キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

グラナダ版ホームズ『第二の汚点』

2012年10月20日 | ☆グラナダ版ホームズ
字幕版と吹き替え版と両方見てみました。
ここでの邦題は「第二の血痕」ですね。
ホームズものには多い、盗まれた文書事件。

今回は首相からの直々の依頼です。
首相が来るっていうんで、ベーカー街の部屋をばたばたと掃除してるワトスンとハドスン夫人の傍らで、まったく動こうとしないホームズがあまりにも「らしく」て微笑ましいです。そもそも部屋を散らかしてるのはホームズのはずなのに!

「第二の汚点」という話は、ドイルが(あっと、ワトスン先生が)以前発表した事件譚の中で「××年には●●事件とか△△事件とか第二の汚点の事件があったがとてもまだ公表できない・・・」などと何度か言及していて、のちに読者から「第二の汚点」事件を発表しろーー!と突き上げを食らって、仕方なしに書いた話らしいのですが・・・。
面白い!
推理の過程などは、二番煎じ三番煎じでそんなに目新しくないですが、面白いお話です!

多分、他の作品の中でタイトルだけを語ったとき、作者の頭にこのプロットは無かったんじゃないかなと思うのですが、いや、あったのかな?「第二の汚点」というタイトルだけで、ココまで話を膨らませる力量がすごいと思うのです。


この話の魅力は、首相、欧州相が依頼に来るという大掛かりさ。
ひとたび間違えれば戦争が起こるという派手さ。
高貴な夫人がベーカー街を訪れる華やかさ。
殺人事件。
そして「第二の汚点」の意味。
文書の隠し場所。
コメディリリーフとして絶大な安定感のレストレード。
そしてホームズの紳士ぶり。
「我々にも外交上の秘密がありまして」というしゃれた台詞。
などなど、ホームズものの楽しさがふんだんにちりばめられてるところですね。

それとコネタ的には、ガッツポーズをするホームズや、
手がかりが無くていらいらした挙句、火のついたマッチをあろうことか新聞に向かって投げ捨てる(そして小火になる!!)ホームズなど、面白いシーンもありましたね。


ヒルダ夫人の衣装が素敵でした。
ビクトリア時代の風俗を集めた図版集で見たとおりのドレス。

坂田靖子の漫画にビクトリア時代を描いた「バジル氏の優雅な生活」シリーズがあり、愛読してるのですが、彼女の漫画も同じ図版を参考にしてるだろうというドレスがたくさん出てきます。

でも外出するときも裾を引きずるドレスというのは、どうなんでしょ?
(暗くて見づらいですが、上の写真参照)
雨も多く、馬糞まみれだった(!)といわれるロンドンの町で、あれで歩いてきて、そのまま室内とか、
ありえん!
ありえん!!
と、穢れを嫌う日本人の私は思うのですが。
あれは貴族だから?
馬車のドアtoドアで道を歩くことが無いというのがデフォルト設定なのかな?

そんな細かなことが気になってしょうがないです。


最近もジーンズの裾をかかとより下に下ろして、道路に引きずりながら歩いてる若者とか、どこにでもばんばんかばんを置く人とか、気になってしょうがないです。あのまま、靴を脱いであがる室内に入ってるんでしょうか?
入ってますよね。
やだー!

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