馬? 川口君、もっと健全な遊びをしましょう」と生真面目な先輩から言われてしまったことが、後になっては胸に刺さる。
川口雄介は、競馬にのめり込み「実践的ギャンブル論」などをノートに記すまでになっていた。
本好きの雄介は、競馬関連の本を多数買い集めていた。
いわゆる競馬予想に役立つだろうとの思惑からだ。
最初の躓きは、農林新聞の仕事を通じて馬主の一人と親しくなったことだ。
「川口さん、私の持ち馬が今度の中山競馬に出ますよ。あなたには仕事でお世話になっているので、儲けさせてあげましょう。サラ金で借りてでもいいいですから、50万円ほど用意しなさい」それが、まさに悪魔の囁きであったのだろう。
だが、皮肉なものでその馬はスタート直後に躓き大幅に出遅れてしまい、大きなどよめきが起こる。
雄介は悪夢を見ている想いとなる。
競馬場のメインスタンドに立ち、3・0倍の単勝馬券を握りしめて、必死に声援を送る自身の声が空しくなる。
結局、追い上げてきたもの期待の<勝負馬>は3着に沈む。
借りたサラ金の金利は年率48%であったのだ。
「お貸しできる枠は100万円までですよ」と店の人が言っていたので、雄介はあまりの悔しさから翌日、50万円を借り行く。
「来週の土日で、負けを取り返してやる」と愚かにも闘志を燃やす。