【KEIRINグランプリ2024】S班陥落後わずか50日で返り咲いた南関東の大エース・郡司浩平/出場選手紹介

2024年12月13日 23時52分59秒 | 未来予測研究会の掲示板

2024/12/13(金) 18:00  0  4

今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。netkeirinでは並びが発表される記者会見までの9日間、出場選手たちの特徴やグランプリまでの道のりを日替わりでお届けしていく。今回はS班陥落後わずか50日でタイトルを獲得し、返り咲きを果たした男・郡司浩平を紹介する。(構成:netkeirin編集部)

 

郡司浩平(撮影:北山宏一)

 

ライン戦を重視しながら前も後ろもハイレベルにこなす

 野球経験者の郡司浩平は神奈川の強豪校・横浜商業高校の出身。以前netkeirinでインタビューした際には「この風貌からは意外かもしれませんがホームランは打ったことすらなく、野球時代は細かい二番打者タイプ」と自身について説明した。ランナーを進塁させるための送りバント、チームバッティングとしての流し打ちを得意としていたと明かしている。

 そんな郡司浩平だが、競輪の世界では特大ホームランをかっ飛ばしているのは言うまでもないが、要所で「ラインのため」への細やかな動きも辞さず、ラインの先頭でも番手でも、時には3番手でもハイパフォーマンスを出せるオールラウンダーである。野球は団体競技だが、「ある時は野球よりもチーム競技と感じることもある」としており、よく言われる「ゴール前、最終的には個人戦となる」にも異を唱えている。南関地区のエースであり、総力を挙げて“みんなで勝つ”を体現している姿が定着している。

 今年でKEIRINグランプリは2年ぶり5回目の出場。2021年、2022年と直近2つのグランプリは3着で確定板をとらえている。今年の並びはまだ発表されていないが、どの位置でも優勝争いに絡んでくるのは明白な強者であることに疑いの余地はない。

グランプリへ一番乗りを決め、その後も高水準で安定

 

全日本選抜競輪を制してグランプリ出場を早々に決めた郡司浩平(撮影:北山宏一)

 

 郡司浩平は1班としてスタートした年明け早々に岸和田F1を完全優勝し、V4を誇る地元の顔として挑んだ川崎記念「桜花賞・海老澤清杯」を優勝し、V5を達成。シーズンの幕開けとして最高のスタートダッシュを見せ、「落ち込むこともなく、気持ちを入れ替えて臨んでいる」という言葉を残している。そして勢いそのままにGI全日本選抜競輪を制覇し、年末グランプリへの一番乗り。S班陥落後50日で返り咲きを果たし、心身の強さを証明した。

 

 

 

 今年はFIシリーズで2度の優勝、GIIIでは小田原記念で優勝している。そのほか出場したビッグレースでは日本選手権競輪と競輪祭では決勝進出を逃したものの、優勝した全日本選抜、高松宮記念杯、オールスター競輪、寛仁親王牌の4つのGIでファイナル入りを果たしており、サマーナイトフェスティバル共同通信社杯のGIIグレードでも決勝を外さない高い安定感を示した。中でも高松宮記念杯では北井佑季の前を回って、北井の優勝に貢献しており、同県の絆を全国に知らしめた。

 また郡司は今季の活躍を語る際に19年以来に参戦したFI戦が糧になったことを明かしている。「7車立てレースの経験を通じて、レースプランの幅が広がった」と語っている。かつて郡司浩平は「自分が得意とするものは変化する」と話をしていたが、S班陥落をネガティブな経験とせず、ポジティブに受け止めて武器を増やしたのかもしれない。昨年は走れなかったKEIRINグランプリ。今年は舞い戻るとともに主役の座をかっさらっていく。

逃げでも捲りでも…! 万能性突き抜けるオールラウンダー

 

何でもトップクラスにこなす郡司浩平(撮影:北山宏一)

 

 どの位置を回ろうともどんな展開であろうとも役割に対してしっかりと戦うのが郡司浩平。その走りは万能性に優れており、先行でも捲りでも難なくこなす。寛仁親王牌決勝でも近畿と北日本の競り合いを見守らず、ホーム手前では隙を突くようにトップスピードに入れていた。ラインとしての結果は苦汁をなめることになったが、この時小原大樹は準Vを納めており、番手におさまった近畿3番手の古性が優勝している。

 郡司の万能性を支えるのが動きのキレとトップスピードであり、迷いのない判断で攻める際は、自身あるいはラインの仲間に優位な展開を的確に作り上げてしまう。流れを引き寄せる、仲間に繋ぐ走りができるオールラウンダーであり、野球で言えば場外弾を打てるほどのパワーヒッター系二番打者といった具合だろうか。

 以前、郡司がインタビューで最強の選手像を尋ねられた際には「どんな展開であれ最後の最後まで期待感を持てる選手」だと話をしていた。今年5度目の挑戦となり悲願達成に向けて正念場。南関の大エースに寄せられる思いは計り知れない大きさだが、最後まで期待感を裏切らない走りで静岡を沸かせるに違いない。

応援メッセージ

 最後に、現在netkeirinで募集中の投票企画「競輪ファンが選ぶ KEIRINグランプリ2024優勝選手」で郡司浩平に寄せられたコメントを紹介する。

郡司浩平がキレた時の踏み上げはハンパじゃない」

「南関東地区に1番貢献している選手、今年はチャンス掴んで欲しい」

「機は熟した!五回目の正直」

「今年最初に優勝しているし最後も郡司に締めてもらいたい」

「競輪祭の深谷の無念晴らしてください」

「南関東結束の集大成を見せて欲しい」

「非の打ち所がない上手くて強い」

 

注目しますか?
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根本治療・全身治療のエナジートロン?!

2024年12月13日 23時17分36秒 | 医科・歯科・介護

今日も、エナジートロンへ行く。

約450人余が1度訪れて、会員として登録していても、毎日、平均してエナジートロンの会場に訪れるのは150人前後。

主催者側は、毎日300名以上の来場者を望んでいるのだが・・・まだまだなのだ。

思うに、体験が全てを物語ると―言及したい!

体験者が語る全てが、実証ではないだろうか。

この事実は、医学的・疫学的に軽視すべきではない。

血圧や血糖値が下がった―と体験者は語るのである。

血はドロドロになる。

血液がサラサラの子どもたちは、肩こりや足の浮腫みはないだろう。

また、腰痛や足のつりを訴える子どもはいないだろう。

血液の役割は、酸素と栄養を全身に送ること。

だが、酸化した血液は、酸素・栄養を全身に送る機能が低下する。

そこで、エナジートロンでドロドロ血を改善する。

このことが、証明されることが期待される。

医療費と介護保険料の削減のためにも!

 

 

 


ストーカー男

2024年12月13日 22時28分46秒 | 未来予測研究会の掲示板

何度も記したが、利根輪太郎はストーカー男を今日も避けて、取手競輪場の第二特別指定席へ向かう。

300円の特別指定席が400円に値上がりしたのだが、300円の食事券付きなのだ。

つまり、さし引きで100円の料金なのだ。

今日は、食堂「さかえや」には、馴染みの競輪ファンがほとんどいた。

大穴狙いの「アマちゃん」は約7万円の3連単車券をゲットした。

利根輪太郎は、出目作戦を貫けず、1-5のあとの2-5を逃してしまった。

GⅢ 玉野競輪 ばんぱく万博協賛 ひろしまピースカップ

2日目(12月12日)

9レース

並び予想 7-1-4 3-5 9-2 6-8

レース評

唯一の3人ラインは福永。バック取りから、山田の番手差しだ。鈴木に乗る雨谷、太田−池田のラインに警戒。

1-7 1-5 1-2の3連単で勝負するが、1-5の上がり目の2-5を無視する。

8レース

1-5
660円(2)
1-5-3
5,470円(18)

 




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 2 池田 良   11.9   太田竜乗交
× 2 5 雨谷 一樹 微差 11.4   鈴木入れ鋭
3 3 鈴木 玄人 1/4車輪 11.6     掬れ内突き
4 9 太田 竜馬 1/8車輪 12.0   SB 突張り先行
5 1 山田 久徳 1/2車身 11.3     追ず追上も
6 7 福永 大智 1/8車輪 11.8     掬い好位乍
  7 4 小谷 実 2車身 11.3     山田久続き
  8 8 山田 幸司 2車身 11.4     染谷追切替
  9 6 染谷 幸喜 大差 12.4     叩けず後方
 
