乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

23; 映画『流れる』東宝 1956年 成瀬巳喜男監督 田中絹代 山田五十鈴 高峰秀子 杉村春子

2010-02-08 | 映画


          
  

  



     映画『流れる』



 ★★★★★ ★★★☆☆


 東宝 1956年 118分 モノクロ

 監督 成瀬巳喜男

 原作 幸田文

 脚本(脚色) 田中澄江・井手俊郎

 キャスト
田中絹代 山田五十鈴 高峰秀子 杉村春子





 映画『流れる』をひとりしんみりと見る。

 一時は隆盛に華やぎを見せた老舗の置屋。

 そこには個々のドラマがあり、映画『流れる』の置屋においても時代のうつりかわりには無力。

 時代の波とともに流され、ひっそり朽ちてゆく。

 いち早く時代の変化と自分の生き様を悟る娘。

 芸者という生き方でしか自分をあらわせない母や老芸者。

 朽ちゆく置屋のさまをチャンスとばかり利用する女達。

 そんな世の流れ屋人のさまを女中は客観的にとらえしっかりと見つめる。



 静かなる時代と心情的流れ。

 感動した。



 今回は記録のみにて失礼致します。


 

日本映画専門チャンネルより  ▼

幸田文の同名小説を映画化。経営の傾きはじめた芸者置屋を舞台に、女将・つた奴(山田)、不向きだからと芸者をやめてしまったつた奴の娘・勝代(高峰)、出戻りの妹(中北千枝子)の身内や、年増の染香(杉村)と現代娘のなな子(岡田茉莉子)といった芸者達の姿を、新たにこの置屋で働くことになった梨花(田中)の視点から描いた群像劇。錚々たる女優陣の持ち味を引き出した成瀬監督の演出が冴える。



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23; 『お江戸でござる』 杉浦日向子監修 新潮文庫 平成18年 

2010-02-08 | 読書全般(古典など以外の一般書)




 2010年度 23



        『お江戸でござる』 杉浦日向子監修

 

 新潮文庫

 杉浦日向子監修

 平成18年7月1日  第1版

 平成18年11月20日 第5版

 P.175 476円(+税)



 昨日から楽しんでいた『お江戸でござる』を只今読了。

『お江戸でござる』はNHK人気番組に基づくらしい。

 この番組には監修にあたられている杉浦日向子さんも出演されていたという。



 杉浦日向子さん1958-2005は東京生れの長屋育ち。

 江戸を肌で感じてお育ちになった。そのエピソードも解説 石川英輔さんが考証家の系譜として記されている。

 杉浦日向子さんは漫画家でもあり、稲垣史生の弟子であり江戸の研究科として讃えておられる。

 解説を読むまでもなく本書を進めて行くと杉浦日向子さんの素晴らしさと向学心と肌で感じた言葉が次々と感じられる。

 わたしは本書『お江戸でござる』は好きだ。

 江戸庶民の生活が上滑りするのではなく親切に興味深く記されている。

 江戸の話とあって歌舞伎芝居の引用も多い。

 忘れた頃に差し込まれた数少ない浮世絵の写しなどはご愛嬌だ。

 読んでいる間中、夢中になれる。


 今にも通じる江戸の
      「グルメ」
      「かかあ天下」
      「リサイクル社会」
 興味深い
      「瓦版」
      「浮世絵」
      「花魁」
      「戯作者」
      「相撲」
      「花見」
      「蕎麦」
      「豆腐」
      「富くじ」
 他、
      「言葉の謂れ」
      「江戸の民俗学的見解」

など、わたしにとっては楽しくて仕方がない本だった。



 杉浦日向子さんはもうお亡くなりになっているが、引き続き楽しんでみたい。
 作品は
   エッセー
      『江戸へようこそ』
      『大江戸観光』
      『隠居の日向ぼっこ』
      『お江戸風流さんぽ道』
   小説
      『ごくらくちんみ』
      『4時のオヤツ』
など。
 
 読んだことはないが
      『東のエデン』
の題名は知っている。

 有名漫画家だったらしい。

 
 
 
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「蛾」と「蝶」の違い →から昔を懐かしむ。 写真はスサ博物館(イラン)近くで『蝶』

2010-02-08 | 民俗考・伝承・講演


 (写真は イランの Susa (Shush)Museum  (スサ博物館)近くで見た『蝶』)










