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世界のどこかで有事、異常気象、天変地異が起きれば最初に飢えるのは日本、そして東京、大阪が壊滅する。気骨の農業学者と経済学者が命を懸けてこの国の危機を訴える。
アメリカの日本支配に加担する財務省、そしてその矛盾は「知ってはいけない農政の闇」となって私たちの生活を直撃し、この国を崩壊させる悪夢のシナリオが私たちの知らないところで進んでいる。
(目次より抜粋)
第一章 世界経済はあと数年で崩壊する/世界のどこかで核戦争が起きれば日本人は飢え死に/「一億総農民」になれば飢えない/農地を買えなくしてしまった農水省/ビル・ゲイツの「デジタル農業」で東京がスラム化/資本主義は人間の命を大事にしない/「虫が食わないキャベツ」は逆に危険/一番インフレに強いのは米/富裕層は庶民の一万倍も環境を汚染している/地球環境はあと五年で壊れる/「五公五民」の時代がやってきた
第二章 絶対に知ってはいけない「農政の闇」
財務省という「カルト教団」の怖さ/農業政策はお友達企業に牛耳られている/「エブリシング・バブル」は崩壊する/
「バカ高い不動産」は買うべきではない/「キラキラした都会人」が真っ先に飢え死にする/もともと増税反対の岸田首相が寝返った理由/米食中心に戻せば食料自給率が劇的に改善
第三章 アメリカの「日本搾取」に加担する財務省
「米を食うとバカになる」と洗脳された/少子化対策は高所得世帯を助けているだけ/貧困と格差をなくすための「ガンディーの原理」/中国はツケを世界に回そうとしている/都合のいい日本人/アメリカは有事に援助してくれない/漁業の衰退が尖閣問題を招いた/遺伝子組み換え作物を一番食べているのは日本人/二酸化炭素以上に危険な「窒素・リン濃度」
第四章 最後に生き残るためにすべきこと 鈴木宣弘
インドの輸出規制が与えたインパクト/最初に飢えるのは東京と大阪/酪農家を追い込む「七重苦」/「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す理由/「鶏卵不足」に「米不足」が追い打ち/農業を潰し国民を飢えさせる「ザイム真理教」/台湾有事になれば日本人の九割が餓死する/本当は恐ろしい「コオロギ食」/地方で続々と誕生する「生産」と「消費」の新たなシステム
著者について
経済アナリスト。獨協大学経済学部教授。1957年、東京都生まれ。1980年、東京大学経済学部卒。日本専売公社(現在のJT)に入社し「管理調整本部主計課」に配属。近著に『ザイム真理教 それは8000万人の巨大カルト』(三五館シンシャ)がある。
できることから行動しようと思わせる本
あちこちで聞き齧ったことをまとめて読めたので総じてとても役に立った(都知事の太陽光パネルの箇所は違和感があったが)。
最近の世界情勢はいつどこで紛争や戦争が起きるかわからないし、食糧輸出国が輸出規制を始めたというのに、日本の食糧は輸入すれば良いという政策は、本気で国民生活のことを考えていないということだろう。財務省は農業予算を徹底的に削りたがり、政治家や官僚は日米の輸出入企業やアメリカ農業の利益になることばかり重視していている。農業予算が2兆円しかないというのは驚いた。
おまけに輸入される農産物は遺伝子組み換えだったり、除草剤や防カビ剤が使われているが、アメリカは国内向けのものにはそうしたものを使わないというから、日本人の健康被害が起きようがどうでもいいということだ。それを知って私は早速、国産小麦を使ったパンや国産大豆の納豆や醤油を買い始めた。元々加入していた生協の商品情報を見たらちゃんと国産物があった。多少高くなるが、自分や家族の健康と日本の農業を守るために国産物を買い続けようと思う。また食糧危機に備えるためにも少しずつ家庭菜園も始めたい。
それにしても日本の政治家や官僚はいつからこんなに「今だけ、自分だけ良ければいい」になってしまったのだろう。昔も汚職や癒着はあったが、もう少し日本や国民のことを考えていたと思う。今や国民は生かさず殺さずを地でいっていると思う。
もっと少なく読む
農政に関して警告してくる鈴木教授と先立たれた森永卓郎さんの共著。危機感を超えて恐怖感に襲われる現実。財務省と戦う意味を見いだしました。