2

2=4
2,700円(11)
2

2=5
2,600円(11)
3

2=3=5
2,550円(12)


2=3
800円(11)
2=5
830円(12)
3=5
390円(5)
2-4
4,900円(22)
2-5
5,210円(21)
2-5-3
32,690円(109)

 

戦い終わって写真

 自らSを取って前受けからスタートした太田竜馬は、斬りに来た染谷幸喜を突っ張って先行。中四国勢の3番手を取るも、福永大智に内をシャクられ4番手に後退した鈴木玄人は、最終4コーナーから内を踏み、雨谷一樹と共に詰め寄るも、最後は池田良が太田を交わしての1着。
 1着の池田は「取れたら前からとしか聞いていなかったけど、突っ張るとは思わなかった。後ろの状況は見えていなかったですね。あんなに行ってくれてたので、太田君と一緒に決めたかったんですが…。自分は1着が取れているし、状態は大丈夫」。
 2着の雨谷は「中団からの作戦だった。鈴木君はいつも前、前に行ってくれるけど、連結を外してしまって…。何とか追い上げられて良かった。山田(久徳)さんを警戒して、来ても併せられるように準備はしていたし、全体的にも余裕はありましたね。初日に刺激が入った分、良い感じで走れました」。
 3着の鈴木は「雨谷さんに普段通りにやってくれればと言われていたし、いつも通りに行こうと。イレギュラーな流れだったけど、1車でも前に行こうと思っていた。最後は外を踏んで勝負しようと思ったけど、内しかなかったですね。しっかりとした自力をまだ出せてはいないけど、自力の練習はしてきたつもりだし、準決に向けてしっかり準備ができれば」。

投票

 


選挙プロパガンダ2024 米国大統領選をめぐる偽情報とソーシャルメディア

2024年12月13日 11時18分02秒 | 社会・文化・政治・経済

 

選挙プロパガンダ2024 米国大統領選をめぐる偽情報とソーシャルメディア

2024年は60か国以上で国政選挙が行われる、選挙の年である。台湾、インドネシア、韓国、インド、欧州議会、英国など、あわせれば世界人口の半分以上がみずからの代理人たる政治家を選出する。

なかでも重要なのが「現存する世界最古の民主主義」米国の大統領選挙だ。政治的分極化が極まり、価値観の多元化が進んだ米国の大統領選は、熾烈さを増している。

多くの民主主義国で権威主義やポピュリズムの風が強まるなか、民主主義がさらに後退を迫られるのか、あるいは逆風に立ち向かい民主主義が強靭さを示すのか。米国の大統領選挙および連邦議会選挙が「自由で公正な選挙」として実施されるか否かが、これからの国際秩序のありように大きな影響をもたらす。

その米国を中心に、世界の選挙は、誤情報、偽情報、事実だが悪意のある情報(misinformation, disinformation, malinformation: MDM)、そして陰謀論を駆使した選挙キャンペーン、すなわち「選挙プロパガンダ」の脅威にさらされている。権威主義国からの選挙干渉は引き続き問題だが、いまの米国社会で票を集めるべく展開される、正当性を欠いた国内の選挙プロパガンダこそ「自由で公正な選挙」の敵である。
Index目次
 
 

プロパガンダ

「政治的宣伝」としてのプロパガンダが初めて実践されたのは、総力戦となった第一世界大戦であった。米国でプロパガンダに参画したエドワード・バーネイズは1928年、その名も『プロパガンダ』という本を書く。バーネイズは、大衆を動かすにはプロパガンダが必要であり、人々が多様な価値観を持つ民主主義でこそプロパガンダが賢く用いられるべきと説いた。バーネイズはプロパガンダをPR(Public relations)と言い換え、その手法をプロセスに落とし込んだ。

しかし、1930年代にヒトラーとスターリンがプロパガンダを活用する。英米は、みずからが手法として確立させたプロパガンダと対峙することになったのである。第二次世界大戦以降、プロパガンダは、目的や手法において正当性を欠く政治的宣伝として、ネガティブに受け止められるようになった。

戦後、米大統領選は世界最大のPRの戦場となった。膨大な資金がPRに投入され、テレビの登場など、マスメディアや情報技術の進展とともにPRの手法も進展した。

マスメディア中心の大統領選挙キャンペーンにソーシャルメディアを持ち込み、大統領選に勝利したのが2008年と2012年のバラク・オバマ陣営であった。そして2016年には、ドナルド・トランプ陣営が偽情報や悪意のある情報を駆使した選挙キャンペーンを展開し大統領選を勝ちあがった。選挙中にはケンブリッジ・アナリティカ(CA)社がFacebookから研究用として米国ユーザーのデータを不正取得し、その属性にあわせ、ヒラリー・クリントン候補を貶めるターゲティング広告を大量に投下した。

トランプは選挙プロパガンダを活用して大統領に就任した。米国の民主主義は、1930年代以来ふたたび、プロパガンダという諸刃の剣により深い傷を負うことになった。

 
 

選挙プロパガンダ2024

第1次トランプ政権は一期しか続かず下野した。2022年の中間選挙では共和党候補が軒並み敗北し、民主党が健闘した。しかし2024年の大統領選では、共和党の保守強硬派、なかでもトランプが優勢である。アイオワ州党員集会ではトランプが圧勝した。

トランプが初めて大統領選を勝ってから8年。選挙プロパガンダをめぐる状況は深刻さを増している。

第一に、AIの飛躍的な発展により偽情報の波及力が強まった。そもそも米大統領選において、誤解を招く情報、悪意のある情報を使った対立候補へのネガティブキャンペーンが繰り広げられること、それ自体は目新しいことではない。2016年にCA社が投下したFacebook広告では、ヒラリー・クリントンが肺炎のため咳をしながら9/11式典を途中退席する様子を繰り返す動画が使われた。それでも、これは本物の動画の切り取りであった。しかし、生成AIの社会実装により、まったくの偽動画や偽音声でも、本物そっくりなディープフェイクを簡単に作成することができるようになってしまった。昨年、共和党全国委員会がバイデン政権を批判するドラマティックなネガティブCMを、全編、生成AIで作成したことが話題になった。精巧な偽動画やフェイクニュースが、ソーシャルメディアのみならず、新聞やテレビ、ケーブルテレビなどマスメディアでも話題になり、選挙キャンペーンで繰り返し使われれば、有権者の投票行動にも影響が及ぶ。

さらに9月以降の本選挙では、接戦州のなかでも、郡単位での勝負になると見られている。生成AIにより、接戦州、接戦郡の有権者をターゲットに、その州・郡でとりわけ問題になっている事柄をテーマにしたディープフェイク動画やフェイクニュースが流布するリスクがある。しかも偽動画や偽記事の数は数千本レベルの規模になるかもしれない。こうした「ディープフェイクの飽和攻撃」は、全ての接戦郡でおこなわれると選挙結果に重大な影響をもたらす可能性があり、真剣に想定すべき脅威である。

第二に、偽情報が流布するプラットフォームとして、Facebook、YouTube、X、Instagram、TikTokなど主要ソーシャルメディアの利用が着実に拡大している。米国で政治的分極化が加速してきた要因として、これまでFOXやCNNなど主要ニュースメディア、そしてケーブルテレビのニュースの党派性が指摘されてきた。しかしピュー・リサーチ・センターの調査によれば、米国民がニュースをテレビで見る頻度は減ってきている。2023年10月時点で、ニュースをテレビで「頻繁に」見ているのは米国民の三分の一に過ぎない。他方で、ニュースをデジタルデバイスで「頻繁に」見ているのは米国民の半数を超える。ソーシャルメディアの規模を評価する指標として一般的なMAU(月次アクティブユーザー)を見ると、トランプがTwitterを大統領選に活用していた2016年1-3月期のTwitterのMAUは世界で3.1億ユーザーであった。イーロン・マスク氏の買収後、XのMAUは2023年12月時点、世界で5億ユーザーにまで増えた。米国だけでも9500万ユーザーに達している。また定期的にニュースを見るソーシャルメディアとして、いまだにXとFacebookは人気だが、ニュース閲覧の利用はやや減少傾向にある。その代わりTikTokの利用が急上昇しており、いまやTikTokユーザーの43%はTikTokで定期的にニュースを見ている(と認識している)。

