がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、18【キラ男子】

2016年09月12日 | ・琉球史散策/グスク時代

琉球史マイナー人物を
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

…よく考えたら北山組、
本部以外に描いてない!

いや、しかし攀安知はメジャーだし、
古琉球で他に誰かいいキャラはいないか??

丘春

名護按司

 

いや、

あの人がいた!

 

喜屋武久子!
(きゃんくしー

 

イメージ台詞
「・・・・・・。」

 

って無口かっ!

 

と言うのも、
彼は攀安知の子(4男)で
北山落城の際、
捕虜となって尚巴志に
連れていかれた人物。

後に釈放され、
津波古(南城市佐敷)に居を構え、
村の始祖となります。

 その史跡が「喜屋武久殿」。

敷地には北山城への遥拝所もあり、
北山とのつながりがうかがい知れます。

 

捕虜となって囚われの身となった
攀安知の子供たち…。

しかし、
もしあの戦火のさなかに、
尚巴志と攀安知の間に
なんらかの約束が交わされていたのだったら…

 

 

…萌。

 

 

キャラ的には攀安知に似せようと意識したら
かなりそっくりになりすぎてしまい(笑)
ゲジ眉と三白眼具合をだいぶマイルドにしました。

 

でもやっぱりなんだかキラキラしてない…

 

父ちゃんの攀安知。三白眼なのだ。

 

 

喜屋武久子、初めて描くので
ビジュアルイメージを探りながら
実はもう1枚描いてました。

 

「殺すなら殺せ!俺は北山王の子だ!」

 

うーん、
やっぱりキラキラ男子とは違うかなー

ってゆーか弥彦だよね…(BYるろうに剣心)

 

捕虜になった時は10歳前後、
釈放されたときは中学生くらいかなー
というワタシのイメージ。

 

 

尚巴志に抵抗しまくった彼ですが、
気にも留めない尚巴志。

むしろ

「存分に私を恨むがいい」

と北山討伐の弁明すらしなかった。

 

時が流れ、釈放された時、
彼はあの戦で自分を手放した
父・攀安知の想いと
尚巴志との間に交わされた約束を知る―――

 

 

みたいなね!

(妄想)

 

その妄想の上に設定された
イメージ台詞「・・・」でした(笑)

 

 

コメント (2)
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入門書に最適☆『マンガ 沖縄・琉球の歴史』

2016年09月11日 | ・和心な本、琉球な本

「沖縄の歴史を勉強してみたいけど
どの本を読めばいいのか分かんない」


「今度沖縄に行くけど
少しは歴史を知っておきたい」

 

という人におすすめの本をご紹介!

 


↑クリックでAmazonにジャンプ

 

先月末に発売された
『マンガ 琉球・沖縄の歴史』
(上里隆史著/河出書房新社)

です!

 

そうです、

マンガ

です。

 

上里さんがブログ時代からアップしていた
マンガが1冊の本にまとまりました!

 

『目からウロコの琉球・沖縄史』
で紹介していた
オモシロ話のマンガ版をはじめ、
貝塚時代から本土復帰までの
琉球・沖縄の通史が
ざっくりとマンガで読めちゃいます。

 

琉球の偉人や首里城に焦点を当てた
マンガはあったけど
ここまで広く歴史の流れを網羅した
マンガはなかったのでは?

 

 

個人的におすすめはやっぱり通史。

ワタシ自身知識がだいぶ偏ってるので(汗)
特に近代沖縄の部分は
煩雑になってた知識の断片を
ちゃんと整理することができました。

また、
ある程度知識のある古琉球部分でも
人間模様や出来事だけでなく

「中世日本の世界観」
「琉球王国の版図拡大」
「琉球をめぐる海域状況」

など
一歩踏み込んだ内容を
図(絵)ですぐに見れるのは
とても分かりやすくてありがたいです。


このあたり、
専門家さんならではの視点って感じです。

 


 

また、

この本は沖縄の歴史の入門書として、
学校の授業や調べ学習などはもちろんですが、

就職試験
(の郷土問題)
沖縄歴史検定対策
にもオススメなんです!