思想を感じさせる対談
1957年生まれの森永卓郎と1958年生まれの鈴木宣弘との対談。
マルクスの名前が出ているが1991年に米ソ冷戦が終結し共産主義思想が共感されなくなって以降に20歳を、やや超えたくらいの年齢の世代や、それ以降の世代は実質的な無神論の、構造主義のルイ・アルチュセールを読んでから、実質的には共産主義が神の座に位置しているマルクス思想に触れるという幾らか上の世代とは違った順序でマルクス思想に触れているのだから世代間の感覚の違いがあるのが伝わってくる。
そして森永卓郎は対談中に昔からの反米、反小泉純一郎の立場を崩していない。しかし太陽光パネル推進の小池百合子は肯定的に捉えているという部分に引っ掛かりを感じた。
そして日本の農業従事者の大部分は自民党支持者のはずだから、この新書は誰向けなのかということが気になったりした。しかし誰が読んでも面白い内容の対談である。
トマ・ピケティの名前も登場してくる。東大生の中に自分も1%の側に入ればいいというような人もいるらしい。しかし上層の1%の中には日本国内外の宗教団体の関係者が多く含まれている。恥も外聞も捨て去って宗教家になりたがる東大生など稀にしかいないだろうから、事実として上層部に到達できる人は少ないはず。米国や地中海世界の大学は宗教と関連があるところが多いだろうから、宗教と富が不可分という社会的な前提があるはず。
つまり1483年生まれのマルティン・ルターは当時のカトリック教会を批判していたが、基本的な構図は今日も同様なのである。宗教活動の部分に課税されない宗教団体が莫大な資産残高を蓄えているのである。ザイム真理教という言葉からそんな連想が浮かんだ。
森永卓郎はTV等のメディアでの発言について日本のいわゆる国の借金を気にしているかのような立場の発言しか認めてもらえないというような発言をしている。「放送法に違反しているんですよね」(65ページ)とまで発言している。
新聞が消費税率8%であるにも関わらず主要メディアでいわゆる国の借金を気にするかのような物語しか正当な言い分と認めないという立場は、裸の王様の物語に近いのである。
日本国民に対してのお勧め本
財務省と農林水産省の間違った政策で
日本の食糧自給率を疎かにした為に,酪農から減反政策に依って,転作農業への机上の政策で第1次産業の崩壊が起きてる現状で有事や災害になれば三大都市圏周辺に住んで要る人達は真っ先に飢え死に成るだろう,食糧品を世界的に輸入してれば,戦後の日本の田舎への買出しと言う現実の繰り返しを昭和世代は思い出すが良い❗️食糧自給率を100%にしないと直ぐ,危機が迫って要る事が世界的状況になる事をお花畑の日本人は判っていない。是非,オススメの本だ⁉️
農業の憲法は廃止された。
グローバルなアグリビジネスにこのままでは日本は巻き込まれる。
瀕死の農業を救う気など無い政府。
みんなで米を食べよう。農業を強くしよう。
最近槍玉に上げられている財務省の批判と農業のススメ
マイクロ農業は自分のビジョンとも一致する。巨大企業とニッチだけが生き残る世界になると思っている自分には違和感がなかった。都市部に住む中間層と自称エリートが徐々に脱落していく。
問題はあとどれだけ時間が残されているか、だろう。
このままではいけない。強い危機感を持って訴えている書
4章で構成されている。1~3章は、食糧問題の専門家の鈴木宣弘氏(東大大学院教授)と経済アナリストの森永卓郎氏との忌憚のないかなり幅広いが、本質をズバッという対談であり、「世界、特に日本はあらゆる点で限界に来ているという認識」で一致、対談であるため、うっかりすると読み飛ばしてしまいかねない突っ込んだ言説が続く。改めて問題意識、認識を持たなければならない内容になっている。
第4っ章は鈴木氏が日本の食料・農業政策について肝となる喫急問題を提起する。そして、あとがきで森永氏が簡潔にこの本の主旨をズバリ書いている。
そして、この問題提起を共に考え、何らかの実践をしてみてくださいと言っているように感じた。このままでは日本国民は餓死しかねないという強い危機感が伝わってくる。
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