つまり、米国の有権者はニュースを新聞やテレビといったマスメディアではなく、ソーシャルメディアを通じて見るようになりつつある。これは有権者が、マスメディアが取材・編集した情報よりも、政治家や政治資金団体の発信、そして不特定多数の人々の情報に接する時間が増えたことを意味している。

さらにFacebookが発明した「ニュースフィード」は縦にスクロールするだけで次々と新しいコンテンツが出てくるし、「いいね」はコンテンツを発信するモチベーションを高め、中毒性がある。良質なコンテンツ提供者が増え、コンテンツの消費者の滞在時間が増える好循環とともにネットワーク外部性が生じた。滞在時間が増えれば広告による収入が増える。ソーシャルメディア事業者はさらに人々の滞在時間を獲得すべく、使いやすさ(UI/UX)に磨きをかけている。利用データに基づき、ユーザーが見たいであろうコンテンツを多く表示するアルゴリズムが、日々改善されている。多くのユーザーが知らず知らずのうちに価値観の似た者同士で交流し、共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅されて影響力をもつ、つまり「エコーチェンバー」に引き込まれている。

第三に、ソーシャルメディアの不正コンテンツ削除について、プラットフォーム事業者によって対応に明らかな差が生じつつある。不正コンテンツの監視や削除は、事業者の管轄である。事業者として野放図な運営をすればユーザー離れが起きるうえに、適切な対応がなされなければ事業停止に追い込まれるリスクがある。ただし警察や裁判所が違法コンテンツを削除するよう通知しても、事業者の判断で削除に応じない場合もある。権威主義国の政府が、統治者に不利な情報を削除させるよう求めるケースもあるからだ。プラットフォーム事業者にとって政治との距離感は難しい問題である。

それでもTwitter社は2020年5月26日、トランプ大統領が郵便投票をめぐりツイートした偽情報に、事実を確認するよう警告を出し、Twitter社が作成した検証ページへのリンクを追記した。偽情報対策として、こうした正確な情報への「リダイレクト」は、認識を修正させることが期待できる、効果的な手法である。その後、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件を受け、Twitterはトランプのアカウントを凍結した。しかしイーロン・マスクの買収後、Xはトランプのアカウントを復活させ、検証ページへのリンクも消えてしまった。

また、主要ソーシャルメディアは不正コンテンツをどれほど削除したか、データを公開してきた。たとえばYouTubeは2023年7月から9月までに800万本以上の動画を削除した。子どもの安全を害するものや危険行為などが多数を占めるが、暴力的過激主義を助長する動画も16万本以上が削除された。一方で、XはTwitter時代の2022年を最後にデータ公表が止まっている。Xになり利用が拡大したのは明らかだが、果たしてどれほど不正コンテンツが削除されているか、よくわからない。

波及力を強めた偽情報、ディープフェイク飽和攻撃のリスク、ニュースメディアとしてのソーシャルメディアの利用拡大、そして不正コンテンツ削除への対応の乱れといった理由から、今年の米大統領選における選挙プロパガンダは、有権者の投票行動に、かつてより深刻な影響をもたらす可能性がある。

もちろん有権者がソーシャルメディアばかり見ているわけではない。候補者の演説を直に聞き、握手することで投票行動が変わることは、大いにあり得る。

それでもなお、米国における選挙プロパガンダが厄介なのは、それが米国のみならず、世界の民主主義に影響を及ぼすからである。これまで米欧の政府やNGOは、新興国や途上国で「自由で公正な選挙」が実施されるよう、大きな役割を果たしてきた。しかし「自由で公正な選挙」の旗手であった米国、そして欧州みずからが偽情報やポピュリズムで痛手を負っている。米欧は、権威主義が忍び寄る新興国や途上国に対し、選挙プロパガンダを是正するよう求める説得力を失いつつある。

 
 

選挙プロパガンダ対策

世界で民主主義の後退が懸念される今、あらまほしき姿は、米国が大統領選において、偽情報や誤情報があふれ正当性を欠いた選挙プロパガンダに屈せず、強靭な民主主義を世界に示すことである。

選挙プロパガンダ対策では、正攻法でいえば、以下のような施策を展開する。

・政治指導者が、正当性を欠く選挙プロパガンダに対抗する強い意思を示す

・選挙管理委員会(Electoral Management Body: EMB)が選挙プロパガンダを監視し、法執行機関やサイバーセキュリティ関連機関、ファクトチェックセンター、そしてソーシャルメディア事業者と連携して、偽情報などMDMを迅速に検知する

・ソーシャルメディア事業者は独自のモニタリングや公的機関からの情報提供を受け不正コンテンツを迅速に削除し、要すればアカウントを凍結する

・政府が正しい情報を、国民に伝わる強いメッセージで、マスメディアやソーシャルメディアを駆使し機動的に発信する=戦略的コミュニケーション

・法令に違反する選挙キャンペーンを行った候補者・政治資金団体・政党を取締る

 

しかし、米国において連邦選挙委員会(FEC)は選挙資金の監視機関であり、「自由で公正な選挙」を実施できているかの判断は、州の選挙管理人に委ねられている。つまり米国ではEMBの機能や選挙管理が、州政府や地方自治体に分散している。政府による一元的な選挙プロパガンダ対策が難しい構造にある。州の党派性を反映し、対応にバラつきが出ることも避けられない。

 
 

対テロ作戦における過激化対策の経験

そうした構造的な課題を抱える米国だが、連邦政府や州政府がソーシャルメディア事業者と連携し、選挙プロパガンダに対抗すべき、という原則は変わらない。

ここで好事例として思い起こされるべきが、2010年代の対テロ作戦である。テロ組織の情報発信に対抗するカウンター・ナラティブ(counter-narrative)を活用した過激化対策(deradicalization)において、官民連携の取組は、一定の効果を挙げてきた。

アルカイダやISなどテロ組織は、ウェブやソーシャルメディアを通じたプロパガンダを得意としていた。ISがTwitterやYouTube、またWhatsAppなどSNSを通じて拡散した動画は、欧州やマグレブ諸国で若者の心をつかみ、シリアやイラクに向かわせた。もちろんテロリストはイスラムだけではない。2019年3月にはニュージーランドのクライストチャーチで、20代の白人至上主義者がモスクで銃を乱射し51人が亡くなった。犯人がサイバー空間で過激思想に染まっていったことのみならず、襲撃の様子をライブストリーミングしていたことは、ソーシャルメディア事業者に衝撃を与えた。

こうした事態を踏まえ、YouTubeが実施したのが「リダイレクト・メソッド」であった。同じくGoogle傘下のシンクタンクJigsawとともに、テロ行為や過激思想に関連するキーワードで動画を検索したり、テロ組織がアップしたであろう動画にアクセスすると、テロ組織の言説(ナラティブ)の意図や誤りを解説する動画――すなわちカウンター・ナラティブ――にリダイレクトさせた。

ソーシャルメディアにおけるエコーチェンバーは思想の過激化と相性がよい。より過激なコンテンツを求める人々に、どこかのタイミングで冷や水を浴びせ、一瞬でも冷静にさせるコンテンツを見せることは、過激化を止めるために重要である。

RAND研究所がおこなった検証によれば、YouTubeの「リダイレクト・メソッド」はわずか8週間で32万人以上に、一人平均90秒以上、カウンター・ナラティブの動画を見せることができた。それでもISに参加した若者もいたかもしれないが、少なくとも、その予備軍としてテロ組織に夢を見た若者に、直接、訴えかけたという意味では、効果的な取組であったと言える。

さらに、テロや暴力的過激主義につながるコンテンツを排除し、サイバー空間の安全性を高めるべく、政府やソーシャルメディア事業者、国連事務局、シンクタンクが連携したコンソーシアムが形成された。代表的なものとして、仏主導のParis Call、NZ主導のChristchurch Call、事業者主体のGlobal Internet Forum to Counter Terrorism (GIFCT)やTech Against Terrorism (TAT)などがある。こうした官民連携のコンソーシアムは、テロ関連サイトの自動通報など地道に活動を続けており、昨年12月に茨城水戸で開催されたG7内務・安全担当大臣会合の成果文書でも言及された。また、生成AIを悪用したテロ関連コンテンツを迅速検知するため、TATはMicrosoftと提携しAI活用を加速化させている。

