予 想 |
着 順 |
車 番 |
選手名 | 着差 | 上り | 決ま り手 |
S / B |
勝敗因 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
◎ | 1 | 5 | 町田 太我 | 11.6 | 捲 | 牽制堪捲る | ||
注 | 2 | 2 | 江連 和洋 | 1/2車身 | 11.6 | 差 | 番手前残り | |
○ | 3 | 3 | 橋本 強 | 1/2車身 | 11.4 | 離れて急追 | ||
△ | 4 | 7 | 堤 洋 | 1/4車輪 | 11.3 | 前と一緒で | ||
5 | 6 | 古屋 琢晶 | 1車身 | 11.9 | B | 果敢に先行 | ||
▲ | 6 | 1 | 紫原 政文 | 3車身 | 11.7 | 目標落車し | ||
× | 失 | 4 | 野田 源一 | 町田を押上 |
家で酒を飲み、弁当を食べる。
最近の弁当は美味しい。
イクラ、サケ、タマゴと漬物などが入っている。
日本酒と麒麟のレモンサワーを飲む。
テレビでオリンピック競技を観る。
オリンピック開催反対の人もいるが、熱戦の模様に感動する。
それにしても、日本は金メダルラッシュの模様となったものだ。
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柯 隆
国立国際医療研究センターの視察に訪れた菅義偉首相(中央)=2020年12月14日、東京都新宿区[代表撮影]【時事通信社】
日本では、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。現在が第3波のピークと言えるかどうかについて、官邸と専門家の見方は必ずしも一致していないようだ。科学者は、数学モデルを駆使して推計したところ、これから感染はもっと増えると予測している。
【最新情報】新型コロナウイルス
医療現場の医師は、重症者が増え続けており、このままでは医療崩壊の危険性があると悲鳴をあげている。
それに対して、政治、とりわけ菅義偉政権は、感染対策をきちんと行っていくとしながら、経済活動が疲弊すればもっとたいへんな状況に陥ると懸念している。
結局、政治と行政は人々に「3密」にならないように呼び掛けるに留まり、それ以上の厳しい措置を取らない。
重要なのは感染者の確認
中国の習近平国家主席=2020年10月23日、北京【EPA時事】
一方、世界で最初に新型コロナ感染が確認された中国は、すでにその抑制に成功したと見られている。日本のみならず欧米諸国でも感染が拡大しているにもかかわらず、なぜ中国はそれを抑制できたのだろうか。
理由はきわめて単純明快である。
そもそもウイルス自身は動くことができない。それに感染した人が動くから、ウイルスの感染が拡大するのである。特効薬と完全なワクチンができていない現状において、新型コロナの感染を抑制するというのは、感染した人を探し出して厳格に隔離するしかない。
具体的に誰が感染しているかを知るには、検温だけでは不十分であり、PCR検査を希望者全員に対して行う必要がある。否、希望しなくても、少しでも感染の疑いのある人であれば、PCR検査を受けさせなければならない。
日本では、東京都の感染者が一番多く報告されている。毎日、東京で実施されているPCR検査は多くても1万件程度である。これで感染した人を探し出すには限界がある。日本の感染対策はマスクの着用、手の消毒に加え、電車やエレベーターのなかで大声で話さないというモラルの高さに委ねられている。
確かに日本人は世界でも清潔好きな国民と言える。ニューヨーク、ロンドン、パリなど欧米の大都市でプラタナスなどの木の葉が道にたくさん落ちても、それを掃除する人はまずいない。日本では、家の周りに少しでも木の葉が落ちたら、そこの住民はすぐに箒と塵取りを持って掃除する。マスクの着用と手の消毒について、日本人は何の抵抗感もなく真面目に実施する。しかし、それでもコロナの感染は収まらない。
では、なぜ中国はコロナの感染を抑えられたのだろうか。
中国では、コロナの感染が発生してから、マスクの着用は義務化されている。ただし、手の消毒は徹底されていない。日本では、スーパーだろうが居酒屋だろうが、すべてのところに手の消毒液が置かれている。中国では、そこまで徹底されていない。
その代わりに、ほぼすべての成人の行動がスマホの専用アプリで追跡されている。
