配信 スポニチ
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斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、昨年の知事選期間中に文書作成者の私的情報を「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏に提供するなどした日本維新の会の県議3人が23日、神戸市内で記者会見した。
3人は文書問題調査特別委員会(百条委)の元副委員長岸口実氏、元委員増山誠氏、県議の白井孝明氏。
情報提供や漏えいとともに、真偽不明の情報を渡したと事実上認め謝罪した。増山氏はこの日、離党届を提出した。
3人のうち増山氏は知事選への影響を考慮し非公開だった百条委尋問の音声データを立花氏に漏えい。
片山安孝前副知事が昨年7月に亡くなった告発者の元県民局長の真偽不明の私的情報を話し出し、委員長が制止するくだりが含まれていた。
情報提供について「かなり信ぴょう性がある」とし、「立花氏がデマを言ったとは思っていない」と主張。
一方で立花氏の発信がデマではないとの根拠を問われると「否定できる材料はない」とトーンダウン。
報道陣がオフレコでの証拠提示を求めても故人のプライバシーを盾にはぐらかした。
報道陣からは、なぜメディアや自党ではなく他党の政治家に情報を渡したのかと質問。
これには「立花さんはメディアとして認識」と持論を展開。
「マスコミに提供しても発表されない危惧があり、発信力あるイメージは立花さんしかいなかった」とした。
その上で提供した情報が「“斎藤知事のパワハラで元局長が亡くなった”との情報を否定する、公益に資する情報として伝えた」と語った。
岸口氏は、今年1月に亡くなった竹内英明元県議らが文書問題の「黒幕」だとする文書を立花氏に提供した場に同席。
こちらも内容は「噂レベル」と述べるずさんさを露呈。
立花氏は文書を根拠にSNSなどで発信し、竹内氏らが中傷される一因となった。
白井氏も立花氏と電話で情報提供したと認めた。
離党を表明した増山氏だが、議員辞職については「有権者の声を聞いて判断したい」とコメント。
立花氏から次期参院選挙にNHK党から立候補を打診されているとも明かして「受けるとも受けないとも、まだ回答していない」とした。
真偽の定かでない情報を拡散力ある人間に提供し、一人の人間が死に至ったとすれば、離党や議員辞職で終わる話ではない。
≪調査委員会設置へ 維新・岩谷幹事長≫
日本維新の会幹事長・岩谷良平衆院議員らもこの日、会見して「重大なコンプライアンス違反。大変重く受け止めている。第三者を交えた調査委員会を設置する」と語った。
会見した増山氏、岸口氏については調査報告書の概要を公開。
岩谷幹事長は、また「党本部にガバナンス委員会を設置して(情報漏えいなどの)再発防止に努める」とした。
さらに白井氏についてはこの日、調査報告書が出されなかったが、党幹部による同氏へのヒアリングで食い違いがあり、再調査する構え。
3県議の処分については、兵庫維新の会代表の金子道仁衆院議員が「兵庫維新の会で早急に決定する」とした。
≪維新元公認候補 報道席から擁護≫
昨年10月の衆院選に日本維新の会の公認候補として群馬5区から出馬、落選した中島由美子氏もこの会見に報道陣の一人として参加した。
指名されてマイクを握った中島氏は「フリーの中島と申します」と自己紹介し「3人の立派な政治家が……」などと持ち上げるように話し、会見を開いた兵庫維新の会の3県議を擁護。
その模様を自身のYouTubeチャンネルで生配信した。
【維新議員巡る経過】
▽2024年6月13日 兵庫県議会が斎藤元彦知事の疑惑告発文書問題を調査する百条委員会を設置。維新の会の岸口実氏と増山誠氏が委員に決定
▽10月31日 斎藤氏の失職に伴う知事選が告示。増山氏が政治団体「NHKから国民を守る党」党首立花孝志氏に非公開で行われた百条委証人尋問の音声データを漏えい
▽11月1日 告発文書作成者の私的情報に関する文書が立花氏に渡される。その後、岸口氏は「その場に同席していた」と説明
▽17日 斎藤氏が再選
▽25年1月18日 岸口氏がいた場で渡された文書で「黒幕」と名指しされた竹内英明元県議が死亡
▽2月20日 岸口氏と増山氏が百条委委員を辞任
▽23日 両氏と、立花氏が情報源の一人とした白井孝明県議が記者会見。漏えいなどを認め謝罪
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