みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

もう一週間も前の話しだけれども、

2006-11-23 23:52:50 | Weblog
あるライブを秋葉原まで見に行った。別に縁もゆかりもないバンド。知り合いが出ているわけでもなく、それほど有名なバンドでもなく、ただ単にプログレバンドにフルートの女の子がいるという情報だけに興味を持って行った。
80年代に打ち込み音楽が出てきて以来、ロックという音楽は、それまでの音楽シーンから、ある意味、音楽の主役の座から一気にひきずりおろされてしまった音楽でもある。90年代以降、音楽シーンの主役はヒップホップやR&B。要するに黒人音楽だ。それまでロカビリー、ロックンロール、ブルーズロック、ハードロック、ヘビメタル、パンク、オルタナ、プログレとロックが音楽の表舞台にいた時は、フルートという楽器がロックの中で使われていても何の違和感もなかったし、私が学生時代ツェッペリンなどのブルーズロックをやりつつバンドの中でキーボードとフルートを一緒にやっているのは当たり前のことだった。そして、だんだんグラムやプログレといったロックの進化形の中でジェスロ・タルやフォーカスといったバンドでフルートが活躍していたのも当たり前のように見てきた私としては、今やヒップホップ全盛の世の中でプログレ?しかも、フルート?ということ自体に驚き、「一体どんな人が演奏しているんだろう?一体どんな演奏をするんだろう?」という興味でこのライブに行ったわけだ。でも、正直、すごく面白かった。私は、タイバンの一つか二つを見て帰ろうかなんて軽く考えていたけれど、結局4バンド、合計4時間もつきあうハメになってしまった(ロックを4時間というのは、やはり最近ちょっと経験してなかったのでちょっと疲れた!)。
3番目のQUIというバンドにいた吉田一生というフルーティスト。まさしく私が昔やっていた感じをそっくりそのままやっている。しかも、かなりのテクと音楽センスの持ち主。ちょっと舌を巻いた。「今どき、こんなフルーティストもいるんダ!」という驚きだ。でも、同時に、「これって、すごいしカッコいいことやってるんだけど、今の時代じゃあ、かなりマイナーでかなりアンダーグラウンドだよナ」と、頭の中でめきめきとプロデューサー根性が沸き上がってきたけれども、とりあえず「追っかけよう」ということにしてライブハウスを後にした。もう一つのフルートが入ったバンド「内核の波(ないかくのわ)」は、きっともうすぐメジャーになるだろうナというようなバンド。プログレというよりは、パンクだろうと思う。テクもあって革新的なことはしているんだけれども、私の尺度からするとプログレという感じはしなかった。バンドの中の紅一点の女性フルーティストも、きっとアイドル的な人気の期待できる子だし、これはこれで面白いと思うけど、私は、どちらかというと、この超絶技巧/超アングラ・フルーティストの吉田くんの方が気になって仕方がない。彼は、一体世の中にメジャーとして登場すべきなのかどうなのか?彼自身は一体なにを望んでいるのだろう?かなり気になるし、不思議な存在のフルーティストだなと思う。

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1 コメント

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恐れ入ります (Qui)
2007-01-22 14:21:53
はじめまして。
Quiのギタリストの林です。
コメントありがとうございます。
吉田氏とはQui以外でも多く活動を共にしております。
歌モノの仕事であったり、ブラジル音楽であったり、フリージャズなどの即興音楽も。
是非とも今後もお付き合いください。

Quiのライブは、
2月15日に大塚ウェルカム・バックであります。
お時間ありましたら、お声をおかけください。
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