       「蛾」と「蝶」の違いから昔を懐かしむ。





 イランのスサ博物館の近くでかわいいものを見た。

 ぅん?多分、蛾。

 いやいや、触覚がギザギザしてないし、やはり蝶だ。

 キゴマダラではないようだが、キゴマダラに似てなくもない。

 このまま、蝶ということにしておこうか・・・。



 しかし、羽を広げているし、胴体も太い。

 ただ、イランの煌々と光り輝く12月の太陽の下で、花の蜜を吸う餓があっていいものだろうか。

 いや、蝶は夜は飛ぶことが出来ないが、蛾は昼夜飛べるものもある。

 胴体が、眉の形に見えなくもない。

 中国では「蛾眉」と言えば美人を示す言葉になったという。

 だが、実は「蛾眉」は蛾の触角に似た眉のこと。

 写真は胴は眉に似ているが、触覚は「一本線引き眉」である。(爆)



 一体蛾と蝶後が否何かをYahooで調べてみることにした。

 するとわかりやすく説明されているページが多くあることに驚く。

 その一部を転載させていただいた。


 美しい蝶や蛾は、現在世界中に20万種いるといわれ、そのうちの9割は、なんと蛾だそうです。この目(もく)の分類名である鱗翅目は、「鱗毛でおおわれた翅を持つ昆虫」という意味で、ほとんどの成虫の翅は顕微鏡で見ると「小さい屋根板のような鱗粉」で覆われています。大きさも、他の昆虫類よりも変化に富んでいます。
 よく、「蝶と蛾はどうやって区別するの?」と聞かれることがありますが、

①蛾は、幼虫のとき繭をつむぐが、蝶はつむがない。
②蛾は、止まったとき、翅を外側に広げたままだが、蝶は背中の上でたたむ。
③蛾は、微妙な色と太った体をもっていて暗い夜に羽ばたくだけだが、蝶は日中飛び回る。
④蛾は臭覚が発達しているため相手を見分けるのは主に匂いによって行うが、蝶は視覚が発達し、仲間を主に目で見分ける。
⑤また、両者とも変温動物であるため、飛ぶためには一定の温度に保つ必要がある。そのため蛾は夜活動する為体温を保つ必要があり、厚い鱗粉を発達させており、蝶は昼間太陽の下で活動する為色彩は明るく鱗粉が薄くなっている。

などで蝶と蛾を区別をすればいいといわれていますが、私がかって蝶と間違えたイカリモンガ(福井県ではどこでも見ることができる普通種です)のように日中、花を訪れ蜜を吸い、止まった時は背中で翅をたたむなど蝶そっくりのものもいます。

 鱗翅目を分類学的に分けると、小蛾類と大蛾類の2つになります。私達がいう蝶も蛾も、この大蛾類の中に入っています。そして、原始的と考えられているものから順に並べると、蛾の一部、蝶、そして残りの蛾というようになります。つまり、蝶というのは、蛾の中に含まれる仲間で、蛾の上に位置する高等な仲間ではありません。蝶は蛾の一部分であるといっても過言ではないし、蝶の大部分は蛾であるといっても良いのかもしれませんね。
 昼間花を訪れる蛾はいますが、夜活動する蝶はいません。すなわち、蝶は昼間しか飛べない蛾なのです。

 しかし、蝶の撮影をしていて何時も感心するのは蝶の美しさです。月の光や星空の下で活動する「蛾」にはこういう美しさはありません。というのも、夜活動する蛾の捕食者はコウモリなどで、彼らは視覚ではなく超音波によるハンティングを行います。しかし、蛾もたいしたもので、コウモリから発せられる音波を逆探知して、コウモリが攻撃する瞬間、ひらりと身をかわしうまく逃げおおせるようです。
 雌の蛾はフェロモンという物質で雄を誘引します。つまり、視覚は関係ないので蝶のように派手な色で身を飾る必要はないのです。

 

 上によると、蛾でも羽をたたむものがいるらしい。

 わたしの認識は見事に間違っていたことになる。




 ところで皆さんは「蛾」というものをまじまじと眺められたことがあるだろうか。

 わたしは幼稚園に入る前から小学校低学年位まで子ども図鑑だったかの蝶と蛾の巻が好きだった。

 その頃から重厚な色合いといいったものが好きで、「蛾」の色調と文様に心が奪われていた。

 一般的には嫌われる「蛾」のなんと美しいことよ。

 今考えても上質の絨毯か手織りの布のようにさえ感じる。



 ところが「蛾」がいくら美しいとはいえ、机上の空想。

 実際に飛んでいるとやはり怖いのである。

 特に毒々しい色合いの毛虫は敬遠するわたし。

 毛虫のかぎ針が目に入ってからというものはなおさら。

 子どもの頃に図鑑で見た「蛾」は美しかったが、毛虫はいただけないと身構えるわたしなのだ。


 



 最後までお読み下さいまして、ありがとうございます。

 間違いやお気付きの点などがございましたら、教えて下さいますようお願い致します。


コメント (4)
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