乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

27; 映画『おかあさん』 成瀬巳喜男監督 1952年全国児童綴方集原作 田中絹代 香川京子

2010-02-11 | 映画





      27; 映画『おかあさん』



 ★★★★★ ★★★★☆



 1952年 100分 モノクロ

 原作 全国児童綴方集

 監督 成瀬巳喜男

 脚本 水木洋子

 キャスト 田中絹代 香川京子 三島雅夫 加東大介 香川京子 岡田英次 沢村貞子 



 只今日本映画専門チャンネルでは成瀬巳喜男監督まるごと24時間を放映されている。

 わたしは明日の昼前まで各映画毎に連続録画を試みる。

 家事と読書の隙間の時間を見つけので先ほど映画『おかあさん』をみた。

 映画『おかあさん』は良かった。

 わたしにとっては満点に近い。

 時代はわたしよりもずいぶん古いし環境も全く違うが、どこか懐かしく感じるのはどうしてだろうかーーー。

 この懐かしさは田舎を知らない人間が田園風景をみて懐かしいと思う気持ちに通じる。

 田園風景が懐かしいのは、昔人間が努力して人間のてによりつくりあげたからだという事を何かの本で読んだ事がある。

 成瀬巳喜男監督の映画『おかあさん』は人間の血の流れの速度にそって女性の心情を描き上げられたからではないだろうか。



 最後に、娘からの言葉、
「おかあさん。おかあさん。おかあさん・・・。おかあさんは今 幸せですか。」
の声に合わせて田中絹代の微妙な表情が真正目及びローアングルからうつる。

 感動感動の素晴らしい映画作品であった。



日本映画専門チャンネルより▼

全国の小学生の作文から着想を得た水木洋子のオリジナルシナリオを映画化した家庭劇で、成瀬最高作との呼び声も高い名作。福原正子(田中)は、戦災で焼け出された家業のクリーニング店を夫(三島)と長女(香川)とともにふたたび軌道に乗せるが、そんな矢先に夫に先立たれ、長男も病気で亡くす。正子は女手ひとつで店を切り盛りするが、様々な障害に阻まれてしまう…。様々な不幸に遭いながらも健気に生きる母親とそれを見つめる娘を繊細に描き、54年にフランスでも高い評価を受けた。




(C)東宝 ~1935年 キネマ旬報ベスト・テン第1位。従来の家族体系にしばられず、賢明さを持ち近代的に生きる女性を主演の千葉早智子が魅力的に演じている。彼女のモダンな洋装にも注目。~
妻よ薔薇のやうに 1935  モノクロ
監督: (演出)成瀬巳喜男
原作: 中野實「二人妻」
脚本: (脚色)成瀬巳喜男
出演者: 千葉早智子/英百合子/伊藤智子/丸山定夫

(C)東宝 ~「妻よ薔薇のやうに」と同年1935年のキネマ旬報ベスト・テン第8位。古風で伝統を重んじる姉と、反抗的に現代に影響を受ける妹の対照が印象的な作品。~
再放送  噂の娘 1935  モノクロ
監督: (作・演出)成瀬巳喜男
出演者: 千葉早智子/梅園龍子/伊藤智子/汐見洋

(C)東宝 ~1947年 キネマ旬報ベスト・テン第8位。成瀬が担当した第二話「別れも愉し」は当初、阿部豊が監督する予定であったが、阿部が新東宝に移ったため、成瀬が担当することになった。~
四つの恋の物語 1947  モノクロ
監督: (演出)豊田四郎(第一話)/成瀬巳喜男(第二話)/山本嘉次郎(第三話)/衣笠貞之助(第四話)
脚本: 黒澤明(第一話)/小国英雄(第二話)/山崎謙太(第三話)/八住利夫(第四話)
出演者: 池部良(第一話)/木暮実千代(第二話)/榎本健一(第三話)/浜田百合子(第四話)

(C)東宝 ~1951年 キネマ旬報ベスト・テン第2位。原作「めし」は原作者・林芙美子が急逝したため未完。林芙美子と親交の深かった田中澄江と井手俊郎が脚色した名作。~
めし 1951  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 林芙美子
脚本: (脚色)井手俊郎/田中澄江
出演者: 上原謙/原節子/島崎雪子/杉村春子

(C)東宝 ~1952年 キネマ旬報ベスト・テン第7位。当時、流行した「母もの」とは一線を画す、普遍的な味わいを持つ上質な感動作。~ 
おかあさん 1952  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
脚本: 水木洋子
出演者: 田中絹代/香川京子/三島雅夫/加東大介

(C)角川映画 ~1952年 キネマ旬報ベスト・テン第2位。成瀬が得意とする当時の何気ない日常生活の描写が光る一作。~
稲妻 1952  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 林芙美子
脚本: 田中澄江
出演者: 高峰秀子/三浦光子/村田知英子/根上淳

(C)角川映画 ~1953年 キネマ旬報 ベスト・テン 第5位。紳士的な役どころが多い森雅之が、田舎者の乱暴な兄役を演じる。~
あにいもうと 1953  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 室生犀星
脚本: 水木洋子
出演者: 京マチ子/森雅之/久我美子/堀雄二

