最近、このようなスナック菓子を見つけました。
スーパー大麦が入っているそうです。
そう言えば、スーパー大麦入りと書かれたグラノーラも見たことがあります。
大麦の健康効果に注目が集まるようになったのは3年ほど前でしょうか?
NHKの朝の番組で大麦が取り上げられ、興味を示している人が多かったので、
私、大麦講座を開講させていただいたことがあります。
その当時の大麦というのは、うるち種を指していました。
その中でも、一番なじみがあったのは、昔から売られている押し麦でした。
お米に「うるち米」と「もち米」があるように、
大麦にも「うるち種」と「もち種」があります。
長い間、私たちが「麦」と言ってご飯に混ぜてきた「押し麦」は、
大麦の中の「うるち種」だったのです。
さて、次に話題になったのが大麦でも「もち種」の「もち麦」です。
私、もち麦も講座をやらせていただきました。
食物繊維の量がずば抜けており、
特に水溶性食物繊維の一種 β-グルカンの量がダントツということで
腸内環境を整える働きがある…など注目を集めています。
ただ、栽培が難しいということで栽培農家も減少していたのです。
こうなると、かわいそうなのはそれまでヒロインだった押し麦です。
だれも、押し麦に見向きもしなくなりました。
スーパーのもち麦の棚は空っぽ。
隣の棚には、たくさんの押し麦が売れ残っていました。
そして、もち麦ブームの中、取り上げられたのがスーパー大麦。
(1枚目の写真のスナック菓子に使われているものです。)
スーパー大麦は、正式名称は「バーリーマックス」と言い、
オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した非遺伝子組み換え大麦です。
オーストラリアではがんや生活習慣病の患者が増え、社会問題化していました。
そこで、病気の予防と改善のために手軽に続けられる解決法のひとつとして
大麦に注目が集まりました。
そして、「ヒマラヤ種」という大麦を改良して生まれたのがこのスーパー大麦なのです。
何がスーパーなのか?
まず、100g当たりの食物繊維の総量(不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の量の合計)を
比べてみましょう。
●押し麦・・・9.6g(不溶性3.6g 水溶性6.0g)
●もち麦・・・12.9g(不溶性3.9g 水溶性9.0g)
●スーパー大麦・・・21.6g
押し麦やもち麦に比べて、食物繊維の総量が多いだけでなく、
レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)、β-グルカンやフルクタン、アラビノキシランなど
様々な水溶性食物繊維を含んでいるため、腸内での発酵速度の違いによって、
段階的に腸の入り口から腸内細菌が多く棲む「腸の奥」まで届きます。
そのため腸内フローラが活性化し、健康や美容に効果があると言われています。
こんな声をたくさん聞いてきました。
「押し麦じゃなくて、もち麦よね。」
「もち麦じゃなくて、スーパー大麦よね。」
「押し麦でも、もち麦でもなく、やっぱり大麦よ!」
もう、健康情報が取り上げられるたびに、新しいものに飛びつくから、
大麦の定義さえ不明確になっている人さえいます。(@_@。
押し麦も、もち麦も、スーパー大麦もすべて大麦の仲間ですよ。
いくら食物繊維の量や種類が優れていても、
気まぐれな食べ方をしていたら、健康効果は得られません。
腸を健康にしたいと思うなら、身近な手に入りやすい食物繊維豊富な食材を
食べることを習慣づけることが一番大事だと思います。
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