(本日二投目)
先週、肝高の阿麻和利を観に行くついでに勝連グスクに寄りました。
そしたらコレまで藪で覆われていた所が伐採されてて
一の郭裏に続く通路が…!
もちろん躊躇なくGO!
一の郭にぐるりと周りこむように進みます。。。
藪の中から見上げると、わずかに見える断崖絶壁の一の郭の城壁。
思い出したのは小説「百十踏揚」の、あのシーンでした。
■勝連グスク~一の郭(外壁)~■
蓑笠に身を包んだ四つの黒い影が、一の郭への急な石段を
背をこごめて登って行った。
言うまでもなく、鬼大城に率いられた脱出者たちにほかならない。
上へ登って行くのは、要するに勝連城のてっぺん、
一の郭から脱出しようというわけだろう。
でも、目も眩む、削ぎ立てたような城壁から、どうやって……
と、踏揚と思戸が訝るまでもなかった。
*
「大丈夫です。目を瞑っていて下され」
鬼大城は安心させるように言って、
それから、踏揚がまた心変わりしないうちにと、
すかさず踏揚を包んだ畚を、城壁から外へ降ろしはじめる。
踏揚は観念して、目を瞑った。
畚は、揺れながら、降ろされていく。
雨と風が、ヒューヒューと煽りあげてくる。
ズルッ、ズルッ……
奈落の底へ、落ちて行く心地……。
(ああ、わたしは……)
今まさに、阿麻和利按司を振り捨てて、逃げていく……。
このような、畚なんかで……夜陰にまぎれて……。
浅ましさと、惨めさと、後ろめたさと、罪の深さ……。
だが、それを必死に振り払うように
(首里へ、行かねばならぬ。
行って、父上に、勝連討ちを止めさせるのだ。
按司様を、そして肝高のこの勝連を、救わねば……)
「百十踏揚 427-」(与並岳生著/新星出版)
勝連討伐直前に、百十踏揚が鬼大城賢雄と勝連城を脱出するシーン。
百十踏揚と賢雄は元々デキてたとか、
阿麻和利はまさに悪党だったとか、
そういうのはまさにこの百十踏揚と賢雄の脱出劇ゆえ
とも言えるのですが、
この小説は二人の脱出という事実はしっかり踏まえた上で
無理なく百十踏揚と阿麻和利をラブラブに描いているあたり
本当にステキ小説です。
※阿麻和利・百十踏揚ラブラブ&阿麻和利英雄説をとる時、
百十踏揚の勝連脱出と、阿麻和利(勝連)の首里城先制攻撃は
どうしても避けては通れない難所(笑)
「月下に語る」でも1番苦労したぁ~
そんなことに思いを馳せると
藪の中でも、ほら、楽しい(笑)
ちなみにワタシ個人的には、
二人が一の郭から脱出したのはココ(南風原御門側)じゃなくて
反対側(西原御門寄り)のイメージです☆
再掲載写真。記事はこちらから。
↑の模型写真で言えば左下ぐらい。
今回の写真は右下あたりからのアングルです。
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「百十踏揚」、最近また中城戦後~勝連戦の部分を読み返し
喜怒哀楽没頭してました。
阿麻和利はもちろん、みんなステキ過ぎ