 
 

選挙プロパガンダと対峙する民主主義

こうした過激化対策、さらには新型コロナ危機におけるインフォデミック対策を通じて、ソーシャルメディアはMDMへの対処能力を高めてきたはずである。偽情報の波及力が強まり、ソーシャルメディアを通じた政治キャンペーンの占める比重が増したいま、プラットフォーム事業者の社会的責任はいまだかつてなく重い。米国大統領選では、政府当局とプラットフォーム事業者が連携して選挙プロパガンダに対抗すべきだ。

さらに、正当性を欠いた選挙プロパガンダは、世界中の民主主義国への挑戦でもある。

ウクライナをめぐりロシアと情報戦を戦ってきた欧州では、2015年以降、欧州対外活動庁(EEAS)がEUvsDisinfoという偽情報監視プロジェクトを続けてきた。

台湾は中国の情報工作の最前線であり、総統選をめがけ数年がかりで認知戦の攻防が繰り広げられた。総統選の直前にはYouTubeで大量の偽動画が公開され、まさに「ディープフェイクの飽和攻撃」が現実の脅威となった。台湾総統選で展開された手法が米大統領選において利用されるリスクも想定すべきだ。

日本政府は「偽情報分析に係る技術」を特定重要技術のひとつに定め、4年間で最大60億円の予算で研究開発を支援する。

日本や欧州をはじめ米国の同盟国・同志国にとって、2025年1月、誰が米国大統領に就任するかは、米国の選挙制度の強靭さと、米国民の判断を信じるほかない。選挙結果がどうなるにせよ、米国には、世界中の民主主義国にとって模範となる「自由で公正な選挙」と、選挙プロパガンダ対策オペレーションを期待したい。そして米国のみならず、民主主義を信奉する同盟国・同志国も一丸となって、選挙プロパガンダとの戦いに対峙すべきだ。

選挙イヤーの2024年。民主主義の権威を守り、強靭さを示す戦いは、はじまったばかりである。

相良 祥之主任研究員
国連や外務省など経て現職。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。国連ではニューヨークとスーダンで勤務しアフガニスタンやコソヴォでも短期勤務。 2005年から2011年まで株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)にて事業開発を担当。 2012年から2013年まで国際協力機構(JICA)農村開発部にて農村・水産開発案件を担当。 2013年から2015年まで国際移住機関(IOM)スーダンにて選挙支援担当官を務めたのち、事務所長室にて新規プロジェクト開発やドナーリレーションを担当。ダルフールなど紛争影響地域における平和構築・人道支援案件の立ち上げや実施に携わる。 2015年から2018年まで国連事務局(NY本部)政務局 政策・調停部。ナイジェリア、イラク、アフガニスタン等における国連平和活動のベストプラクティス及び教訓の分析・検証、ナレッジマネジメントを担当。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)が展開するカブールでも短期勤務。 2018年から2020年まで外務省アジア大洋州局北東アジア第二課で、北朝鮮に関する外交政策に携わる。対北朝鮮制裁、サイバー、人権外交、人道支援、国連における北朝鮮政策など担当。 2020年からアジア・パシフィック・イニシアティブ主任研究員。日本のコロナ対応を検証した「新型コロナ対応・民間臨時調査会(コロナ民間臨調)」で事務局を務め、『調査・検証報告書』では水際対策、国境管理(国際的な人の往来再開)、官邸、治療薬・ワクチンに関する章で共著者。2022年から地経学研究所 主任研究員を兼務。
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トランプ支持者はなぜ熱狂的に支持しているの?

2024年12月13日 11時13分16秒 | 社会・文化・政治・経済

 とにかく彼らに会い続けた記者が、これからも語り合う理由

NHK

「どうしても見せたいものがある」

そういって男性が連れてきてくれたのは、フロリダ州ペンサコーラにある全米屈指の航空博物館だ。見せたいものとは、そこに展示されている旧日本軍の戦闘機「ゼロ戦」だった。

「ゼロ戦と空中戦を戦ったアメリカ軍のパイロットは例外なく、その機体の高い運動性能を恐れていた」

美しい流線型の機体の説明書きにはそう記してあった。

だが私は、ゼロ戦を見るために首都ワシントンから出張してきたわけではない。目的は一つ。トランプ氏を熱狂的に支持した人たちが、選挙のあとどうしているかを知るために、会いに来たのだ。

アポイントをとった退役軍人の男性は、取材を快く引き受けてくれた。そのあとで、ぜひ見せたいものがあるという。

「私は湾岸戦争で、空母艦載機のパイロットをやっていたんだ」

コロナ禍で博物館が公開を制限する中、私が来るのに合わせて、中に入れるようわざわざ担当者に話をつけてくれていたのだ。

ゆっくり眺めていたい気持ちもあるものの、正直、それどころではないという気持ちの方が強かった。出張中に取材できる時間は限られている。博物館の見学よりも、ロケをしていたい。 しかし取材先の好意をむげにすることもできない。

実はトランプ支持者を取材していると、こうした身に余る「おもてなし」をしてくれる人に出会うことが少なくない。「軽い打ち合わせのため」と呼ばれていった自宅で、立派な夕食を用意してくれていた支持者もいた。

繰り返される「ありがとう」

私は去年、アメリカの首都ワシントンに赴任した。ホワイトハウスの担当となり、トランプ前大統領が退任するその日まで一挙手一投足をウォッチし続けた。

日本人の私からすれば、きわどい言動を続けたトランプ氏をなぜあれだけ多くの人が熱狂的に支持していたのかは、興味の尽きない取材テーマだった。

とにかく、彼らに直接会ってみることにした。そこで受けたのが、冒頭に書いたような「おもてなし」の数々だ。

そうした場で異口同音に聞かれるのは、

「自分たちの声に耳を傾けてくれてありがとう」

という感謝の言葉だ。

そして続くのが大手メディアに対する不満だ。

「メディアは自分たちの声に耳を傾けようとしない」

ニューヨーク・タイムズやCNNといったリベラルな主要メディアはもとより、地元のメディアでさえトランプ支持者である自分たちを取材せず、理解しようともしないという。話を聞きに来る私への歓迎は、メディアに対する強い不満と不信感の裏返しのようだ。

日本ではNHKも、そうした不信感を抱く人がいる主要メディアの1つだと口には出せず、私はいつも複雑な思いで話を聞くことになる。

なぜこれほど多くの人が、政府や裁判所がなかったとする、大統領選挙での大規模な不正を信じているのか。

その説明として、インターネットで自分が信じたい情報だけを得ているからだという指摘がある。私はことはそれほど単純ではないと思っている。

トランプ支持者からの「踏み絵」

トランプ支持者の取材では踏み絵を踏まされるような場面に出くわすこともある。トランプ支持者が集まるオンライン上の会合に参加すると、よくこう尋ねられるのだ。

「あなたはどちらを支持しているんだ」

「私は記者なので、どちらかを支持することはない」

そう答えるたびに、彼らの表情から読み取れるのは、なんとも言えないしらけた空気だ。

「なんだそれ?」

そういった声すら聞こえてきそうな表情だ。

保守かリベラルか、トランプ支持か反トランプか。深く分断されたアメリカで「どちらでもない」などという立場は考えられないからだ。

このしらけた表情を、私は過去に嫌と言うほど見てきている。

かつて特派員として暮らした中東のエルサレムでのことだ。出口の見えない紛争を続けるイスラエルとパレスチナの間の溝は限りなく深い。

双方の取材先から「あなたはどちらの側に立っているのか」と聞かれ、「記者なので中立だ」と答えるたびに、あのしらけた表情が返ってきていたのだ。

紛争地ほど「私は中立だ」という言葉がむなしく響く場所はない。誰もそんなことは信じない。相手側がひどいことをやっているのに中立だというのは加担しているのと同じだ、という意識があるからだ。

駐在した3年間、友人が増えるにつれて私がフェイスブックなどのソーシャルメディアに投稿する機会は減っていった。どのカフェに行くのか、どこで買い物をするのか、そうしたたわいない投稿の1つ1つが、それはイスラエル側なのかパレスチナ側なのかに分類されてしまい、「あなたはそっち側を好むのか」というメッセージとして受け止められてしまうからだ。