以前も書いたことがありますが、
歴史を勉強をしようって時には
まずはおおまかな内容をざっくりと
頭に入れることが大事だと思ってます。

最初から細かい情報を入れようとすると
ハードルが高いし、
とても時間がかかってしまいます。

まずはおおまかに、
ざっくりと。

ざっくりと把握できたら
その次のレベルとして
ちょっと詳しく書かれた本を読む…
これが歴史の勉強の1番の近道だと思います。

だから大人だからって
大人用の本を買わないといけない
ってことは全くない。

小中学生用で構わない。


そして何より
マンガが一番手っ取り早い。

 

文字だけじゃなく
絵やセリフがあるとイメージしやすいから
記憶にも残りやすいしね。

フルカラーで見やすいのも嬉しい。

 

 

 全国出版なので
あなたの街の本屋さんにもあるかも!

見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

 


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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、17【キラ男子】奄美より!

2016年09月10日 | ・琉球史散策/第二尚氏

琉球史マイナー人物を
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

 お気づきの方もいるかもしれませんが、
現在、古琉球の人物に絞ってお送りしてます。

 

古琉球!

ということで今回は初チャレンジ!

古琉球では琉球の一部だった
奄美大島のキャラを描いてみました!

 

 


糠中城
(ぬかなかぐすく)

です。

 

イメージ台詞
「人は見捨てても 天が見捨てるはずはあるまい」

 

 

もし現代版組踊で奄美チームができたら
絶対主人公はこの人(と与湾大親)だろう、
と思う人物。

 

 

時は16世紀。

与湾大親(よわんうふや)は
人格に優れ、善政を敷き、
とても人望があった。

その息子が糠中城。

彼は力持ちで弓の使い手。
その腕前は100発100中であった。

この親子の人気を嫉んだ
我利爺(がりじい・がりや)は
二人を陥れようと
首里王府に讒言する。

「与湾が謀反を企てていますよ」

と。

その訴えを聞いた尚清王は
奄美に軍勢を派遣。

与湾大親は王軍を見て
「私は罪もなく今死なんとしている。
真実は天のみぞ知る」

と自害。

息子である糠中城は捕らえられ、
首里に連れていかれる。

しかし後に
我利爺の讒言だったことが明らかとなり
糠中城は首里で重職に就く。

近世の四大氏「馬氏※」がその子孫である。

 

 


「琉球王国秘話」(長田昌明著)
「琉球王統史6」(与並岳生著)

※沖縄大百科事典によると
尚真時代にすでに馬氏から三司官が出ていることから
馬氏が糠中城の子孫であることには疑問
とあります。

 

 

奄美版・護佐丸阿麻和利の乱のような出来事です。

 

奄美と琉球の関係や
糠中城の別エピソード(民話?)は
長くなるので
また別でご紹介できたらと思います。

むしろ我利爺もおいしいキャラなんだよね…。

 

キャラとしてはちょいワイルドに、
サイド刈り上げのポニテです。

身長も高いイメージ。

髪は金髪。
刈り上げ部分は茶色かな。

数年前の録画みてたら
的場浩司さんがこんな髪型してて
そのまま取り入れてみました。

 

 



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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、16【キラ男子】

2016年09月09日 | ・琉球史散策/第二尚氏

 イメージ台詞
「南山復古とか、もう時代遅れじゃね?
むしろ中山の中枢に入り込むほうが早いっしょ」

 

 

はい、

ちょっとやさぐれた感じのお兄さんが
今日のキラキラ男子

 

こんな感じだけどワタシ的には
超頭が良くて、一見クールだけど
物事や人の心のツボを押さえるのが上手な
頼りになる兄ちゃんっていうイメージ。
(理由は後述)

 

このキャラはちゃんと描くのは初めてですね。

 

南山王の血を引く男、

守知
(しゅち)

にしてみました。

 

 

彼の叔父は
尚巴志に滅ぼされた南山王・他魯毎

爺ちゃんは
その前の南山王・王応祖です。

 

きっと南山滅亡の話とか
尚巴志(第一尚氏)への恨みとか
いつか南山のために…とか
実際に南山戦から逃れてきた父・守忠から
色々聞かされて育ったんじゃないかなぁ。

 

ちなみに絵的には
南山キャラ特有の天パやくせっ毛も
だいぶ薄まっているという感じ。

でも父ちゃんの守忠は直毛系だから
隔世遺伝子か?(笑)

※ワタシのキャラ上の設定です

 

 

さて、守知は後々、
尚真王の養父に抜擢されます。


更に、孫娘(華后)は尚真の側室に。
(ちなみに尚真の正妃は尚宣威の娘)

尚真と華后の間に生まれた子供(尚清)が
尚真の跡を継いで王となります。

 

これまでの説明の
 イラスト相関図はこちら↓
(クリックで拡大)

 

守知関連過去記事はこちらも
  

 

というわけで、
尚清以降の第二尚氏の王たちには
尚巴志(第一尚氏)が滅ぼした南山王家の血が
入っているということになります。
(例外の王様もいます)

 

 


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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、15【キラ男子】

2016年09月08日 | ・琉球史散策/グスク時代

琉球史マイナー人物を
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

 

描いた順番がちょっと前後するんですが
今日はこの人!

