首里城中秋の宴(1日目)が台風11号の影響により中止になりました~
一応、午前中で電話した段階では
「やる予定」とのことでしたが、
暴風域ではないにしろ、風や雨も降ってたので
こりゃ無理かな…と踏んでました。
たとえできたにしても、
去年みたいな月が照らすようなグッドコンディションじゃないだろう、
ということで、早くも今日の分はあきらめて、
明日の宴に行くことにしてました。
と、いうわけで、今日は読書ターイム!
「護佐丸伝」とりあえず、読みました。
この本は、大正・昭和初期にかけて活躍した
沖縄学の父、伊波 普猷が提唱した「英雄・阿麻和利論」と、
その論に追従した様々な見方・意見、
そしてその対比で論じられた護佐丸批判(風評)について
意見すべく書かれた本。
護佐丸のみならず、瞬天王統から第一尚氏滅亡までの
かなり詳しい説明や紹介も入っています。
また、かなり色々な資料が網羅されていて、
王府編纂の正史である
「中山世鑑」「中山世譜」「球陽」はもちろん、
護佐丸の子孫が編纂した
「毛氏家譜」「毛氏先祖由来記」「異本毛氏先祖由来記」などからの抜粋もあり
色々と読み比べることができて勉強になりました。
……知ってはいたけど、
改めて、阿麻和利は散々な言われようだなぁ…
「徳も義もない」
「口を開けば黒も白という」
「欲深い」
「君を殺して王座を奪おうともくろんでいた」
「いばりくさって」
「武芸に秀でていたが、諸按司をゴミのように見下し」
もう、こんなん読んだら、阿麻和利、
純朴なさわやか好青年に描いてる場合じゃないよね(笑)
↑こんなんやん
で、護佐丸批判と英雄阿麻和利論は一対である、ということで、
伊波 普猷の「阿麻和利考」をはじめ、
英雄阿麻和利論の諸説にことごとく疑問を呈していっています。
読んでみたら、ははぁ、なるほど、確かに…
と思えるものも多く、結構興味深かったです。
伊波 普猷の「阿麻和利考」、
結構感情的見解も多いですね(笑)
(引用部分だけを読んだ感想です。本来なら全部を読んで感想を述べるべきですが…)
こりゃ、護佐丸伝筆者に分がある感じ。
むむむ…。
阿麻和利は護佐丸や大城賢勇と違って資料がなさ過ぎるから、
さまざまな阿麻和利英雄説、
特に「護佐丸・阿麻和利の乱」の解釈については
「証拠を示せ」
「それはたんなる憶測にすぎない」
って斬られたらそれまでだー!(´Д`;)
英雄・護佐丸像については、
たくさんの文献があるので、それを武器にできますが、
英雄・阿麻和利像は「おもろ」にしか頼れない分、
分が悪いです(笑)
(勝連がいかに繁栄していたかは出土品から証明できますが、阿麻和利本人の人物像となるとね…)
しかも、「おもろさうし」の性格って神唱だし。
でも、筆者も阿麻和利批判がしたいわけではなく、
おもろさうしで讃えられているような阿麻和利も認め、
若くして(20~35歳)護佐丸と対等の力を持ったことに
やはりそうとうな人物であっただろうとしつつ、
でも正史が描いているような阿麻和利象も否定できないだろう
ということでした。
もしかしたら、晩年は変わってしまったかもしれいない、
みたいな。
護佐丸は15歳前後で山田按司になったらしいよ(!)という訳で10代半ばの護佐丸。
ワタシ的にちょっとたれ目で口がでかい(もちろん根拠なし)
まあ、その論証も読んでて納得もいったので文句はありませんが、
でも、護佐丸賛美はちょっと贔屓すぎる意見もあるんじゃなーい?(笑)
北山戦で、本部平原懐柔の作戦や交渉は
尚巴志でなく護佐丸の知略でなかったか、
とかサ。
それだって憶測じゃーん!(`ε´)
って時々ツッコミが入りましたよ。
あっ、別にワタシは護佐丸批判の立場じゃないですよ。
護佐丸も阿麻和利も偉大な人物だったと思います。
よって、どっちが悪いとか英雄とかじゃなくて、
両者引き分けーって感じ。
ちなみに、大好きな「肝高の阿麻和利」の舞台ですが、
この舞台の結末はフィクションですよー。