まさか同じ経験を「自由の国」アメリカでするとは思わなかった。アメリカでも私の投稿には逐一双方からコメントが書き込まれるようになり、次第に投稿は削除するようになった。まるで「2つの世界」が私のフィード上で衝突しているかのようだった。

「メディアが伝えない本当の現実」とは

この日、私はトランプ支持者が好む保守系メディアに向かった。もう1つの世界に足を踏み入れなければ、そちら側からの景色はわからない。

有力な保守系メディア「ワシントン・エグザミナー」の立ち上げに関わったマシュー・シェフィールドさんが取材に応じてくれた。

保守派メディアの創設者と聞いてどんな人物かと構えていたら、緩やかなパーマをかけた洗練された出で立ちで私たちを出迎えてくれた。

シェフィールドさんは、トランプ氏が支持者に対して自分の言うこと以外信じないよう仕向けてきたと指摘した。それは私自身も何度も経験した、トランプ氏が大規模な集会での演説で毎回繰り返してきたパフォーマンスだった。

「Turn the camera. Turn it.(カメラを振るんだ)」

トランプ前大統領は演説を撮影しているテレビカメラの放列に向かってこう発言する。

カメラを左右に振って会場を埋め尽くす支持者を撮影して、どれだけ多くの支持者が集まっているかを伝えるんだ、と要求するのだ。しかし、演説を取り逃すわけにはいかないメディアはカメラを動かさない。

そこで前大統領は「待ってました」といわんばかりにこう発言する。

「メディアはどれだけ人が集まっているか見せたくないんだ。とんでもないフェイクニュースだ」

支持者は大いに盛り上がる。

「なるほど、トランプの言うとおりなんだ。メディアは本当のことを伝えないんだな」

というわけだ。

そして、数千人規模の人々が一斉にテレビカメラの方に向いて顔を真っ赤にして「出て行け」と叫ぶ。カメラの脇に立っていた私は何度もその迫力に気圧されんばかりの感覚を覚えた。こうした手法を積み重ねて大統領はメディアへの不信感を植え付けてきたというのだ。

トランプ支持者が好む、「メディアが伝えない本当の現実」の構図が出来上がり、人々はそこに吸い寄せられていく。

「あなたたちは何もわかっていない」

シェフィールドさんの言葉に私は思わず面を食らった。

「事実かどうかは関係ないんだ」

自分の信じたい現実を否定する事実がどれだけ出てきても、支持者たちが立場を変えない理由を尋ねた時のことだった。

大統領選挙での大規模不正は何度も明確に否定されていた。不正を監視する政府機関も最高裁判所も、トランプ氏への忠誠心が厚いと言われた司法長官も大規模な不正を否定していたからだ。

彼の説明はこうだ。

メディアの人間は人々が報道で事実を知り、それを元に何が正しいのか判断すると思い込んでいるが、現実はその逆だという。分断されたアメリカではまず人々の立場があらかじめあり、その立場を守るための主張や言説を信じるというのだ。

「彼らにとって事実かどうかは関係ない。それよりも保守派の人々にとってはアメリカを変えようとするリベラル派を止めることの方が重要だからだ」

事実かどうかは関係ない?

報道とはファクトを伝えることが最も重要とたたき込まれてきた私にとっては、目からうろこの発言だった。その真意についてシェフィールドさんは次のような見立てを披露してくれた。

社会の価値観が急速に変化する中で、トランプ支持者の中には自分たちが慣れ親しんできたアメリカが急速に変わっていくことに焦りや不安を覚える人が少なくない。 白人主体の人種構成は移民によって大きく変わり、ジェンダーや家族のあり方も変化し、技術革新はフルスピードで社会を変容させている。

「アメリカを再び偉大に」

トランプ氏のスローガンが変化にとまどう人々の琴線に触れるのはそのためだ。

「みなさんが慣れ親しんだあの素晴らしい時代を取り戻そう」

というのだ。

変化が早い都市部にはバイデン支持者が多く、保守的な地方にトランプ支持者が多いことは偶然ではない。価値観が激しくぶつかる中で、トランプ氏の敗北を認めることは、自分の価値観、ひいては自分自身の否定につながってしまうというのだ。

事実が何なのかが関係ないのであれば、報道に身を置く私はどうしたらいいのか。途方に暮れながら彼の自宅をあとにした。

ファクトチェックは「検閲だ」

事実が意味をなさないという言葉のショックが覚めやらないまま、私はそれを裏付けるような場面に出くわすことになる。

いつものようにトランプ支持者が集まる会合に顔を出していたときのことだ。その日は、SNSが話題にのぼっていた。SNS各社が「選挙で大規模な不正が行われた」という真偽不明の投稿の表示を制限していることについてだった。

選挙の信頼性を損なうデマの拡散は危険なことだ。 真偽不明の情報の表示を制限することの何が問題なのか?

私がそう質問すると、即座に答えが返ってきた。

「彼らのファクトチェックは偏っているからだ。トランプ支持者の主張だけをブロックしようとしている。私たちは検閲には屈しない」

発信力の強い政治家の発言が事実でなくても拡散してしまったり、逆に発言の一部だけが都合よく切り取られてしまったりすることはあってはならない。そうしたことを確認する「ファクトチェック」はここ数年、メディアの世界で広く受け入れられている。ニューヨーク・タイムズなどは、大統領選挙後、選挙の信頼性を揺るがすデマのファクトチェックを懇切丁寧に行っている。

しかし結果としてトランプ氏に否定的となれば、支持者にとって目の敵である。メディアへの不信は根深い。実施する主体そのものへの不信があればファクトチェックの結果が「偏った検閲」とみなされてしまう。

これではファクトチェックは機能しない。自分の考えに近い情報だけに囲まれ、それを否定する情報に触れない状況は「フィルターバブル」と呼ばれる。彼らは偽情報のバブルに包まれているわけではない。驚くほど、主要メディアが報じる事実に基づく情報に精通している人も少なくない。にもかかわらず、それを信じていないのだ。

ファクトチェックによって偽の情報の拡散を防げると考えるのはあまりにナイーブな考えだと思い知らされる。彼らにとっては「選挙の不正」の投稿を表示させなくする設定の変更は、大手IT企業が、「真実を握りつぶそうとする」行為にほかならない。

もう1つの世界からの景色が少しずつ見え始めてきた私にとって、もはや驚きではなくなっていた。

「合わせ鏡の世界」

車社会のアメリカでは今もラジオは強力なメディアだ。トランプ支持者に絶大な影響力を持つ保守派の人気パーソナリティーも少なくない。

私はその日、現地の保守派のラジオ番組を取材していた。ホストとゲストの間で繰り広げられたのは、自分たちが見ている「現実」こそが、正しいとの主張だった。

ゲストはこう語った。

「(バイデン大統領の勝利を信じる)人々が偽の情報を信じるのは、それが自分たちが信じたい世界に都合よく当てはまるからだ。私たちは、まるでそれぞれが信じる現実に生きる『不思議の国のアリス』の世界に迷い込んだようだ」

偽の情報であっても、自分たちが信じたい世界に都合よく当てはまる情報だけを信じる、それは…

“それはあなたたちのことではないですか?”

