2015/03/17
「転院をした叔母見舞いほっとするわりと元気に過ごしていたり()」
「すぐとなり母校の中学あるところ窓から子等が歩くも見える()」
「八日市離れてかれこれ四十年病院なれど懐かしいといふ()」
「冬の間は木は枯れたれど春になり如何な葉を付く楽しみなりと(青葉病院に入院している)」
2015/03/15
#051 藤原実方朝臣「薬入れ袋の中から煙でて伊吹のもぐさ燃えているらし()」
#052 藤原道信朝臣「お日さんが『ジャーン』と言いつつ昇れれば『どぎついですネ』と道信は言う()」
2015/03/15
「身に覚えなき行いを話されて親の身になりわれを謝る(Tさんのランドセルにドクロマークの落書きをした)」
「ほっかぶりした泥棒を共演と記憶になくも友は語れり(Nさんが楽しそうに話した)」
「記憶とは勝手気ままに働きて吾の記憶を彼補いし
(I君できぬ子が歴史の試験でトップを取った時の驚きを話したら、
当人はその時の点数とできる子からケチをつけられた話をした)」
「中学の時にもらいしブローチを大事に持てる女いじらしい(H君は来ていないのかと残念がっていた)」
「H君塾の先生に付き合いし女子の悩みを相談したり(月謝の使い込みを告白していた。上の彼女かは不明。)」
「車椅子乗って参加のN君は大車輪するヒーローなりし
(鉄棒から落ちて不幸にも下半身付随になった。一緒に鉄棒などをした。50年が経った)」
「話せれど会話続かず付き添いし人が割り入りホッとする吾(聞き取りにくかったのと話題が続かなかった)」
2015/03/17
「その昔伊勢より来る乾物屋財をなせれど没落をする()」
「常夜灯羽振りいいとき建てたらしT字路にあり道標する(圖司という苗字だった)」
2015/03/17
「
読売新聞平成二十七年三月十五日朝刊の書評に『皇后美智子さまの御歌』という本のことが紹介されており、わたしの言いたいことが書いてあるので紹介したい。
まず、わたしが言いたいことは、『美智子さまの歌はすごくお上手で、和泉式部に通じる調べや使われている言葉の繊細さに感動し、震えが来る』ということだ。これを書評家の前田英樹・立教大学教授は、以下のように書いているので、箇条書きにした。この本をそのうち手にいれようかと思っている。
---前田英樹氏の書評[抜]-------
・嫁いで以降の選りすぐりの秀歌を収めている
・鈴木理策氏の独特の色味を持った風景写真を豊富に配置
・天皇家の歴史や暮らしぶりに触れる楽しみを込めた作品解説も行き届いている。
・はじめて美智子様の和歌を読む人は、その調べが持つ本格の文学性に驚くだろう。
・その文学性は表立ったものでなく、顕れてやまない天凛からくるものである。
・その響きは、時につらいまでに細やかで、優しい。日本の遠大な和歌史に残る女流歌人である。
・読まれている主題は、母のこと、子のこと、夫である陛下の古都、宮中祭祀のこと、災害に苦しむ人々への一途な共感、四季の移ろいに聞き入るこころの動き、等だ。
・ここには理の入り込む余地が寸分もない完全な道徳と信仰とが表れている。
・古来、和歌の調べには、そうした働きがあるのだが、その働きがこれほど純粋に発揮される例は、稀だと言える。
・天皇の稲作、皇后の養蚕という、日本人の暮らしの根底に関わるいわば作業歌にとりわけそうした働きを感じてしまう(思えば不思議なことである)。
・以下の二首には、皇后の責務からのみ生まれる古代の音調が、はっきりと聞こえてこよう
-新嘗のみ祭果てて還ります 君のみ衣夜気冷えびえし
-音ややにかすかになりて 繭の中のしじまは深く闇にまさらむ
・ほぼ二頁ごとに挿入される鈴木氏の風景写真が、限りなく遠い記憶の時間を写しているように見え、遠白き神代の・・・・というものを感じさせる。
・まことに見事な一冊にまとまっている。
()」