たとえば、誰かがPCR検査で陽性と確認されたら、少なくとも、1週間以内にこの人と接触した人を割り出すことができる。当局は濃厚接触者を探し出して、強制的にPCR検査を受けさせる。もし感染クラスターが発生した場合、その地域全体がすぐに封鎖される。
日本からみれば、中国のやり方はやや神経質すぎるようにみえる。
ならばなぜ中国は神経質にならなければならないのだろうか。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大に見舞われて、2020年にまた新型コロナ感染に見舞われた中国は、ウイルス感染症の怖さを十分に知っているからである。
それに対して、日本の場合は「3密」こそが感染が広がる原因と思われ、外食するときも少人数で時間を短くするように呼び掛けている。
むろん、会食の人数が多ければ、それだけ感染するリスクは高まる。また、集まる時間が長ければ、その分感染機会も増える可能性が高くなる。しかし、少人数でも感染するときは感染する。
マスク姿の人が行き交う東京・銀座の歩行者天国=2020年12月20日【時事通信社】
重要なのは、集まる人のなかに感染者がいるかどうかを確認することである。レストランのなかで客に対して、検温を行わない店は少なくない。ほんとうならば、PCR検査を受けて陰性の人だけの入店を認めることにしたほうがいい。
それについて、専門家の一部は、PCR検査でも万全ではないと指摘している。しかし、そこまで言われるのならば、すべてはお手上げである。
論理不明確で右往左往
中国・北京の人民大会堂で、新型コロナウイルス対策で表彰された学者らと並ぶ習近平国家主席(前列中央)=2020年9月8日【AFP時事】
中国の感染対策と民主主義の国のやり方と比較すると、意義深い結果が見えてくる。
民主主義の国では、人々の自由と基本的人権が憲法によって保障されている。政府はロックダウン(都市封鎖)など人々の行動を制限することが簡単にはできない。感染症を理由にロックダウンを行おうとしても、関連の法整備を行う必要があり、議会の承認を取り付けなければならない。その一連の手続きを取るために、かなり時間がかかる。
アメリカは連邦制で各州知事はある程度強制措置を取ることができるが、やりすぎると、住民の反発を招く恐れがあり、結局のところ、慎重にならざるを得ない。
一方、日本では、政府はいくら感染が拡大しても、ほとんど強制的な措置を取ることができない。結局のところ、できることは自粛要請といった「お願い」の類でしかない。
それに対して、中国は独裁政治であり、いかなる強制措置を取るときもその必要性さえ認められれば、法的な根拠は基本的に必要がない。これは、感染症に立ち向かう独裁政治の強みともいえる。
もちろん、中国もウイルスの感染抑制ばかりか経済活動の回復も実現しなければならないが、それを同時に行うことができないため、優先順位として、まず感染を抑制したうえで経済活動を回復することにした。具体的には、工場が再稼働したあとでも、陽性者が1人でも見つかった場合、その時点から工場そのものの2週間の操業停止になる。その間、衛生保健局(日本の保健所に相当)の監督のもと、徹底的に消毒が行われる。このような徹底ぶりこそ、感染を抑制できた理由といえる。
日本では、政府は経済の疲弊を心配して、「Go Toトラベルキャンペーン」を推進した。専門家からも、このキャンペーンはウイルスの感染拡大を助長するのではないかと心配の声が上がったが、国会答弁で菅首相は、キャンペーンと感染拡大との因果関係は実証されていないと強弁した。最近になって、感染者が日々増加して連日のように過去最多を更新している状況を受け、当初は大阪市と札幌市を、次いで東京都発着も除外をと指摘される中、ようやく年始1月11日まで全国一斉に一時的に停止すると発表した。感染対策がこのように右往左往する背景に、政府の感染症対策の論理が不明確であることがある。
結論的にいえば、感染対策の基本は東京都の小池百合子知事が主張した「短期集中」でなければならない。夏に感染者が一時的に減ったことで政府が油断し、対策姿勢が緩慢になったのではなかろうか。
「Go Toトラベルキャンペーン」の問題は、感染を拡大させるというよりも、そのメッセージ性である。旅行も奨励されるのだから、近場で酒を飲むくらいは問題ないだろうと思わせた。
記者会見で新型コロナウイルスの感染対策を呼び掛けるボードを掲げる東京都の小池百合子知事=2020年11月27日、都庁【時事通信社】