思わずのど元まででかかった言葉を私は飲み込んだ。

「『不思議の国のアリス』の世界」というなんとも絶妙な表現を頭の中で何度も反すうした。

言うまでもなく選挙結果を受け入れないことは民主主義そのものの否定である。しかしトランプ支持者から見れば、不正があるのに見過ごすようなことこそ民主主義を損なうと映っているのだ。

1つしかない選挙結果をめぐって2つの世界が存在するアメリカ。

バイデン大統領就任の直前の世論調査で、バイデン氏を「正当な勝者」とみなす人は共和党支持者の19%にとどまっている。

彼らから見える世界と私から見える世界は、まるで合わせ鏡のようだった。

「合わせ鏡の世界」

それはファンタジーではなく、ついに現実世界に吹き出すことになる…

民主主義の象徴に、暴徒が乱入した

その光景を目にした時、私は最初、何が起きているのかわからなかった。

アメリカの民主主義の象徴とも言える連邦議会。そこに暴徒化したトランプ支持者が乱入したのだ。

議事堂前の広場を数千人の人々が身動きできないほど埋め尽くしている。大統領就任式の準備で立ち入りは禁止されているはずだ。数で圧倒され、なすすべもなく見守っていた警察を見て、当初は当局が立ち入りを許可したと勘違いしたほどだ。

いつも厳重な警備を敷くアメリカの警察は一体どこへ行ったんだ。

平時なら人をかき分けてでも前に進むが、マスクをしないトランプ支持者の海に突っ込んでいく勇気がなかなかわかない。アメリカのコロナの被害は世界最悪なのだ。

手元のスマホは一部の暴徒が議会に乱入し、女性が銃で撃たれたというニュースを断片的に伝えている。 しかし広場を埋め尽くす人々のせいか、携帯の電波はほとんどつながらず、SNSでの情報収集もままならない。

中の議場では大統領選挙の結果を確定させるために大勢の議員がいる。大規模な侵入が起きているなら、重装備の警察が発砲していてもおかしくない。でもそうした音は聞こえない。記者として恥ずかしいことだが、過激な支持者数人が侵入した程度なのかな、くらいしか頭が回らない。

おそるおそる前に進むが人が多すぎて議会に乱入しようとする最前列の人々の姿すら見えない。よもや、後に明らかになる、冒涜行為が議会内で行われているとは知るよしもない。

カメラマンと一緒だった私はテレビカメラ用の大型の三脚を持っている。2人してメディアの人間だとアピールしているようなものだ。「フェイクニュースは出て行け」との怒鳴り声がどこかから聞こえる。

トランプ支持者のメディア不信を考えれば、興奮した群衆に囲まれるのが安全でないのは、かつて3年間駐在した中東での取材経験でも身に染みている。長居は無用だ。

撮影できるものからするしかない。気持ちを切り替えて取材を続けていると、携帯が鳴る。

「90分後に現場から中継してくれ」

途切れ途切れの電話で聞こえたのは、東京からのリクエストだった。最近の中継は携帯のデータ通信を使って行う。そのためには電波が十分届くところまで移動しなければならない。後ろ髪を引かれる思いでいったん引き下がる。

「選挙を盗むのはやめろ」というトランプ支持者の大合唱だけが、いつまでも耳に響いていた。

「あなたをjudgeしない」

トランプ支持者のメディア不信に触れるたびに、私は記者として反省を迫られる気持ちにもなる。不信感の理由には正当な批判も多くあるからだ。

彼らの不満はエスタブリッシュメント(既成勢力)と呼ばれる政治や金融、メディアなど社会に強い影響力を及ぼす組織や人々に向けられている。

都市部に住み、自分たちとは異なる価値観を持ち、時には上から目線のようにも見え、自分たちの声に耳を傾けようとしないエリートたちに対するフラストレーションだ。

地方で暮らす人が多いトランプ支持者にとって、自分たちを理解しようとしないエリートやメディアを一刀両断するかのようにふるまってきたトランプ氏は頼もしく映る。既成勢力を破壊せんばかりの言動に留飲を下げてきた人も少なくない。

“We are finally heard.”(ようやく声が届いた)

トランプ支持者と話していてよく耳にするフレーズだ。誰も耳を傾けなかった自分たちの声をようやく代弁してくれる大統領が出てきたというのだ。

「メディアは人々の声に十分耳を傾けてこなかった」

その批判が的を射たような出来事が、2016年に起きたブレグジットとトランプ大統領を誕生させた選挙だ。世界に衝撃を与えたどちらのケースも、主要メディアは予見できなかった。原動力となった地方で暮らす人々の心情を都市に住む記者たちが理解できていなかったことが原因の1つとされている。

翻って自分はどうか。

市民の声に、真摯に耳を傾けてきたのだろうか。

物事を理解しているというおごりはなかったか。

トランプ支持者のメディア不信は、私自身への批判として心に突き刺さる。

私は今もトランプ支持者の取材を続けている。彼らの声を理解しようとせず、「事実から目を背ける人たち」と片付けてしまうことこそがメディア不信を招いていると思うからだ。

一連の取材で事態の深刻さを目の当たりにした私が、少しだけ希望を感じていることがある。今も週に何度となく、私とトランプ支持者との間でやりとりができていることだ。

彼らから私のスマホに届くのは、バイデン政権がすすめる政策への反発や今になっても選挙の不正を訴えるメッセージだ。私からはバイデン政権が矢継ぎ早に打ち出す政策についてどう思うかを尋ねる。 こうしたやりとりのほとんどすべては、お互いに同意することはない。

それでも当初あった、立場の違う人間に対して、話し始める前から相手を否定し、相手の主張は聞き流し、次にどう反論するかだけを考える、今の分断されたアメリカの姿はそこにはない。

私の仕事は取材先を説得することではなく、立場の異なる人々の意見に耳を傾けることだ。自分の意見を求められても、「あなたの主張はわかるが、私はこう考えている」と控えめに答えるだけにとどめている。

英語には「あなたをjudgeしない」と言うフレーズがある。相手の立場や考えを否定せず、ありのまま受け止める、という意味で使われる。2つの世界を行き来する際に、私はこの言葉を大切にしている。

大統領選挙の大規模不正という、事実とは異なる言説を振りまいたトランプ大統領は退任した。だが、合わせ鏡の危うい状況は当面改善されそうもない。

それでも、そこから抜け出す第一歩は対話だ。

今も続く私たちの会話。

「2つの世界」が少しだけ交わり始めている。

辻 浩平 国際部 ワシントン支局

鳥取局、エルサレム支局、盛岡局(震災担当)、政治部などを経てワシントン支局。オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所では客員研究員としてメディアのあり方などを研究。取材で忘れられない瞬間は、パレスチナ難民に、「私たちの力になりたいと思って取材しているのか、飯のタネとして取材しているのか、どちらなのか」と問われたとき。占領下で土地や家族を奪われた男性の射貫くような視線に、「どちらもだ」という言葉は軽すぎて、何も言えなかった。取材で大切にしているのは「想像力の射程を伸ばす」こと。相手の立場に身を沈めるくらいでないとなかなか理解できない。アメリカでの趣味は田舎町のダイナーめぐり。

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特集:日本人が知らないアメリカの変貌

2024年12月13日 10時42分39秒 | その気になる言葉
Magazine&Books 雑誌・別冊・書籍
『ニューズウィーク日本版』雑誌と書籍
2022.11.15号(11/ 8発売)
 
2022年11月15日号(11/ 8発売)

Cover Story

ここ数年の政治・社会・経済の劇的な変化を、現地からの最新報告であぶり出す

 
 
2022年11月15日号(11/ 8発売)

Cover Story

ここ数年の政治・社会・経済の劇的な変化を、現地からの最新報告であぶり出す

米政治 中間選挙が示したアメリカの衰退度最新事情 アメリカの「変貌」を見よ01 バイデンが「コロナ禍終結」宣言をしたが/02 もうテレビは見られていない!?/
03 既に13州が中絶を完全に禁止/04 広がる大麻合法化の意外で切実な現実/
05 今回の選挙で重要な2つの「場外戦」/06 寿命が短くなった白人の未来/07 移民がトランプ支持──なぜ?/08 移民歓迎のバイデン政権は今/09 アジア系がヘイト犯罪の標的に/10 危険なニューヨークに逆戻りした理由/11 15%がチップの相場?今は違います/12「EVと言えばテスラ」の一強時代は終焉へ/13 インフレ加速、卵はなんと600円/14 学生ローン地獄に「救いの手」が/15 MLBでガッツポーズが許されるようになった視点 「赤い州」テキサスに異変あり
 
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移民国家アメリカのなかで、新たに強力な自己主張をはじめた多民族が政治経済外交政策を大きく変える。多民族文化革命のはじまり

著者

馬場 恭子

 

ハドソン河畔物語
 

現代アメリカ選挙の変貌

アウトリーチ・政党・デモクラシー
渡辺将人 著

書籍のカバー画像

 
書籍画像のサムネール書籍画像のサムネール
 

 