南山から二人目!

 

 

汪応祖
(おうおうそ)

 

 

最初の頃描いた他魯毎のお父ちゃんです。

積極的に南山を栄えさせた王様で
ハーリー(爬竜船競漕)を琉球にもたらした
と言われている人物。

しかしその人気と実績を嫉んだ
実の兄に殺されてしまうのですね…。

 

 南山組はちょっとキャラの書き分け上
カッコワルイ系で描いてしまったので…
過去にも描き替えをしてるのですが…
キラキライケメンとまではいってないので
再度挑戦!

 

明の国子監にも留学してた
エリート文化人、

というわけで思い切って!

 

 

 

 

イメージ台詞
「私は王と言うより、南山按司たちの代表にすぎません」

 (謙虚(゚∀゚)!)

 

天パと濃い目の顔の設定はそのままに(笑)

下向きの鼻と
目と眉の間を詰めて
オリエンタルな感じにしてみた。

シャム猫を膝に乗せて
クラシックを聴きながら
ポエムを創作してそうな、
そんな感じになりました(笑)

髪色は紺色。

 

 

ところで
今回は特別にちょび顎髭を採用。

基本的に乙ゲー的には髭はNGなのですが
これくらいなら許容範囲?ということで。

髭好き女子もいることでしょうしね。

 

 


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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、14【キラ男子】

2016年09月07日 | ・琉球史散策/第二尚氏

琉球史マイナー人物を
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

 

14人目は宮古島のヒーロー

この方!

 

仲宗根豊見親
(なかそねとぅゆみや)

 

琉球戦国列伝では
晩年をイメージして
こんなおじいに描いてしまったので…

 

 

りゅうPON「人ものがたり」で描いた
最盛期のイラストも。

チビキャラですけど。

 

まぁ…どちらにせよ
特にイケメンをイメージして
描いているわけではありません(^^;)

 

 

というわけで、

 

南の太陽を浴び、
優しい島風に吹かれる
さわやかニーセー(青年)に

キラキラアーーップ!

 

 

 

 

 

イメージ台詞
「私はこの美しい宮古島を守りたいだけだ」

 

まぁ、武将らしくはなくなりましたわな。

結構いいトコ生まれみたいなので
島のワイルド男と言うよりは
ちょっと上品っぽく。

 

髪はオレンジっぽい茶色!

 

 

 

*仲宗根豊見親*

 

1500年、
当時対立していた
石垣島のオヤケアカハチを
首里王府に援軍を要請して討伐。

与那国も一度失敗するものの
再び攻め落とし、
先島の天下を捕った人物。

 


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舜天が過ごしたガマ

2016年09月06日 | ・琉球史散策/グスク時代

 

キラキラシリーズはまだまだ続きますが、
今回は久々に史跡巡り記事。

キラキラ舜天を書いたときに
ちょこっと触れていた
牧港テラブのガマです。

 

国道58号線、
牧港の宮脇書店とかパチンコとかがある
あの場所にあります。 

 

 

ここは
舜天と母親が、
ヤマトに帰ってしまった父・源為朝を
待っていたという場所。

故にこの場所が
「待つ」「港」
転じて「牧港」となった
というのは有名な説。

(※諸説あります)

 

 

ガマの中にも入れます。

鍾乳洞と言う感じではなく、
天井も低くそんなに広くはないです。

始めて行ったときは
拝みをしている人たちがいました。

 

 

案内板。

 

為朝や舜天に興味が出た人は
江戸時代のベストセラーファンタジー小説
「椿説弓張月(BY滝沢馬琴)」もおすすめですよ☆
関連過去記事→  

(現代の児童書用にしたのはこちら

 

 


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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、13【キラ男子】

2016年09月05日 | ・琉球史散策/第二尚氏

イメージ台詞
「兄上は私にとっては父も同然。
兄上をお支えすることが、私の使命なのです」

 

