今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。
「自分の失敗に同情してくれるのは本当の友ではなく、自分の成功を喜んでくれてこそ真の友だという西諺がある。失敗を聞いてかけつける友の目にはかすかに喜びの色がある。その悲運を見舞うと称してのこのこやって来るのは、この目で確かめたいからである。こういう友に限って、オレだのキサマだのとなれなれしい言葉を使う。肩をたたきあえば友になれるなら、友はいくらでもできる。」
(山本夏彦著「おじゃま虫」所収)
「利のないひととはつき合わないでいたのに、晩年になると同じ学校にいたから友だって言いだすんですよ。死に目が近くなると旧交を温めたがる。それが同窓会です。」
「筒井筒の友が死ぬのは、そのひとの記憶にある幼いころの自分が死んだのです。それを惜しんで嘆いているのを、私たちはそのひとの死を嘆いていると好んで取りちがえるんです。」
(山本夏彦著「意地悪は死なず」所収)
「自分の失敗に同情してくれるのは本当の友ではなく、自分の成功を喜んでくれてこそ真の友だという西諺がある。失敗を聞いてかけつける友の目にはかすかに喜びの色がある。その悲運を見舞うと称してのこのこやって来るのは、この目で確かめたいからである。こういう友に限って、オレだのキサマだのとなれなれしい言葉を使う。肩をたたきあえば友になれるなら、友はいくらでもできる。」
(山本夏彦著「おじゃま虫」所収)
「利のないひととはつき合わないでいたのに、晩年になると同じ学校にいたから友だって言いだすんですよ。死に目が近くなると旧交を温めたがる。それが同窓会です。」
「筒井筒の友が死ぬのは、そのひとの記憶にある幼いころの自分が死んだのです。それを惜しんで嘆いているのを、私たちはそのひとの死を嘆いていると好んで取りちがえるんです。」
(山本夏彦著「意地悪は死なず」所収)