舞台では首里軍に抵抗せず、阿麻和利1人死に絶えて勝連を守りますが、
実際には勝連グスクで壮絶な戦いがあったはずだし、
首里城に実際に攻めに行ってますしね。
それにしても、これらの様々な論や説や批判もぜーんぶひっくるめて、
小説「百十踏揚」(与並岳生著)は本当に良くできた話だと思います。
やっぱり、この小説のような人物像を信じたい
(あながちありえないことじゃないもの)
和々なのでした。
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テンペスト(池上永一著)文庫も、
売り出し上々のようですね。
来週は文庫の2巻も発売ですね。(毎月25日)
個人的には2巻の部分が1番面白くなってくるところだと思います。
(同時に嫌なヤツも出てきますが)
文庫&舞台をきっかけに
新たな読者が増えるといいですね~
さて、いつかは記事にしようと思ってたのですが、
場合によってはヒクかもしれない、
ワタシのテンペストおたくっぷりを披露しましょう!(笑)
勝手に「テンペスト年表」です。
過去記事にも何度か書きましたが、
最初読んだとき、主人公がいつの間にか歳をとっていたことに驚いて、
2度目を読んだときに、史実とか歳月に関する記述をチェックしながら読んだんですね。
で、それをまとめたのが
約2年前に作った和々特製テンペスト年表です(笑) ATTENTION
ネタバレもあるので、
文庫で読み始めたばっかり!って人はご注意くださいネ。
もちろん、完全にあってるかどうかは不明です。
…が、だいたいこんな感じだと思います。
で、赤字の「ベッテルハイム在琉」のところ、
テンペストの記述と史実とにかなりズレがあります。
以前書いた「真玉橋改修」も年代があってないので
こういったずれ(フィクション)はあるかもしれません。
(もしくは史実のほうに、別の説があるのか)
…ま、エンターテーメント小説ですから。
そこのところをふまえていただいて
角川書店さんも、
文庫4ヶ月連続発売に、舞台化にと
大掛かりな広告をだしたり、売り出しに力を入れているようですしね。
本屋さんでも、琉装の仲間由紀恵のポスターが、
どーんっ!て貼ってるのよく見かけます。
…琉球史ブーム、
そのうちどんって来るかもしれませんよ~( ´艸`)ププッ
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リクエストにつき、
4コマキャラじゃないバージョンの阿麻和利。
小説「百十踏揚」(与並岳生著)より、
阿麻和利と百十踏揚初対面のシーンから☆(笑)
初対面のシーン、
百十踏揚が阿麻和利に嫁入りするために
勝連グスクに入ったところなんですが、
悪鬼とも噂される阿麻和利と全く違ったことに驚く百十踏揚と、
百十踏揚の美しさと婿としての立場に照れる阿麻和利。
「お待ち申しておった。……遠路、ご苦労でござった」
阿麻和利は、また同じことを言った。
なんだか、言葉に詰まったかのような、ちぐはぐな言い方だった。
踏揚は急に緊張の糸が切れ、
フッ……とおかしくさえあった。
「百十踏揚 225-」(与並岳生著/新星出版)
きゃっ阿麻和利純朴
なんか、
いいです(笑)
ところで、ここのところ続いている古琉球落書きですが、
こーゆー、いわゆるマンガ絵を続けて描くのって
…たぶん10年近くぶりかもしれません。
かーなーりー、描いてなかったので。
(マンガ絵じゃない絵はありましたけどね)
なので、自分でだいぶ懐かしい感じ(^ε^)
コドモタチにやられた(触発された)感じです(笑)
琉球史、コドモタチの間で大ブーム中。
尚家伝承の宝物写真集をきゃっきゃ言いながら
興味津々で見るコドモが、いったいどれだけいるのやら(笑)
琉球歴史・文化推進実行委員会、支部長としては
任務完了って所でしょうか(笑)
連休には台風くるなー!( `Д´)
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