アメリカ政治は選挙で動く。コンサルタント主導のメディア戦略では手の届かなかった多様な人々をいかにして摑んでいくか。オンライン技術とともに新たな潮流が展開する選挙民対策の現場から、デモクラシーの進展と分裂の可能性をともに孕んだアメリカ選挙の現在を浮彫りにする。

 

目 次

序 章

第1章 アメリカの政党と選挙
     —— アウトリーチ戦略の文脈

    1 なぜアウトリーチ戦略が重要なのか
    2 先行研究の批判的検討
    3 アメリカ政党政治の中に位置づけるために
    4 本書の課題

第2章 人種・移民・宗教をめ

ぐる集票
     —— アウトリーチの開花とその軌跡

    はじめに
    1 アクター・活動・対象
    2 起源と開花
    小 結

第3章 「地上戦」の復興と新技術の融合
     ——「オバマ選挙」以後のアウトリーチ戦略の展開

    はじめに
    1 2008年選挙 —— 人種アウトリーチと地上戦への回帰
    2 2010年選挙 —— 保守派の草の根運動とヒスパニック票
    3 2012年選挙 ——「ビッグデータ選挙」とアウトリーチ
    小 結

第4章 予備選挙・党大会・政権運営
     ——「コミュニケーション空間」の誕生

    はじめに
    1 アウトリーチ戦略の効果 —— 新しい「コミュニケーション空間」の創出
    2 アウトリーチ戦略の限界 —— その範囲と効果の多様性
    小 結

終 章 デモクラシーの変容とその未来

 あとがき
 註
 参考文献・インタビュー調査一覧
 図表一覧
 索 引

 

受 賞

 

書 評

 

関連書


新年はチャンスだ

2024年12月13日 09時34分36秒 | その気になる言葉

▼すべてを前向きに、楽しくとらえて生きた方が幸せだ。

そのたしんねんくましい一念が宿命転換を急速に実現していく。

▼話合う事は人生のどの行為よりも楽しい―モンテーニュ

ミシェル・エケム・ド・モンテーニュは、16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者。モラリスト、懐疑論者、人文主義者。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた主著『エセー』は、フランスのみならず、ヨーロッパの各国宗教に影響を与えた。

▼新年はチャンスだ。あの山のように君らももう一度天地に立てー高村光太郎

どんなに自分自身に失望しても、新年にはまた新しくスタートすることができる。

自己変革できるというという実感がある。

▼宗教にとって最も本質である「生活力」「躍動力」が期待される。

宗教とは人間と人間の結びつきを深めるものだ―宗教社会学者カール・ドブラーレ・オックスフォード大学名誉教授

▼人間の理性的な営為も、その底流にある意識が善意か悪意かにより、物事は生かされもするし、害sれもする。

▼科学が発展するにつれ、宗教の必要性が高まる。

「宗教」と「社会・平和」は密接かつ不可分の関係である。

▼宗教とは、人間と人間の結びつきを深めるものでなければならない。

▼平和の実現のために他の力とも手を取り合えることだ。

努力して、より大きな平和勢力とならなければ平和はなかなか達成されないものだ。

▼頭は現実主義で。心には理想主義の炎を。

 


【裁判】「母から『苦しいから楽にして』と」61歳の被告 “老老介護”のすえ92歳の母親殺害か

2024年12月13日 09時06分55秒 | その気になる言葉

【KEIRINグランプリ2024】攻め続ける覚悟と揺るがぬ信念で頂点へ!

2024年12月13日 08時59分55秒 | 未来予測研究会の掲示板

 眞杉匠が大舞台でも己のスタイル貫く/出場選手紹介

2024/12/11(水) 18:00  0  25

今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。netkeirinでは並びが発表される記者会見までの9日間、出場選手たちの特徴やグランプリまでの道のりを日替わりでお届けしていく。今回はどんな舞台でも攻めの姿勢を貫く眞杉匠を紹介する。(構成:netkeirin編集部)

 

眞杉匠(撮影:北山宏一)

 

初動の遅れ取り戻しGII連続V

 昨年はGI2勝を挙げ、念願のS級S班入りを果たした眞杉匠KEIRINグランプリ2023では初出場ながら単騎戦で3着という結果を残した。

 迎えた2024年、練習中に負傷した眞杉は始動が遅れ、初戦は2月の岐阜競輪GI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」で準決勝敗退。初優勝は、4月の西武園競輪ゴールド・ウイング賞(GIII)」。西武園といえば、眞杉にとって昨年GI初制覇(オールスター競輪)した思い出の地だったが、今年前半戦は、この優勝のみで苦しい戦いを強いられた。

 夏場から、眞杉の快進撃が始まる。7月の松戸競輪サマーナイトフェスティバル」と地元開催となった9月の宇都宮競輪共同通信社杯競輪」でGII連続Vを達成。

 サマーナイトフェスティバル決勝では、脇本雄太-古性優作の3番手から強引捲り。共同通信社杯では長距離先行も辞さずの積極スタイルで勝ち上がり、決勝では一転して冷静に8番手まで下げ、俊敏な捲り追い込みでゴール前で古性を差し切った。

 ともに、シリーズを通してS級S班にふさわしい走りで、先行も含めたオールラウンダーとしての実力を見せつけた。

 

サマーナイトフェスティバル共同通信社杯で優勝、GIIをダブルで制覇した(撮影:北山宏一)

 

 

 

 

「もっと面白いレースを」ヒール役いとわず貫くポリシー

 眞杉の魅力は何といっても、強い闘争本能から溢れる攻めのスタイル。今年の青森競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」で見せた走りも、その一端を物語っている。

 決勝では、北日本勢4車結束が形成される中、眞杉は「ヒール役」になることをも恐れなかった。後方から上昇した眞杉は北日本の番手・新山響平に外競り。新山も抵抗するものの、何度もアタックしてラインの分断を図る。このとき、眞杉には違反点数が112点あった。だが眞杉は「単調なレースにはしたくない」「もっと面白いレースを」という信念を貫いた(結果は8着)。守りに入らずリスクを恐れない姿勢は、眞杉の競輪に対するポリシーとも言えるのだろう。

S班最年少が実力者相手に果敢に攻める!

 25歳と現在のS班の中で最年少ながら、眞杉は自身のスタイルに揺るがぬ信念を持ち、すでに風格を感じさせる存在となっている。

 来季のS級S班の実力者が集うKEIRINグランプリ。「一走入魂」を体現する彼がどんな熱いレースを見せてくれるのか。期待は高まる。

 

一走入魂!攻めの姿勢で流れを呼び込み不利な状況は粉砕する(撮影:北山宏一)

 

応援メッセージ


創作 愛されたい願望 8

2024年12月13日 03時07分28秒 | 創作欄

松井徹は、愛されたい願望を抱いたのであるが、それが実現することなく、大学を卒業した。

大学の卒業を記念する謝恩会は、東京・赤坂のホテルで行われた。

徹が4年の間、密かに恋していた人が和服姿で幹事として受付を務めていた。

微笑み学友たちを迎える美形の彼女の姿 一段と輝いて見えた。

長い黒髪をアップにしていたので、別人にも映じた。

徹は既に彼女には婚約した彼氏が居たことも知らずに、最初で最後のラブレターを彼女の自宅に郵送していた。

「あなたのお手紙、読んだわ。もったいないような、とても複雑な気持ちなったの」彼女は小声で言う。

その後、彼女が5月に赤坂の同じホテルで結婚式を挙げたことを親友であった佐々木孝蔵から聞くこととなる。

ところで、謝恩会では「君には才能がある。短歌を続けなさい」と講師の相沢浩紀先生に言われる。

ラブレターには、彼女の思いを短歌に詠じていたのだが、徹は短歌を卒業し、ジャーナリストを目指す覚悟になっていた。

「あなたと、一度、話てみたかったのよ。今日でお別れなのね」声をかけてきたのが、彼女の親友の中野幸恵であった。

謝恩会は別れの場であった。

愛されたい願望―中野幸恵が徹を密に恋していたとは実に心外であった。

幸恵は、故郷の能登の中学校に赴任と言っていた

灯台下暗しとは言ったものだ。

 