菅首相が先日、大人数で忘年会を行ったことも同様である。「自粛を要請している首相も大人数で外食するのだから、我々も大丈夫ではないか」と思われても仕方がない。政府のトップから市井の若者まで、新型コロナの感染力を軽視しているから、感染が拡大しているということである。
民主主義の国は、独裁政治を学ぶ必要はまったくないが、感染拡大を押さえ込めている現実にはもっと目を向け、参考にすべきところは取り入れるべきではないか。(2020年12月)
◇ ◇
【筆者紹介】公益財団法人東京財団政策研究所主席研究員、静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、株式会社富士通総研経済研究所客員研究員。1963年、中国南京市生まれ。88年留学のため来日し、92年愛知大学法経学部卒業、94年名古屋大学大学院修士取得(経済学)。
同年 長銀総合研究所国際調査部研究員、98年富士通総研経済研究所主任研究員、2006年富士通総研経済研究所主席研究員を経て、2018年より現職。主な著書に『中国「強国復権」の条件:「一帯一路」の大望とリスク』(慶応大学出版会、2018年)、『爆買いと反日、中国人の行動原理』(時事通信出版、2015年)、『チャイナクライシスへの警鐘』(日本実業出版社、2010年)、『中国の不良債権問題』(日本経済出版社、2007年)などがある。
東京工業大学の「未来の人類研究センター」の共同研究から生まれた一冊。美学者、政治学者、批評家、哲学者、小説家の5人が1本ずつエッセイを寄稿している。
格差拡大、気候変動、コロナ危機などを背景に「利他」の考え方が注目を集めているので、この概念を多面的にとらえてみようということで分野が少しずつ違う5人が「利他」を自身の関心分野に引き寄せて論じたという恰好である。
利他を比較的直接論じているのは近年の動向を書いている美学者の伊藤亜紗と贈与に絡めて論じた政治学者の中島岳志の2人。なかでも伊藤亜紗の1本は情報量も多く現状のよい整理になった。
合理的利他主義(ジャック・アタリ)、効果的利他主義(ピーター・シンガー)といった「理性」を前面に出した利他の考え方は、個人的な思い入れをベースにした「共感」では複雑に絡み合ったシステミックな問題に対処できないことの裏返しであるという説明はまったく腑に落ちる。
また、寄付の8割が個人由来(日本は8割が法人)というアメリカでは「私財をどこに寄付すれば効率的に使われるか」を気にするという話も頷ける。
伊藤は利他的行為のインパクトを数値化することの負の面にも言及している。たとえば寄付の効率という場合、額だけでなくリターン(目的の達成度)が問われる。現にそのような目的で多様な指標がつくられているが、今後はその精度や存在意義も改めて問われることになっていくだろう。
ビル・ゲイツの慈善活動も効率化、最適化を重視した取り組みだが、莫大な資金力を背景にした介入は、たとえ非常に効率がよかったとしても、発展途上国の国家制度を弱体化しかねないという根本的な問題もある。
数値化に関しては、罰金など数字による管理を導入すると倫理的・感情的なつながりが失われる傾向があり、報酬は利他的行動を短期的にしか促進しない(長期的にはむしろ意欲を失わせる)という研究結果もある。また、「数量化しえないものを数量化しようとする欲望の直接的な帰結」として「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」を増加するという指摘(デヴィッド・グレーバー)も紹介している。
伊藤ならではの視点だと思ったのが「『共感から利他が生まれる』という発想は『共感を得られないと助けてもらえない』というプレッシャーにつながる」という指摘。これは多くの利他の矢印の先にある人やコトにとっての現実だ。「ケア」の現場において伊藤はそういう場面を見ており、「他者のために何かよいことをしようとする思いが、しばしば、その他者をコントロールし、支配することにつながる」とも感じている。
それが彼女の利他に対する警戒感に結びついているという。やってあげようとしすぎることも、過剰に「効果」を測定しようとすることも、利他的行為の受け取り手に対する信頼を欠いている。
