『聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝 展』【1】
まずはわたしの中の葛藤を記録することにした。
『聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝 展』を観てからずいぶんと日が経つ。
見るのに相当の時間を要した『聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝 展』は興味深いものが多く、再度みたいという欲求にかられる。
それほどまでにチベット文化やチベット仏像はわたしにとって未知の世界であり心惹かれるものであった。
展示数は満足がゆき、珍しいものも多い。
わたしにとってはあまりにも新鮮ものが多かったので、丹念にメモをとりながらみた。
上野千鶴子女史記述で有名なチベット仏像のエロチシズムを感じるものも多々あるった。
これがそうなんだと、心ははやる。
会場の説明にはさらりとだけ記されていた。(笑み)
ところでわたしはこの展覧会の記録を書けずにいた。
というのは大きな問題が水面下で広がっているから。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所などチベット側の何処かしこが真実のチベットを伝えてないという。
抗議の声は高まる。
その声の輪はだんだんと広がっている状態らしいが、わたしにはわからない。
知識の無いわたしは家族や娘に意見などを問うのみで、実際のところは無知である。
はっきりとわたしがここにかけるのは、先ほども書いたように、もう一度見に行きたいような衝動に駆られる未知の異文化を感じられたということ。
それが偽りの姿なのか否かは受け身のわたしには疑問を感じようはずもない。
単純に楽しかった。
好きな展示物、気になる展示物も多々あった。
わたしは『聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝 展』を鑑賞して、満たされた気持ちになったのは確かである。
一方で知ってしまうと、問題視されていることやいろいろな状態を考えてしまう。
どのようにこの展覧会を記録して良いものか、悩んでいるのが現状。
そこでまずはこういったわたしの中の葛藤を記録することにした。
次回、わたしはこの展覧会で感じたまま、感動したままの素直な記録を書く機会を持ちたいと考えています。
最後までお読み下さいまして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
『聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝 展』【2】に つづく
2010年2月5日みる 2月24日かく
「聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝~」展に関して 関西地区の皆様へのお願いより転載させていただいております。
「聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝~」展に関して
関西地区の皆様へのお願い
2010年1月18日 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
ご承知の通り、日本の大都市において、中国政府と日本企業の協賛によるチベット展「聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝~」が巡回しており、札幌・福岡・東京にて開催されました。これらの開催地において、多くのサポーターの皆様が展示会に抗議して、訪問者に対してチベットの実情を伝えるためにご尽力くださいました。皆様の心からのご支援に感謝いたします。
(次の開催は大阪において、1月23日~3月31日となります。)
チベットに関するいかなる展覧会も歓迎すべきなのですが、残念ながら今回の展覧会は、チベットとその歴史の真の姿を伝えてはいないということをお伝えせねばなりません。
世界中でよく知られているように、1949年に中国共産党軍がチベットに侵攻して以来、平和的で信仰心厚いチベット人たちは、はなはだしい苦しみや虐待にさらされています。その結果、約120万人のチベット人が亡くなり、6千以上の僧院が破壊され、そして略奪されました。
この展覧会の展示や文書は、日本国民を欺き、中国政府がチベット文化の善意の保護者であると信じさせるよう、意図的に作られています。実は、真実は逆なのです。チベットでは、今でもチベット人の信教と文化の自由は弾圧され続けています。一昨年のチベット動乱がその証拠です。チベットが今日も封鎖されているという事実が、何よりも声高に物語っています。
もし主催者の方々が、この展覧会がチベット人のために行われていると信じるなら、チベットの真の歴史的背景と、ダライ・ラマ法王の亡命の理由、そして世界的問題となっているチベット問題について正しく展示し、呼びかけることで、関心を持つ人々に誤解を与えないようにすべきです。それどころか、中国政府に、チベットの封鎖を解いて本物のチベットを世界に見せるよう促すべきです。
チベットの状況は深刻です。残念なことに、この自由の国で、あるエリートや知識人の方々が、正義のために立ち上がる代わりに、チベットの悲惨な状況に投資を行っているのが見受けられます。
次開催地である大阪においても、多くの日本のチベット支援グループや個人の方々が関心を寄せて、展覧会と主催者に対し様々な抗議を行う計画があると知りました。皆様の純粋な関心や支援には感謝いたしますが、平和的に活動し、一切の暴力を行わないようお願いいたします。重要なことは、企画者と来場者の方々に、チベットの実情は異なっていることを知っていただき、世界が中国のプロパガンダである展覧会にだまされないようにすることです。
この自由の国の皆様と報道関係者の皆様には、両者の意見を聞いていただき、真実と正義と人間性を支持していただくよう、お願いいたします。
ありがとうございました。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
代表:ラクパ・ツォコ