謝恩会とは、卒業式と合わせて行われるイベントで、お世話になった先生に感謝を伝える場として開催されます。

ゼミ単位の小規模なものから学年単位の大規模なものまでありますが卒業生が主体となり、先生を招待してもてなすのは同じ。


【KEIRINグランプリ2024】

2024年12月13日 02時52分08秒 | 未来予測研究会の掲示板

競輪選手は第二章、デビュー3年半で最高峰の舞台に立つ“元Jリーガー”北井佑季/出場選手紹介

2024/12/12(木) 18:00  0  15

今年の顔であり、2025年S級S班所属となる9名の選手たちによる一発勝負。競輪界の一大決戦「KEIRINグランプリ2024」が30日、静岡競輪で開催となる。netkeirinでは並びが発表される記者会見までの9日間、出場選手たちの特徴やグランプリまでの道のりを日替わりでお届けしていく。

今回は“元Jリーガーのオールドルーキー”としてデビュー後、わずか3年半でグランプリの舞台に立つ北井佑季を紹介する。(構成:netkeirin編集部)

 

北井佑季(撮影:北山宏一)

 

3年前のオールドルーキーは堂々のタイトルホルダーに

 元Jリーガーの経歴を持ち、全くの自転車未経験から競輪選手を志した北井佑季。119期として2021年5月、31歳でデビューを果たした。“オールドルーキー”として注目を集める中、2年でS級1班まで昇格。「いつタイトルを獲ってもおかしくない選手」と評価されるまでにスピード出世していくが、本人は「上に行くスピードが遅い、時間がかかり過ぎている」と厳しい自己評価を下していた。

 そんな折、当サイトの連載コラム「加藤慎平のオニチェック!気になるあの選手のココを見よ!」で北井が取り上げられた。加藤慎平氏はプロ選手としてのサッカー経験が競輪にも活きていると綴っている。一瞬の判断で身体を動かしていく神経伝達能力や適応能力、メンタル面のタフさなどをストロングポイントに挙げており、レース中の「リカバリー能力が高い」と解説した。

 また、北井といえば名伯楽・高木隆弘を師匠に持つ。弟子入りした瞬間から厳しい指導を受けながら誰よりも練習に打ち込んだとのこと。高木にインタビューした際に北井のことを尋ねると「自転車未経験で家族もいる状態での弟子入り、厳しくしないわけがない。自分のことより真剣に考えましたよ」と語り、「(取材時2024年4月時点で)近いうちに北井はGIを獲ると思います」と断言していた。高木の予告通り、高松宮記念杯を堂々制覇。デビューから3年で見事GIタイトルを獲得した。

 

優勝会見では笑顔を見せ師匠への感謝を語った(撮影:北山宏一)

 

先行力を磨き上げGI級にスケールアップ

 昨年までの北井佑季はGIIIでは存在感を示すものの、GII以上のレースでは決勝へ駒を進められず、苦戦していた。ところが、岐阜競輪で開催された今年最初のGI・全日本選抜競輪では力を遺憾なく発揮し、無傷の3連勝。自身初となるGI決勝へ勝ち進んだ。先行力はスケールアップしており、シリーズで最も注目を集めた選手の一人と言っても過言ではない活躍ぶりを見せた。決勝は南関ラインの先頭を務め、郡司浩平松谷秀幸と連係。

初手は後方からになったが青板で位置を上げ、赤板で先頭へ。打鐘過ぎに後方から新山響平が主導権を奪いに来るが新山の番手浅井康太が離れており、最終ホームでは新山の番手にハマり、バック線付近で渾身の捲りに打って出た。3角から4角にかけて新山を越えていくも直線で郡司浩平が抜き出し優勝。北井自身は3着となり悲願達成とはならなかったが、S班陥落後50日でS班返り咲きという郡司復活劇に大貢献の一走であった。

 そして6月、岸和田GI・高松宮記念杯。決勝は全日本選抜とは並びが変わって郡司が前を務めた。スタートから飛び出して南関勢が前受け、郡司は徹底先行で主導権を譲らない走り。郡司の気持ちに応えるように番手捲りを敢行し、念願の初タイトルへ駆け抜けた。インタビューでは「獲れると信じて臨んだので、獲れて良かった」「自分の力だけでは獲れなかった」と喜びを表すとともに周囲への感謝を述べた。

 高松宮記念杯を制することでグランプリへの優先出場権を獲得したが、F1では5度の優勝を誇り、充実の1年を過ごしている。ただし、後半戦は全体的に低調であり、本来の実力発揮とは言い難い成績を並べているのが心配な点。最高の仕上がりを期待したい。

2周逃げても余力あり、こだわりの徹底先行

 

長い距離を“普通に”もがく(撮影:北山宏一)

 

 北井の特徴的なレーススタイルは師匠・高木隆弘の厳しいメニューを血肉にした徹底先行。ひとたび先行態勢に入れば、どんな横やりにも屈さずに、そのまま先頭を譲らずにゴール線を切っていく。今年も圧巻の逃げ切り勝ちを多数おさめているが、中でも賞賛の声が高まったレースが3月の松山記念初日特選。北井佑季-深谷知広-和田健太郎の南関ライン、古性優作-脇本雄太の最強近畿タッグ、嘉永泰斗-荒井崇博の九州、新山響平-佐藤慎太郎の北日本の超豪華番組である。

 レースは北井の好きにはさせまいとまずは打鐘めがけて嘉永泰斗がアタック、これを突っ張り切るや否や、最終ホームから1センターにかけて新山響平が襲い掛かる。北井はこの新山も出させず先頭位置を堅守。1周のうちに嘉永を凌ぎ、新山を凌ぎ、さらには間髪入れずに最終バックで捲ってくるのは古性-脇本という地獄絵図。しかし北井は出させずゴールへ猛進! 最終的には深谷が交わし、北井は2着となったが、極上の徹底先行で衝撃を与えた。

 なお、師匠の高木は「北井本人はそこまで苦しいと思ってやってないと思いますよ。練習で日常的に踏んでいる距離ですから」と語っている。サッカー選手から競輪選手へ転身し、「一流になる」の決意ひとつで上昇し続けた北井佑季。初出場となる大一番で躍動する姿を目に焼き付けたい!

応援メッセージ

 最後に、現在netkeirinで募集中の投票企画「競輪ファンが選ぶ KEIRINグランプリ2024優勝選手」で北井佑季に寄せられたコメントを紹介する。

「北井なら逃げ切りができる、後方からの捲りは郡司がブロック」

「好きな選手なので勝って欲しい!」

「北井に期待、夢を!」

「同じ神奈川県民なので応援しています!」

「日々練習に打ち込んだ姿勢、努力は裏切らない!プレッシャーに負けずに北井らしいレースを応援してます!」

「メンバー的に展開が向くので北井の初出場初優勝だと思う」


ガザ地区の死亡者数と飢餓の実態

2024年12月13日 02時23分06秒 | その気になる言葉
【2024年10月 最新解説】イチからわかる イスラエルとパレスチナ 対立のわけ
 

体内に石

2024年12月13日 01時54分06秒 | 医科・歯科・介護
エナジートロンの治療効果で石はどうなるのか?
 
友人が二人、体内にできた石で苦しんでいた。
 
体内にできる石には、尿路結石や胆石、唾石などがあります。
 
石の種類
原因
症状
尿路結石
尿に含まれるカルシウム、マグネシウム、尿酸などの成分が過飽和状態になって結晶化したもの
激痛を引き起こすこともある
胆石
胆汁成分であるコレステロール・ビリルビンカルシウムでできており、脂質異常症や食生活習慣、急激なダイエットなどが関連する因子であると言われている
心窩部を中心とした疝痛発作(激しい痛み)が典型的で、右肩や背中の痛みを伴う場合もあります
唾石
唾液腺の中にできる石で、唾液の分泌が悪い方は特に注意が必要
唾液が流れる管を塞いでしまい唾液がうまく出てこなくなってしまいます
結石の予防や改善には、食生活と運動が基本となります。
 
  • 尿路結石の場合、シュウ酸を増やす肉類などの動物性タンパク質の量を少し控え、野菜類を多くした和食中心のメニューを取り入れるとよいでしょう。また、カルシウムを多くとることも大切です。
     
  • 胆石の場合、脂肪の多い食事を摂った後や、食べ過ぎた後の夜半に発作が起きやすいという特徴があります。
     
  • 唾石の場合、あごの下にある唾液腺を押すと、唾液の分泌が促され唾石ができにくくなります。