利他的行為の結果が想定通りでないとき、それを受け入れ、相手を変えるのではなく自分が変わることができるか。伊藤がたどり着いた結論は「『よき利他』には必ず『自分が変わること』が含まれている」「相手のために何かしているときであっても、自分で立てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白をもっていること」だった。
利他に絡む支配について、中島岳志は『小僧の神様』を引用して論じている。小僧に寿司を御馳走してやったAが人知れずいいことをしたにもかかわらず、人知れず悪いことをしたような「変に寂しい、いやな気持」になった。
また、中島がインドで通りすがりの人に荷物を運んでもらったときに礼を言ったら、とてもいやな顔をされたという話も似た構造だ。そのインド人は当然のことをしただけなのに礼を言われることで借りをつくらされたような嫌な気持ちになったのだろう。
「利他は私たちのなかにあるものではない、利他を所有することはできない、常に不確かな未来によって規定されるものである」というのが中島のとりあえずの結論だ。
中島は本書の「おわりに」で利他をめぐる各人の論考を通じて「うつわとしての人間」という共通の人間観にたどりついたと述べている。やや苦し紛れのようなまとめ方だが、つまり「器」は誰かによって使われることで機能を発揮するといった意味であろうか。
私という主体が私でないものに対して一方的に与える、施す、働きかけることが本来の利他ではない、というところまでは最大公約数としていうことができそうだ。
しかし利他が「器としてのあり方」なのだとしたら、「利他」よりも「無私」といったほうがしっくりいく。
伊藤のエッセイのなかにAltruismは19世紀半ばにオーギュスト・コントがEgoismに対置する言葉として19世紀に提唱するようになった造語であると書いてあった。それより起源の古いことばにcompassionがある。
日本語では「思いやり」と訳されることも多いが、もともとはラテン語のcon(共に)とpati(苦しむ)が結びついた言葉で文字通り「ともに苦しむ」というニュアンスがある。言いたいのは、altruismがあくまでもismつまり主義・主張なのに対して、compassionは感情であり行動である。そういう流れでいっても、「器としての在り方」はaltruismよりcompassionに考え方として近いのではないか、そんなことを考えた。
最近注目されている「利他主義」の負の側面や危うさも含めて考えなおすことが重要、というのが本書のテーマである。全体的に読みやすく興味深い。5人の著者の論説のうち、印象に残ったところを紹介しておこう。
「他者のために何か良い事をしようとする思いが、しばしば、その他者をコントロールし、支配することにつながること」、「利他の大原則は、『自分の行為の結果はコントロールできない』ということ」、「別の言い方をすれば『見返りは期待できない』」「利他とは、『聞くこと』を通じて、相手の隠れた可能性を引き出すことである、と同時に自分が変わること」(伊藤)、インドで親切な行為に「ありがとう」と言ったらキレられた。
「間接的な因果による見返りを期待して行う行為は、常に利己的な利他になってしまう」(中島)、「自らの意を超えたところで動かされること、すなわち無為の状態においてこそ、利他は成就している」(若松)、「利他は、このサマリア人が感じた義の心をひとつのモデルにできる」「それは中動態においてとらえられる応答としての責任であり、帰責性からは区別される責任なのです」(國分)。このように並べてみた全体が、「うつわ」的利他のイメージである。
それでは、どうしたら本当の「うつわ的利他」が意図せずに実現するのかとなると、哲学的、宗教的な、かなり深い領域にはいっていくようにも思う。
最後の磯崎の話は、利他そのものについては、直接触れていないものの、小説家の作品が意図せずに小説の歴史に奉仕していることに、利他との関連を見ている。
当レビューアーの好きな北杜夫の「谿間にて」も紹介されているし、保坂和志やその師匠の小島信夫の引用やらエピソードやらが色々出てきて面白い。「利他プロジェクト」、これからどのように続くのか、興味津々である。
利他とは何か。本著は東京工業大学の「未来の人類研究センター」における「利他プロジェクト」の可能性を考える五人の研究者による論考をコンパクトに紹介したものである。
いうなれば、コロナ禍において世界が直面する今日の危機的状況を克服するキーワードとして注目される「利他」という思想的可能性をさぐる試みといえそうだ。
