2015/03/02
#043 権中納言敦忠「寝た朝に帰る男は浮かれすぎ『袴ーッ』と叫ぶロクロク首が()」
#044 中納言朝忠「ダンボール引き籠る子を訪ねるはネズミ・ヘビ等持った娘が()」
2015/03/02
「天皇が日向の女召されるに皇子がチラ見横恋慕する
(1:天皇は、日向の国の諸県の君の娘で、名は髪長比売が容姿がきれいだと聞いて側に置こうとしてお召しになった。
/2:太子の大雀命はその娘が難波津に停泊している時に見かけて美しい姿に一目ぼれをした。
/3:建内宿禰に頼み込んで言うには、『この日向の髪長比売を天皇にお願いして私に賜るように計らってくれよ』とおっしゃった。
/4:こうして建内宿禰大臣が天皇に頼んだところ、天皇は太子に比売を賜った。
/5:その様子は、酒宴のときに髪長比売に大御酒のための柏[木の葉の盃]を取らせて、太子に賜った。)」
「いざ子ども 野蒜摘みに、蒜摘みに わが行く道の 香ぐはし 花橘は、上枝ホツエは 鳥居枯らし、下枝シヅエは 人取り枯らし 三栗の 中つ枝の ほつもり 赤ら嬢子を、いざささば 好ヨらしな。(歌謡番号#44)」
「訳(さあ子ども 野蒜を摘みに 蒜摘みに わたしの行く道 いい匂い 花橘の 上枝は 鳥が枯らして 下枝は 人取り枯らし 三栗の 中ほどの枝 具合よく 赤ら乙女を 手に入れりゃいい)」
「水溜まる 依網の池の 堰杙打ちが 刺しける知らに ヌナハ繰り 延ハへけく知らに 我が心しぞ いやをこにして 今ぞ悔しき(歌謡番号#45)」
「訳(水溜まる 依網の池の 堰の杭打ちが 杭を刺せるも しらないで じゅん菜採りが 手を伸ばし ちょっかい出したも 知らないで 私の心は 本当に 愚かであるよ 今になり ふりかえるなら 悔しいかぎり)」
「このように歌って嬢子を賜った その後太子は 歌われました()」
「道の後 古波陀嬢子を 雷の如 聞えしかども 相枕まく(歌謡番号#46)」
「訳(遠い国の古波陀のおと芽を、雷鳴の轟くように評判高く聞こえて居ただ、ついに今や互いに手枕をかわして寝ることだ)」
「道の後 古波陀嬢子は 争はず 寝しくをしぞも 愛しみ思ふ(歌謡号#47)」
「訳(遠い国の古波陀の嬢子は拒みもしないで素直に私と寝たことを本当に愛しいと思う)」