シュタンツェル元駐日ドイツ大使は、被爆した広島、長崎の惨状を知り、日本への強い関心を抱いた。
ドイツ語訳の「源氏物語」を読み、日本の政治から文化、歴史にまで関心を深めた。
京都大学留学後、ドイツ外務省に入省。
在日ドイツ大使館勤務などを経て、駐日ドイツ大使を務めた。
大使館時代、皇居で初めて昭和天皇に接し、深い感動を覚えた元大使は、天皇とは何かとの真摯な考察をした。
「天皇は、日本の歴史を体現する存在です。(略)現代の民主的な変化も同時に体現しています」
「天皇の存在は、日本人あるいは日本国家の自己保存や困難に遭ったときの自己回復のための、大きな支えになってきました」と発言している。
保守派の論客である渡部昇一さんは「日本のアイデンティティを支えているものがたくさんある中で、それらをさらに括る大きなアイデンティティになっているのが、天皇の存在である」と語っている。
(森)
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一般参賀5万2300人
天皇陛下の84歳の誕生日を祝う一般参賀が23日、皇居で行われた。
陛下は「晴れ渡った空の下、誕生日に当たり、皆さんの祝意に深く感謝いたします」と述べられた。
陛下の退位が2019年4月30日に決まって以降、皇居での一般参賀は初めてで、誕生日の 一般参賀は来年が最後となる。
宮内庁によると、記帳者も含めて5万2300人が訪れ、天皇誕生日の参賀者としては平成で最多となった。
陛下はあいさつで「寒さに向かう今日、台風や豪雨により被害を受けた地域の人々、また、東日本大震災など過去の災害により、いまだ不自由な生活を送っている人々のことを深く案じている」と各地の被災者を気遣われた。
退位の特例法が6月に成立して以降、初めてとなる一般参賀は午前中に3回実施。