サンデル教授の白熱教室やアメリア・アレナスの鑑賞学ではないけれど、あえて異分野の論客による視点から「利他」を考えることで、たとえば「うつわになること」のようなイメージが成立してくるのがおもしろかった。
たとえば、「利己」の対立概念としての「利他」が因果を背景にしてメビウスの輪のようにつながっているとすれば「利他」は可能性として自己(意志)を超えた地平で生成される現象(効果)とみることができる。そういう意味ではこのプロジェクトの試み自体が利他的な可能性を孕んだものとしてたいへん興味深く思えてくる。
いうなれば、形而上学や身体論、表現論とも連動する現象学的なイメージもあるけれど、この「メソッド利他」にはコロナ禍に直面した現代社会のあり方のみならず人間という種のあり方を見つめなおす重要なヒントがあるようにも思えてくるから不思議だ。
サラリーマン川柳で「サラリーマン サラリーとったら ボランティア」というおもしろい作品を思いだしたのだがボランティア活動と利他行為はちがうのだろうか。ともに他者のためのおこないではあるけれど手段と目的という点で微妙にちがってくるのだろうか、などといろいろな仮説を立てて読む楽しさもありそうだ。
個人的には若松英輔の柳宗悦論がとてもおもしろかった。彼らの民藝運動そのものが利他的発想を内包し、美藝より工藝が優位に立つとするまなざしにも説得力があった。
すなわち用のものとして機能して生成される無為の産物(利他の本質)にこそ美の可能性があるという民藝の発想はおどろきでさえある。つまり、人間の意志を超えた利他の文脈という意味では國分功一郎の中動態にこそ意志と責任に関する哲学的考察の中から可能性を考える作業がクロスしてくる気がしておもしろい。
いうなれば、このプロジェクトの異分野の研究者による論考のダイナミズムにこそ「利他」の可能性があると云えるのかもしれない。
このほか、美学者の視点で伊藤亜紗、小説家の視点で磯崎憲一郎、政治学の視点で中島岳志といずれ劣らぬ論客による利他をめぐる重層的な考察がおもしろいのだが、磯崎氏の紹介する小島信夫の「馬」という作品には大いに魅力を感じた。
これは直ちに読まなければという気にさせられた。磯崎憲一郎はこの作品について語る村上春樹の解釈を紹介しながら、ここでも作者の思惑(作為=設計図)を超えた出来事に注目している。
中島岳志はおわりに利他の本質を意図的な行為ではなく、人知を超えた「オートマティカルなもの」であり、利他が宿る構造として「うつわ」を想起させるあり方が大切としている。
おもえば、大沢真幸の「個体を超えた共存」や中島自身の個別な理性を超えた中に存在の英知を見出そうすること、つまりは集合的な存在に依拠しながら時代の変化に対応する形で斬進的に改革を進める保守の態度が重なるようでもある。
何はともあれ、いろいろなイメージが広がってくる本であることはまちがいない。まずはご一読を!
東工大「未来の人類研究センター」のメンバーが、それぞれの研究分野や視点から「利他」にアプローチされていて、どれもとても興味深く、「利他」について思いを馳せるいい機会になりました。
本書にもあるように、それぞれの視点の中に「共通する何か」を私も感じ、それは(私的には)「利他は発生するものなのでは」ということでした。
「見返り」や「期待」を求めると、自分の利益へと誘導する「利己」になってしまう「危うさ」を、自分の反省とともに改めて感じさせられました。
そうではなく、「頭で考えるより先に行動してしまっている」ようなことが「利他」の本質な気がしました。
そして、そのためのもうひとつのキーが「行動」ではと思い至りました。
ふと思い出したのが、台湾の旅行時に道に迷って現地の方に尋ねた時のことです。その尋ねた方は、自分が急いでいたにも関わらず、わざわざそこまで連れていってくれました。
きっとその方は、別に見返りを求めたわけではなく、発生した利他心(?)のままに、とっさに「行動」してくれたのだと思います。
そのような状況的・発生的な「利他」を研究・追及するのは、論理的には難しそうですが、論理ではないその「視点」こそが、これからよりよく生きるいいヒントになることを、本書より実感しました。
研究のさらなる深まり(&続編)を楽しみにしております。
利他的行為とは何か,という問題について多方面の論客が論じた書.総じて論じられているのは,利他を意図して為そうとすればそれは欺瞞に通じてしまう.意図しない利他行為の貴重さとその困難性ということか.