 

琉球史マイナー人物を
(またはかっこ悪い印象のあるキャラを)
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

 

さて、今回はこんな人。

 

 琉球戦国列伝ではなぜか描いてなかったので、
更にさかのぼって
NHKテンペスト特番用に描いた彼がこちら。

 

 

(うひー懐かし~(^^;))

 

 

分かった人いるかなー。

 

はい。

 

答えは

尚宣威
(しょうせんい)

でした。

 

 

 5歳で両親と死別。
9歳で兄・金丸と共に伊是名島を脱出。

時はたち、
尚円として王となった兄の死後、
まだ少年だった王子(尚真)の代わりに
王位を継ぎます。

…が、
即位の儀式で神に否定され
わずか半年で自ら王位を退きます。

※息子を即位させたかったオギヤカによる陰謀との説が有力

失意の中、
隠居先の越来グスクで亡くなる

 

…という、なんだかかわいそうな人。

 

詳しくはこちらをどうぞ。

 

 

きっと感受性が豊かな文化人
だったのだろうとイメージして
政治や争い事とかよりも
書とかお茶とか読書とかの方が好きな
そんな感じにしてみました。

文化人だからやっぱ髪はまじめに黒かな。

 

ちなみに、彼の即位は48歳の時なんですが、
もちろんここはキラキラ超法規的措置です。

安里大親なんかおそらくあのセリフの時80近いからね(笑))

 

 


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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、12【キラ男子】

2016年09月04日 | ・琉球史散策/第一尚氏

 どもども。

琉球史マイナー人物を
(またはかっこ悪い印象のあるキャラを)
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

 

12人目です。

 

 

今回のターゲットはこの人。

 

 

 

志魯
(しろ)

 

 第一尚氏5代国王 尚金福の息子。

金福亡き後、

叔父である(金福の弟)布里(ふり)と
次の王座をかけて争いをした人物。
(「志魯・布里の乱」
どっちが先に仕掛けたのかは分かりません)

 

結果、

首里城炎上

両方とも戦死
してしまいます。

※布里は生き残ったが身分はく奪&玉城に隠居とも
詳しくは過去記事→  

 

 

そんな、血気盛んでプライド高そうで
おぼっちゃんな彼をキラキラにしてみた。

 

 

 

 

 

 

イメージ台詞
「王子は俺だ!叔父貴なんぞ出る幕はないわ!」

 

髪の毛はやっぱりここは金髪。

だけど眉毛は違う色、みたいなタイプ(笑)

親の七光りを憚らない俺様系かな。

でもきっとこういう人ほど
ホントは甘えん坊なんだよね。

 

 

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【描いてみた】琉球史マイナー人物、を、11【キラ男子】

2016年09月02日 | ・琉球史散策/第二尚氏

琉球史マイナー人物を
(またはかっこ悪い印象のあるキャラを)
乙女ゲーム風キラキラ男子で描いて
遊んでみようシリーズ。

今回から11人目、ということで
第2弾に突入です。

第2弾ではマイナーキャラの程度を少し上げて
ややメジャーどころも入ってきたりもします。

相変わらずマイナーキャラもいるかもしれませんが。

もしよければ
第2弾もおつきあいください

 

 


では、11人目はこの人!

 

 

 

 

 

 

盛親。
(もりちか、せいしん)

 

イメージ台詞
「父上のことは知らない。
誰も何も教えてくれないんだ」

 

 

護佐丸の遺児で有名な、
あの盛親です。

乳母に連れられ、
逃れた幼き盛親は
追手の目をごまかすために
女児の衣装を着せられていたようです。

 

異本毛氏由来記では

"髪を角立て…"

とあったので

角髪(みずら・つのがみ)のこと?

ということでこんな髪型で
中性的でかわいい系にしてみました。

色は普通にこげ茶かな。

 

8歳9歳くらいの設定。

(ちなみに12歳の時に
尚円によって無罪放免となります)


乙女ゲームに子供キャラはいるのかわからないけど…

少年愛好家(ショタ)な人向けに
一人くらいいてもいいかな…みたいな…(笑)

 

 


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舞台「鬼鷲」にとって、尚巴志とは?

2016年09月01日 | ・現代版組踊レポ

 

 

鬼鷲ー琉球王尚巴志伝ー

2016年8月28日(日)

国立劇場おきなわ(大劇場)


 

今年度初の現代版組踊観劇、
夜の部に行ってきました!

