”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

農耕と水 和食の背景

2015-04-19 22:11:35 | 食・レシピ

この土日は、「だしソムリエ1級」の講座を受講するために

東京へ行ってきました。

  

 

講座の中で、創作和食料理 近藤の近藤先生がしてくださった

「どうして日本に和食文化が根付いたのか?」というお話が

大変興味深かったので、紹介させていただきます。

 

   

●農耕民族と和食のつながり

農耕が始まる前、狩りをして動物を捕まえたり、

木の実を集めるなどして暮らしていたのは、

日本人もヨーロッパ人も同じです。

  

しかし、広大な大地が広がるヨーロッパと違って、

狭い島国で狩りをし、食べ物を求めて歩く生活は大変なものでした。

そこで、農耕というものが始まりました。

定住して、お米や野菜を栽培すれば、

もうお腹を空かせて歩き回らなくて済みます。

 

これが、お米と野菜を中心とした食文化が生まれた

ひとつめの理由です。

  

  

●日本の水と和食の関係

日本の水とヨーロッパの水を比べてみましょう。

ヨーロッパは平野部が広いので、そこを流れる川には

様々なミネラルが含まれることになります。

だから、ヨーロッパの水は硬水なのです。

  

硬水で肉を煮炊きすると、うまみ成分が流出しにくく、

生臭みを消すことができます。

  

一方、平野部が狭い日本の水は軟水。

軟水では、肉のうまみが流れ出てしまい、

同時にアクや臭いも出やすくなります。

  

この肉料理に不向きな日本の水質が、

日本の食生活を長い間、お米と野菜中心のものにしてきました。

  

 

   

農耕が生まれたこと

そして肉料理に向かない水質が、

和食文化が発展する背景となっているのです。

  

ヨーロッパで狩猟が発達したことも

肉料理が多く食べられるようになった理由も

すべて納得がいきました。

とても興味深いお話でした。

 

近藤先生、ありがとうございました。

 


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