東京五輪の自転車競技(トラック)の2021年8月2日から8月8日まで行われる競技日程と開始時間一覧です。
8月2日(月)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 女子チームスプリント予選 |
15:54 | 女子チームパーシュート予選 |
16:50 | 女子チームスプリント第1ラウンド 1組 |
16:53 | 女子チームスプリント第1ラウンド 2組 |
16:56 | 女子チームスプリント第1ラウンド 3組 |
16:59 | 女子チームスプリント第1ラウンド 4組 |
17:02 | 男子チームパーシュート予選 |
18:00 | 女子チームスプリント決勝 7-8位決定戦 |
18:03 | 女子チームスプリント決勝 5-6位決定戦 |
18:06 | 女子チームスプリント決勝 3-4位決定戦 |
18:09 | 女子チームスプリント決勝 |
8月3日(火)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 女子チームパーシュート第1ラウンド 1組 |
15:37 | 女子チームパーシュート第1ラウンド 2組 |
15:44 | 女子チームパーシュート第1ラウンド 3組 |
15:51 | 女子チームパーシュート第1ラウンド 4組 |
15:58 | 男子チームスプリント予選 |
16:22 | 男子チームパーシュート第1ラウンド 1組 |
16:29 | 男子チームパーシュート第1ラウンド 2組 |
16:36 | 男子チームパーシュート第1ラウンド 3組 |
16:43 | 男子チームパーシュート第1ラウンド 4組 |
16:50 | 男子チームスプリント第1ラウンド 1組 |
16:53 | 男子チームスプリント第1ラウンド 2組 |
16:56 | 男子チームスプリント第1ラウンド 3組 |
16:59 | 男子チームスプリント第1ラウンド 4組 |
17:05 | 女子チームパーシュート決勝7-8位決定戦 |
17:12 | 女子チームパーシュート決勝5-6位決定戦 |
17:19 | 女子チームパーシュート決勝3-4位決定戦 |
17:26 | 女子チームパーシュート決勝 |
17:35 | 男子チームスプリント決勝 7-8位決定戦 |
17:38 | 男子チームスプリント決勝 5-6位決定戦 |
17:41 | 男子チームスプリント決勝 3-4位決定戦 |
17:44 | 男子チームスプリント決勝 |
8月4日(水)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 男子スプリント予選 |
16:10 | 女子ケイリン第1ラウンド 1組 |
16:15 | 女子ケイリン第1ラウンド 2組 |
16:20 | 女子ケイリン第1ラウンド 3組 |
16:25 | 女子ケイリン第1ラウンド 4組 |
16:30 | 女子ケイリン第1ラウンド 5組 |
16:35 | 男子スプリント1/32決勝 1組 |
16:38 | 男子スプリント1/32決勝 2組 |
16:41 | 男子スプリント1/32決勝 3組 |
16:44 | 男子スプリント1/32決勝 4組 |
16:47 | 男子スプリント1/32決勝 5組 |
16:50 | 男子スプリント1/32決勝 6組 |
16:53 | 男子スプリント1/32決勝 7組 |
16:56 | 男子スプリント1/32決勝 8組 |
16:59 | 男子スプリント1/32決勝 9組 |
17:02 | 男子スプリント1/32決勝 10組 |
17:05 | 男子スプリント1/32決勝 11組 |
17:08 | 男子スプリント1/32決勝 12組 |
17:11 | 女子ケイリン敗者復活戦 1組 |
17:16 | 女子ケイリン敗者復活戦 2組 |
17:21 | 女子ケイリン敗者復活戦 3組 |
17:26 | 女子ケイリン敗者復活戦 4組 |
17:31 | 男子スプリント1/32決勝敗者復活戦 1組 |
17:34 | 男子スプリント1/32決勝敗者復活戦 2組 |
17:37 | 男子スプリント1/32決勝敗者復活戦 3組 |
17:40 | 男子スプリント1/32決勝敗者復活戦 4組 |
17:45 | 男子チームパーシュート決勝7-8位決定戦 |
