前記事で、
尚宣威の即位を否定する託宣を下したのは
姪である月清なのか?
というのを紹介しましたが、
その設定で書かれている物語を今日は紹介します。
「斎場御嶽ものがたり」
劇作家である亀島靖さんの作で
ネットで公開されている連載物語です。
月清(物語では茂金)、兄である尚真、
そして母のオギヤカが主な登場人物。
でもこの物語で「いい!」ってワタシが思ったのは
月清じゃなくてオギヤカです。
これまでの「権力を牛耳った女帝」という人物像とは違う、
母としてのオギヤカを描いています!
そして、父である金丸(尚円)も。
オギヤカは、
なぜあれほど冷酷にならなければいけなかったのか。
「お前たちには、この母はさぞや血も涙もない女と映ったことであろう。
尚真は、年端もいかぬ十三才で国王に即位させ、
嫡子をもうけた最初の王妃も尚宣威の娘という理由で
首里城から、この私が離縁し追放した。
許してたもれ。
茂金、そなたには、琉球初の聞得大君という大役を与え、
子を生み、育てるという女の幸せさえ奪ってしまった。
この母をさぞ恨んでいよう…」
(斎場御嶽ものがたりその六より)
ヒーローでも悪役(悪人じゃなくて)でも
100%のヒーローや100%の悪役ってありえない。
それぞれに、それぞれの言い分、見方、考え方があって
それが他人にどう映るか、どう評価されるかが違うだけ。
悪な印象が強かったオギヤカの
違う面を考えさせられる興味深い物語です。
また、セリフが入ると歴史上の人物が
生き生きと生身の人間らしく捉えやすくなる
っていうのも「ものがたり」のメリットですよね!
ただしこの物語は現在進行で連載中(しかも不定期)らしく
完結はしてません。
続きが気になる所ですが、
それでもいいって言う人は是非読んでみてください。
まとめられているページがないので
こっちで勝手にまとめました。
「オリオンびあぶれいく/斎場御嶽ものがたり」
(作/亀島 靖)
…連載現在進行中。
そういえば亀島さん主催の「琉球歴女の会」、
サイトなくなってるけど、どうなったんだろう…。