世界無形遺産「組踊」の専用舞台
「国立劇場おきなわ」で
現代版組踊が演じられるのは2005年以来のこと。
(まだワタシが現代版組踊とも琉球史とも出会う前…)

平田さんもスタッフさんも子供たちも
感激ひとしおであったことでしょう。

さすがの舞台設備(迫や花道も!)、
舞台音響でした。

スクリーンを使ったオープニング、
タイトルバックには
「かっこいい!映画みたい!
ってなりましたね。

花道はワタシの座席からは
効果的に見れなかったのが残念でしたけど

 

メンバーには交流で会津メンバーも5名参加していて
一緒に舞台に立っていたのも印象的でした。
客席にいた大阪メンバーもダイナミック琉球で演舞合流☆

現代版組踊の横のつながりが広がっているのは
ファンとしてはとっても嬉しいデス

 

メンバーさん、保護者のみなさん、スタッフさん
お疲れ様でした!

今回も素敵な舞台をありがとうございました。

 

 

 

 

前回同様、澪之助がすでに素敵な
イラストレビューをツイッターにアップしてるので
是非そっちも見てくださいね。

 

さて、ワタシのレビューはというと、
ちょっとこれまでと調子が違うかも。

演出やシーンの一つ一つや
役者一人一人については
基本書かず、舞台全体の印象を書きます。

妙に小難しくとらえてしまっているのかもしれないけど
初演からずっと見続けてきた者としての
正直な印象、
そして今、思うことを
ワタシなりにまとめてみました。

 

 

 

今回の舞台、 

全体的な印象は、
正直に言うと

 

 

 

 

こーんな感じでした

あちゃー…みたいな。

 

いや、もちろん舞台全体のレベルは高いし
皆キラキラ輝いていましたよ。

 

 でも、

…尚巴志以外のキャラ、
濃すぎでショ…。


おねぇキャラなアカインコも
"巨体"のオモロも、
キャラとしては面白いし
演者さんの役変化もすごいと思ったけど、

おいおいおいおい、大丈夫か…???

ってなりました。

 

異色キャラの二人だけでなく、
「迫」の舞台装置を唯一使った鮫頭も、
大変革・本部平原&攀安知(+乙樽)もそう。

今回は北山戦が大変革すぎて
前回とは違って、残念ながら
尚巴志に意識を戻すことはできませんでした…。

 

一人一人が芸達者だっただけに
場面場面はもちろん楽しかったし
見ごたえもあったのですが、
尚巴志が主役の舞台全体のバランスとして
これでいいのかな…?と
少し疑問に持ったのも事実。

 

それに
音楽(芸能)で国を一つに、
という物語の柱も
個人的にはとても好きなのですが
よく考えたらそれってあまり尚巴志関係ないような…?

よって最後は完全にアカインコと尚真が持って行っちゃう。
(それともそれが狙いなのか…?)

 

統一の過程の中で戦が避けられなかった
尚巴志の苦悩とか葛藤とか
だからこそ統一の暁にはどんな国を目指すのかとか
伴侶・神女としてのきよらの役割とか
そういう部分がもっともっとクローズアップされても
いいような気がしました。
(全然ないわけじゃないけど…
さらっと流れてたり以前はあったけど消えてたり…)

 

そうすれば、その数多の屍の上に築いた琉球王国と
その先に尚巴志が目指したビジョンを
尚真が引き継ぐというか、改めて立て直すというか

(尚巴志死後もずーっとごたごたが続いてましたからね。
志魯布里の乱、護佐丸・阿麻和利の乱、喜界島討伐にクーデター、
尚真代になってからも八重山討伐に久米島討伐、奄美遠征っと……)


そのようなリンクが
もっと明確にもっと深くできるんじゃないかな?