17:52 | 男子チームパーシュート決勝5-6位決定戦 |
17:59 | 男子チームパーシュート決勝3-4位決定戦 |
18:06 | 男子チームパーシュート決勝 |
18:13 | 男子スプリント1/16決勝 1組 |
18:16 | 男子スプリント1/16決勝 2組 |
18:19 | 男子スプリント1/16決勝 3組 |
18:22 | 男子スプリント1/16決勝 4組 |
18:25 | 男子スプリント1/16決勝 5組 |
18:28 | 男子スプリント1/16決勝 6組 |
18:31 | 男子スプリント1/16決勝 7組 |
18:34 | 男子スプリント1/16決勝 8組 |
18:47 | 男子スプリント1/16決勝敗者復活戦 1組 |
18:50 | 男子スプリント1/16決勝敗者復活戦 2組 |
18:53 | 男子スプリント1/16決勝敗者復活戦 3組 |
18:56 | 男子スプリント1/16決勝敗者復活戦 4組 |
8月5日(木)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 男子オムニアムⅠスクラッチ |
15:48 | 男子スプリント1/8決勝 1組 |
15:51 | 男子スプリント1/8決勝 2組 |
15:54 | 男子スプリント1/8決勝 3組 |
15:57 | 男子スプリント1/8決勝 4組 |
16:00 | 男子スプリント1/8決勝 5組 |
16:03 | 男子スプリント1/8決勝 6組 |
16:06 | 女子ケイリン準々決勝 1組 |
16:11 | 女子ケイリン準々決勝 2組 |
16:16 | 女子ケイリン準々決勝 3組 |
16:21 | 男子スプリント1/8決勝敗者復活戦 1組 |
16:24 | 男子スプリント1/8決勝敗者復活戦 2組 |
16:27 | 男子オムニアムⅡテンポ |
16:45 | 男子スプリント準々決勝第1回戦 |
16:57 | 女子ケイリン準決勝 1組 |
17:02 | 女子ケイリン準決勝 2組 |
17:07 | 男子オムニアムⅢエリミネーション |
17:25 | 男子スプリント準々決勝第2回戦 |
17:37 | 女子ケイリン決勝7-12位決定戦 |
17:45 | 女子ケイリン決勝1-6位決定戦 |
17:50 | 男子スプリント準々決勝 勝者決定戦 |
17:55 | 男子オムニアムⅣポイント |
18:27 | 男子スプリント決勝5-8位決定戦 |
8月6日(金)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 女子スプリント予選 |
16:10 | 男子スプリント準決勝第1回戦 |
16:16 | 女子スプリント1/32決勝 1組 |
16:19 | 女子スプリント1/32決勝 2組 |
16:22 | 女子スプリント1/32決勝 3組 |
16:25 | 女子スプリント1/32決勝 4組 |
16:28 | 女子スプリント1/32決勝 5組 |
16:31 | 女子スプリント1/32決勝 6組 |
16:34 | 女子スプリント1/32決勝 7組 |
16:37 | 女子スプリント1/32決勝 8組 |
16:40 | 女子スプリント1/32決勝 9組 |
16:43 | 女子スプリント1/32決勝 10組 |
16:46 | 女子スプリント1/32決勝 11組 |
16:49 | 女子スプリント1/32決勝 12組 |
16:52 | 男子スプリント準決勝第2回戦 |
16:58 | 女子スプリント1/32決勝敗者復活戦 1組 |
17:01 | 女子スプリント1/32決勝敗者復活戦 2組 |
17:04 | 女子スプリント1/32決勝敗者復活戦 3組 |
17:07 | 女子スプリント1/32決勝敗者復活戦 4組 |
17:10 | 男子スプリント準決勝 勝者決定戦 |
17:15 | 女子マディソン決勝 |
18:00 | 男子スプリント決勝1回戦 |
18:06 | 女子スプリント1/16決勝 1組 |
18:09 | 女子スプリント1/16決勝 2組 |
18:12 | 女子スプリント1/16決勝 3組 |
18:15 | 女子スプリント1/16決勝 4組 |
18:18 | 女子スプリント1/16決勝 5組 |
18:21 | 女子スプリント1/16決勝 6組 |
18:24 | 女子スプリント1/16決勝 7組 |