(C)東宝 ~1954年 キネマ旬報 ベスト・テン第6位。「乙女ごころ三姉妹」「舞姫」に続いて三度目の川端康成の原作小説に挑んだ。成瀬には珍しく、中流階級を舞台にした一作。~
山の音 1954  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 川端康成
脚本: 水木洋子
出演者: 原節子/山村聰/上原謙/杉葉子

(C)東宝 ~1954年 キネマ旬報 ベスト・テン第7位。東京下町の生活を描いた、成瀬らしい生活描写が印象的な作品。~
晩菊 1954  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 林芙美子
脚本: (脚色)田中澄江・井手俊郎
出演者: 杉村春子/沢村貞子/細川ちか子/望月優子

(C)東宝 ~1955年 キネマ旬報 ベスト・テン第1位。「人間を男と女の問題として」取り上げた成瀬美学の頂点に立つ傑作であり日本映画史においても重要な作品。「『めし』あたりからやってきたことのいわば集大成をここでやってみたかった」と成瀬自身も語り、見事大成功をおさめた。~
浮雲 1955  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 林芙美子
脚本: 水木洋子
出演者: 高峰秀子/森雅之/岡田茉莉子/中北千枝子

(C)東宝 ~1956年 キネマ旬報 ベスト・テン 第8位。当時のスター女優山田五十鈴・田中絹代・高峰秀子・杉村春子・岡田茉莉子に加えて、1938年を最後に引退した往年の大スター栗島すみ子が特別出演している。~
再放送  流れる 1956  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: 幸田文
脚本: (脚色)田中澄江・井手俊郎
出演者: 田中絹代/山田五十鈴/高峰秀子/杉村春子

(C)東宝 ~1966年 キネマ旬報 ベスト・テン 第10位。従来の成瀬作品とはかけ離れたジャンルであるサスペンスに取り組んだ異色作。その中でも彼が得意とする「夫婦もの」の延長として、夫婦の葛藤を見事に表現した。~
女の中にいる他人 1966  モノクロ
監督: 成瀬巳喜男
原作: エドワード・アタイヤ「細い線」
脚本: 井手俊郎
出演者: 小林桂樹/新珠三千代/三橋達也/草笛光子

(C)東宝 ~1967年 キネマ旬報 ベスト・テン第4位。心の中をかき乱され、過去に縛られてしまう恋人達を感情豊かに描いた作品。この作品が遺作となった成瀬だが、この作品の撮影の後「最後にもう一本だけ自分のやりたいものをやって死にたい。」と語り、87本の作品歴に決して満足しなかった。~
乱れ雲 1967  カラー
監督: 成瀬巳喜男
脚本: 山田信夫
出演者: 加山雄三/司葉子/草笛光子/森光子

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26; 映画『TATTOO〈刺青〉あり』 高橋伴明監督 西岡琢也脚本 宇崎竜童 関根恵子 渡辺美佐子

2010-02-11 | 映画





 
26; 映画『TATTOO〈刺青〉あり』


 ★★★★★ ★★☆☆☆


 日本 1982年 109分★

 監督 高橋伴明
 
 脚本 西岡琢也

 キャスト 宇崎竜童 関根恵子 渡辺美佐子 太田あや子 泉谷しげる 原田芳雄 大杉蓮




 夜中、映画『TATTOO〈刺青〉あり』を見る。

 宇崎竜童さんの映画は先月『曾根崎心中』を半分くらいまでみて断念。

『曾根崎心中』の話も宇崎竜童さんも音楽も梶芽衣子さんも好きなのに、最後まで見ることが出来なかった。(笑み)

 その点『TATTOO〈刺青〉あり』の方は渡辺美佐子さんみたさに、最後まで。

 関根恵子さんも美しく、見応えがあった。

 原田芳雄さん、大杉蓮さん、泉谷しげるさんも出ておられた。



 話は結構楽しめた。

 後に切なさと余韻も残る。

 宇崎竜童さんと関根恵子さんと渡辺美佐子さんのハーモニーは割合に良かった感じもする。

 今回の映画『TATTOO〈刺青〉あり』の役柄は宇崎竜童さんのイメージにもあっていたが、音楽を創作する彼の印象は正反対。

 ダウンタウンブギウギバンドはヒットさせるための彼の演出であり、本当は別のところにありそうだ。

 緻密で繊細。広がりがあり頭のいい人だと感じている。



 宇崎竜童さんは音楽は尊敬に値する部分があるが、演技においてはわたしにはどうもわからない。

 歌舞伎や小芝居で何度も何度も楽しんだ演目『曾根崎心中』を最後まで見ることができなかったというのは、わたしの器量が小さいせいなのかと思い悩んでしまったほどだ。

 




日本映画専門チャンネルより▼

大阪で実際に起きた銀行立て籠もり事件を、ピンク映画界で活躍してきた高橋伴明が監督し一般映画デビュー。破滅的にしか生きられない主人公を宇崎竜童が熱演し、高い評価を得た。少年院あがりの明夫(宇崎)は「30歳までに何かドでかいことをしてやる」と決意して、胸に刺青を入れ、キャバレーのボーイとなる。店の売れっ子ホステス・三千代(関根)を強引に口説くがやがて逃げられ、明夫は世間を見返すため銀行強盗を計画する。
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