 

昔は「天の時、地の利、人の和」という
尚巴志の生き方に対するキーワードがあったし、
万国津梁の鐘を利用して
立国のスピリットが語られていた時期もあったのですが…

ふりかえって改めて考えてみると
尚巴志の舞台はなかなか物語の核が定まらないデスね…。

 


うーん。

 

なんでこんなこと考えたかと言うと、

ワタシは初めて「肝高の阿麻和利」を見た時
まず主役である阿麻和利にすごく惹かれて
興味が出たんです。

その人そのものが知りたくなった。

そこから入って芋づる式に時代背景とか
周辺情報とか色々学んでいったんだけど。

さて、
今回の舞台を初めて見た人に
印象に残ったシーンを聞いたら
どれだけ尚巴志のシーンをあげるかな、と。
(鮫退治もインパクトは尚巴志<鮫なんだよなぁ…)

どれだけ尚巴志という人物に
重みや深さのある演出があったかな、と。

ちょっと考えちゃったんですね。

アカインコがウケたとか
シンさんがかわいかったとか
本部と攀安知がかっこよかったとか
鮫がすごかったとか

そっちをあげる人の方が多いんじゃないかな?

 

なんか難癖付けてるみたいでごめんなさい

ドラマチックに死ぬシーンのある
阿麻和利やアカハチの物語とは種類が違う
というのは分かってますが、

もっと尚巴志自身の人間性を掘り下げた
尚巴志という人間そのものに興味が出るような
そんな見せ方が出てきたらいいな、
そんな尚巴志の舞台も見てみたいな、
と思いました。

 

 

 

 

はい。

小難しいぼやきはこれくらいにして、

今回の舞台での1番のハイライト、
北山戦についてだけは特筆しておきます。

 

北山戦の見どころは
本部の裏切りと攀安知との対決
そして死。

 

これまで本部平原は
多少温度差はあるものの
密かに王位簒奪を狙う
正真正銘の「裏切者」でした。

しかし今回は


本部平原、
ヒーロー枠に完全昇格。

 

攀安知は裏切れない、
(不満を言う与那覇を諭すほど)
でもこのままではダメなのは分かる
でもどうすればいいのかわからない
葛藤の末、
北山の民のため、
裏切らざるを得ないのか、
という結論に至る。

 

そして、
裏切りを明かした本部が
攀安知に発した言葉。

 

「あなたは変わってしまわれた…!」

 

本部の怒りと悲しみ。

攀安知も裏切られた怒りの前に
まさかという大きな動揺。

対決する二人だが、
最終的には攀安知は自ら刀を投げ捨て
本部の刃に倒れる。

思わず本部は攀安知に駆け寄り、
この戦場から共に逃れようとするが
攀安知は
「お前だけでも行け-!!」と
本部を突き放す。

そして倒れる攀安知。

ゆったりとしたサンシンの調べに
舞台両端で舞う乙樽ときよら。

静かに死にゆく攀安知。

(個人的には阿麻和利オマージュな
攀安知の霊と乙樽のやり取りは
なくても良かったかな。
乙樽は淡々としてたほうが
よりクールでミステリアスだったかも)

 

本部は瀕死の状態で
戦場から去ってゆく…。

 

to be continued

 

みたいな!?

「北山の風」のヒーロー本部との誤差は
この舞台をもってなくなりました。

真逆の人物像ってのも
面白かったんだけどね…。

この本部像が今後もこのままなのか
それとも今回の演者さん特有のものだったのか
今後も北山戦に注目☆ですね。

ってか、「北山攻防譚( )」また見たいな…。

 

(そして護佐丸は雑魚扱いだった…(笑))

 

 

 

 

前回、前々回と砂を吐いていた
尚巴志のプロポーズのシーンは
ちょっと尺が伸びてキザさはだいぶ薄まってました(笑)

二人が結ばれるのも天命、みたいな。

前回までは

こんな回りくどく言わんで
スパッと嫁に来いって言わんか!

って思ってたんで(笑)

 

 

 

 

今回のスペシャルゲスト、
大城クラウディアさん。

クラウディアさんと言えば
前回の世界のウチナーンチュ大会の時の
「シンカヌチャー島の祭」でのコラボ。

舞台のシーンと歌声が相まって
すごく印象的だったのを思い出します。

今回も透き通った伸びやかな声で
魅了してくれました。

 

そういえば現代版組踊の歌姫と言えば
カナサ(愛)は元気?
(ってゆーか、タオのスタッフ、皆元気ですか!?)

と思ってたら、

あら!活動休止で明日ラストライブですか!

ってか、結婚もされていたとわわわわゎゎ…(゚0゚;)

それは知らなんだ…。

いずれまた沖縄に戻ってくるようですが
新天地アメリカでパワーアップして
また素敵な歌声を聞かせてほしいですね。

 

おっと、鬼鷲から遠ざかってしまったので
では今回はこの辺で。。。

 

 


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