18:27 | 女子スプリント1/16決勝 8組 |
18:35 | 男子スプリント決勝2回戦 |
18:50 | 男子スプリント決勝 勝者決定戦 |
18:53 | 女子スプリント1/16決勝敗者復活戦 1組 |
18:56 | 女子スプリント1/16決勝敗者復活戦 2組 |
18:59 | 女子スプリント1/16決勝敗者復活戦 3組 |
19:02 | 女子スプリント1/16決勝敗者復活戦 4組 |
8月7日(土)
開始時間 | 種目 |
---|---|
15:30 | 女子スプリント1/8決勝 1組 |
15:33 | 女子スプリント1/8決勝 2組 |
15:36 | 女子スプリント1/8決勝 3組 |
15:39 | 女子スプリント1/8決勝 4組 |
15:42 | 女子スプリント1/8決勝 5組 |
15:45 | 女子スプリント1/8決勝 6組 |
15:48 | 男子ケイリン第1ラウンド 1組 |
15:53 | 男子ケイリン第1ラウンド 2組 |
15:58 | 男子ケイリン第1ラウンド 3組 |
16:03 | 男子ケイリン第1ラウンド 4組 |
16:08 | 男子ケイリン第1ラウンド 5組 |
16:13 | 女子スプリント1/8決勝敗者復活戦 1組 |
16:16 | 女子スプリント1/8決勝敗者復活戦 2組 |
16:19 | 男子ケイリン敗者復活戦 1組 |
16:24 | 男子ケイリン敗者復活戦 2組 |
16:29 | 男子ケイリン敗者復活戦 3組 |
16:34 | 男子ケイリン敗者復活戦 4組 |
16:39 | 女子スプリント準々決勝第1回戦 |
16:55 | 男子マディソン決勝 |
17:55 | 女子スプリント準々決勝第2回戦 |
18:15 | 女子スプリント準々決勝 勝者決定戦 |
8月8日(日)
開始時間 | 種目 |
---|---|
10:00 | 女子オムニアムⅠスクラッチ |
10:18 | 女子スプリント準決勝第1回戦 |
10:24 | 男子ケイリン準々決勝 1組 |
10:29 | 男子ケイリン準々決勝 2組 |
10:34 | 男子ケイリン準々決勝 3組 |
10:39 | 女子スプリント準決勝第2回戦 |
10:45 | 女子オムニアムⅡテンポ |
11:03 | 女子スプリント準決勝 勝者決定戦 |
11:06 | 女子スプリント決勝5-8位決定戦 |
11:09 | 男子ケイリン準決勝 1組 |
11:14 | 男子ケイリン準決勝 2組 |
11:20 | 女子スプリント決勝1回戦 |
11:26 | 女子オムニアムⅢエリミネーション |
11:45 | 女子スプリント決勝2回戦 |
11:51 | 男子ケイリン決勝7-12位決定戦 |
12:00 | 男子ケイリン決勝1-6位決定戦 |
12:05 | 女子スプリント決勝 勝者決定戦 |
12:25 | 女子オムニアムⅣポイント |
川口雄介が初めて競馬に触れた日は奇しくも、忘れもしない伝説の地方競馬の馬ハイセイコーが中央競馬(中山競馬場)の晴れ舞台にデビューした日である。
彼は競馬は初めてであり、麻雀も知らなかった。
先輩の沢田寅雄が、競馬専門紙を広げ「君は、どの馬にするか」と聞くのだ。
ニューサントという馬の名前が目にとまる。
山戸由紀夫は、前の職場の同僚であった。
その彼が、真冬なのにワイシャツ姿で出勤して来たのだ。
「山戸君、そんな姿で、寒くはないのかい。背広はどうしたんだ?」不信に思った支社長の渡瀬久雄が問う。
「金がないので、背広とコートは、質屋に入れました」分厚いメガネをかけた山戸は、ずれ落ちたメガネのフレームを指で押し上げるような仕草をする。
「何?質屋だと。バカ者!そんな姿で営業には行けないだろう。背広を質屋から出して来るんだ。給料の前借りを許すよ」怒り半分で呆れかえる。
山戸はそれ以来、出社することはなかった。
新宿のアパートの家賃も溜めていて、夜逃げをしたのだ。
川口は歌舞伎町で飲んだ日に、そのアパートの6畳間に泊めてもらったことがある。
彼は作家寺山修司の信奉者であり、書棚には競馬関連の本や雑誌もあった。
競馬とともに麻雀好きの山戸は、阿佐田哲也の麻雀放浪記も読んでいたのである。
「山戸君は、どこでどうしているのだろうか?」川口は想ってみた。
川口はハイセイコーの馬券とニューサントの馬券を買うことにする。
ちなみに、ハイセイコーの単勝は110円だった。